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開放感と一体感をもたらす、新たなデザインへと刷新

ホンダ 新型「ヴェゼル」発売! デザインはなぜ変わった!?

ホンダの新型SUV「ヴェゼル」が、いよいよ2021年4月23日に発売される。内外装のデザインなどについては、すでに先行公開されているのだが、発売にともなって価格やスペックなどの詳細が新たに公表された。

ヴェゼル ハイブリッドの製品画像
ホンダ
4.09
(レビュー405人・クチコミ25073件)
新車価格:265〜329万円 (中古車:―円
ヴェゼルの製品画像
ホンダ
3.80
(レビュー97人・クチコミ3793件)
新車価格:227〜249万円 (中古車:79〜399万円

当記事では、価格やボディサイズなどを先代と比較するとともに、デザインが刷新された理由などについても解説していきたい。

価格は若干アップしているが、その分、装備は充実

■ホンダ 新型「ヴェゼル」のグレードラインアップと価格
※価格はすべて税込
e:HEV X:2,658,700円(FF)/2,878,700円(4WD)
e:HEV Z:2,898,500円(FF)/3,118,500円(4WD)
e:HEV PLay:3,298,900円(FF)
G:2,279,200円(FF)/2,499,200円(4WD)

まずは、気になる価格から。売れ筋グレードのe:HEV Z(FF)は、2,898,500円(税込)。先代の同グレードは2,760,186円(税込)なので、約13万円アップしている。

ただ単に高くなったのでは説得力がないが、新型ヴェゼルのe:HEV Zには「ハンズフリーアクセスパワーテールゲート」が新たに装備されたほか、「ブラインドスポットインフォメーション」なども採用されている。それらを考慮すると、価格差は許容範囲と言えそうだ。

次に、新型ヴェゼルのボディサイズ(全長×全幅×全高)は、 4,330×1,790×1,590mm(e:HEV XとGグレードは1,580mm)。先代のボディサイズ(4.330×1.770×1.605mm)と比較すると、全長は同じで、全幅は20mm広く、全高は15mm低くなった。新型ヴェゼルでは、デザインの大幅改良によって視界がかなり改善されて(特に右後方)おり、乗りやすさといった部分においても新型のほうがよさそうだ。

内外装の一体感や開放感をもたらすデザインへと刷新

次に、刷新されたデザインについて、先代と新型とを比較してみよう。

ホンダ 先代「ヴェゼル」のフロントエクステリアとリアエクステリア

ホンダ 先代「ヴェゼル」のフロントエクステリアとリアエクステリア

先代は、ウェッジシェイプが効いたSUVにクーペが融合したような、デザインコンシャスな印象が与えられていた。

ホンダ 新型「ヴェゼル」のフロントエクステリアとリアエクステリア

ホンダ 新型「ヴェゼル」のフロントエクステリアとリアエクステリア

だが、新型は直線基調で、すっきりとした軽快なエクステリアデザインへと変更されている。実は、ここまでデザインが変わった理由については、先代における反省点が盛り込まれているという。

先代は、ミニバンのようなユーティリティー性が追求され、室内やラゲッジスペースの広さは、数値上でもクラストップレベルであった。しかし、それがエクステリアデザインから感じ取れなかったのだ。さらに、ラゲッジスペースの数値を追求するあまり、リアシートのリクライニングを立てる方向へ、つまり荷室優先で開発されたために、(後席の足元は十分広いものの)居住性が犠牲となってしまった。そのうえ、エクステリアのサイドデザインが後方に向かってキックアップしている影響などから、後席に座った際に閉塞感が生まれてしまったのだ。そこで、新型では内外装のギャップをなくし、室内の広さを外観からも素直に感じ取れるように、そしてどの席においても広々感が享受できるようにデザインされたのである。

心地よい光や、爽快な視界が得られる「パノラマルーフ」は、PLaYグレードに標準装備されている

心地よい光や、爽快な視界が得られる「パノラマルーフ」は、PLaYグレードに標準装備されている

たとえば、PLaYグレードに標準装備されている「パノラマルーフ」は、ガラス面の前部が一般的なルーフよりも前方にあるので、ルーフを開ければ後席はもちろん、前席でも十分な日差しを浴びることができる。

