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「ステップワゴン」と「ノア」「ヴォクシー」、新型ミニバンを徹底比較!

2022年5月26日に正式発表が予定されている、ホンダ 新型「ステップワゴン」。販売店では、2022年2月上旬からすでに価格を明らかにしており、予約受注も開始されている。さらに、2022年3月中旬には、WLTCモード燃費などの詳細スペックも独自調査によって明らかになった。そこで、当記事ではまもなく発売される新型ステップワゴンと、2022年1月13日に発売されたばかりのライバル車、トヨタ「ノア」「ヴォクシー」を、さまざまな角度から比較してみたい。

ホンダ 新型「ステップワゴン」Air(エアー)グレードのエクステリア

ホンダ 新型「ステップワゴン」Air(エアー)グレードのエクステリア

ステップワゴンの製品画像
ホンダ
3.17
(レビュー335人・クチコミ25551件)
新車価格:299〜340万円 (中古車:9〜426万円
ホンダ 新型「ステップワゴン」SPADA(スパーダ)グレードのエクステリア

ホンダ 新型「ステップワゴン」SPADA(スパーダ)グレードのエクステリア

ステップワゴン スパーダの製品画像
ホンダ
4.28
(レビュー495人・クチコミ24255件)
新車価格:325〜384万円 (中古車:12〜478万円

まず、ステップワゴンからだが、エンジンなどのパワートレインは、1.5Lターボと2Lをベースにしたハイブリッドのe:HEVが用意される。グレード構成は、標準仕様の「エアー」と、エアロ仕様の「スパーダ」、スパーダに豪華装備が与えられた最上級グレードの「スパーダプレミアムライン」の3グレードが、1.5Lターボエンジン搭載車とe:HEV搭載車の両方に用意されており、計6グレードのラインアップとなる。

トヨタ 新型「ノア」標準仕様のエクステリア

トヨタ 新型「ノア」標準仕様のエクステリア

トヨタ 新型「ノア」エアロ仕様のエクステリア

トヨタ 新型「ノア」エアロ仕様のエクステリア

ノアの製品画像
トヨタ
3.86
(レビュー277人・クチコミ20913件)
新車価格:267〜389万円 (中古車:11〜549万円
トヨタ 新型「ヴォクシー」のエクステリア

トヨタ 新型「ヴォクシー」のエクステリア

ヴォクシーの製品画像
トヨタ
4.40
(レビュー357人・クチコミ65145件)
新車価格:309〜396万円 (中古車:6〜530万円

いっぽう、ノア、ヴォクシーのパワートレインも、2Lのガソリンエンジン搭載車と、1.8Lのハイブリッド車が用意されている。また、ノアは標準仕様が3グレードとエアロ仕様が2グレード、ヴォクシーはエアロ仕様のみの2グレードが、2Lガソリンエンジン搭載車と1.8Lハイブリッド車の両方に用意されており、計14グレードのラインアップになる。

ボディサイズだが、ステップワゴンの全長はエアーが4,800mmで、スパーダは4,830mm。全幅は、エアー、スパーダともに1,750mmとやや幅広だ。ノア、ヴォクシーのボディサイズは全車共通で、全長は4,695mm、全幅は1,730mmになる。ノア、ヴォクシーよりも、ステップワゴン エアーのほうが105mm長く、スパーダになると135mm長くなる。また、全幅もステップワゴンのほうが20mm広い。

ホンダ 新型「ステップワゴン」のインテリア

ホンダ 新型「ステップワゴン」のインテリア

ただ、ステップワゴンはボディこそ大きいが、外装は水平基調なので運転席に座ると四隅がわかりやすい。また、インパネの上面が平らに仕上げられているなど、視界にすぐれていて運転しやすくなっている。

トヨタ 新型「ノア」「ヴォクシー」のインテリア

トヨタ 新型「ノア」「ヴォクシー」のインテリア

内装の質感については、ノア、ヴォクシーのほうが作りは上質に感じる。インテリアには、丸みを帯びたソフト素材にシルバーの金属調フレームが備えられたデザインが新たに採用されている。シルバーフレームの加飾は、インパネだけでなくシフトレバーやドアパネルなどにも組み込まれており、インテリア全体を通して統一されたデザインが採用されていて、高級感を醸し出している。

ホンダ 新型「ステップワゴン」3列シートの使用シーン

ホンダ 新型「ステップワゴン」3列シートの使用シーン

居住性については、特に3列目シートを比べるとステップワゴンのほうが広くて快適だ。身長170cmの大人6名が乗車して、2列目シートに座る乗員の膝先空間を握りコブシ2つ分に調節すると、ステップワゴンの3列目には、握りコブシ2つ分の余裕ができる。いっぽう、ノア、ヴォクシーの3列目シートは、膝先空間は握りコブシひとつ半なので、ステップワゴンのほうが広い。また、ステップワゴンの3列目シートは、先代に比べて座面が20mm厚くなっているので、座り心地もいい。さらに、ステップワゴンは全幅がワイドなので室内幅にも余裕があり、車内は広々としていて開放的な印象だ。

