レビュー
ジープの雪上における実力をチェック!

雪道でも快適! 走破性の高さが魅力のジープ「レネゲード 4xe」「チェロキー」に試乗

FCAジャパンのSUVフルラインアップ雪上試乗会が、北海道 勇払郡にある星野リゾート リゾナーレトマム(北海道勇払郡占冠村中トマム)にて開催された。

ジープ「レネゲード 4xe」

ジープ「レネゲード 4xe」

レネゲードの製品画像
ジープ
4.30
(レビュー11人・クチコミ255件)
新車価格:299〜393万円 (中古車:149〜489万円
ジープ「チェロキー」

ジープ「チェロキー」

チェロキーの製品画像
ジープ
4.70
(レビュー18人・クチコミ461件)
新車価格:459〜522万円 (中古車:30〜509万円

今回は、2020年10月に発売されたPHEV(プラグインハイブリッド)モデルのジープ「レネゲード 4xe」を中心に、そのガソリンモデルの「レネゲード」や、「チェロキー」にも乗ることができた。後述するように、実は途中でハプニングがあったため、存分に試乗することはかなわなかったのだが、それでも雪道を走行することはできたので、その印象についてレポートしたい。

荒れた雪道でも、静粛性が高く快適な「チェロキー」

試乗当日の朝7時、羽田発新千歳行きの飛行機で北海道を目指し、到着したのが8時半。そこから、バスでトマムへと向かう。新千歳周辺の道路には雪はあまりなく、路肩に少し見られる程度だったが、バスに揺られているうちに徐々に路面に雪が見え始めた。それでも、地元の人に聞くと、例年に比べれば雪は少ないとのことだった。昼前に、トマムへ到着してランチを食したのち、さっそく4時間ほどの試乗時間が与えられた。まずは、一般道を含む雪上試乗だ。

ジープ「チェロキー」の試乗イメージ

ジープ「チェロキー」の試乗イメージ

最初に試乗したのは、チェロキー(グレードは「リミテッド」)だ。ジープならではの悪路走破性を誇りながらも、洗練されたエクステリアデザインを有するミッドサイズSUVだ。2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載し、その最高出力は272ps/5,250rpm、最大トルクは400Nm/3,000rpmと、どちらかと言うと中回転以上を好むエンジンのようだ。ボディサイズは、全長4,664mm、全幅1,860mm、全高1,725mmで、日本車ではホンダ「CR-V」が近いサイズと言える。

チェロキーに乗り込み、エンジンをスタート。雪で荒れた路面でも、乗り心地はかなり快適で凸凹もきれいにいなし、ショックは乗員に伝わってこない。さらに、静粛性も高く、エンジン音やロードノイズなどもきれいに遮断されていた。

さらに、装着されていたスタッドレスタイヤ、ミシュラン「X-ICE SNOW」(225/55R18)に関しても、少し触れておこう。スタッドレスタイヤと聞くと、どうしてもロードノイズが大きく、ハンドリングが甘くなるなどのイメージが付きまとうが、X-ICE SNOWは決してそんなことはなかった。きれいな真円であることを、乗り心地を通じて感じさせつつ、雪が途切れてアスファルトが見えるような場所でも、ロードノイズは不必要に高まることがない。また、本来の雪道でのブレーキング性能も、十分に安心できるものであった。

ジープ「チェロキー」の試乗イメージ

ジープ「チェロキー」の試乗イメージ

いっぽう、チェロキーに話を戻すと、アクセルレスポンスについて少々気を遣う結果となった。具体的には、ゆっくりとアクセルを踏み込んでもその反応が過敏で、思った以上の加速になってしまいがちなのだ。かつ、アクセルペダルがとても軽いことから、滑りやすい路面も相まって、慣れるまでは乗りにくい印象だった。また、そのアクセルペダルの軽さから、段差などでペダルの角度を一定に保つことが難しく、本格的なラフロードでの繊細なアクセルペダルコントロールは難しいかもしれないと感じた。また、そういったシーンにもかかわらず、フットレストが装備されないことも残念であった。

チェロキーの製品画像
ジープ
4.70
(レビュー18人・クチコミ461件)
新車価格:459〜522万円 (中古車:30〜509万円

雪道でも乗りやすい「レネゲード 4xe」

ジープ「レネゲード 4xe」

ジープ「レネゲード 4xe」

さて、今回のメイン試乗車であるレネゲード 4xe(グレードは「トレイルホーク」)に乗り換えよう。それまでチェロキーに乗っていたことから、ボディサイズはかなりコンパクトに感じられる。全長4,255mm、全幅1,805mm、全高1,725mmと、日本の道では大きすぎない、ちょうどいいサイズ感だ。特に、知らない道などを走るには、横幅はこのくらいのほうが気を使わずに済む。

