レビュー
コンパクトな車体にフラットな就寝スペースが作れてバツグンに寝やすい!

【準備編】ドラマ「絶メシロード」と同じようにホンダ「フリード+」で車中泊する旅に挑戦!


車中泊をテーマとしたドラマ「絶メシロード」が、2020年1月24日(金)深夜0時52分からテレビ東京、テレビ大阪ほかで放送される。週末、妻と娘が出かけている1泊2日のタイミングに、夫であるサラリーマンがひとり車中泊しながら、絶滅しそうな絶品メシ“絶メシ”を求めて旅に出るという内容なのだが、このドラマを観たら車中泊に興味を持つ人も多いのではないだろうか。そこで、「絶メシロード」で使われている自動車「フリード+」がいかに車中泊に適しているかを解説するとともに、実際に、ドラマ第1話で出てくる絶メシをめぐる車中泊旅に出かけてみた。暖かく過ごすためのアイテムも紹介しているので、冬場の車中泊を検討している人にも役立つはずだ!

ドラマに出てくる「フリード+」って、どんな自動車?

「絶メシロード」のドラマ内にて、主人公が車中泊する自動車として使われるホンダ「フリード+」。5ナンバーサイズに収まるミニバンとして人気の「フリード」をベースに、2列シートで荷室を拡大したバリエーションモデルだ。家族構成が主人公、妻、娘の3人なので、3列シート7人乗りの「フリード」ではなく、2列シート5人乗り「フリード+」が選ばれたようなのだが、選択肢としては申し分ない。フリード+は車体サイズが小さめなわりに、車内スペースが広く、人も荷物もたっぷり載せられる。扱いやすさと快適性のバランスが実にいい車種なので、家族で使うにはうってつけだ。

作中で登場する「フリード+」。パワーユニットは1,500ccのガソリンエンジン車とハイブリッド車が用意されている

なお、フリードは2019年10月のマイナーチェンジでフロントフェイスが変更されたほか、SUVイメージのクロスオーバーグレード「クロスター」が追加された。ドラマではマイナーチェンジ前のモデルが登場するが、今回、借りることができた広報車はクロスターとなる。デザインが若干異なるものの構造は変わらないので、車中泊をするためにシートを倒す際の仕組みなどは作中のフリード+と同じだ。

今回試乗するのは、フリード+のクロスターのハイブリッド車「フリード+ HYBRID CROSSTER」(4WD)。サイズは4,265(全長)×1,695(全幅)×1,735(全高)mmとなる。ノーマルのフリード+とはデザインは異なるが、車体サイズや基本構造は同じ。マイナーチェンジ前のフリード+とも、基本スペックは変わらない

2列シートとすることで、荷室を広く確保。開口部は1,080(最大幅)×1,110(高さ)mmもあるので、大きめの荷物も入れやすい(2列FF車のみ開口部の高さは1,250mmとなる)。また、開口部の地上高は505mm(FF車は335mm)と低いので、荷物の積み下ろしのしやすさもバツグン!

標準装備の荷室用ユーティリティーボードを装着すれば、荷室を上下に分割可能。ユーティリティーボードを反転させると、撥水加工が施されたワイパブル仕様となるため、濡れたものを載せることもできる

「フリード+」が車中泊に向いている理由とは?

フリード+に乗っている主人公だが、車中泊をするために購入したたわけではない。たまたま週末にひとりで出かけられる時間ができた際に、思い立った時に出発でき、かつ、“お小遣いの範囲内”で旅できる手段として車中泊が選ばれただけのこと。普段乗っていた自動車で車中泊してみたら非常に適していたというのがドラマの設定だが、実にいいチョイスである。フリード+もカテゴライズされるミニバンの多くは、2列目シートを後方に倒し、3列目シートとつなげてフラットにする機構となっており、座面に寝転ぶこととなるのだが、クッション性は高いものの、結構凹凸ができてしまう。また、2列目のシートが左右で独立したキャプテンシートの場合、フルフラットにした際、シートの間に隙間ができる。

日産「セレナ」のハイブリッド車は2列目が2人乗りなので、シートを倒すと中央に隙間ができてしまう。フラットにした座面に段差はできるが、これでも車中泊向きの自動車に該当する