ホンダ 新型「ステップワゴン」3列目シートの右側を床下へ格納した状態

ホンダ 新型「ステップワゴン」3列目シートの右側を床下へ格納した状態

ホンダ 新型「ステップワゴン」3列目シートの両側を床下格納した状態

ホンダ 新型「ステップワゴン」3列目シートの両側を床下格納した状態

荷室の広さや使い勝手については、互角と言えそうだ。ステップワゴンは、3列目シートを床下に格納することができるので、スッキリとした広い荷室空間に変更できる。これは、新型を含めたステップワゴンの大きな魅力のひとつとなっている。

トヨタ 新型「ヴォクシー」の3列目シートを跳ね上げた状態

トヨタ 新型「ヴォクシー」の3列目シートを跳ね上げた状態

先代ノア、ヴォクシーでは、跳ね上げた3列目シートはひもで固定する方法だったが、新型では跳ね上げてから外側へ押すだけでロックできるようになった

先代ノア、ヴォクシーでは、跳ね上げた3列目シートはひもで固定する方法だったが、新型では跳ね上げてから外側へ押すだけでロックできるようになった

だが、ノア、ヴォクシーの3列目シートも、新型では跳ね上げたシートを外側へ押すだけでカチッという音とともにカンタンに固定することができるようになり、さらに跳ね上げたシートの出っ張りが先代よりも少なくなっているなど、使い勝手がアップしている。

トヨタ 新型「ヴォクシー」ガソリンエンジン搭載車の走行イメージ

トヨタ 新型「ヴォクシー」ガソリンエンジン搭載車の走行イメージ

動力性能については、新型ステップワゴンはまだ発売前のために試乗はできていないのだが、ガソリンエンジン搭載車については両者とも互角と予想される。ステップワゴンは1.5Lターボ、ノア、ヴォクシーはハリアーなどと同じタイプの2Lエンジンが搭載されているが、動力性能の値は同程度だからだ。

いっぽう、ハイブリッド車は新型ステップワゴンのe:HEVのほうが滑らかな走りを実現していそうだ。e:HEVは、エンジンは発電を行い、モーターによってタイヤを駆動する。先代のステップワゴンにもe:HEVは搭載されており、試乗したこともあるのだが、加速が滑らかでモーターの瞬発力も力強く、快適で上質な走りを味わえた。そのため、新型ステップワゴンに搭載されるe:HEVも、おそらく同様のフィーリングになるのではと思われる。

燃費は、2WD車のWLTCモードで比較すると、ガソリンエンジン、ハイブリッドともにノア、ヴォクシーのほうがすぐれている。ステップワゴン スパーダのターボエンジン搭載車は13.7km/L、ノア、ヴォクシーのNAエンジン搭載車(S-Gグレード)は15.0km/L。ハイブリッドは、ステップワゴン スパーダのe:HEVは19.6km/L、ノア、ヴォクシーのハイブリッド車(S-Gグレード)は23.0km/Lだ。ノア、ヴォクシーの燃費値は、ステップワゴンに比べてガソリンエンジンでおよそ9%、ハイブリッドではおよそ17%高い。

トヨタ 新型「ノア」「ヴォクシー」では、電動スライドドアを開いている最中に、自転車などが接近するとメーターの表示と音で知らせてくれるとともに、スライドドアの作動が止まる安全機能が新たに採用されている(メーカーオプション)

トヨタ 新型「ノア」「ヴォクシー」では、電動スライドドアを開いている最中に、自転車などが接近するとメーターの表示と音で知らせてくれるとともに、スライドドアの作動が止まる安全機能が新たに採用されている(メーカーオプション)

安全装備や運転支援機能は、両車ともに豊富に備えられているが、ノア、ヴォクシーにはより先進的な機能が採用されていることに注目したい。たとえば、電動スライドドアを開いている最中に、自転車や車両などが接近すると、スライドドアの作動を止めて乗員を降車させない「あんしん降車アシスト」が新たに採用(オプション設定)されている。

また、ノア、ヴォクシーでは駐車を支援してくれる「アドバンスドパーク」も進化している。従来のバック駐車に加えて、新たに前向き駐車やバック出庫、前向き出庫が可能となったほか、ステアリングやシフト操作、アクセル、ブレーキのすべてを自動制御してくれる。そのため、乗員が降車して誰も乗車していない状態で、スマートフォンを使って車庫入れを遠隔操作することもできるようになった。この機能は、狭い場所での駐車などの際に重宝するだろう。このように、ノア、ヴォクシーは安全装備や運転支援などの先進機能を充実させている。

