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1.6Lターボで272psを発生させる「GRヤリス」がまもなく発売!

2020年9月発売のトヨタ「GRヤリス」 ライバル車は意外と少ない!?

2020年2月に発売された、トヨタの新型コンパクトカー「ヤリス」が堅調に売れている。小型、普通車(軽自動車を除く)の月間販売ランキングを見ても、2020年4月、5月は2か月連続でヤリスが1位を獲得しているほどだ。

小型、普通車の販売ランキングで1位(2020年4〜5月)を獲得するなど、販売好調なトヨタ「ヤリス」

小型、普通車の販売ランキングで1位(2020年4〜5月)を獲得するなど、販売好調なトヨタ「ヤリス」

トヨタは、2020年5月から国内の販売体制が変わり、トヨタ4系列のディーラー全店でヤリスを購入できるようになった。発売当時のヤリスは、東京地区以外はネッツトヨタ店の専売であったが、5月に併売へと切り替わったことによって販売可能な店舗が全国でおよそ1,500店舗から4,600店舗へと急増した。人気の高い車種は、全店で全車を扱う体制に移行すると、売れ行きを伸ばしやすい。ヤリスは日本で販売しやすいコンパクトカーカテゴリということもあって、全店扱いになり販売台数が伸びた。

2020年9月に発売予定の、トヨタ「GRヤリス」。新開発の1.6Lインタークーラーターボエンジンを搭載し、最高出力272psを発生させるハイパワーマシンだ

そんな販売好調なヤリスで、今後注目のモデルがスポーツタイプの「GRヤリス」だ。GRヤリスは、ノーマルのヤリスとはボディスタイルそのものが異なる。ヤリスは標準的な5ドアハッチバック仕様だが、GRヤリスは昨今の国産車としてはめずらしい、後席ドアのない3ドア仕様だ。発売は、2020年9月頃が予定されている。

GRヤリスのグレードラインアップは、1.6L直3インタークーラーターボエンジンを搭載する「RZ “High performance”」「RZ」「RC」(RCは競技ベース車)と、GRヤリスを手軽に楽しめる1.5L直3NAエンジンを搭載した「RS」の全4グレードだ。スペックについては、以下の通りになる。

■トヨタ「GRヤリス」の主なスペック
全長×全幅×全高:3,995×1,805×1,455mm
ホイールベース:2,560mm
車重:1,280kg(RZ)、1,250kg(RC)、1,130kg(RS)
エンジン:1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジン「G16E-GTS」(RZ・RC)、1.5L直列3気筒NAエンジン「M15A-FKS」(RS)
最高出力:200kW[272ps](1.6Lターボ)、88kW[120ps](1.5L NA)
最大トルク:370N・m[37.7kgf・m](1.6Lターボ)、145N・m[14.8kgf・m](1.5L NA)
トランスミッション:6速MT(RZ・RC)、Direct Shift-CVT(RS)
駆動方式:4WD(RZ・RC)、FF(RS)
サスペンション:ストラット式(フロント)、ダブルウィッシュボーン式(リア)

GRヤリスのために新開発された1.6L直3インタークーラーターボエンジンの最高出力は272ps、最大トルクは37.7kg-mと、ヤリスの1.5L直3NAエンジンの120ps、14.8kg-mに比べて最高出力で2.3倍、最大トルクで2.5倍にも増強されている。この値は、3.5LのNAエンジンに匹敵するほどで、相当なハイチューンと言える。

トランスミッションは、RSを除く全グレードに「6速MT」が採用されている(RSは「Direct Shift-CVT」)。駆動方式は4WDだ(RSのみFF)。電子制御式多板クラッチで前後輪に駆動力を振り分ける4WDシステムはノーマルヤリスと共通だが、GRヤリスの4WDは高出力に対応した「GR-FOUR」で、走行モードの切り替え機能も備わっている。

その走行モードの内訳は、「ノーマルモード」では前輪に60%、後輪に40%の駆動力が伝わり日常で運転がしやすい設定になっている。「スポーツモード」は、前輪の駆動力が30%に抑えられ、逆に後輪は70%まで増やすことで、まるでFR車のようにアクセル操作で車両がコントロールしやすくなる。さらに、前後輪ともに駆動力を50%ずつ伝える「トラックモード」も用意されている。

GRヤリスは、2020年9月発売のカタログモデルの価格は明らかにされていないが、2020年1月10日〜6月30日まで事前予約を受け付けていた特別仕様車「RZ“First Edition”」の価格は396万円、「RZ“High-performance First Edition”」の価格は456万円となっている。ちなみに、6月初旬の段階で、日本や欧州などを含めておよそ6,000台をすでに受注していると言う。

RZ“First Edition”は、走りの機能は充実しているものの衝突回避支援パッケージの「Toyota Safety Sense」はメーカーオプションとなっている。オプション価格は明らかにされていないが、快適装備も加えると総額は410万円前後になるだろう。

トヨタ「86」に、ブレンボ製ブレーキや専用のフロントスポイラーなどのGRスポーツパーツが装備された「86 GR SPORT」

同程度の価格帯のスポーツカーを考えると、同じGRシリーズのトヨタ「86 GR SPORT」(385万円)があげられる。86は、FRのミドルサイズスポーツカーで、エンジンは2L NAエンジンが採用されている。直噴式エンジンの採用によって、最高出力は207ps、最大トルクは21.6kg-mを発生させる。エンジン性能の数値そのものはGRヤリスに比べて低いものの吹け上がりがよく、FRなのでアクセル操作で車両の挙動を積極的にコントロールする楽しさもあわせ持っている。ただし、86は発売からすでに8年以上が経過しているので、衝突被害軽減ブレーキが非装着などの古さも目立ってきた。運転の楽しさは健在なのだが、推奨度は下がってきた。

このほか、国産スポーツモデルの代表格としてスバル「WRX STI」やホンダ「シビックタイプR」などをライバル車として取り上げたかったのだが、今は残念ながら生産を中止している。また、2Lターボというだけならトヨタ「スープラSZ」やレクサス「RC」などもあるのだが、車両の性格そのものが異なっていて価格も高いのでライバル車とは呼べないだろう。

いっぽう、輸入車ではフォルクスワーゲン「ゴルフGTI」(4,239,000円)がハッチバックのスポーツモデルとして高い人気を得ている。エンジンは2Lターボで、最高出力は230ps、最大トルクは35.7kg-mだ。ただし、ゴルフは次期型が登場しており、GTIも輸入を終えている。

このように、GRヤリスのライバル車、つまりエンジン排気量が2L以下で機敏に走るスポーツモデルは(タイミングもあるだろうが)意外にも少ない。GRヤリスは、運転の楽しさを味わいたいクルマ好きにとって、いまは貴重な選択肢のひとつと言えるだろう。

今後は、ノーマルヤリスの1.5L NAエンジンの6速MT車をベースに、少し高回転指向にチューニングしたようなスポーティーなグレードが加わるとうれしい。ボディとサスペンションを若干強化して230万円くらいの価格なら、多くのクルマ好きに喜ばれるはずだ。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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