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空力性能を高めたエアロパーツや専用サスなどを装備

この価格なら買いかも!? 日産「ノートオーラNISMO」速攻試乗!

2020年12月にフルモデルチェンジされた、日産のコンパクトカー「ノート」。2021年6月には、ノートの内外装を上質なものにして、出力やトルクを向上させた上級モデルの「ノートオーラ」が発表された。そして、同年の8月17日には、そのノートオーラをさらにスポーティーに仕立て上げた「ノートオーラNISMO」が早くも発表された。

日産のコンパクトカー「ノート」の上級モデルである「ノートオーラ」を、日産のモータースポーツ部門「NISMO(ニスモ)」の手によってチューニングが施された「ノートオーラNISMO」

日産のコンパクトカー「ノート」の上級モデルである「ノートオーラ」を、日産のモータースポーツ部門「NISMO(ニスモ)」の手によってチューニングが施された「ノートオーラNISMO」

2021年秋の発売を前に、ノートオーラNISMOをクローズドコースでひと足先に試乗したので、ノートオーラとの違いなどを交えながらレビューしたい。なお、ノートオーラは、ノートオーラNISMO発表と同日に発売が開始されている。

オーラの製品画像
日産
4.16
(レビュー19人・クチコミ1708件)
新車価格:261〜295万円 (中古車:253.0万円

■日産「ノートオーラNISMO」の価格
NISMO[2WD]:2,869,900円(税込)

ノートオーラNISMOは、日産のモータースポーツ部門である「NISMO」の手によって、ハンドリングや走行安定性などがノートオーラよりも引き上げられ、内外装もよりスポーティーなものになっている。

「ノートオーラNISMO」のフロントエクステリアとリアエクステリア

「ノートオーラNISMO」のフロントエクステリアとリアエクステリア

「ノートオーラNISMO」には、NISMOのロードカーシリーズのアイコンとも言える「レイヤードダブルウイング」をさらに進化させたものが採用されている。Cd値を悪化させることなく、ダウンフォースを発生させることができるという

「ノートオーラNISMO」には、NISMOのロードカーシリーズのアイコンとも言える「レイヤードダブルウイング」をさらに進化させたものが採用されている。Cd値を悪化させることなく、ダウンフォースを発生させることができるという

まず、外観はNISMOモデルらしく空力性能が重視されており、レッドのアクセントが効いた、スタイリッシュなエクステリアとなっている。フロントバンパーには、NISMOモデルのアイコンとも呼べる「レイヤードダブルウイング」をさらに進化させたものが採用されている。フロントオーバーハングが30mm延長されることなども相まって、Cd値を悪化させずにダウンフォースを向上させている。

サイド面への気流をスムーズに整流してくれる「サイドエアスプリッター」と、サイドの乱流を抑えてくれる「カナードウイング」

サイド面への気流をスムーズに整流してくれる「サイドエアスプリッター」と、サイドの乱流を抑えてくれる「カナードウイング」

フロントバンパーのコーナーに備えられている「サイドエアスプリッター」と「カナードウイング」は、サイドへの風の流れを整流し、車両側面の乱流を抑える役割を果たしている。

フロントバンパーだけでなく、リアバンパーにも採用されている「レイヤードダブルウイング」

フロントバンパーだけでなく、リアバンパーにも採用されている「レイヤードダブルウイング」

リアバンパーにも、フロントと同様にレイヤードダブルウイングが採用されており、リアオーバーハングを50mm延長することによって、アンダーフロアからの気流を後方へと流してくれる。

有効長や翼端版の延長、ダックテール断面など形状を最適化することによって、空力性能を向上させている「リアスポイラー」

有効長や翼端版の延長、ダックテール断面など形状を最適化することによって、空力性能を向上させている「リアスポイラー」

リアスポイラーは、翼端版を含めて延長させ、ダックテール断面とすることでルーフ周りからの風の流れをスムーズにしている。なお、これらの空力デザインのノウハウの多くは、「GT-R NISMO」の開発経験が生かされているという。

フロント、リアともに新開発のLEDフォグランプを採用。とくに、リアのLEDフォグランプは、点灯時のみ浮かび上がる、特徴的な7灯のドットパターンが採用されている

フロント、リアともに新開発のLEDフォグランプを採用。とくに、リアのLEDフォグランプは、点灯時のみ浮かび上がる、特徴的な7灯のドットパターンが採用されている

LEDフォグランプは、フロント、リアともに新開発のものが採用されている。フロントには、70°の広角配光で、光量が(ベース車のノートオーラから)15%向上した、薄型5灯のLEDフォグランプを採用。リアは、フォーミュラEにインスパイアされた、7灯のドットデザインが用いられたLEDフォグランプが採用されている。

