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使い勝手のよさはそのままに、居住空間をさらに拡大!

5年ぶりの全面改良で何が変わった!? スズキ 新型「ソリオ」徹底解説

近年は、クルマの価格が全般的に高くなっていることもあって、手頃な価格のコンパクトカーや軽自動車の販売が従来以上に好調だ。たとえば、2000年頃なら2Lエンジンを搭載するミニバンのホンダ「ステップワゴン」やトヨタ「タウンエースノア」などは、200万円くらいから購入することができた。ところが、現行モデルのステップワゴンやノアなどは、価格の安いNAエンジン車でも250〜300万円ほどになる。安全装備や環境性能などは向上しているのだが、価格も高くなった。いま、価格が200万円以下に収まるクルマと言えば、1.5L以下のエンジンを搭載するコンパクトな車種が中心になる。

「ソリオ」は、コンパクトカーでありながら室内空間は広く、両側スライドドアを備えていることなどから使い勝手も高く、価格も手ごろで人気の車種だ

「ソリオ」は、コンパクトカーでありながら室内空間は広く、両側スライドドアを備えていることなどから使い勝手も高く、価格も手ごろで人気の車種だ

そのような背景もあって、いま人気のコンパクトハイトワゴンのひとつが、スズキ「ソリオ」だ。ソリオの全長は短く、小回り性能にすぐれているが、全高は1,700mmを超えているので車内は広い。4名乗車も快適で、後席をたためば自転車などの大きな荷物も積める。

コンパクトカーでありながら、スズキ「スペーシア」やホンダ「N-BOX」など、背の高い軽自動車に相当する空間効率を備えているため、実用性は抜群にすぐれている。そんな理由もあって、ソリオは、スズキの小型車の中では最多販売車種になるほどに人気がある。

新型「ソリオ」の主な特徴は、フロントフェイスの刷新、車体サイズのアップよる居住空間や荷室の拡大、「アダプティブクルーズコントロール」や「カラーヘッドアップディスプレイ」など先進機能の進化、「6エアバッグ」標準装備などによる安全性能の向上などがあげられる

新型「ソリオ」の主な特徴は、フロントフェイスの刷新、車体サイズのアップよる居住空間や荷室の拡大、「アダプティブクルーズコントロール」や「カラーヘッドアップディスプレイ」など先進機能の進化、「6エアバッグ」標準装備などによる安全性能の向上などがあげられる

そのソリオが、2020年11月25日にフルモデルチェンジを遂げた。先代に比べて、ボディが少し拡大して居住空間が広げられ、内装の質感もアップしている。さらに、安全装備やクルーズコントロールなども進化した。今回は、この新型ソリオの進化の詳細について解説したい。

■スズキ 新型「ソリオ」「ソリオバンディット」のグレードラインアップと価格
-ソリオ-
G:1,581,800円(2WD)/1,707,200円(4WD)
HYBRID MX:1,850,200円(2WD)/1,975,600円(4WD)
HYBRID MZ:2,022,900円(2WD)/2,148,300円(4WD)
-ソリオバンディット-
HYBRID MV:2,006,400円(2WD)/2,131,800円(4WD)
※価格はすべて税込み

上が新型「ソリオ」で、下が先代「ソリオ」のフロントエクステリア

上が新型「ソリオ」で、下が先代「ソリオ」のフロントエクステリア

上が新型「ソリオバンディット」で、下が先代「ソリオバンディット」のフロントエクステリア

上が新型「ソリオバンディット」で、下が先代「ソリオバンディット」のフロントエクステリア

まず、新型ソリオのモデルラインアップは従来と変わらず、標準タイプとフロントマスクなどが精悍なバンディットの2種類だ。プラットフォームも先代と共通だが、全長は標準ボディが80mm、バンディットが70mm拡大され、どちらも3,790mmになった。全幅も20mm広がって、1,645mmになっている。全高は、1,745mmと変わらない。先代に比べてボディは拡大されているが、それでも全長は3,800mm以下に収まっていてコンパクトなサイズだ。

新型「ソリオ」のリアエクステリア

新型「ソリオ」のリアエクステリア

ホイールべースの値は、先代と同じ。最小回転半径も4.8mと同じで、水平基調のボディと相まって、せまい裏道や駐車場などでも取り回しがしやすい。縦列駐車も容易だ。ボディは拡大されているが、取り回し性は先代と比べても変わらないので、不満は生じないはずだ。

新型「ソリオ」の室内空間イメージ

新型「ソリオ」の室内空間イメージ

新型でボディを拡大した最も大きなメリットは、荷室長が100mm伸びたことだ。後席のスライド位置を後端に寄せたときの荷室長は550mmで、前端までスライドさせると715mmに増える。たとえば、35Lサイズのスーツケースを5個積んだとしても、後席の乗員は窮屈にならない。