新設計のエアコン吹き出し口「そよ風アウトレット」は、L字型の送風口から風がサイドウィンドウに沿って後方へと流れることで、乗員を包み込むような空気の流れを作ってくれる

新設計のエアコン吹き出し口「そよ風アウトレット」は、L字型の送風口から風がサイドウィンドウに沿って後方へと流れることで、乗員を包み込むような空気の流れを作ってくれる

また、インパネ左右のエアコン吹き出し口にも、工夫が凝らされている。通常の、エアコン風のオン/オフに加えて、サイドウィンドウに沿って後席へと風を流す「そよ風アウトレット」が装備されているなど、快適性が向上している。さらに、ドア内張にあるドアハンドル上のキャラクターラインは前方へと抜けて、最終的にはボンネットの左右の峰につながるようなイメージを持たせることで、内外装に一体感を持たせている。新型ヴェゼルは、内外装の開放感と一体感をもたらすデザインへと刷新されたのである。

新型ヴェゼルのエクステリアデザインで、最も注目を集めているのが、新たなグリルレスデザインだ。ホンダは長らく、「ソリッドウィングフェイス」をデザインアイデンティティーとしてきたが、そこからの変化は何なのだろうか。本田技術研究所 デザインセンター アドバンスデザイン室 ビジュアライゼーションスタジオ アシスタントチーフエンジニアデザイナーの阿子島大輔さんによると、「お客様の生活に寄り添うデザインを目指すホンダとして、最近では『フィット』やマイナーチェンジした『フリード』などにグリルレスデザインを採用することで、シンプルかつ親和性のあるフロントフェイスを展開しています」とのこと。そのうえで、新型ヴェゼルにおいても「ホンダの新しいフロントフェイスをベースに、ホンダらしいスマートさや、より身近に感じていただける親和性を持ったデザインとしながら、そこへヴェゼルのグランドコンセプトである『Everyday Amp Up Partner』としてふさわしい、つまりお客様が日々の活力やインスピレーションを感じてもらえるような、精悍で個性的な表情をプラスしてデザインしました」と言う。

具体的には、「フロント中央のボリュームの押し出しを強め、より立体的で存在感を増した造形としながらも、その立体上にフレームを無くしてボディと同色化した“シームレスグリルデザイン”を一体化させることで、力強さとクリーンさを両立したユニークなデザインとしました。また、グリル中央(Hマーク付近)で上下のセクションを分けながら、鼻先からヘッドライトへの造形を連続させることで、ホンダらしいワイド基調を感じさせるデザインとなっています」と説明する。

新型ヴェゼルでは、より“電動感”が強調されている「e:HEV」

パワートレインは、2モーターハイブリッドのe:HEVと、ガソリンエンジンの2バリエーションが用意されている。燃費については、それぞれWLTCモードで24.8km/L(e:HEV Z)、17.0km/L(G)となっている。

注目のe:HEVは、コンパクトカーの「フィット」と同様に、1.5リッターガソリンエンジンに高効率の2モーターが組み合わせられているハイブリッドシステムだ。「EVモード」「ハイブリッドモード」「エンジンモード」の3つのモードを、効率よく使い分けて走行することができる。特に、新型ヴェゼルでは「EV走行時に、シームレスな走りによって生まれる“電動感”を、より強調させるようなセッティングになっています」と、開発責任者の岡部宏二郎さんは言う。

通常は、バッテリーやモーターを後部周りに搭載する関係から、ラゲッジスペースが犠牲になりがちなのだが、新型ヴェゼルではバッテリーを「フィットの48セルから、(新型ヴェゼルでは)60セルに容量アップしながらも、フラットで使いやすい荷室の両立を図っています」と、コメントする。

