レビュー

ロッキー、ライズハイブリッドはパワフルな走りで燃費良好。手ごろな価格も魅力的!

ダイハツ「ロッキー」とトヨタ「ライズ」の2台は兄弟車で、どちらも5ナンバーサイズに収まる扱いやすいコンパクトSUVだ。開発と生産はダイハツが受け持ち、OEM車のライズがトヨタへと供給されている。ロッキー、ライズともに、価格も割安で人気が高い。

2021年11月1日にマイナーチェンジで、新開発の「eスマートハイブリッド」が搭載された、ダイハツ「ロッキー」(右)とトヨタ「ライズ」(左)

2021年11月1日にマイナーチェンジで、新開発の「eスマートハイブリッド」が搭載された、ダイハツ「ロッキー」(右)とトヨタ「ライズ」(左)

ロッキーの製品画像
ダイハツ
3.90
(レビュー56人・クチコミ686件)
新車価格:166〜234万円 (中古車:50〜273万円
ライズの製品画像
トヨタ
3.87
(レビュー120人・クチコミ3854件)
新車価格:170〜232万円 (中古車:135〜318万円

そのロッキーとライズが、2021年11月1日にマイナーチェンジされ、新開発の「eスマートハイブリッド」搭載車と、1.2L直3NAエンジン搭載車が追加された。なお、従来の1L直3ターボエンジン搭載車は、マイナーチェンジ後は4WDモデルのみに採用されている。今回、新ラインアップのeスマートハイブリッドと1.2L直3NAエンジンを搭載したロッキー、ライズへ試乗したのでレビューしたい。

ダイハツ「ロッキー」eスマートハイブリッド搭載車のエンジンルーム

ダイハツ「ロッキー」eスマートハイブリッド搭載車のエンジンルーム

まず、eスマートハイブリッドの基本的な仕組みだが、これは搭載されている1.2L直3NAエンジンが発電を行い、その電気を使ってモーターが前輪を駆動するものだ。日産のハイブリッドシステム「e-POWER」と基本的に同じような機構で、エンジンがホイールを直接駆動することはない。また、eスマートハイブリッドでは、コストや車重の増加を抑えるために、搭載されているリチウムイオン電池の容量が小さい。その影響によって、エンジンを停止させてモーターのみで走る時間は、e-POWERなどに比べると短い。アクセルペダルを踏んでいる時などは、エンジンが作動していることも多い。

トヨタ「ライズ」eスマートハイブリッド搭載車の試乗イメージ

トヨタ「ライズ」eスマートハイブリッド搭載車の試乗イメージ

だが、アクセル操作に対するモーターの反応は素早く、動力性能には余裕が感じられる。アクセルペダルを踏み増せば、瞬間的にパワーが高められるため、従来の1L直3ターボエンジンのように深く踏み込むような機会は少なくて済む。

その走りには常に余裕が感じられ、モーター駆動なのでアクセル操作と速度の増減もピッタリと合っていて、自然なフィーリングだ。意図した以上に加速したり、加速力が足りずにアクセルペダルを踏み増すような調節をする必要がない。

エンジンノイズは、登坂路でアクセルペダルを踏み増した時などには、3気筒特有の少し粗い音が聞こえる。だが、モーター駆動のeスマートハイブリッドは実用域の加速力に余裕があるので、NAエンジンに比べてアクセルペダルの踏み方が穏やかになり、エンジンノイズは高まりにくい。

ロッキーやライズの「eスマートハイブリッド」搭載車に備えられている「S(スマート)ペダル」スイッチをオンにすることで、回生による減速力が強まって効率的に充電できるようになるほか、ブレーキを踏み換えずにアクセルペダルだけで車速を調節することもできる

ロッキーやライズの「eスマートハイブリッド」搭載車に備えられている「S(スマート)ペダル」スイッチをオンにすることで、回生による減速力が強まって効率的に充電できるようになるほか、ブレーキを踏み換えずにアクセルペダルだけで車速を調節することもできる

eスマートハイブリッドならではの走行モードとして、「S(スマート)ペダル」があげられる。この走行モードをオンにすると、アクセルペダルを戻すと同時に駆動用モーターが積極的に発電を行い、充電効率を高めてくれる。減速力が強めなので、慣れればアクセルペダルの操作だけで車速を自由に調節することができる。ちなみに、日産のe-POWERにも「ワンペダル」という名称で同様の機能が採用されている。

