特別企画
伊香保の博物館がイニDの聖地に!

「藤原とうふ店」が完全再現された博物館の“頭文字D推し”がすごい!

群馬県渋川市に実在した「藤原豆腐店」は、今どうなっている?

“走り屋”たちが、峠道を舞台にクルマの速さを競う「頭文字D(イニシャルD)」。イニDファンの皆さんの中には、2005年に公開された実写版香港映画「頭文字D the movie」をご覧になった方も少なくないでしょう。筆者もその一人です。マンガやアニメのことはもちろん知っていましたが、ちゃんと見たのはこの実写版映画が初めてでした。

そして、当時4歳の息子とともに、頭文字Dの面白さにハマり、コミックスやアニメのDVD、関連するミニカーなども買い揃えてひたすら親子でイニDの世界に浸りました。モデルになった藤原豆腐店が群馬県渋川市に実在することを知ってからは、渋川は榛名山、妙義〜赤城周辺など聖地巡礼の旅にも過去3〜4回出かけています。

画像は、取り壊される前に撮影した藤原豆腐店(藤野屋豆腐店)です

画像は、取り壊される前に撮影した藤原豆腐店(藤野屋豆腐店)です

映画のセットに使われた「藤原豆腐店」は、まさに原作に登場する「藤原豆腐店」そのものです。本当の名前は群馬県渋川市寄居町にかつて存在した「藤野屋豆腐店」で、実写版映画でセットとして使うために、看板をかけ替えて原作に出てくる藤原豆腐店そのままの仕様に仕上げられました。

映画の撮影に使われたのは2004年の夏頃でしたが、その後も映画のセットのまま(つまり、藤原豆腐店仕様のまま)で、豆腐屋さんとして営業を続けていました。

筆者が最初に藤原豆腐店を訪れたのは2006年春で、お店の中では本当にお豆腐を作って販売していました。お店の玄関付近にロケのときに撮った車や俳優さんたちの写真がたくさん飾ってあったことを覚えています。当時、お店の方に話をうかがったところ驚きのエピソードを聞かせてくださいました。

「日本全国から見に来られますよ、海外からもたくさん。香港や台湾、中国などアジアの方が多いですね。ほんとね、もう、みんな、このお店を見たら感激してね。お店の前で、ワーワー泣いているんですよ。『夢のようです!』『やっと見ることができました!』『ありがとうございます!』って、何度もお礼を言われてね。そんな人たちが、せっかく遠くから来てくれるのだから、セットのままでしばらく営業をすることにしたんですよ」

区画整理で取り壊されたあと、「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」に移築

藤原豆腐店が移築展示されている「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」

藤原豆腐店が移築展示されている「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」

100年以上続いていた藤野屋豆腐店ですが、渋川市の区画整理で取り壊されることになり、2006年9月にお店を閉じました。その後、数年間は豆腐店の建物だけが残っていましたが、多くのファンの願いがかなって、頭文字Dにゆかりの深い、「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」に移築展示されることになったのです。同博物館の横田館長に、そのときのことをうかがいました。

「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」館長の横田正弘さん

「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」館長の横田正弘さん

「私自身は頭文字Dについてそれほど詳しいとか、大ファンだったというわけではないのですが、全国の、いや海外のファンからもメールがたくさん来て驚きました。どのメールもみな、『どうか、伊香保おもちゃと人形自動車博物館に、藤原豆腐店を移築してほしい』という内容でした。伊香保という場所は、頭文字Dにも何度も登場するゆかりのある場所ですし。だったら、うちの博物館で展示をしようと決めたんです。2012年に移築が完成した際には、藤野屋豆腐店さんの娘さんとお孫さんにもご来場いただきました」

豆腐作りの道具まで、見事に再現された「藤原豆腐店」

博物館内に再現された「藤原豆腐店」。看板や外装品などは、藤野屋豆腐店から寄贈されたものです。「ドライクリーニング国際」の看板まで再現されています

「頭文字D」作者のしげの秀一さんが最初のオーナーとして所有していた「RX-7(FD)」も展示されています

「頭文字D」作者のしげの秀一さんが最初のオーナーとして所有していた「RX-7(FD)」も展示されています

移築された藤原豆腐店は、博物館の自動車展示館2階にある「イニシャルD 藤原とうふ店」コーナーにあります。物語に出てくるそのままのトヨタ「スプリンタートレノ(AE86)」はもちろん、原作者であるしげの秀一氏が最初のオーナーであった黄色のマツダ「RX-7(FD)」も一緒に展示されています。建物のほうは、豆腐店の看板や正面の出入口、隣接していた「ドライクリーニング国際」の看板や豆腐を作るための材料や道具に至るまで、実際に使っていたものがそのまま展示され、とてもリアルな状態で再現されています。同コーナーは、公開後すぐに大人気となり、日本全国のみならず海外からも観光客が押し寄せるようになったそうです。

