バイク野郎 増谷茂樹の二輪魂
注目モデル「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES」でオフロード走行も!

電子制御サスペンション装備の新型アフリカツインに試乗。これは最高のツーリングバイクかも!


世界中で人気を博したホンダのオフロードバイク「アフリカツイン」が、17年ぶりに復活を遂げたのは2016年のこと。オフロードとツーリングでの性能を高い次元で両立したアドベンチャーモデル「CRF1000L Africa Twin」は大きな注目を集めた。そして、2019年にはフルモデルチェンジとなる「CRF1100L Africa Twin」(2020年モデル)が登場。外観イメージはシリーズの世界観を維持しているため変化を感じづらいが、フレームを新設計し、排気量も拡大した新型は大きく生まれ変わっている。複数のバリエーションがラインアップされているが、今回は、新型アフリカツインに共通する進化点を踏まえたうえで、その中でもっとも進化が著しい「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES」を紹介しよう。

新型はバリエーションモデルが充実

アフリカツインの名が復活したことで世間を沸かせた先代モデルは、標準モデル「CRF1000L Africa Twin」(2016年発売)と、より長距離ツーリング向けの装備を採用した「CRF1000L Africa Twin Adventure Sports」(2018年発売)の標準タイプとローダウンタイプというラインアップだったが、新型はバリエーションを変更。「CRF1100L Africa Twin」となったシリーズの中から「Adventure Sports」のローダウンタイプがなくなり、電子制御サスペンションを搭載した「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES」が新たに加わったほか、前後サスペンションのストロークを伸ばし、オフロードでの走行性能をさらに高めた「CRF1100L Africa Twin<s>」と「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES<s>」も2020年5月末日までの受注期間限定ながら追加された。いずれも先代モデル同様、マニュアル・トランスミッション(MT)モデルと、自動で変速を行うデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)モデルが選択できる。

標準モデルの「CRF1100L Africa Twin」。2016年に発売された先代モデルより、スクリーンがショート化されている。メーカー希望小売価格はMT仕様が161万7,000円(税込)で、DCT仕様が172万7,000円(税込)

容量24Lのビッグタンクや、可変できるロングスクリーンを装備したツーリング向け「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports」。メーカー希望小売価格はMT仕様が180万4,000円(税込)で、DCT仕様が191万4,000円(税込)

減衰力を電子制御で調整できる先進的なサスペンションを装備した「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES」。メーカー希望小売価格はMT仕様が194万7,000円(税込)で、DCT仕様が205万7,000円(税込)

サスペンションストロークが標準モデルよりフロントで45mm、リアは40mm伸長された「CRF1100L Africa Twin<s>」。シート高も40mm高くなっている。メーカー希望小売価格はMT仕様が161万7,000円(税込)で、DCT仕様が172万7,000円(税込)

ストロークの長い電子制御サスペンションを装備した「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES<s>」。メーカー希望小売価格はMT仕様が194万7,000円(税込)で、DCT仕様が205万7,000円(税込)

先代モデル「CRF1000L Africa Twin Adventure Sports」にあったローダウンタイプはなくなったが、「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports」のシート高はローダウンタイプと同じ830mmとなっている。標準モデル「CRF1100L Africa Twin」も先代モデルよりシート高は40mm低い。つまり、標準ラインアップとなる2モデルは前モデルよりシート高が低くなったのだ。実は、グローバルモデルであるアフリカツインは、先に欧州などで販売されており、従来からストロークアップしたサスペンションを装備したことが注目されていたものの、日本国内でのラインアップからは外れてしまった。しかし、このタイプが非常に話題を呼んでいたこともあり、2020年5月末日までの受注期間限定ではあるが、モデル名の最後に「<s>」の付いた「CRF1100L Africa Twin<s>」と「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES<s>」が用意されたようだ。

新型アフリカツインはどこが進化した?