「ノートオーラNISMO」の専用17インチアルミホイールと、ミシュラン「パイロットスポーツ4」タイヤ

「ノートオーラNISMO」の専用17インチアルミホイールと、ミシュラン「パイロットスポーツ4」タイヤ

専用デザインのアルミホイールは、細いスポークとフラットな空力フィンを用いた、2トーンの鋳造アルミホイールが採用されている。サイズは17インチで、ノートオーラと同じだが、リム幅は6.5Jから7Jへと拡大されている。タイヤは、ミシュラン「パイロットスポーツ4」が装着されており、ノートオーラよりもグリップ性能などを向上させている。

「ノートオーラNISMO」は、インテリアにも随所にレッドアクセントが用いられている

「ノートオーラNISMO」は、インテリアにも随所にレッドアクセントが用いられている

センターコンソールや助手席前のインパネなどには、高級感のあるレッドカーボンパターンのフィニッシャーが採用されている

センターコンソールや助手席前のインパネなどには、高級感のあるレッドカーボンパターンのフィニッシャーが採用されている

内装は、外観と同様にレッドアクセントが随所に用いられた、スポーティーなインテリアが採用されている。アルカンターラ巻きステアリングのセンターマークやスタータースイッチ、モードスイッチ、シートベルトなどに赤色が採用されているほか、コンソールやインパネのフィニッシャーの一部にはレッドカーボンパターンが用いられるなど、上質な内装が施されている。

メーターも「ノートオーラNISMO」専用デザインの12.3インチフルTFT液晶メーターが採用されている

メーターも「ノートオーラNISMO」専用デザインの12.3インチフルTFT液晶メーターが採用されている

また、メーターも赤色が用いられたスポーティーな専用グラフィックの12.3インチフルTFT液晶メーターが採用されている。

画像のフロントシートは、オプションの「レカロ製スポーツシート」。レッドのシートベルトは、今回の「ノートオーラNISMO」から採用されているもので、今後のNISMOロードカーシリーズにも順次採用していくという

画像のフロントシートは、オプションの「レカロ製スポーツシート」。レッドのシートベルトは、今回の「ノートオーラNISMO」から採用されているもので、今後のNISMOロードカーシリーズにも順次採用していくという

オプションで設定されている「レカロ製スポーツシート」は、クルマとの一体感を高めるため、シート形状にこだわって開発されている。肩甲骨を面で支える構造とすることで、体の動きを抑えてリニアリティを向上させるとともに、正確なステアリング操作が可能になるという。

「ノートオーラNISMO」のサイドイメージ

「ノートオーラNISMO」のサイドイメージ

ノートオーラNISMOのボディサイズをノートオーラと比較すると、全長はフロント、リアオーバーハングが伸びたことによって80mm延長されて、4,125mmになった。全高は、ローダウンサスペンションが採用されていることで20mm下がり、1,505mmになっている。全幅は1,735mmと変更はなく、最小回転半径も5.2mと変わっていないので、コンパクトカーとしての運転のしやすさは保たれている。

「ノートオーラNISMO」の走行イメージ

「ノートオーラNISMO」の走行イメージ

走りに関する性能は、大幅に引き上げられた。サスペンションは専用開発されたものが装着され、スプリングやショックアブソーバー、バンプラバーなど幅広くパーツが見直されている。ボディの底面に位置する骨格は、リア側のサイドメンバーが補強されている。それにともなって、横滑り防止装置や電動パワーステアリングの制御も最適化された。前述した、専用アルミホイールやハイグリップタイヤなどの採用も含めて、操舵に対する早さや正確性、走行安定性などを向上させている。

ホイールを駆動するモーターの動力性能は、ノートオーラと同じで、最高出力は100kW(136PS)、最大トルクは300Nm(30.6kg-m)を発生させる。ちなみに、標準車のノート e-POWERは、最高出力が85kW(116PS)、最大トルクが280Nm(28.6kg-m)だ。

注目点のひとつが、「ドライブモード」だ。ノートオーラの「スポーツモード」が、ノートオーラNISMOでは「NISMOモード」へと変更されている。ノートオーラのスポーツモードは、アクセルペダルを戻した際の回生による減速力が「エコモード」と同等に強めであったが、ノートオーラNISMOのNISMOモードでは少し弱められている。さらに、NISMOモードでは、加速する際の反応が機敏になっている。

「ノートオーラNISMO」の走行イメージ

「ノートオーラNISMO」の走行イメージ

たとえば、コーナーへ進入するために減速した時、ノートオーラのスポーツモードではアクセルペダルを戻した際の減速力が予想以上に強く感じることがあった。それが、ノートオーラNISMOのNISMOモードでは扱いやすくなり、アクセルやブレーキペダルによる速度調節がしやすくなっている。ノートオーラNISMOの開発者は、「アクセルペダルを戻しただけで、強い減速力が得られるワンペダルドライブは、運転しやすい場面がある代わりに、お客様から減速の仕方がギクシャクするという指摘も受けていた」と言う。デリケートなペダル操作を必要とするスポーツ走行において、強い回生がかかると運転しづらくなる場面もあるため、NISMOモードでは回生力が抑えられている。