愛車を写真の藤原豆腐店の店先に並べて撮影できるコーナーも

愛車を写真の藤原豆腐店の店先に並べて撮影できるコーナーも

さらに、2018年12月には愛車と一緒に写真が撮れるコーナーが加わり、これまた大好評に。博物館の外壁(駐車場エリア)に「藤原豆腐店」の店構えが設置され、その前に愛車を置いて写真が撮れる仕様になっています。なんと、博物館の受付では「藤原とうふ店」のマグネットシールを貸し出しているので、そのシールを愛車に貼って写真撮影する来館者が毎日たくさん来られるのだそうです。

ところで、この伊香保おもちゃと人形自動車博物館は、頭文字Dファンの新たな聖地になりましたが、それ以外にも、クルマ好きにはたまらない魅力的な展示が満載の博物館になっています。

昭和の町並みを再現した横丁や100台近くの国産クラシックカーを展示しているコーナーも

伊香保おもちゃと人形自動車博物館には、さまざまな展示エリアがあります。入口はそれほど広さを感じないのですが、とにかく中がすさまじく広くて、まるで迷路のように入り組んだ展示がこれまた楽しいのです。

昭和の町並みをリアルに再現した「昭和レトロパーク 駄菓子屋横丁」

昭和の町並みをリアルに再現した「昭和レトロパーク 駄菓子屋横丁」

さまざまな27台ものミニを展示している「ミニミュージアム」

さまざまな27台ものミニを展示している「ミニミュージアム」

国産クラシックカーを中心に、昭和の名車を96台展示している「自動車博物館」

国産クラシックカーを中心に、昭和の名車を96台展示している「自動車博物館」

自動車は、さまざまな27台ものクラシックミニがずらりと並ぶ「ミニミュージアム」や、トヨタ2000GTを筆頭にお宝クラシックカーが96台も展示している「自動車博物館」などがあります。

第2次世界大戦で使われたアメリカの戦車「M4シャーマン」、ドイツの「ティーガー」が実物大で再現されている「ミリタリーゾーン」(※誤字がありましたので修正いたしました[編])

新たな展示としては、2019年12月にオープンした「ミリタリーゾーン」も好評です。第2次世界大戦で使われたアメリカの戦車「M4シャーマン」、ドイツの「ティーガー」が実物大で再現されていて、迫力の展示が楽しめます。

お土産コーナーに並ぶ、AOSHIMA「1/32 頭文字Dシリーズ」プラモデル

お土産コーナーに並ぶ、AOSHIMA「1/32 頭文字Dシリーズ」プラモデル

中央にある「頭文字D水沢うどん(半生)」は、なんと博物館のオリジナル商品です

中央にある「頭文字D水沢うどん(半生)」は、なんと博物館のオリジナル商品です

「頭文字Dオリジナル醤油」は、だしを加えた豆腐専用の醤油(黒いフタ)と、丸大豆仕込みの本格派醤油(赤いフタ))の2種類をラインアップ

お土産コーナーには、さまざまなイニシャルDグッズ(イニシャルDのミニカー、ステッカー、お菓子類はもちろん、豆腐専用の醤油や名物の水沢うどんまで!)が販売されており、イニD好きは見ているだけでも楽しい気分になります。販売スタッフの方にうかがったところ、イニD関連はステッカーやポストカードが人気とのことでした。

伊香保おもちゃと人形自動車博物館が、私設博物館として全国一の来館者数を誇るのもうなずけますね。頭文字Dの聖地巡礼ととともに、ぜひ訪れてみていただければ幸いです。

※営業日時などについては、「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」Webサイトにてご確認下さい。

加藤久美子

加藤久美子

日刊自動車新聞社に入社し、自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌、女性誌、ウェブ媒体、育児雑誌などへの寄稿のほか、テレビやラジオの情報番組などにも出演多数。認定チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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