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「ヤリス」とプラットフォームやハイブリッドシステムを共通化

トヨタ 新型「アクア」の価格が判明! 7月の正式発表を前に徹底解説

これから発売される新型コンパクトカーの中でも注目したいのが、トヨタ「アクア」のフルモデルチェンジだ。新型アクアの正式な発表は2021年7月19日が予定されているが、販売店では6月20日から価格を明らかにして予約受注を開始している(6月25日の販売会社もある)。そこで、当記事では新型アクアの価格や仕様などの詳細について、正式発表を前に先取りで解説したい。
※当記事に掲載されているアクアの画像は、現行(初代)のものになります。

画像は現行(初代)のトヨタ「アクア」

画像は現行(初代)のトヨタ「アクア」

■トヨタ 新型「アクア」のグレードラインアップと価格
- 2WD(FF) -
・X:2,090,000円
・G:2,230,000円
・Z:2,400,000円

- 4WD(E-Four) -
・X:2,288,000円
・G:2,428,000円
・Z:2,598,000円
※上記以外に最廉価の「B」グレードも存在

■トヨタ 新型「アクア」の主要スペック
・全長:4,050mm
・全幅:1,695mm
・全高:1,485mm
・ホイールベース:2,600mm
・エンジン:1.5L 直列3気筒+ハイブリッド
・フロントサスペンション:ストラット
・リヤサスペンション:トーションビーム
・WLTCモード燃費:(Bグレード)35.8km/L/(X・G・Zグレード)34.6km/L

アクアの製品画像
トヨタ
4.03
(レビュー375人・クチコミ15575件)
新車価格:198〜259万円 (中古車:1〜293万円
トヨタ「ヤリスハイブリッド」(HYBRID G)

トヨタ「ヤリスハイブリッド」(HYBRID G)

新型アクアは、現行の「ヤリスハイブリッド」とハイブリッドシステムやプラットフォームなどを共通化している。そのため、両車は姉妹車的な間柄と言えるが、ホイールベースの数値は新型アクアのほうが50mm長く、室内も新型アクアのほうが広い。したがって、ヤリスハイブリッドの上級車種が新型アクアという見方も成り立つだろう。日産「ノート」をベースに開発された、「ノートオーラ」にも似た存在だ。

注意したいのは、6月20日の予約受注開始時点では、販売店でも外観や内装などの写真を見ることができなかったことだ。ディーラーの資料を見ると、各種のデータや装備、グレード構成、価格については新型の内容だが、添付されている写真は従来型のものだった。販売店では、「内外装の写真が外部に流出するのをメーカーが心配している」とのこと。それでも、端末で見られる資料に新型の外観シルエットは示されていた。基本的なボディスタイルは従来型に似ており、ボンネットは前方に傾斜させ、フロントウィンドウにかかるラインを直線的につなげる手法なども、従来のアクアと同じデザインモチーフだ。天井は、前席の上部付近を頂点に後方へと下降しており、ルーフ上にはシャークフィンアンテナも備わる。

従来型から大きく変わるのは、前述でもお伝えしたホイールベースだ。従来型は2,550mmだが、新型では2,600mmへとわずかだが拡大される。ヤリスも2,550mmなので、新型アクアは現在のトヨタのコンパクトカーとしては、ホイールベースが長い部類に入る。そして、ホイールベースの拡大によって、居住空間が広がる。

現行(初代)トヨタ「アクア」のインテリア

現行(初代)トヨタ「アクア」のインテリア

身長170cmの大人4名が乗車した場合、後席に座る乗員の膝先空間は、ヤリスが握りコブシひとつ少々で、従来型アクアでもひとつ半だった。従来型のアクアも少々窮屈ではあるが、新型アクアなら従来型よりも足下には少し余裕が出そうだ。ホンダ「フィット」のような、広大な後席空間を超えるのはさすがに難しいが、日産「ノート」と同程度の居住性が確保されているものと考えられる。

新型アクアは、全高が1,485mmと従来型を30mm上回っているので、頭上空間もわずかに広がる。

現行(初代)トヨタ「アクア」に採用されている、フロアシフトのATレバー

現行(初代)トヨタ「アクア」に採用されている、フロアシフトのATレバー

室内の作りで、大きく変わるのがATレバーだ。従来型は、一般的なフロアシフトのシフトゲートが備わっていた。これが、新型ではプリウスなどと同じ、スイッチ状の小さなATレバーを動かすエレクトロシフトマチックへと変更される。さらに、装着位置も床面からインパネへと移される。

パーキングブレーキは、従来型はレバー式だったが、新型では足踏み式に変わる。ATレバーがインパネに移されたので、パーキングブレーキを足踏み式にすれば、前席のセンターコンソールを有効活用できるからだ。ただし、ATレバーを小型化してインパネに装着したことを考えると、パーキングブレーキは電動式にすべきだろう。そうすれば、車間距離を自動調節できるレーダークルーズコントロールで追従停車した後、電動パーキングブレーキを自動的に作動させて停車を続けられる。それが、足踏み式では停車を続けられずに、約2秒後に再発進する。

また、従来型から乗り替えた時のなじみやすさを考えるならば、ATレバーは従来と同じフロア式で、パーキングブレーキもオーソドックスなレバー式にするほうがいい。新型アクアは、操作系の進化という点においては、やや中途半端なようにも思える。