「ノートオーラNISMO」の走行イメージ

「ノートオーラNISMO」の走行イメージ

そして、最も注目したいのが、ノートオーラNISMOの操舵の正確さと走行安定性だ。ノートオーラも、ステアリング操作に対する反応そのものは正確で機敏に感じたのだが、その後のボディの揺り返しが小さくはなかった。危険を避けるために、車線を素早く変更した際などには、あおられるような挙動が生じやすい。下り坂のカーブでアクセルペダルを戻したり、ブレーキペダルを緩く踏む操作を強いられた時も同様で、後輪の接地性が下がりやすかった。

ノートのプラットフォームはルノー主導で開発されており、ルノー「メガーヌ」のようにドライバーを中心に車両を旋回させるといった意図も感じるのだが、走行安定性においては裏目に出ているようにも思える。だが、ノートオーラNISMOでは、その運転感覚が洗練されている。カーブへ進入する際には、ステアリング操作に車両が正確に反応し、進行方向を内側へと向ける。速度を少し高めて曲がっても、旋回軌跡を拡大させずに狙い通りに曲がってくれる。下りカーブでアクセルペダルを戻したり、ブレーキを作動させても、後輪の接地性は損なわれにくい。適度によく曲がり、それ以上に後輪を安定させて、コントロールの難しい状態へと陥りにくいような配慮がなされていると感じた。外観から想像できるように、運転感覚はスポーティーで楽しいのだが、最も優先させているのは安全性のようだ。

「ノートオーラNISMO」の走行イメージ

「ノートオーラNISMO」の走行イメージ

乗り心地は、ノートオーラよりも硬いのだが、不快には感じない。タイヤの接地性がノートオーラよりも高く、硬めというよりも引き締まり感があって、路面の状態がわかりやすい。クルマ好きのユーザーに好まれる乗り心地に仕上げられていると言えるだろう。

ノートオーラNISMOは、スポーティーであると同時に、ノートオーラの欠点を解消したクルマとも受け取れる。大量生産されるクルマでは、どうしても洗練さに欠ける部分が生じるものだが、そこをバランスよく整えた。ノートオーラNISMOこそ、本当のチューニング(調律)だろう。性能を突出して高めるのではなく、違和感なく、気持ちよく運転できるように、入念に造り込まれている。ノートオーラが本来目指していたのは、ノートオーラNISMOの走りだったのだろうとも思えた。

ひとつだけ、ノートオーラNISMOにも4WD車を用意してほしかった。担当者によると、「4WD車は、2WD車に比べて速さが劣るので、採用しなかった」と言うが、ノートオーラの4WD車は、舗装路でもすぐれた走行安定性を発揮する。モーターは、エンジンに比べて駆動力を増減させやすく、4輪を綿密に安定させる制御も可能だからだ。

ノートオーラの4WD車の車重は、2WD車よりも約100kg重いので、たしかにタイムを計測すれば遅いのだが、「ドライバーの意思に対して、忠実に、安全に、快適に走る」という点ではすぐれている。ノートオーラNISMOの特徴は、4WD車でさらに際立つはずだ。

「ノートオーラNISMO」の走行イメージ

「ノートオーラNISMO」の走行イメージ

最後に、ノートオーラNISMOでは価格にも注目したい。価格は2,869,900円と、抑えられた価格になっている。内装が上質な「ノートオーラ G・レザーエディション」(2,699,400円)と比べれば、約17万円の上乗せに収まる。この価格差で、ノートオーラNISMOには、専用にデザインされたエアロパーツやアルミホイール、ハイグリップタイヤなどが装着され、足回りが上質なものになり、走行性能が向上する。ノートオーラNISMOは、かなり割安と言えるだろう。ノートオーラNISMOは、ほかのグレードと同じ生産ラインで作られる。大量販売を意図しつつ、本格的な造り込みを行うことで、価格が割安に抑えられている。もし、これからノートやノートオーラの購入を検討しているクルマ好きのユーザーがおられたら、ノートオーラNISMOを選択肢のひとつに入れてもらって間違いはないだろう。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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(レビュー19人・クチコミ1708件)
新車価格:261〜295万円 (中古車:253.0万円
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日産
4.03
(レビュー271人・クチコミ18450件)
新車価格:202〜244万円 (中古車:65〜298万円
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3.81
(レビュー296人・クチコミ8608件)
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