走りの面では、e:HEVにおいては通常のDレンジのほかに、Bレンジや減速セレクターなどが用意されており、アクセルオフ時の減速度を変更することができる。Dレンジは、ガソリンエンジン車のように使い慣れた減速感であるのに対し、Bレンジではより強く、しっかりとした減速感が出るようなセッティングになっている。「Bレンジは、ブレーキペダル操作を少なくしながら、アクセルペダルのオン/オフというワンペダルで、ワインディングなどを楽しく安全にドライブすることができます。また、好みの減速度を設定できるように、e:HEVにはすべてのグレードに減速セレクターを用意し、強さを4段階で設定できるようにしています」と説明する。

また、一般的にエンジンをかけないEV走行時には、ロードノイズなどの音が気になることがよくある。その点に関して、新型ヴェゼルでは各部の音響感度を改めて解析。周波数ごとに、部品の剛性や制振材を拡大することなどによる改善が施されている。岡部さんによると、「音圧変化の少ない、快適なキャビンを実現しています」とのことだ。

ホンダが「リアルタイムAWD」と呼んでいる4WDシステムでは、プロペラシャフトを通して高い速度域まで後輪に直接駆動力が伝わる。本田技研工業 パワーユニット開発統括部 パワーユニット開発2部 小型ドライブユニット開発課 チーフエンジニアの上田雅英さんによると、「スタックした際などにも、モードなどを切り替えることなく、すっと抜け出すことができます」と説明する。

取材時に、片輪が浮くようなモーグルや、片輪だけ滑りやすい路面を疑似的に作り出した4WDの体験試乗にトライしたのだが、少し強めにアクセルを踏み込むだけで、難なくクリアすることができた。「前後トルク配分は、基本は6対4です。そして重量配分に合わせて、たとえば加速するとうしろに荷重が乗るので5対5くらいになり、高速道路などで淡々と走っているときには燃費を考慮して8対2に、状況によっては10対0にもなります」とのことだった。

そのほか、1グレードのみのガソリンエンジン搭載車においても、しっかりと作り込まれているという。岡部さんによると、「エントリー車として、誰でも扱いやすく満足してもらえるよう、特に静粛性にすぐれた新開発のポート噴射タイプの1.5リッターエンジンを採用しています。CVTも低フリクション技術を採用し、走りにおいては加速の際にステップアップシフト、もしくはブレーキ操作の際には連動したダウンシフト制御によって、軽快で安心な加減速が得られるようなセッティングとしています」と、ホンダのCVTの最新制御が盛り込まれていることを説明してくれた。

さらに進化した安全運転支援機能

安全性能においては、「HondaSENSING」が全グレードに標準装備されている。先代からの進化点としては、「後方誤発進抑制機能」「近距離衝突軽減ブレーキ」「オートハイビーム」などが追加されている。

さらに、そのほかの安全機能においても、広角の単眼カメラや高速画像処理チップ、そしてソナーセンサーを車体の前後に装備することなどによって、性能の向上が図られている。カメラは、ヒーターを採用することでくもりを防止し、HondaSENSINGが機能する環境条件をより広げている。これらの進化によって、認識するエリアをよりワイドに、より遠方へと広げることができ、車両の周囲の状況をいち早く検知することが可能となった。

そのほか、注目すべき安全機能としては、SUVの大きなボディを安心して乗ってもらえるように「マルチビューカメラ」が用意されたことや、上級グレードに「ブラインドスポットインフォメーション」が標準装備されていることなどがある。ブラインドスポットインフォメーションは、これまで3mだった検知エリアが25mへと距離が拡大され、より安全性能が高められている。さらに、バック時に後側方の接近車両を知らせてくれる「後退出庫サポート」も用意されており「リアワイドカメラ」とともに駐車場からの入出庫をサポートしてくれる。

クルマの新たな楽しみ方を提案する「Honda CONNECT」

「Honda CONNECT」は、2020年に発売された「フィット」へ初めて搭載された、通信機を含む車載通信モジュールのことだ。画像の「Honda CONNECTディスプレイ」(メーカーオプション)は、Honda CONNECTのさまざまなサービスを利用することができる

