愛車カスタムの一丁目一番地。それはアルミホイールのインチアップだと再認識した自動車ライター、マリオ高野です。
このほど、愛車の新型スバル「BRZ(Rグレード/6MT)」にアルミホイールのインチアップを施しました。
新たなアルミホイールをを装着した新型BRZ Rグレード。見た目の印象や操縦性など、ビジュアルと走行性能が劇的に向上しました
筆者の新型BRZはRグレードなので、17インチサイズのアルミホイールが標準装着されます。操縦性や乗り心地など、性能面での満足度は高いものの、18インチサイズのアルミホイールを装着する上級Sグレードと比較すると、見た目の印象がやや大人しくなります。
落ち着いた雰囲気もあって、これはこれでよいのですが、やはりスポーツカーには華やかさが必要という思いもあり、見た目の派手さを求めたくなりました。
そこで、アルミホイールのインチアップを実施することにしたのです。
これは純正17インチのアルミホイールを装着した状態。シンプルで無難にまとまった雰囲気で、質実剛健っぽさもあって悪くなかったのですが、ホイール径が控えめなせいか、車高が高く見えてしまう面も。スポーツカーということで、もう少し派手さを求めたくなります
18インチの「BBS RI-A(037)」を装着した様子。雰囲気は一変してスポーティー感が激増しました。しっかりと四輪で地面をつかむ感覚が視覚的に直感できます。「BBS RI-A」はスーパーGTというレースに参戦するBRZも装着するブランドなので、レースカーっぽい雰囲気もグッと高まります
今回選んだのは、BBSの「RI-A」という製品。筆者が大好きな国内最高峰レースであるスーパーGTの実戦で使用されるホイールと同じ設計思想により生まれ、同一の技術や造形で作られた、究極のレース仕様といえます。
ホイールとタイヤの空転を抑制するアンチスリップペイントや、脱着時にナット穴を傷めないようブッシュをスチール製とするなど、レース現場で培われた極限領域での機能性や信頼性を継承しています。
鍛造1ピース。18x8J IS45、PCD5穴x100、タイヤサイズは225/40ZR18となり、Sグレード標準装着の18インチよりもタイヤの幅は広くなります。ちなみに、同じ18インチの「RI-A」でも純正Sグレードとまったく同じサイズも用意されています(RI-A 02118x7.5J IS48 5x100 215/40R18)
スーパーGT T300クラスに参戦するスバル・BRZもBBS製ホイールを装着。極限下での走りでタイヤの性能を使い切り、2021年GT300クラスのシリーズチャンピオン獲得に貢献しました
レース用のBBSホイールも製品名は「RI-A」で、その名が刻印されています。まさにレースの現場で培った技術が市販品にフィードバックされているのです
ホイールの重要性についてはこちらを、
じっくり解説「車用“鍛造”アルミホイール」が高性能で高品質なワケ
BBS製品が製造される過程、製造技術のすごさについてはこちらをご参照ください
あの「BBSホイール」は富山製だった! 超絶“鍛造”技術にビックリ!!
装着後は、まず見た目の印象が激変。スポーク部分の内側が大胆に肉抜きされたRI-Aならではの鋭利なデザインがレースマシンらしさを高めてくれます。クルマの足元全体のワイド感も大幅アップ。低価格のRグレードが一気に上級グレード的な雰囲気と化しました。新型BRZとのマッチングは未知数だったので、もしかするとわずかにハミ出てしまう不安があったものの、車検もまったく心配のないレベルできれいに収まっています。
装着タイヤの銘柄はSグレード純正装着品と同じ、ミシュランの「パイロットスポーツ4」。215/45R17から225/40ZR18にサイズアップしたということで、タイヤの幅広化と低偏平率化もはかられましたが、手で持った感覚では純正17インチとほぼ同じか、18インチのRI-Aのほうがほんのわずかに軽いと感じました。
体重計で測ってみると、いずれも約19kg前後でほぼ同じ。RI-Aの037は1本あたり7.8kgですが、インチアップしてタイヤが幅広化してもほぼ同じ重量というのはビックリ。純正ホイールよりいかに軽いかがよくわかりました。
純正サイズの18インチと比べるとスポーク部分の張り出しが強くなりますが、車体からハミ出して車検に通らなくなることはないでしょう
タイヤはSグレードに標準装着されるミシュラン「パイロット スポーツ4」を選択。グリップ力、乗り心地、燃費、ウェットグリップなど、すべての項目で高得点が与えられるタイヤです
インチアップをするとブレーキの姿が見えやすくなるので、ブレーキまわりの見た目が気になってしまい、ブレーキもアップグレードしたくなるという、カスタマイズの沼にハマってしまいますが、愛車の性能向上につながるなど、さまざまなメリットがあります
新型BRZ・Rグレードは上級Sグレードより約18万円安いので、好みのホイールを装着したい人にはオススメのグレードと言えます
何10年経っても、愛車のカスタマイズは楽しいもの。アルミホイールのインチアップは見た目と性能を向上させる効果が非常に高いので、広くオススメします
装着後は、クルマを動かした瞬間からハイグリップ感と路面からの情報量が激増したことを実感。元々よかった高速巡航時の安定感はさらに鉄壁となり、ロングドライブ時の安楽さがよりいっそう高まりました。サーキットや峠道でのグリップ感の頼もしさも激増です。
全域でソリッド感が増した分、トレードオフとしてロードノイズと路面からの入力の強さも増したものの、スポーツカーとしてはすべからく許容できるレベルにて、個人的にはネガ要素にはならないと感じています。インチアップしたクルマにありがちな、足元のバタつきはまったく感じられません。17インチホイールでは眠っていた新型BRZの潜在性能が引き出された感もあり、満足度は最高レベルに!
“インチアップの効果、恐るべし!”といったところです。2インチアップなど、大幅なインチアップを実施すると乗り心地の悪化などのネガ要素が大きくなりますが、今回のように軽量・高剛性のBBS製品での1サイズアップならマイナス面はほとんどなし。乗り心地がやや硬くなるのはデメリットとも言えますが、それを補ってあまりあるメリットが得られるので、幅広くオススメしたいと思います。
1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。