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今や希少なFRスポーツセダンの新型モデルがまもなく発売!

2020年11月に発売!? レクサス 新型「IS」価格やグレードなど先取り解説

北米を中心として、日本でも人気の高級車ブランド「レクサス」。2020年6月6日、レクサスはミドルサイズセダン「IS」の新型モデルを世界初披露した。

2020年6月6日に世界初公開された、レクサス 新型「IS」

2020年6月6日に世界初公開された、レクサス 新型「IS」

ISは、ボディがコンパクトなので日本市場にも適している。日本国内での発売について販売店に聞いてみると、「2020年8月1日から、価格を明らかにして受注を開始している。だが、正式発表は2020年11月5日を予定している」と言う。発表前の予約受注を長期間実施することで、受注台数を確保する狙いだろう。

現行ISは2013年に登場しており、だいぶ経っていることから今回の新型ISはフルモデルチェンジかと思われていたのだが、実はマイナーチェンジになる。だが、発売から7年も経っていることもあって、改良の幅は大きい。外装はボディパネルが刷新され、ボディ剛性も高められている。さらに、ショックアブソーバーの構造なども見直された。新型ISは、安全装備や運転支援を含め、さまざまな性能、機能を進化させているので、当記事で解説したい。まずは正式には公表されていない、独自調査によるグレードごとの価格について、以下に記載する。

■レクサス 新型「IS」の価格(すべて後輪駆動の2WD/販売店調べ)
-IS300h(2.5L直4ハイブリッド)-
標準仕様:526万円
Fスポーツ:580万円
バージョンL:600万円
-IS300(2L直4ターボ)-
標準仕様:480万円
バージョンL:550万円
Fスポーツ:535万円
Fスポーツモードブラック:585万円
-IS350(3.5L V6)-
Fスポーツ:650万円
Fスポーツモードブラック:700万円

レクサス 新型「IS」のフロントイメージとリアイメージ

レクサス 新型「IS」のフロントイメージとリアイメージ

レクサス 新型「IS」のテールランプ

レクサス 新型「IS」のテールランプ

新型ISの外観は、ボディのワイド感が強調され、テールランプは左右を繋げるデザインになった。ボディ側面を見ると、以前はリアドア付近の下側から後方へと跳ね上げるようなラインを描いていたが、改良後は以前よりも穏やかな形状になっている。なお、外装の刷新によってボディサイズが少し拡大しており、全長は4,710mm(従来型は4,680mm)、全幅は1,840mm(同1,810mm)となった。ボディサイズを見ると、ISらしいコンパクトさがやや薄れてきているようにも思える。

レクサス 新型「IS」のインパネ

レクサス 新型「IS」のインパネ

内装では、インパネに新たなタッチアップディスプレイが採用されているが、基本デザインは同じだ。水平基調で、視認性や操作性はいい。居住空間も、従来と同じだ。全高が1,435mmと低いため、後席は床と座面の間隔が不足している。それでも、身長170cmの大人4名が乗車したときに、後席に座る乗員の膝先には握りコブシ2つ少々の余裕は確保されており、4名乗車を妨げるほどではない。

エンジンは従来と同じで、2.5L直4ハイブリッド、2L直4ターボ、3.5LV6のラインアップだ。動力性能の数値も変わらないが、変速制御などが改善されている。WLTCモード燃費は、2.5L直4ハイブリッドが18km/L(2WD)と16.2km/L(4WD)で、2L直4ターボが12.2km/L、3.5LV6が10.7km/Lになる。同じエンジンを搭載するトヨタ「クラウン」の燃費(2WD)は、2.5L直4ハイブリッドが20km/L、2L直4ターボが12.4km/Lなので、ISの燃費値はクラウンにはおよばない。

レクサス 新型「IS」の走行イメージ

レクサス 新型「IS」の走行イメージ

サスペンションは、基本レイアウトは従来と同じだが、足まわりにはレクサス「ES」と同様の「スウィングバルブショックアブソーバー」が採用されている。アブソーバー内部のオイルが通る部分に、メインバルブとあわせて非着座式バルブが装着されている。ショックアブソーバーの作動速度が微小な領域でも減衰力が発生するため、操舵に対する反応が正確になり、乗り心地も向上する。

そして、装備でもっとも進化したのが安全装備と運転支援だ。衝突被害軽減ブレーキは、ミリ波レーダーと単眼カメラをセンサーに使うが、昼間の自転車検知と昼夜の歩行者検知が可能になった。運転支援機能は、作動中にカーブに近づくと、カーブの深さに応じて自動的に減速してくれる。また、運転支援機能を作動させている間は、ドライバーがステアリングホイールを保持することが条件で、手離し状態が続くと注意をうながす。それでもドライバーが反応しないときには異常事態と判断され、自動的にハザードランプを点滅させて、ホーンを断続的に鳴らしながら減速して停車させる。さらに、ヘルプネットの自動接続によって救援要請も行ってくれるなど、安全性が大幅に高められている。

そのほかの特徴としては、「フロント対向4ポッドキャリパー」「φ334mmスパイラルフィン式ベンチレーテッドディスクブレーキ」は、従来はIS300とIS350のFスポーツのみに装着されていたが、新型ISでは全グレードに採用されている。

