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新型eKスペースは「ダイナミックシールド」フェイスモデルも登場!

2020年春発売の新型「eKクロススペース」弱点をすべて払しょくしてクラストップを目指す

2020年春に発売が開始される予定の軽スーパーハイトワゴン、三菱 新型「eKスペース」「eKクロススペース」が「東京オートサロン2020」に登場した。

東京オートサロン2020で市販モデルが公開された、三菱 新型「eKクロススペース」

東京オートサロン2020で市販モデルが公開された、三菱 新型「eKクロススペース」

東京オートサロン2020で初公開となった、三菱 新型「eKスペース」

東京オートサロン2020で初公開となった、三菱 新型「eKスペース」

「東京モーターショー2019」では、「スーパーハイト軽ワゴンコンセプト」と呼ばれるeKクロススペースのコンセプトモデルが出展されていたが、東京オートサロン2020に出展されたeKクロススペースは、“ほぼ”市販車同様と見てよさそうだ。また、eKスペースについては今回が初公開となることも見逃せない。

今回、三菱デザイン本部 プロダクトデザイン部 デザイン・プログラム・マネージャーの大石聖二さんにインタビューして、新型eKスペースの話をいろいろと聞くことができたので、当記事でお伝えしたい。

先代の弱点をすべて払しょく

三菱デザイン本部 プロダクトデザイン部 デザイン・プログラム・マネージャーの大石聖二さん

三菱デザイン本部 プロダクトデザイン部 デザイン・プログラム・マネージャーの大石聖二さん

まず、このクルマのデザインコンセプトは「“SMILES & FREESTYLE”。自由な発想で、ユーザーが『こう使いたい』というときに、それに対応できるようにデザインしました。現行のeKスペースで弱かった点を、全部払しょくするという想いが込められています」と大石さん。

とくに、「室内スペースで弱かったところを全部払しょくしようと、室内幅や後席の広さ、積載量などはすべてクラストップを目指しています」と話す。

三菱 新型「eKクロススペース」のサイドイメージ

三菱 新型「eKクロススペース」のサイドイメージ

また、デザインにおいても見せ方にさまざまな工夫が施されている。エクステリアは、「ボクシー(箱型)に見えないよう、かぎられたスペースの中で抑揚や立体感のあるサイド断面の見せ方(サイドパネルの抑揚)をしています。ともすると、バンのように平面になりがちですが、そうならないようにフロントフェンダーの下回りなども含めて、気を使ってデザインしています」と言う。

昨年、2019年に発売された三菱「eKクロス」の外観イメージ

昨年、2019年に発売された三菱「eKクロス」の外観イメージ

しかし、三菱の軽SUV「eKクロス」と「eKクロススペース」のサイドパネルを比較すると、eKクロスのほうが抑揚があるようにも見える。大石さんは、「それは、クルマの性格です。eKクロスよりも背が高いので、ワゴン的、ボクシー的にはなるでしょう。また、ベルトラインはeKクロスよりも水平基調にし、基本的にすべて長手方向(長方形の長い方向)に伸ばすことで、クルマが短く、小さく見えないように工夫しています。そのうえで、フロント周りはとても立体感のある造形となっています」と説明する。

eKカスタムとeKスペースターボの関係性

三菱 新型「eKクロススペース」のフロントフェイス

三菱 新型「eKクロススペース」のフロントフェイス

eKクロススペースのデザインの特徴は、「フロントの『ダイナミックシールドフェイス』です。eKクロスと比べると背が高くなりますので、グリルも縦横比が違ってきます。そのためにバランスをすべて取り直して、スーパーハイトワゴンの顔としておかしくないよう、緻密にデザインしています」と大石さん。eKクロスとの比較では、「それほど強面ではない雰囲気を出しています。それはターゲットの違いもあり、eKクロススペースのほうがより女性ユーザーを意識してデザインしました」と言う。

三菱 新型「eKスペース」(ターボモデル)のフロントフェイス

三菱 新型「eKスペース」(ターボモデル)のフロントフェイス

では、eKスペースについてはどうか。展示車両はターボなので、「顔を精悍に見せようと、グリルを黒にしました。ノンターボは、ボディカラーと同色です」と大石さん。実は、ここにはもうひとつ理由があった。「eKスペースカスタムが廃止になり、SUVテイストを持つeKクロススペースとなりました。しかし、eKスペースカスタムに乗りたいという方は、必ずいらっしゃいます。その方々へ、eKスペースターボの外観をおすすめしたい。それを意識して、デザインしているのです」とのことだった。