まずは、新型アフリカツインに共通する主な進化点を紹介しよう。もっとも大きなポイントは、フレームが一新されたことだ。運動性を高めるため軽量化し、リアフレームをアルミ製で別体化するとともに、シート株の幅を狭めて足つき性を向上。また、エンジンは排気量を84cc拡大した1,082ccとなり、最高出力は95PSから102PSへ、最大トルクも99Nmから105Nmへとパワーアップしている。単に排気量がアップしただけでなく、ピストンやクランク、燃焼室の形状などが見直されているのだからホンダのやる気を感じずにはいられない。エンジン単体も軽量化し、MTモデルで2.5kg、DCTモデルで2.2kgを実現している。

先代モデルと新型のフレームボディを比較した図。フレーム設計から見直し、軽量化と足つき性を改善した。ちなみに、標準モデルの場合、フレーム単体で約1.8kgの軽量化を実現するとともに幅を40mm狭めている

マフラー内部に排気バルブを装備し、低回転と高回転で排気経路を切り替えることで、パワーアップと扱いやすさを実現

先代モデルも自動変速のデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)を搭載したグレードがラインアップされていたり、後輪のスリップをコントロールする「Hondaセレクタブルトルクコントロール(HTC)」(いわゆるトラクションコントロール)といった電子制御を多用していたが、この点でも新型はさらに進化。車体の姿勢や状態をリアルタイムに計測できる6軸計測に対応した慣性センサー(IMU)を採用することにより、変速やトラクションコントロール、ABS、ライトなどをより的確に制御可能となったほか、アクセルを大きく開けた際に前輪が浮き上がるのを抑制するウイリーコントロールも追加された。

車体の前後動や傾きなどを検知するIMUを搭載することで、トラクションコントロールやDCTの変速制御などがより緻密に行えるようになった

ウイリーコントロールは3段階に調整可能

ウイリーコントロールは3段階に調整可能

注目モデル、電子制御サスペンション搭載「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES」を見てみよう

今回ピックアップするのは、「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports」のバリエーションモデル「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES」。電子制御サスペンションを備えたアフリカツインということで話題となった新ラインアップだ。なお、メーカーから借りられたのはDCTモデル。そのため、正式名称は「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES Dual Clutch Transmission」となる。標準モデルよりもさらに長距離ツーリングに対応するため、容量の大きなビッグタンクとロングスクリーンを装備しているのがポイントで、カタログ燃費21.3L/km(WMTCモード値、1名乗車時)に基づいて計算すると、標準モデルより100km以上長く走れることになる。

2019年12月13日に発売された「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES Dual Clutch Transmission」。サイズは2,310(全長)×960(全幅)×1,520(全高)mmで、重量は250kg

