レビュー
2021年7月のマイナーチェンジで追加された「シューティングブレーク」

VW「アルテオン」へ追加された新モデル「シューティングブレーク」に試乗

フォルクスワーゲンのフラッグシップモデル「アルテオン」は、日本では2017年に初代の販売が開始された。アルテオンは、2017年には「ファストバック」のボディタイプのみがラインアップされていたのだが、2021年7月のマイナーチェンジによって「シューティングブレーク」が新たに追加された。今回は、そのアルテオン シューティングブレークへ試乗したのでレビューしたい。

「アルテオン シューティングブレーク」の外観イメージ

「アルテオン シューティングブレーク」の外観イメージ

まず、シューティングブレークという名称は、そもそもは狩猟に使われる馬車が由来なのだが、現代ではクーペとステーションワゴンを融合させたボディスタイルのことを指している。外観は流麗なクーペスタイルながら、ラゲッジスペースが広く、荷物を積みやすいというメリットがある。

「アルテオン シューティングブレーク」のフロントエクステリアとリアエクステリア

「アルテオン シューティングブレーク」のフロントエクステリアとリアエクステリア

アルテオン シューティングブレークの製品画像
フォルクスワーゲン
2.00
(レビュー1人・クチコミ-件)
新車価格:596〜654万円 (中古車:638.0万円

アルテオン シューティングブレークは、ファストバックよりもルーフが後方へと伸ばされ、ボディの最後部にはワゴンのようなリヤゲートが採用されている。使い勝手の高さはワゴン並みでありながら、ルーフを後方へとなだらかに下降させるデザインが採り入れられているので、外観はとてもスマートだ。フォルクスワーゲンには、「パサート」や「ゴルフ」などにワゴンの「ヴァリアント」がラインアップされているが、アルテオン シューティングブレークはヴァリアントよりもスタイリッシュに見える。アルテオン シューティングブレークは、ライバル車を含めたどのクルマにも似ていない、独特の個性を放つ。ボディは長く、天井は低く、独特の迫力と優雅さをあわせ持っている。

「アルテオン シューティングブレーク」のラゲッジルーム

「アルテオン シューティングブレーク」のラゲッジルーム

荷室容量は、シューティングブレークは後席を立てた状態で565L、後席を倒すと1,632Lになる。いっぽう、ファストバックは後席を立てると563L、倒すと1,557Lなので、シューティングブレークのほうが荷室容量はやや大きい。

「アルテオン シューティングブレーク」のサイドイメージ

「アルテオン シューティングブレーク」のサイドイメージ

ボディサイズ(全長×全幅×全高)は、シューティングブレーク、ファストバックともに4,870×1,875×1,445mmと共通だ。マツダ「MAZDA6」のステーションワゴンよりもひとまわり大きく、全長と全幅の大きさの割にルーフが低いため、視覚的にも安定感が高い。最小回転半径は5.5mと、ボディサイズの大きさにしては小回り性能がいい。

「アルテオン シューティングブレーク」のインテリア

「アルテオン シューティングブレーク」のインテリア

運転席に座ると、ボディがとてもワイドに感じる。インパネに水平基調のデザインが採用されていることから、ワイドな室内幅がさらに広く感じられる。アルテオンはロングノーズだが、運転席からボンネットはほとんど見えないので、ボディの先端は少々わかりづらい。サイドウィンドウの下端は高めで、うしろへ向けて持ち上げているので側方や後方の視界はあまりよくない。パサートのような、視界にすぐれているクルマから乗り替える際には、車庫入れや縦列駐車などの時に視界に問題がないかを確認しておきたいところだ。

「アルテオン シューティングブレーク」のフロントシートとリアシート

「アルテオン シューティングブレーク」のフロントシートとリアシート

シートは、前後席ともに十分なサイズのものが用意されている。前席の座り心地は少々硬めだが、体をしっかりと支えてくれる。後席は、足元空間の広さが特徴的だ。身長170cmの大人4名が乗車した場合、後席に座る乗員の膝先には握りコブシ3つ分もの余裕がある。前席の下側に十分な空間があるので、足が収まりやすい。さらに、頭上にも握りコブシひとつ分の余裕がある。全高は1,445mmと低めなので、腰が落ち込んで膝が持ち上がる座り方にはなるのだが、後席空間は余裕があって快適にくつろぐことができるだろう。

「アルテオン シューティングブレーク」のエンジンルーム

「アルテオン シューティングブレーク」のエンジンルーム

エンジンは、シューティングブレーク、ファストバックともに2リッター4気筒の2.0TSIエンジンを搭載。最高出力は206kW(272PS)/5,500-6,500rpm、最大トルクは350Nm(35.7kg-m)/2,000-5,400rpmを発生させる。

「アルテオン シューティングブレーク」の走行イメージ

「アルテオン シューティングブレーク」の走行イメージ

このエンジンは、実用回転域の駆動力に余裕があり、回転数の上昇も機敏だ。4,000rpmを超えると、加速はいっそう力強くなる。やや大柄なボディではあるものの、踏み込んだ際の加速感は実に軽快で、スポーティーな走りを楽しむこともできる。

「アルテオン シューティングブレーク」の走行イメージ

「アルテオン シューティングブレーク」の走行イメージ

駆動方式は、すべてのグレードが4WDで、走行安定性が高い。小さく回り込むようなコーナーでも、意図したとおりに曲がってくれる。ドライバーの操作に対して忠実に反応し、ステアリングフィールを楽しめるクルマへと仕上げられていることに感心した。

試乗したグレードは、「TSI 4MOTION エレガンス」(6,446,000円)であった。同じ価格帯には、メルセデス・ベンツ「Cクラスワゴン C200 アバンギャルド」(677万円)やBMW「320iツーリング Mスポーツ」(631万円)、アウディ「A4 アバント 45 TFSIクワトロ Sライン」(656万円)など、プレミアムブランドのワゴンがひしめいている。

アルテオン シューティングブレークは、フォルクスワーゲンのクルマではあるものの、その位置付けは価格から考えてもプレミアムブランドに属していると言えそうだ。フォルクスワーゲンのポピュラーなブランドイメージから少しだけ離れてみれば、アルテオン シューティングブレークの魅力がより伝わりやすくなるかもしれない。クルマは、自分のスタイルを表現する手段のひとつと言われる。独特の魅力を放つアルテオン シューティングブレークは、個性を重視するユーザーにはぴったりのクルマだろう。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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アルテオン シューティングブレークの製品画像
フォルクスワーゲン
2.00
(レビュー1人・クチコミ-件)
新車価格:596〜654万円 (中古車:638.0万円
アルテオンの製品画像
フォルクスワーゲン
3.78
(レビュー10人・クチコミ76件)
新車価格:576〜634万円 (中古車:249〜508万円
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