走らせ始めてすぐにメーターを見ると、バッテリーの残量が2%しかなかったため、PHEVでありながら基本的にはほぼエンジンがかかった状態での走行となった。だが、走行モードで「SNOW」を選択すれば、前後輪に駆動力がかかる4WDになり、常にエンジンが始動した状態になるので、その意味では試乗に大きな影響はないだろう。ちなみに、補足するとフロントにある1.3リッターターボエンジンは前輪を駆動し、リアにあるモーターが後輪を駆動する。また、本格的なオフロード路を走行する場合には、パワーループを採用した前後2基の電気モーターによって、eAWDトラクション(四輪駆動)で走行することもできる。

ジープ「レネゲード 4xe」の試乗イメージ

ジープ「レネゲード 4xe」の試乗イメージ

まずは、「AUTO」モードでスタートしたが、基本的にはよほどのことがないかぎり、このモード以外を選ぶ必要性は感じられなかった。時々、メーター上に「4WD LOCK」が点灯するが、これは四輪駆動になったことを指している。さすがに、雪道ではタイヤが滑ったことを検知して、頻繁に点灯する。そこで、「SNOW」モードに切り替えてみた。すると、4WD LOCKがほぼ点灯。エンジンは常に始動した状態になり、車速が15km/h以下では前輪(エンジン)60%、後輪(電気モーター)40%のトルク配分となる。そこから、車速が上がるにつれて、後輪(電気モーター)のトルクが減少していくという。また、バッテリーの残量が20%以下になると、エンジンは前輪の駆動と同時にフロントモーターを発電機として使用して、後輪の電気モーターに電気エネルギーが供給されることで、常にリアにも駆動力がかかる仕組みとなっている。

実際に走らせてみると、AUTOモードとSNOWモードの大きな差は、スタート時にあった。SNOWモードでは、アクセルペダルの踏み込みに対するトルクの上昇がゆるやかになる。それだけ、滑りやすい路面では発進が楽になり、アクセルペダルワークに気を使わなくて済むわけだ。一般道では、かなりかったるく感じられるこのレスポンスも、滑りやすい路面ではとても有効だ。また、圧雪路であっても、AUTOモードよりもクルマの安定性が増した印象もあった。

雪道だけでなく、国道の除雪が行き届いたほぼウェットな路面などもしばらく走りながら、AUTOモードとSNOWモードを切り替えているうちに、ある程度充電ができたのか、AUTOモードではエンジンが停止して、ピュアEVによる走行もひんぱんに出始めた。だが、実はしばらく路面を注視していた(アイスバーンがあった)ので、EV走行であることに気づくまでに、少し時間がかかってしまった。それは、別の視点で言えば、それだけエンジンの停止・始動に違和感がないとも言える。いつエンジンがかかり、いつ停止したかは助手席の同乗者はほぼ気づくことがなく、ドライバーでもじっくりと観察していて初めてわかるくらいのものだ。その結果、前述したとおりAUTOモードを選択しておけば、よほどのことがないかぎりこのままでいいという結論に行きつくのだ。もし、滑りやすい雪道でその変化が感じられたとすれば、やはり不安に思うことだろうが、このシステムにかぎっていえば、そういったことは皆無であった。ちなみに、静粛性が高いことも、エンジンのオン・オフに気づかなかった大きな要因のひとつと言える。

ジープ「レネゲード 4xe」の試乗イメージ

ジープ「レネゲード 4xe」の試乗イメージ

レネゲード 4xeの魅力は、大きく2つある。ひとつは、雪道や悪路における乗りやすさだ。それは、適切な重さのあるアクセルペダルのレスポンスに対して、トルクの出方が自然なことがあげられる。ここにこだわる理由は、滑りやすい雪道ではより穏やかなスロットルワークが求められるため、自分が思った通りの反応がないと疲れに繋がり、雪道での走行に不安を覚えてしまうことになりかねないからだ。しかし、レネゲード 4xeではそういったことはなく、自信を持って雪道を走らせることができる。ちなみに、フットレストがしっかりと装備されていることも述べておきたい。

実は、以前乗ったレネゲード 4xeでは、勢いよく発進した際にエンジン始動時にギクシャクした、出来のよくないATの変速ショックのような症状が発生していたのだが、今回の個体に関してはまったくそういうことがなかった。いずれにせよ、今回の個体を正とするならば、トランスミッションについてはまったく問題はないだろう。

そして、もうひとつの魅力は乗り心地のよさだ。車重が1,860kgと、ガソリンモデルの1,570kgよりも約300kg重くなっていることも効いており、乗り心地がしなやかなのだ。ちょっとした雪による凸凹などはきれいにいなし、乗員にそのショックを直接伝えてこないので、雪道はもちろん一般道でも長距離は得意な印象だった。