いっぽう、フリード+はリアシートを前側に倒し、リアシートと荷室の間にできる隙間にラゲッジボードをかぶせて寝床を作る構造となっている。ラゲッジボードの厚み分は段差となるが、多くのミニバンが採用する機構よりも展開した際の凹凸は小さい。2列目のシートは3人乗りなので、中央に隙間ができることもない。ちなみに、3列シートのフリードはフリード+ほどフラットにならないので、車中泊したいならフリード+のほうが適している。

リアシートのシートバックを前に倒して就寝スペースを作る。ただ、座面とシートバックは肉厚なので、このまま折りたたむと荷室とフラットにつながらない。そんなところもきちんと考えた展開方法が採用されている

展開は、まず、座面を浮かせ、前側に立てかけることからスタート

展開は、まず、座面を浮かせ、前側に立てかけることからスタート

次に、シートバックを前方に倒す。この折りたたみ方は「ダブルフォールダウン機構」という

次に、シートバックを前方に倒す。この折りたたみ方は「ダブルフォールダウン機構」という

折りたたんだリアシートの部分とユーティリティーボードを装備した荷室はほぼ平面となったものの、こぶしひとつ分くらいの隙間ができている。でも、ご安心を!

この隙間をふさぐためのパーツが用意されている。シートバック背面にあるボードを使うのだ

この隙間をふさぐためのパーツが用意されている。シートバック背面にあるボードを使うのだ

ボードを展開すると、隙間はふさがれる。若干の段差はできるが、ほぼ平面。そもそもシートバック背面が床となるため、マットなどを敷くのは必須なので、この段差は寝る際にはそれほど気にならなくなる

※変更履歴:初出時に記しておりました、2列目シートを展開する機構の名称が間違っていました。正しくは「ダブルフォールダウン機構」となります。お詫びして訂正します。[2020年1月27日 11:54]

さらに、車体に対して体をまっすぐ横にしたいなら運転席を前にスライドさせよう。フリード+には中央に段差があるため、マットを敷いたとしても斜めに寝転ぶと若干違和感を覚える人もいると思われる。筆者と同じ身長175cmくらい、またはそれ以下であれば、まっすぐ寝られる空間が作れるので試さない手はない。

筆者が運転しやすいところにセットされた運転席に座面を立てかけると、このくらいの位置になる

筆者が運転しやすいところにセットされた運転席に座面を立てかけると、このくらいの位置になる

運転席を前にスライドさせると、立てかけた座面が斜めになり、横になるスペースの長さが拡大される

運転席を前にスライドさせると、立てかけた座面が斜めになり、横になるスペースの長さが拡大される

フロントシートを1番前までスライドさせてシートバックも前に倒すと、立てかけた座面の傾斜はさらに大きくなり、就寝スペースの長さが伸びる。しかし、フラットな部分の面積は拡大されないため、くぼみができてしまう。車体後ろに頭がくるように寝転べば、それほど問題ではないかもしれないが、車体後方は外気の影響を受けて室温が低くなるもの。寝袋に入るとはいえ、顔は出た状態。筆者は顔が寒くなるのはイヤなので、どうしても車体前方に頭がくるようにして、まっすぐ横になりたい。あれこれ考えて、ついにベストポジションを見つけた! フロントシートの背面で立てかけた座面が固定されるところで倒すのを留めればいいのだ。

立てかけた座面がなるべく前方に倒れるようにしつつ、荷重しても動かないようにフロントシートの位置とシートバックの角度を調整する

横になってみると、ご覧のとおり。車体後方に足がくるようにして、まっすぐ寝転べた

横になってみると、ご覧のとおり。車体後方に足がくるようにして、まっすぐ寝転べた

頭は少し上がるが、座面に頭がしっかり固定されるので違和感はほぼない。立てかけた座面が枕のような感じになり、意外と納まりがいいのだ。マットを敷けば、快適に眠れそう

ドラマと同じく旅に出て、現地で車中泊の準備を行う

フリード+が車中泊しやすい車種であるということは十分お伝えできたと思うので、ここからはドラマのロケ地を巡る旅に出る。ドラマ第1話で主人公が向かうのは、山梨県富士吉田市。せっかくなので、作中と同じ場所で車中泊するだけでなく、絶メシの店にも行ってみよう!