先代モデルとはカラーなどが微妙に異なるが、パッと見分けるポイントとなるのがライト。新型はライトまわりの黒い縁取りがなくなっている

排気量が1,082ccに拡大し、最高出力102PSとなったエンジン。DCTの制御も、よりスポーティーなフィーリングへと進化している

エンジンの下には大型のアンダーガードを装備。オフロード走行での安心感を高めている

エンジンの下には大型のアンダーガードを装備。オフロード走行での安心感を高めている

タンクの容量は標準モデルよりも6L大きい24L。容量は大きいが、膝が当たる部分は絞り込まれているのでニーグリップはしやすい

ロングスクリーンは約60mm高さを調整できる

ロングスクリーンは約60mm高さを調整できる

ナックルガードが大型化されているのも「Adventure Sports」グレードの特徴。手の甲に当たる風を防いでくれる

フロントホイールはオフロー車で一般的な21インチを装備

フロントホイールはオフロー車で一般的な21インチを装備

特殊な形状のリムで、スポークホイールでありながらチューブレス構造となっている。パンクしにくく、ツーリングユーザーにはありがたい装備だ

リアホイールは18インチで、同じくチューブレス構造

リアホイールは18インチで、同じくチューブレス構造

ブレーキキャリパーはラジアルマウントとなり、ABSもより緻密な制御が可能となった

ブレーキキャリパーはラジアルマウントとなり、ABSもより緻密な制御が可能となった

マフラーはより上方に向けて跳ね上がった形状に。ライダーの耳に届く排気音も迫力が増している

マフラーはより上方に向けて跳ね上がった形状に。ライダーの耳に届く排気音も迫力が増している

そして、「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES」の最大の特徴といえば、ショーワ製の電子サスペンション「EERA」が装備されたことだ。そもそもサスペンションは、低速での乗り心地を高めるにはやわらかく動くほうがよく、高速での安心感を得るには硬いほうがいいなど、車速によって相反する特性が求められるもの。アフリカツインのようにオンロードもオフロードも走行できるバイクの場合、オフロードではストローク量が多くやわらかい特性が、オンロードでは動き過ぎず硬めの特性が求められるため、相反する特性の両立はさらに重要となる。そこで効果を発揮するのが電子サスペンションだ。サスペンションのストローク(伸び縮みする動き)速度と車両の状態に合わせて減衰力を最適化してくれるので、路面状況を問わずバランスにすぐれた走りが望める。

フロントフォークの上部にある青いキャップが電子制御サスペンションを装備しているという証。モデル名に「ES」が付くグレードだけに与えられた特別な装備だ

サスペンションに取り付けられたストロークセンサーやIMUからの情報をもとに減衰力を最適に制御する

サスペンションに取り付けられたストロークセンサーやIMUからの情報をもとに減衰力を最適に制御する

さらに、EERAは電子制御でサスペンションの特性を5つのモードに切り替えできる。オンロードでの高速走行など車体姿勢の変化を抑えたい時に最適な硬めになる「HARD」モード、さまざまなシチュエーションにオールラウンドに適応する「MID」モード、作動性がよく荒れた路面状況に対応する「SOFT」モード、ジャンプのあるモトクロスコースなども走れるオフロードに特化した「OFFROAD」モードが用意されており、走行シーンに応じて選択可能。これらの制御は個別に調整する必要はなく、ライディングモードを選べばそれに合わせたモードになるので便利。また、乗車人数や荷物の有無でプリロード(スプリングへの初期荷重)を電気的に選べる点もツーリングバイクらしいところだ。

サスペンションのプリロードはライディングモードとは独立して調整可能。1人乗り、1人乗り+積載、2人乗り、2人乗り+積載の4種類から選べるほか、「USER」モードでは24段階で細かく調整できる

実走でツーリングバイクとしての万能さを実感

「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES Dual Clutch Transmission」はさまざまな走行シーンに対応するモデルなので、試乗もできるだけ多様なシーンで行いたいところ。そこで、街中から高速道路へ入り、田舎道を走ってスピードの乗るワインディングを味わい、その後、路面が荒れていてタイトな峠道を走るショートツーリングに連れ出してみよう。

さっそく出かけようと車庫から「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES Dual Clutch Transmission」を押し出した時、車体の重さに驚いた。250kgという重量級の車重に加え、27Lのタンクにガソリンを満タンにしていたため、総重量は約270kgに(ガソリン1kgを0.75kgで計算)。しかも、タンクが高い位置に配置されているので、押し歩きではバランスを取るのにもかなり気を遣う。

またがった状態でも車体の重さを感じるが、身長175cmの筆者の場合、両足のつま先がきちんと設置するので安心感は高い

シート高は830mmだが、取り付け位置を借れば810mmのローポジションに切り替えられる。鍵だけで解錠して行えるので、工具は不要。身長が低い人はローポジションにすればいいだろう

しかし、いったんエンジンをかけて走り出すと、先程まで感じていた重さがウソのように解消された。低回転からトルクがあって扱いやすいエンジンなので、街中の狭い路地を歩行者に気を遣いながらゆっくり走ったり、細かくスタート&ストップを繰り返す渋滞時などでも車体の大きさや重さによる不安感を覚えることはほとんどない。これにはDCTの発進制御の熟成が進んでいることもひと役買っていそうだ。

発進時に右手側の「D-S」と記されたボタンを押し、DCTを走行可能な状態に切り替えるのは一種の儀式。足でシフト操作する必要はない

そして、高速道路に入ると快適さはさらに増す。スクリーンをもっとも高い位置にセットすると、上体を起こしたライディングポジションでも走行風がヘルメットをかぶった頭や体にほとんど当たらない。走行風が直撃する状態で走り続けるのは結構疲れるので、このスクリーンがあれば長距離ツーリングでも疲れが少なくて済みそうだ。さらに、ビッグタンクがニーグリップした足の前まで回り込んだ形状となっており、下半身に当たる風も防いでくれる。