レネゲードの製品画像
ジープ
4.30
(レビュー11人・クチコミ255件)
新車価格:299〜393万円 (中古車:149〜489万円

乗り心地に関しては、レネゲードのガソリンモデルにも乗ることができたので、4xeとの違いについて述べておこう。前述のとおり、約300kgの車重の差は大きく影響しており、ガソリンモデルでは少し跳ねるような硬さが感じられた。一般道においては、きびきびとした走りが楽しめるかもしれないが、ある程度の雪道や悪路も含めて考えると、もしレネゲードを購入対象にするならば4xeをおすすめしたい。なお、装着タイヤは4xeがミシュラン「X-ICE 3+」(235/55R17)、ガソリンモデルはミシュラン「X-ICE SNOW」(215/60R17)であった。

ひとつ、気になることと言えば、レネゲードには安全運転支援システムの「レーンキープアシスト」が装備されているのだが、それが雪道では意外とトリッキーな動きをするときがあることだった。たとえば、路肩の雪が車道にまではみ出していて、それを避けるために前方にクルマが来ないことを確認したうえで、わずかにセンターラインを踏むくらいにまで出た際に、急にステアリングに介入してクルマを戻そうとするのだ。本来はそれで正しいのだが、さすがに雪道ではあせってしまった。

家族や友人同士で訪れたい「星野リゾート リゾナーレトマム」

このように、4時間ほど雪道と戯れた後、「星野リゾート リゾナーレトマム」へ戻り、翌日の予定を確認しつつチェックインした。

星野リゾート リゾナーレトマム

星野リゾート リゾナーレトマム

なお、今回の試乗会場兼宿泊場所となった星野リゾート リゾナーレトマムは、最高水準のコロナ対策が施された安心できるホテルだった。星野リゾートでは、大きく”衛生管理”と”3密回避”の2つの対策に取り組んでいる。衛生管理では、通常の清掃に加えて館内の除菌対応、スタッフや宿泊者への健康面の確認を主に行い、3密回避では、宿泊者やスタッフ、宿泊者同士の視点で3密が発生しづらい環境づくりが進められている。たとえば、チェックイン時には2m程度の間隔で並ぶほか、混雑を回避するようスタッフが配慮する徹底ぶりだ。

冬の間だけオープンしている、星野リゾート トマムの「アイスヴィレッジ」

冬の間だけオープンしている、星野リゾート トマムの「アイスヴィレッジ」

星野リゾート リゾナーレトマムは、約 1,000 ヘクタールの広大な敷地内の高台に佇むオールスイートのホテルだ。敷地内には、夏には絶景を鑑賞できる展望スポット”雲海テラス”や、今回は残念ながら訪問することができなかったが、冬だけに現れる幻想的な氷の街”アイスヴィレッジ”など、トマムならではの自然を満喫できる施設がある。そのほかにも、多種多様なレストランやアクティビティ、スパ・トリートメントも用意されているので、それぞれを組み合わせながら、自分にぴったりの世界を楽しむことができる滞在型リゾートと言えよう。

レネゲード 4xeは、ジープの中でベストバイかも

部屋に入り、そろそろプレゼンテーションを聞くタイミングだと、準備を始めたころになって、急遽この試乗会が終わりを告げた。

翌日に、北海道へ大雪警報が発令されることが予測され、JR各線の特急の運休が発表されたのだ。さらに、翌日に我々が搭乗する帰路の飛行機もキャンセルとなった。さらに、翌日のフライトは、ほかの時間もほぼキャンセルになる可能性が高いとのこと。本来であれば、翌日の2日目も試乗する予定だったのだが、致し方なくあわててJRに飛び乗り、新千歳へ向かう。そして、何とか最終便の席を確保して帰還した次第だ。

ジープ「レネゲード 4xe」

ジープ「レネゲード 4xe」

このように、今回は、やや中途半端に終わってしまった試乗会になってしまったが、それでも試乗することができた3台は、いずれも氷点下の気温にも関わらず、室内は常に最適な温度に保たれており、雪道でも実に快適であったことは間違いない。さらに、レネゲード4xeにおいては、滑りやすい路面であっても、自信を持ってアクセルとブレーキを操作することができた。これは、ミシュランのスタッドレスタイヤによる高い雪道性能も加味されているだろうが、クルマ全体のバランスがとても高いものであったことも大きいだろう。そんなことを考えると、実は日本で乗るジープの中では、レネゲード4xeがボディサイズなども含めてベストバイなのではないだろうかと思えた。

[写真:内田俊一/FCAジャパン/星野リゾート]

内田俊一

内田俊一

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かし試乗記のほか、デザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。

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