「Honda CONNECT」は、2020年に発売された「フィット」へ初めて搭載された、通信機を含む車載通信モジュールのことだ。画像の「Honda CONNECTディスプレイ」(メーカーオプション)は、Honda CONNECTのさまざまなサービスを利用することができる

新型ヴェゼルでは、コネクティビティも充実している。「ユーザーの生活やスタイルの変化にあわせて、移動中や移動先でもより楽しんでもらえるように、デジタルキーや車内Wi-Fiなどを採用しています」と岡部さん。

さらに、今回新たに採用された「自動地図更新サービス」もホンダ初のサービスで、初回申し込みから12か月間の無料期間が設けられている。自動地図更新サービスでは、地図更新をHonda CONNECTが自動的に行うので、ディーラーなどへ行かずとも更新可能というのは、ユーザーにとって大きなメリットだろう。

Honda CONNECTのシステム構成としては、車体側のハードウェアは「Honda CONNECTディスプレイ」と、テレマティクスの「コントロールユニット」「Bluetoothユニット」で構成されている。これらが、車載のキャリア回線を通じてホンダ側のサーバーとつながることでサービスが提供される。さらに、スマートフォンのテザリングなどを用いて、車載のBluetoothユニットと接続すれば、ホンダのスマートフォンアプリを通じて空調やパワーウィンドウ、ドアのアンロックやエンジン始動などをスマートフォンで操作することができるのだ。ちなみに、前述したドアのロック解除やエンジン始動が可能となる「デジタルキー」は、ユーザーのスマートフォンが鍵の代わりになる。アンロックして乗車後、PINコードで承認を行うことによって、エンジンが始動できるようになるので安心だ。

車内Wi-Fiは、自宅やオフィスの通信環境が車内で実現できるもので、YouTubeなどの動画鑑賞やオンラインゲーム、リモートワークといったことなどが可能となる。

本田技研工業 電子制御開発統括部 情報通信システム開発部 インフォテインメントシステム開発課 アシスタントチーフエンジニアの安藝未来さんに、もう少しくわしい話を聞いてみた。「日本のどこにいても、携帯電話の通信網(回線はSoftBank)をサーバー経由でつないでいます。たとえば車内Wi-Fiは、渋滞などで子供たちが飽きてしまったときに、ゲーム機などをつなげれば、退屈せずに過ごすことができるでしょう」とコメントする。

また、自動地図更新サービスの仕組みについては、「目的地と現在地の周辺の地図を、差分でサーバーから取得して更新します。つまり、必要なところだけ更新するので、効率よく使えるのです。まず、現在地と目的地周辺の地図更新を行い、途中のルートはそこを走るごとに更新されます」と言う。したがって、ドライバーは更新ボタンを押すなどの煩わしい手続きを踏む必要がないのである。

また、新型ヴェゼルのHonda CONNECTには、さまざまなアプリケーションもあらかじめインストールされている。「radiko」や「NAVITIME CONNECT」をはじめ、9つのアプリケーションを短期間で作り上げたという。

また、「ホンダのオーディオマニアが作った、ヴェゼル専用設計のプレミアムオーディオシステムも搭載されています。従来なら、ミドルクラス以上の車種に搭載されるオーディオの音質で、リア席にもツイーターが搭載されており、後席でもクリアな音を楽しむことができます。音楽ストリーミングサービスのアプリケーション『AWA』を搭載していますので、クルマの中で好きな曲を聴くことができます」とのことだ。

新型ヴェゼルは、クルマ本来の性能の向上に加えて、“つながる”という点にも重きを置いて開発された。今回は、実際に一般道を走らせることはできなかったが、それでも刷新されたパワートレインや内外装、4WD体験試乗における挙動などをふくめて、よりSUVらしさを感じることができた。さらに、新コネクティビティで “つながる”ことによって、新しいクルマの楽しみ方も見えてきそうだ。さまざまなアプリを使いこなしながら、長距離をドライブしてみたくなった1台だった。

内田俊一

内田俊一

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かし試乗記のほか、デザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。

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新車価格:265〜329万円 (中古車:―円
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新車価格:227〜249万円 (中古車:79〜399万円
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