新型アクアでは、荷室の使い勝手についても変更されている。リヤゲートの開口部分が拡大され、荷物の出し入れが容易になった。その代わり、後席を立てている状態での荷室奥行寸法は、新型は656mmなので、722mmの従来型に比べて66mm短くなっている。

トヨタ「ヤリス」のプラットフォームのイメージ

トヨタ「ヤリス」のプラットフォームのイメージ

ハイブリッドシステムやプラットフォームは、基本的にヤリスハイブリッドのものが踏襲されている。新型アクアは、従来型と同じハイブリッド専用車なので、ガソリンエンジン搭載車は選べない。1.5L直列3気筒エンジンをベースとした、ハイブリッド車のみのラインアップとなる。

WLTCモード燃費は、安全装備などを省いた法人やレンタカー向けの「B」グレードが35.8km/L、一般ユーザー向けの「X」「G」「Z」グレードは34.6km/Lだ(グレードの詳細については後述)。従来型のWLTCモード燃費は、27.2〜29.8km/Lなので、新型アクアでは燃費が大幅に向上する。ちなみに、ヤリスハイブリッドのWLTCモード燃費は35.4〜36.0km/Lなので、新型アクアはヤリスハイブリッドと同等の燃費値になる。

新型アクアのハイブリッドシステムは、基本的にはヤリスハイブリッドと同じなのだが、駆動用電池が異なるのが特徴的だ。ヤリスにはリチウムイオン電池が使われているが、新型アクアでは進化したバイポーラ構造のニッケル水素電池が新たに採用される。ニッケル水素電池は、古いバッテリー技術という印象がともなうが、製造コストを大幅に抑えられるというメリットがある。新型アクアでは、充放電効率はヤリスのリチウムイオン電池に比べて少し劣るものの、コストのメリットや耐久性の高さでバイポーラ構造のニッケル水素が搭載される。

トヨタ「ヤリス」のフロントサスに採用されている、マクファーソンストラット式サスペンション

トヨタ「ヤリス」のフロントサスに採用されている、マクファーソンストラット式サスペンション

サスペンション形式は、ヤリスと同じで前輪がストラットの独立式、後輪はトーションビームの車軸式になる。また、前輪側のショックアブソーバーには、スイングバルブが組み込まれている。足回りがゆっくりと動く発進時や市街地を走る時などにも、スイングバルブによってショックアブソーバーが的確に減衰力を立ち上げてくれる。乗り心地の曖昧さを払拭して、快適性を高めてくれる装備だ。

安全装備は、基本的にヤリスと同じだ。自車が右左折する時に、直進車や歩行者を検知して衝突被害軽減ブレーキを作動させる機能が備わる。

アクアの製品画像
トヨタ
4.03
(レビュー375人・クチコミ15575件)
新車価格:198〜259万円 (中古車:1〜293万円

■トヨタ 新型「アクア」のグレードラインアップと価格
- 2WD(FF) -
・X:2,090,000円
・G:2,230,000円
・Z:2,400,000円

- 4WD(E-Four) -
・X:2,288,000円
・G:2,428,000円
・Z:2,598,000円
※上記以外に最廉価の「B」グレードも存在

グレードは、衝突被害軽減ブレーキやスマートエントリーなどを簡略化した法人やレンタカー向けのB、ベーシックなX、中級のG、最上級のZというラインアップになる。基本的な安全装備などは、ベースグレードのXにも標準装備されている。Gになると、遮音材のフードサイレンサーが加わるなど走りの質が高められ、実用装備が充実する。さらに、Zでは15インチアルミホイールやバイビームLEDヘッドランプなどが標準装備され、ディスプレイオーディオも7インチから10.5インチへと拡大される。GとZには、合成皮革のシート生地や電動調節機能もメーカーオプションとして設定されている。シートの電動機能は、ヤリスクロスには用意されているがヤリスでは選べない。

各グレードの装備や価格のバランスを考えると、最上級に位置するZの買い得感が高い。前述の通り、Gにアルミホイールなどの上級装備が加わって、価格上昇は17万円に抑えられているからだ。

新型アクアのZの価格は2,400,000円、ヤリスハイブリッドのZの価格は2,324,000円だから、Z同士で比べると新型アクアは76,000円高い。この価格差で、ホイールベースが拡大されて後席の足元空間がわずかながら広がり、スイングバルブ内蔵のショックアブソーバーなどが標準装備される。さらに、ヤリスハイブリッドZでは、15インチのスチールホイールが標準装備され、16インチのアルミホイールは82,500円のオプションとなっているが、新型アクアではアルミホイールも標準装備される。新型アクアの4WD車は、2WD車に比べて198,000円高く、この価格差はヤリスハイブリッドと同じだ。

以上のように、機能や装備の違いなどを考慮すると、新型アクアはヤリスハイブリッドよりも買い得という見方も成り立つ。これからのトヨタのコンパクトカー選びは、ハイブリッドを購入するならばアクアを、ガソリンエンジンならばヤリスを、といった選択になりそうだ。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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4.03
(レビュー375人・クチコミ15575件)
新車価格:198〜259万円 (中古車:1〜293万円
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