こだわりのインテリア

そして、デザイン面でもっともこだわったのがインテリアだという。大石さんいわく、「カラーリングやステッチ、素材などにかなりこだわりました」。たとえば、荷室部分には撥水素材を使い、リアシートを畳んでフラットにすることで自転車を載せたり、アウトドアで子供たちと遊んだ後の汚れ物をそのまま載せたりすることもできます」。

三菱 新型「eKクロススペース」のインパネとフロントシート

三菱 新型「eKクロススペース」のインパネとフロントシート

三菱 新型「eKスペース」の室内の天井に備えられている「サーキュレーター」

三菱 新型「eKスペース」の室内の天井に備えられている「サーキュレーター」

天井のサーキュレーターは、「現行のeKスペースは、樹脂製で後付感があるものでしたが、今回はきちんとインテグレート(一体化)させました。いっぽう、eKクロスと同様に収納スペースの多さはクラストップを狙っています。このように、他車に劣っているところはすべて改善し、評価されたところはそのまま踏襲しています」と話す。

三菱 新型「eKスペース」のインパネ。助手席側インパネに備えられているティッシュボックスケースや、センタークラスター下部のダストボックスなど“隠す収納”が随所に施されている

収納に関してだが、使い勝手のよさが伴わなければ、数が多くても意味がない。その点について、大石さんは「隠す収納と、見せる収納があると思っています。たとえば、ティッシュボックスなどは普段見せたくないですよね。でも、いざというときには使いやすいところに置きたい。そこで、助手席前の引き出しを開けたら、すぐに使えるようにしました。また、センタークラスター下部にボックスを作り、空き缶や汚れたゴミなど見せたくないものは、そこにしまっておけば普段は見えないようになります」とのこと。

いっぽう、「スマホなどの充電ができるように、カップホルダーの下に引き出しを設けてそこへ置けるようにしました。USBポートとの位置関係も、考えています。あるいは、その上の棚でも可能にして、そこには滑り止めも装備しました」と、収納についてかなり気を使って仕上げられていることが窺えた。

eKクロススペースとeKスペースは、基本レイアウトは共通ながら内装の基調色が異なっている。eKスペースはグレージュ主体の色使いとし、やさしく見えるようにしている。大石さんは、「汚れが気になるので黒いほうがいいという話もありますが、我々は逆だと考えています。泥汚れや靴についた汚れは白いので、グレージュのほうが目立たないのです。足元あたりが黒い内装トリムですと、白い汚れが気になります。そこで、母親目線では内装基調色はグレージュのほうがいいはずと判断しました」と話す。

三菱 新型「eKスペース」「eKクロススペース」の開口部は、これまでよりも95mm広がり、さらに使いやすくなったと言う

そのほか、使い勝手の面でスライドドアの開口部が現行車からプラス95mm広くなり、乗降性をさらに向上させたことも大きな特徴のひとつだろう。

eKクロスの世界観を「スペース」でも

最後に、ネーミングについてたずねてみた。前述の通り、これまでのeKスペースカスタムが消えてeKクロススペースとなった。そこへ込められた意味は、「eKクロスで実現したことは、このeKクロススペースでも実現しようと、SUVテイストのスーパーハイトワゴンを作りました。顔もしかり、そのほかのパーツや外観から醸し出す雰囲気などすべてeKクロスの世界観を“スペースバージョン”として表現しています。そこで、クロス(という名称)をスペースの前に置いたのです」と説明した。

まもなく発売される、eKスペースとeKクロススペース。特にeKクロススペースは、スズキ「スペーシアギア」のようなSUVテイストを盛り込んだ軽スーパーハイトワゴンとして、人気モデルとなりそうだ。まもなくとなる正式デビューを、期待して待ちたい。

(撮影:内田千鶴子/価格.comマガジン編集部/三菱自動車)

内田俊一

内田俊一

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かし試乗記のほか、デザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。

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