小雨の降る日にも試乗してみたところ、大きめのスクリーンとタンク、ナックルガードのおかげで濡れる面積が少なくて済んだのは、ちょっと驚きだった

さまざまなシーンを走行するこの試乗では、状況に応じてライディングモードを切り替えていった。搭載されているモードは、荷物を満載した長距離ツーリングなどを想定した「TOUR」、幅広いライディングシーンに対応する「URBAN」、フラットな未舗装路などを快適に走れる「GRAVEL」、本格的なオフロード走行が可能な「OFFROAD」のほか、乗り手の好みに設定できる「USER」が2つの計6種類。「USER」モードが2つ用意されているのは、オンロードとオフロードそれぞれに合わせた特性を設定しておけるようにだろう。なお、ライディングモードを選べば、エンジンのパワーやエンジンブレーキの効き方、ABSやDCTの特性、そして電子制御サスペンション搭載モデルではサスペンションの特性も最適なものに一括で切り替わる。

ライディング中は左手側のボタンで切り替え操作を行う。ボタンが多くてとまどいそうに見えるが、直感的に操作できるUIとなっている

先代モデルより大型化されたメーターパネルは、視認性がアップ。タッチパネルなので、対応のグローブであればタッチ操作できる。ちなみに、スマートフォンと接続して「Apple CarPlay」を使用することも可能

街中ではライディングモードは「URBAN」に、DCTは「D」モードで走行した。大排気量のエンジンだが、いきなりパワーが出てしまうことはないので扱いやすく快適。ちなみに、DCTとは発進時や速度に合わせて自動で変速を行ってくれる機構で、停車時にもクラッチを握る必要もないため、ライダーの操作が断然ラクになる。DCTのモードには「AT」と「MT」があり、ATには通常走行時に選択する「D」モード、スポーティーな走行に適した3つのレベルが選べる「S」モードが用意されている。「S」モードで選べるレベルは、中回転域の「レベル1」、高速回転を多用する「レベル3」、その中間の「レベル2」だ。「MT」モードは自分で変速操作を行うモードだが、その場合も、通常のバイクのように左足のシフトレバーではなく、左手のボタンとレバーで行う。

「MT」モードでの変速操作に用いる左手側のレバー。シフトダウンは親指でボタンを押す。「AT」モードでも、シフトアップやシフトダウンしたい時にいつでも変速できる。変速後は再び自動変速に戻るため、わずらわしさはない

高速道路ではライディングモードを「TOUR」や「GRAVEL」にも入れてみたが、どのモードでも問題なく走れる。追い越しする際は「TOUR」モードのほうが余裕のある印象だが、「URBAN」モードでも不満を感じるレベルではない。DCTはキビキビ走りたい時は「S」モード、ゆったり流したい時は「D」モードと気分に合わせて選べばいいが、パワーに余裕があるので「D」モードでも十分キビキビ走行できる。

高速道路を下りてからは、田舎道を走りワインディングのルートへ。車体を右に左に倒しながら走る操作は軽快で、重さは感じない(ガソリンが減ってきたことも関係しているのかもしれないが)。あまり太くないタイヤは、大きく車体を傾けなくてもスイスイ曲がって行ける。トルクに余裕があるエンジンなので、それほどアクセルを開ける必要もなく、景色を楽しみながら走れて最高に気分がいい。

ある程度ペースを上げて走れるこのような道が最高に楽しい

ある程度ペースを上げて走れるこのような道が最高に楽しい

タイトな峠道に入っても軽快な操作性は変わらない。先ほどより忙しく左右に車体を倒さなくてならないのに、車体はますます軽く感じる。あまり深く傾けなくても曲がって行ってくれるが、ときおり、大きく傾けてみても安心して曲がることができた。それなりに荒れた路面で、未舗装路を視野にいれたタイヤでもないのに安心して走れたのは、数多くの電子制御機能がサポートしてくれているおかげだろうか。こうしたシーンでは、ライディングモードは「TOUR」で、DCTは「S」モードのレベル3がもっとも相性がいいと感じたが、「URBAN」と「D」モードでも十分に楽しめるし、かなりのハイペースで走り抜けることもできる。