また、以前の300hの標準仕様はタイヤサイズが16インチだったが、新型では18インチに変更されている。16、17インチは廃止され、大半のグレードが19インチを装着している。なお、これについては今さら感があるが、「電動パーキングブレーキ」が採用された。

レクサス 新型「IS」のフロントフェイス

レクサス 新型「IS」のフロントフェイス

気になる点としては、ハイビーム走行時に対向車や先行車を検知したときの反応が、単純にロービームに切り替える「オートマチックハイビーム」にとどまることだ。今は、軽自動車のダイハツ「タント」などにも、ハイビーム状態を保ちながら相手の眩惑を抑える「アダプティブドライビングビーム」が採用されている。高級車であるISならば、必須の装備だろう。

グレード構成は基本的に従来と同じだが、IS300とIS350のFスポーツには特別仕様車の「モードブラック」が加わった。各部がブラックで仕上げられ、BBS製19インチ鍛造アルミホイールなども装着される。価格は、Fスポーツに比べて50万円高い。また、IS350は標準仕様とバージョンLが廃止され、FスポーツとFスポーツモードブラックのみになった。レクサスの販売店では、「今の売れ筋は、ハイブリッドが圧倒的に多い。逆に、3.5LV6のIS350は販売比率が下がっている。IS350は高性能が特徴だから、新型ではグレードをFスポーツに絞り込んだ」と言う。

改良されたISの価格は、従来とほぼ同じだ。したがって、安全装備の充実やグレードに応じたアルミホイールのインチアップ、ブレーキの上級化などが行われた分だけ、割安になっている。いっぽうで、省かれた装備もある。IS350 Fスポーツは、ギヤ比を可変式にしたステアリングシステムと、4WS(後輪操舵)を廃止した。その割に、価格は下がっていない。

機能と価格のバランスを考えると、もっとも買い得なグレードはハイブリッドを搭載するIS300hの標準仕様だ。価格は526万円と、2L直4ターボのIS300標準仕様に比べて46万円高いが、ハイブリッドでは購入時に納める環境性能割と自動車重量税が非課税になり、差額が約13万円縮まる。つまり実質差額は33万円だ。

ハイブリッドであれば、燃料代は2L直4ターボの70%以下に収まり、ノイズが小さくて加速は滑らかだ。スポーティーに走りたいなら2L直4ターボか3.5LV6だが、上質な運転感覚を味わいたいならハイブリッドの標準仕様を推奨する。

IS300hの標準仕様と同じ価格帯には、同様のエンジンを搭載する「クラウンハイブリッド RS」(5,319,000円)、「アルファードハイブリッドG」(5,344,000円)などがいる。また、輸入車ではメルセデス・ベンツ「C180 アバンギャルド」(530万円)、BMW「320i」(538万円)などがライバル車になるだろう。

レクサス 新型「IS」の外観イメージ

レクサス 新型「IS」の外観イメージ

冒頭で述べた通り、新型ISの正式発表は2020年11月5日だが、受注開始は8月1日と大幅に前倒しをしているが、果たしてセールスマンは試乗しているのだろうか。「現時点(9月上旬時点)では、まだ試乗していない。メーカーからの説明と資料で、お客様に対応している。具体的な運転感覚などをたずねられると、返答に困る面もある」という。

レクサスに限らず、いまは予約受注の前倒しが激しい。メーカーとしては、売れ筋のグレードやオプションが早期にわかって生産計画を立てやすいが、顧客とディーラーは、曖昧な情報で商談をしたり購入の判断をすることになる。納期も長引き、販売店によると「2020年9月上旬に契約しても、納車は2021年3〜4月になる。試乗してから契約したら、2021年6月頃になるだろう」と言う。

また、発売から7年を経過しながらマイナーチェンジでいいのかという疑問もある。今はプラットフォームや足まわりの解析能力が高く、以前に比べると、改良を施して向上する範囲が広がった。プラットフォームを新開発する必要性が薄れたともいえるが、開発者は「新開発しないと、達成できない機能も多い」と言う。新型ISは、今後4年間は作り続けるだろう。つまり、10年以上にわたってフルモデルチェンジをしないことになる。

レクサスのようなプレミアムブランドでは、「先進的であること」の価値も大きい。トヨタブランドならマイナーチェンジで十分な状況でも、レクサスブレンドでは時代を先取りした高度な商品力が要求され、イメージ面でもフルモデルチェンジが求められる。今のレクサスセダンのラインアップは、ISを除くと「LS」「ES」のみだ。現行LSは全長が5,235mm、全幅は1,900mmと大柄で、先代LSのユーザーからは「車庫に入らなくなった」という声も聞かれる。また、ESはLSよりもコンパクトで車内が広く、実用性は高いが、前輪駆動の採用もあって、レクサスの特徴とも言えるスポーティーな運転感覚には乏しい。

日本の道路環境やレクサスのブランドイメージを考えると、ISは従来以上に大切な存在になっている。だからこそ、モデルチェンジにももう少し力を入れるべきだ。2005年の開業当初、トヨタは「日本のレクサスは後輪駆動のセダンを中心に発展させる」と方針を述べたが、今では少数派になった。今の日本でもっとも多く売られているレクサスは、前輪駆動を採用しているコンパクトSUVの「UX」だ。ISは、日本におけるレクサスセダンの代表として、新プラットフォームを真っ先に採用するような意気込みが欲しい。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆様に怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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