東京から富士吉田まで出発!

東京から富士吉田市まで出発!

目的地まで約100kmあるものの、移動は快適だ。フリード+の車体はコンパクトだが剛性感が高く、直進安定性もいいので高速道路でも安心。カメラとミリ波レーダーで前方を監視し、前走車を追従する「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」や車線の維持を支援するシステムを一体とした「Honda SENSING」が標準装備されているため、移動の疲れも少なくて済む。気持ちよく寝られるスペースが作れるだけでなく、運転中の疲労が抑えられることも、遠出することの多い車中泊では重要なポイントだ。

筆者はモデルチェンジ前のフリード+を運転したこともあるが、「フリード+ HYBRID CROSSTER」のほうが高速道路でのハンドル操作時に高級車っぽい適度な重みを感じた。モデルチェンジで、ハンドル操作のフィーリングなどが調整されているという

フロントウインドウに搭載された単眼カメラとミリ波レーダーで前方の状況を確認し、事故回避などをサポートしてくれる「Honda SENSING」が搭載されているのもドライブの安心感を高めてくれる

視線移動が少なく見やすいメーター部には、カーナビの案内も表示可能

視線移動が少なく見やすいメーター部には、カーナビの案内も表示可能

約2時間で、目的地に到着。山中湖畔の駐車場が、今回の宿泊場所となる。

富士山がキレイに見える、実にいい天気!

富士山がキレイに見える、実にいい天気!

しかし、見ていただきたい。駐車場に残る雪を……

しかし、見ていただきたい。駐車場に残る雪を……

数日前に降った雪が溶けていないということは、気温が低いということ。今回、車中泊を決行するのは12月末。天気予報を見てみると、この日の最高気温は4.7℃、最低気温は-6.1℃となっている。筆者は12月半ばに東京で車中泊をしたことはあるが、気温がまったく違う。車中泊時にはエンジンをかけないので、カーエアコンの暖房は使えない。普段と同じようにキャンプ用のマットを敷き、3シーズン用のシュラフに入るだけでは絶対に眠れないだろう。そこで、冬場の車中泊を無事完了できるよう、フリード+の純正アクセサリーである「ラゲッジクッションマット」(価格は20,000円/税別)と「プライバシーシェード」(価格は38,000円/税別)を用意してみた。

123(幅)×180(長さ)cmサイズのラゲッジクッションマットは、就寝スペース一面に敷ける

123(幅)×180(長さ)cmサイズのラゲッジクッションマットは、就寝スペース一面に敷ける

フロントシートのシートバックまで届く長さがある。身長175cmの筆者が横になると、頭から足先までしっかりマットの上に載ることができた。荷室用ユーティリティーボードの高さに寝床があるので、地面からの冷えも低減されそう

肩甲骨くらいから傾斜がついているので寝づらそうに見えるかもしれないが、これが意外や意外! 体にフィットして寝心地がいい。マットの厚みも3cmあるので、中央にあるボードの段差はまったく気にならない。底冷え抑制の効果もありそうだ

ちなみに、フロントシートを1番前まで動かし、シートバックも垂直にすれば、ラゲッジクッションマットは比較的平面に敷けるようになる。ただし、完全にフラットではない。寝床と立てかけた座面の間にできるくぼみが大きくなるので、車体後方に頭がくるようにまっすぐ横になるか、車体に対して斜めに寝ることとなりそうだ

プライバシーシェードは、フロントウインドウとサイドウインドウ、テールゲートウインドウを覆えるようになっている。外から車内を隠すだけでなく、窓からの放熱や冷気侵入を防げるので、季節を問わずシェードは用意しておいたほうがいい

プライバシーシェードには面ファスナーで固定する窓もあるので、ちょっと外をのぞくことができる

プライバシーシェードには面ファスナーで固定する窓もあるので、ちょっと外をのぞくことができる

筆者は仕事で車中泊する際、こういったアクセサリーを使用しないことが多いので、今回、純正アクセサリーのマットとシェードを使った車内が普通の部屋のようになったことでテンションアップ! 昼間でも気温は低くて寒いけれど、快適に眠れる予感がする!!