荒れた路面でそこそこ車体を傾けても不安感は一切なく、操作性も軽い

荒れた路面でそこそこ車体を傾けても不安感は一切なく、操作性も軽い

最後に、河川敷でオフロード走行の実力を試す。当然、ライディングモードは「OFFROAD」だ。大きめの石がゴロゴロしている場所もあったが、タイヤが弾かれるような挙動はなく、サスペンションが衝撃をいなしつつタイヤを路面に押し付けてくれる。そして、グリップの悪い砂地の上では、アクセルを開けてタイヤが空転してもトラクションコントロール機能が効き、一瞬後には路面をしっかりとらえてくれた。下手をすると地面を掘ってしまい、ますますはまり込んでしまうこともあるが、「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES Dual Clutch Transmission」ならその心配もなさそうだ。

オフロードでも安心感の高さは変わらず。ただ、車体が重いのでタイトなターンなどはある程度の腕が必要そうだ

オフロードでのトラクション性能が高いタイヤではないが、少々スリップしても一瞬でトラクションが回復する

オフロードでのトラクション性能が高いタイヤではないが、少々スリップしても一瞬でトラクションが回復する

試乗を終えて

今回、「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES Dual Clutch Transmission」で街乗りからショートツーリングまで試してみたが、走行風を直接体で受けずに走れる高速移動は体への負担も少なく、DCTのおかげで変速操作をせずに済み、クラッチを握る左手の疲れもまったくない。それでいて、スクーターをはじめとするCVTとは違い、変速時にはギアを変えた感覚が明確に伝わってくるうえに、新型はその感覚がさらに向上している。左手側のボタンひとつでマニュアル変速もできるようになっており、追い越し時に任意のタイミングでシフトダウンすることも可能。快適なだけでなく、バイクを操っている感覚もきちんと味わえるのもアフリカツインの魅力だ。

ワインディングでも、快適性と操る楽しさは高い次元で両立されている。たとえば、長距離ツーリングで疲れて軽く流しているような状態でも結構なハイペースで走れ、積極的にバイクを操作して攻めるような走りも可能。その際に、路面の荒れなどを気にしないで済むのも、オフロード走行まで視野に入れたアドベンチャーツーリングマシンならではだろう。

長時間走行しても疲れが少ないので、つい遠出してしまう。未舗装の林道にも躊躇することなく入って行けるので、楽しさは倍増していく

そのうえで、数あるバリエーションの中からどのモデルを選ぶべきかを考えてみよう。目安となるのは、「長距離ツーリングの快適性を重視するのか」と「オフロードの走行性能を重視するのか」ということ。ビッグタンクを装備した「Adventure Sports」や「Adventure Sports ES」は走行中には重さを感じないものの、止まりそうな速度で足を付きながら走るようなハードなオフロードシーンではそれなりの腕を必要とする。高速道路では快適なロングスクリーンも、オフロードで路面状況を確認するにはじゃまに感じることも。そうしたシチュエーションを気持ちよく走りたいなら、車重226kg(DCTモデルは236kg)とシリーズの中では軽量な標準モデル(DCT仕様のメーカー希望小売価格172万7,000円/税込)を選ぶほうがいい。「Adventure Sports」(DCT仕様のメーカー希望小売価格191万4,000円/税込)と「Adventure Sports ES」(DCT仕様のメーカー希望小売価格205万7,000円/税込)の選び分けについては、ツーリングの軽快さはどちらも変わらないが、状況に合わせて特性を選べる電子制御サスペンションを備えている「Adventure Sports ES」のほうが路面を問わず積極的に楽しめるのは確か。価格差は14万円ほどあるが、価格差以上の満足感を得られるはずだ。

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

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