車両価格は、ヴォクシーについては少し注意が必要だ。ヴォクシーは、前述のとおりエアロ仕様のみが用意されるが、ノアのエアロ仕様に比べると5〜7万円ほど高くなる。ヴォクシーは、確かにフロントマスクなどのデザインは凝っているのだが、装備差を考えてもノアと5〜7万円の差が開くほどの違いは見られない。おそらく、この価格差は、トヨタの販売戦略に基づいてノアを積極的に売りたいために、(ヴォクシーが高いのではなく)ノアの価格が割安に抑えられているからだろう。

そこで、ステップワゴンとノアで車両価格を比べてみると、買い得度は同程度になる。ステップワゴン エアーのターボエンジン搭載車は2,998,600円で、装備が近いノアのガソリンエンジンを搭載したGは2,970,000円になる(7人乗り/2WD)。

また、ステップワゴン スパーダのe:HEV搭載車は3,6401,000円で、ノア ハイブリッドのS-Gは3,390,000円になる。この比較ではノアのほうが安いが、オプション装備が多い。そこで、ステップワゴンに標準装備されている「ブラインドスポットモニター+右側スライドドア電動機能」(左側電動スライドドアは標準装備)をノアにオプションで加えると、合計3,586,900円とステップワゴン スパーダのe:HEV搭載車に近い価格になる。さらに、ステップワゴン スパーダにはリヤゲートの電動開閉機能が備わっているので、それを加味すれば両車の価格はほぼ吊り合うだろう。

グレードを選ぶ時は、ステップワゴンもノア、ヴォクシーも、まずはガソリンエンジン搭載車かハイブリッド車かの選択から考えたい。ステップワゴンは、ターボエンジン搭載車に比べてe:HEV搭載車は383,900円高いが、購入時に納める税額の違いによって実質価格差は25万円に縮まる。レギュラーガソリン価格が1L当たり160円とすれば(今の170万円オーバーは高すぎるため)、約7万kmを走るとガソリン代の節約によって25万円の実質価格差を取り戻せることになる。

いっぽう、ノア、ヴォクシーは大半のグレードでハイブリッドのほうがおよそ35万円高いが、税額の違いで実質価格差は22万円に縮まり、この金額は約6万kmを走ると取り戻せる。ステップワゴン、ノア、ヴォクシーのいずれもハイブリッド車は低燃費に加えて走りも滑らかなので、ハイブリッド車のほうを推奨したい。

以上の点を踏まえると、ステップワゴンの推奨グレードは、e:HEVスパーダ(3,641,000円/7人乗り)だ。エアーは、後方の並走車両を検知できる安全装備などが装着できないので推奨しにくい。ノア、ヴォクシーは、ノアのエアロ仕様のハイブリッドS-G(3,390,000円/7人乗り)がベストグレードだ。ノアには標準仕様もあり、価格は7〜8万円ほど安くなるが、数年後に売却する時はエアロ仕様のほうが標準仕様よりも高値になるだろう。そのため、エアロ仕様のハイブリッドS-Gを推奨したい。

ステップワゴンは、デザインや居住空間がリラックスできる雰囲気へ仕上げられ、3列目シートの快適性も高い。そして、e:HEVならではの滑らかなフィーリングが魅力的だ。いっぽうの、ノア、ヴォクシーは内装の質感、燃費、安全/快適装備、運転支援など、さまざまな機能やデザインがバランスよく高められている。

したがって、幅広いユーザーに推奨されるのはノア、ヴォクシーで、ファミリーなどで雰囲気の明るさや機能を重視するならステップワゴンが適していると言えそうだ。2022年6月以降に購入予定ならステップワゴンの試乗も可能なので、異なる魅力を備えるステップワゴンとノア、ヴォクシーを実際に触れ、乗り比べて判断するといいだろう。

最後に、記事掲載時点での納期は、ステップワゴンがおよそ3〜5か月ほど。ノアは、NAエンジン搭載車がおよそ4か月で、ハイブリッド車はおよそ8か月。ヴォクシーは、ノアよりもさらに1か月ほど長くなる。安全装備のオプション装着次第ではさらに2か月ほど伸びるので、ヴォクシーの場合、納期が最長11か月ほどになる。この点はご注意いただきたい。

■ステップワゴン vs ノア、ヴォクシー 比較結果
・取りまわし性:ノア、ヴォクシー
・視界:ステップワゴン
・内装の質感:ノア、ヴォクシー
・1〜3列目シートの居住性:ステップワゴン
・荷室の使い勝手:互角
・ノーマルエンジンの動力性能&加速感:互角
・ハイブリッドの動力性能&加速感:ステップワゴン
・燃費性能:ノア、ヴォクシー
・安全装備&運転支援機能:ノア、ヴォクシー
・価格の割安感:ステップワゴンとノアは互角(ヴォクシーはやや割高)

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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新車価格:309〜396万円 (中古車:6〜530万円
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