そして、Sペダルの作動中はステアリングホイールのスイッチによって、燃費重視の「エコモード」も選択できる。市街地や高速道路ではエコモード、峠道では「ノーマルモード」といった使い分けができる。ただし、ユーザーによってはアクセルペダルを戻した時に強めの減速力に違和感が生じる場合もあるだろう。そのような場合には、Sペダルを解除してATレバーを動かすことで、DレンジからBレンジに切り替えるといい。Bレンジも、減速力が強まって回生力が増えるのでSペダルに近い作動なのだが、回生力はBレンジのほうが弱いので、ドライバーによってはBレンジのほうが運転しやすいかもしれない。

なお、eスマートハイブリッドは、日産のe-POWERと同様、ブレーキペダルの協調回生制御については採用されていない。Sペダルを使わずに、Dレンジで減速するとフットブレーキを作動させる分だけ回生充電の効率が下がり、燃費を節約しにくくなるので注意したい。

トヨタ「ライズ」eスマートハイブリッド搭載車の試乗イメージ

トヨタ「ライズ」eスマートハイブリッド搭載車の試乗イメージ

今回のマイナーチェンジでは、eスマートハイブリッドの追加にあわせて、操舵感も改善されている。従来のモデルでは、ステアリングを操作した時の反応が少し曖昧だったが、改良によって正確性が向上している。カーブを曲がった後で、ステアリングが自動的に直進状態へ戻ろうとする力は相変わらず弱いが(開発者によるとステアリングシステムの特性だと言う)、以前に比べると違和感は薄れている。走りの満足度は、全般的に高まっていると言えるだろう。

eスマートハイブリッド搭載車のWLTCモード燃費は28km/Lと、トヨタ「ヤリスクロスハイブリッド」の27.8〜30.8km/Lと並び、コンパクトSUVとして良好な燃費値を達成している。

ダイハツ「ロッキー」1.2L直3NAエンジン搭載車の試乗イメージ

ダイハツ「ロッキー」1.2L直3NAエンジン搭載車の試乗イメージ

2WDに新搭載された、1.2L直3NAエンジンにも触れておきたい。同エンジンは、1L直3ターボエンジンに比べると動力性能は低いが、自然な感覚なので運転しやすい。ただし、少し高回転指向なので、4,000回転を上回ると加速力が活発になる。逆に、巡航中にエンジン回転数が2,500回転以下まで下がると、加速がやや緩慢になりやすい。このあたりは今後の改善点になるだろう。

新しい1.2L直3NAエンジンのメリットは、燃費性能の高さにある。これまでの1L直3ターボエンジンのWLTCモード燃費は18.6km/L(2WD)であったが、1.2L直3NAエンジンは20.7km/L(2WD)へと向上している。

ダイハツ「ロッキー」eスマートハイブリッド搭載車のエクステリア

ダイハツ「ロッキー」eスマートハイブリッド搭載車のエクステリア

eスマートハイブリッドは、車両価格が安いことも特徴のひとつだ。1.2L直3NAエンジンとの差額は、289,000円に抑えられている。ハイブリッド車とガソリン車の価格差は、一般的には35〜60万円ほどなので(マイルドハイブリッドを除く)、eスマートハイブリッドは割安に感じられる。

そこで、レギュラーガソリン価格が1L当たり155円(記事掲載時点のガソリン価格、168円は高すぎるため)、実用燃費をWLTCモードの値で計算すると、1km当たりのガソリン代はeスマートハイブリッドで5.5円になる。いっぽう、1.2L直3NAエンジンは7.5円だ。eスマートハイブリッドは、1km当たり2円安くなる。

そして、購入時に納める税額を比べると、eスマートハイブリッドのほうが約24,000円安い。つまり、実質価格差は289,000円から24,000円を差し引いた265,000円になる。この金額をガソリン代の節約で取り戻せるのは、約13万kmを走行したころになる。

1.2L直3NAエンジンの燃費性能がすぐれているために、差額を取り戻せる距離も少し長いが、eスマートハイブリッドは前述のとおり動力性能が高く静粛性にもすぐれているので、燃料代だけでなく、それらのメリットを加味したうえで購入予算に応じて検討するとよいだろう。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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ダイハツ
3.90
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新車価格:166〜234万円 (中古車:50〜273万円
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3.87
(レビュー120人・クチコミ3854件)
新車価格:170〜232万円 (中古車:135〜318万円
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