これだけでもいつもの車中泊より断然快適になったが、まだ、寒さ対策は万全とは言えない。できれば電気毛布を使いたいのだが、フリード+はエンジンをかけていたとしてもそこまでの電源はとれない。もちろん、停車中はエンジンを切るので、使うことは不可能。だが、使いたい! ということで、電気毛布が使えるように蓄電機も用意してみた。

用意した電気毛布は、かけても敷いてもOKなシングルサイズのパナソニック「DB-RC40M」。綿100%なので肌触りがよく、電源を取り外せば丸洗いできるところがいい。消費電力は75W。室温センサーで快適な温度に自動調節してくれる機能も搭載されている

電気毛布を使うために用意した蓄電機は、充電式リチウムイオン電池を搭載したホンダ「LiB-AID(リベイド) E500(JN1)」。家庭用コンセントからだけでなく、自動車のアクセサリーソケットからも充電できる。サイズは182(幅)×266(長さ)×248(高さ)mmで、重量は5.3kg。充放電寿命は1,000回以上

USB出力ポートとACコンセントを2口ずつ装備しており、合計500Wまでの電化製品を使える。連続使用時間は300Wで約1時間、500Wで約35分。安定した波形で電気を供給する「正弦波インバーター」を搭載しているので、パソコンやスマートフォンなども安心して使用できる

マットの上に電気毛布を敷き、蓄電機にACプラグを挿す

マットの上に電気毛布を敷き、蓄電機にACプラグを挿す

電気毛布の消費電力は75Wなので、余裕で使える。表面温度(室温20℃)は「強」設定で51℃、「3」設定で37℃になるというが、本日の車中泊ではそこまで温かくならないかもしれない……と不安になったものの、リアゲートを開けっぱなしの状態でも温かくなったので、問題なさそうだ

電気毛布をオンにしたうえ、3シーズン用の寝袋に入って寝る。ひと晩、無事に眠れることを願う!

電気毛布をオンにしたうえ、3シーズン用の寝袋に入って寝る。ひと晩、無事に眠れることを願う!

なお、いらない荷物は荷室用ユーティリティーボード下の空間に入れておけば、就寝スペースが広々と使える

なお、いらない荷物は荷室用ユーティリティーボード下の空間に入れておけば、就寝スペースが広々と使える

ちなみに、フリード+にはフロントのインパネと運転席のシートバックにUSBポートが用意されている。アクセサリー電源をオンにしておかないと使えないため、ひと晩中充電し続けるのはバッテリーが上がる可能性があるので推奨できないが、発電機がなくてもスマートフォンくらいなら走行中に充電できる。

移動中に効率よく充電しておくことも車中泊では大切

移動中に効率よく充電しておくことも車中泊では大切

次は、いよいよ車中泊! 「実践編」へと続く!!

フリード+の就寝スペースの作り方と、快適に眠るために用意した純正アクセサリーや蓄電機、電気毛布などの説明をしてきたが、ここまででボリュームがすごいことになってしまったので、実際の車中泊は「実践編」をチェックしてほしい。蓄電機と電気毛布以外にもあると便利な車中泊グッズも使って、車中泊を満喫している。そして、お待ちかね! 絶メシの店にも行っているぞ!!

▶実際に車中泊する様子は、続きの「実践編」でチェック!

【ドラマ「絶メシロード」放送情報】
https://www.tv-tokyo.co.jp/zetsumeshiroad/
放送:テレビ東京/テレビ大阪/テレビ北海道/TVQ九州放送
放送日時:2020年1月24日(金)スタート 毎週金曜日 深夜0時52分〜
※ひかりTV、パラビでも配信
 初回配信日:2020年1月17日(金)スタート 金曜夜11時〜(第2話以降は放送1週間前から先行配信)

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・車内で寝転んだ写真付き! 快適な車中泊ができる自動車はコレだ!!
・どこで泊まれる? キマリはある? 初めて車中泊する前に知っておきたい基本的なこと

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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