また、全幅を20mm広げているので、左右席に座る乗員同士の間隔も20mm広がった。さらに、頭部とボディ側面の間にも余裕が生まれているので、開放感が増している。

新型「ソリオ」のインパネ

新型「ソリオ」のインパネ

内装は、インパネの質感が高められている。先代と同じく、メーターはインパネの中央に配置されているが、取り付け角度を見直したことによって視認性が向上した。

新型「ソリオ」に搭載されている、1.2L直列4気筒「K12C型デュアルジェットエンジン」

新型「ソリオ」に搭載されている、1.2L直列4気筒「K12C型デュアルジェットエンジン」

搭載するエンジンは1.2L直列4気筒で、NA車とマイルドハイブリッド車の2種類が用意されている。なお、先代では設定されていたストロングハイブリッド車は、今回のフルモデルチェンジによって廃止された。理由として、燃費性能はマイルドハイブリッドでも十分にすぐれていることから、ストロングハイブリッドは燃費や装備、価格のバランスを考えると割高になったため、廃止されたものと考えられる。

1.2L直列4気筒エンジンの動力性能は、最高出力が91PS(6,000rpm)、最大トルクは12kg-m(4,400rpm)と平均的な値だ。WLTCモード燃費(2WD)は、NAエンジン車が19km/L、マイルドハイブリッド車は19.6km/Lになる。カタログ上の燃費値だけを見ると大きな差ではないのだが、マイルドハイブリッドは実用燃費においてメリットを発揮する機構なので、実際に乗るとその違いは大きい。

そのほか、走行性能に関する改善点として、ボディ剛性の向上に注目したい。ボディを溶接するとわずかな隙間ができるが、新型ソリオでは構造用接着剤を使って、接合を強化している。さらに、サスペンションも改良されており、走行安定性と乗り心地をバランスよく向上させている。

スズキの小型車としては、新型ソリオで初採用された「カラーヘッドアップディスプレイ」

スズキの小型車としては、新型ソリオで初採用された「カラーヘッドアップディスプレイ」

装備は、特に安全面において進化している。ハイブリッドMZとバンディットハイブリッドMVには、インパネ上部に各種の情報を見やすく表示してくれる「カラーヘッドアップディスプレイ」が装備されている。カーナビの交差点案内などのほか、アダプティブクルーズコントロールの作動状態なども表示することができる便利なものだ。

また、対象物を検知するステレオカメラによって、最高速度や車両進入禁止、一時停止といった標識を読み取り、ヘッドアップディスプレイや「マルチインフォメーションディスプレイ」に表示する機能も備わっている。

「アダプティブクルーズコントロール」は、全車速域における追従機能が追加された

「アダプティブクルーズコントロール」は、全車速域における追従機能が追加された

運転支援機能では、先行車との車間距離を自動調節できる「アダプティブクルーズコントロール」に、全車速追従機能が加わった。また、サイド&カーテンエアバッグを含んだ6エアバッグも、全車に標準装備される。

スズキ「スペーシア」に搭載されていた「スリムサーキュレーター」が、新型ソリオにも採用された

スズキ「スペーシア」に搭載されていた「スリムサーキュレーター」が、新型ソリオにも採用された

快適装備では、スズキ「スペーシア」にも搭載されている「スリムサーキュレーター」が新たに採用された。車室内の空気を循環させることで、後席にもエアコンの風が行き渡る。また、後席の足元を暖める「リヤヒーターダクト」も装備されている。

グレード構成と価格(2WD)は、標準ボディがNAエンジンの「G」(1,581,800円)、マイルドハイブリッドの「HYBRID MX」(1,850,200円)、「HYBRID MZ」(2,022,900円)の3グレード。バンディットは、「HYBRID MV」(2,006,400円)のみの1グレードで、計4グレードがラインアップされる。

グレードの選び方は、安さを重視するなら標準ボディのGなのだが、マイルドハイブリッドやスライドドアの電動機能、エアロパーツやアルミホイールなどが装着されない。これらの装備に魅力を感じて、快適性を高めたいのであれば、Gよりも約27万円高いHYBRID MXを推奨したい。HYBRID MXは、機能と価格のバランスがすぐれた買い得なグレードだ。たとえば、トヨタ「ヤリス 1.5G」や、ホンダ「フィット 1.3 HOME」などと比べても、10万円程度の価格アップで、同等の機能を持ちながらミニバン並みに広い室内空間や便利なスライドドアを手に入れることができる。

さらに、LEDヘッドランプやスリムサーキュレーターなどの快適装備が欲しければ、標準ボディのHYBRID MZかバンディットのHYBRID MVを選ぼう。もし、この2グレードで選択に迷ったときは、バンディットのHYBRID MVを推奨したい。バンディットは、存在感の強いボディスタイルで市場の人気が高く、数年後の売却額で有利になるからだ。

なお、販売店によると「新型ソリオの受注は、2020年11月7日頃から実施している。11月下旬に契約した場合、納期は正月休みをはさんで、2021年の2月〜3月頃になりそうだ。納期が、3〜4か月に伸びている」と言う。そのため、購入検討されている方は納期に注意したい。また、今から購入を検討するのであれば、2021年1月から開催される初売りを活用するという手もある。ディーラーごとにさまざまなサービスが展開され、通常よりもお得に買うことができる可能性が高いからだ。年始にチラシなどで配布される初売り情報をチェックして、できるだけお得に新型車を手に入れたい。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
ソリオの製品画像
スズキ
4.64
(レビュー172人・クチコミ4700件)
新車価格:158〜214万円 (中古車:9〜239万円
ソリオ バンディットの製品画像
スズキ
4.50
(レビュー118人・クチコミ2861件)
新車価格:200〜213万円 (中古車:19〜257万円
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