レビュー

“ATの商用車”とあなどるな! ダイハツ「アトレー」の力強い走りに脱帽

軽ワンボックスでもつい山道を走りたくなるライター、マリオ高野です。

軽ワンボックスの人気モデル、ダイハツの新型「アトレー」で山道を走ると想像以上に楽しかったので、その様子を報告します。

軽1BOXながら走りが楽しい新型アトレー

軽1BOXながら走りが楽しい新型アトレー

17年ぶりの全面刷新

ダイハツ・アトレーは、商用軽トラック/ワンボックスの「ハイゼット」を乗用車風に仕立てたもので、2021年にフルモデルチェンジを実施。ハイゼットは、1960年に軽トラックの初代モデルがデビュー(ワンボックスは1961年〜)してから11世代目にあたり、その歴史は実に61年と、軽トラック/ワンボックスでは非常に長い歴史を誇ります。

そんなハイゼット(カーゴ)の乗用車モデルであったアトレーの新型は、4ナンバーの軽貨物車として生まれ変わりました。新型アトレーの注目ポイントは、新世代プラットフォーム「DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー 英: Daihatsu New Global Architecture)」を採用し、17年ぶりの全面刷新を行ったこと。

仕事にレジャーに、使い勝手のよさも人気を得ているポイント

仕事にレジャーに、使い勝手のよさも人気を得ているポイント

新開発のCVTがすごい

さらにATをFR向けの新開発CVTとするなど、大きく踏み込んだ内容が盛りだくさんとなっています。プラットフォームからすべてを刷新したことによる車体剛性の飛躍的な向上により、運動性能とコンフォート性は従来型比で別世界レベルに進化しました。ATのCVT化は主に燃費性能の向上に寄与しますが、静粛性と快適性の向上にも大きく貢献します。

軽自動車の場合、CVTは従来のATよりも大きく重くなりがちで、荷物を満載にして使われることが当たり前の軽トラック/ワンボックスでは、耐久性の面でも難しさがありました。今回、FRの軽トラック/ワンボックス向けのCVTを開発するにあたっても、ユニットの全高を従来のAT並みにするのが難しかったようです。

また、CVTの変速フィールを嫌う人がよく指摘する「滑り感」についても劇的に改善。2022年度から小型貨物車に新しく適用される、商用CAFE規制の基準値にも対応できています。

全高は高く横幅は狭い軽ワンボックス特有のボディスタイルにより、横風には弱いところがありますが、操縦性がリニアなので怖さを感じにくくなりました

全高は高く横幅は狭い軽ワンボックス特有のボディスタイルにより、横風には弱いところがありますが、操縦性がリニアなので怖さを感じにくくなりました

商用車らしさを残しつつも、対旧型比で質感の劇的向上を果たしています。電動格納式ミラーやキーフリードア施錠システム&プッシュボタンスタートなど装備は充実。「スマートアシスト」の全車速追従機能付ACCとLKC(レーンキープコントロール)を採用するなど予防安全機能も充実し、価格は旧型からほぼ据え置きというのもうれしいですね

商用車らしさを残しつつも、対旧型比で質感の劇的向上を果たしています。電動格納式ミラーやキーフリードア施錠システム&プッシュボタンスタートなど装備は充実。「スマートアシスト」の全車速追従機能付ACCとLKC(レーンキープコントロール)を採用するなど予防安全機能も充実し、価格は旧型からほぼ据え置きというのもうれしいですね

タイヤはサイズ、銘柄ともに商用軽ワンボックス向けの仕様ながら、乗用車的な走りに仕立てたところが逆にすごさを感じさせます

タイヤはサイズ、銘柄ともに商用軽ワンボックス向けの仕様ながら、乗用車的な走りに仕立てたところが逆にすごさを感じさせます

電動格納式ミラーやキーフリードア施錠システム&プッシュボタンスタート、バンの両側スライドドアイージークローザーを軽トラック/バンとして初めて採用しています。商用車だけあり、荷室のアレンジや積載性に文句なし!

電動格納式ミラーやキーフリードア施錠システム&プッシュボタンスタート、バンの両側スライドドアイージークローザーを軽トラック/バンとして初めて採用しています。商用車だけあり、荷室のアレンジや積載性に文句なし!

アトレー 商用車の製品画像
ダイハツ
3.75
(レビュー4人・クチコミ171件)
新車価格:156〜206万円 (中古車:―円

走りに寄与する重量バランス

ダイハツ・アトレーの基本レイアウトはFRながら、エンジンはボンネットの下ではなく前席の下あたりに搭載され、「フロントミッドシップ」とも呼べるもの。床はやや高くなりますが、コーナリング中、過度に重心の高さを感じさせられることはなく、前後の重量配分の適切さがとても好印象でした。

乗り心地は、これまでの軽ワンボックスの例にもれず、空荷状態だと若干硬さを感じますが、不快なレベルではありません。ボディの剛性感は、堅ろうというより強さとしなやかさを両立した感じで、おそらく操縦性の高さに大きく貢献しています。

これまでの軽トラック/ワンボックスは基本的にステアリングの反応が穏やかで、不感帯のような部分から急激に反応が始まるようなところかありますが、新型アトレーはそうではありません。よくできた乗用車のスポーツモデルのように、自然でリニアな手応えが得られることに大変驚きました。

労働人口減少や働き手の多様化、Eコマース需要など、今の時代に合わせた配慮が随所に見られる軽ワンボックスです

労働人口減少や働き手の多様化、Eコマース需要など、今の時代に合わせた配慮が随所に見られる軽ワンボックスです

軽ワンボックスとして初採用となる電子制御式4WDは、用途に応じたスイッチ操作で「2WD」「4WDオート」「4WDロック」の3モードが選択可能。4WDオートモードでは、路面状況に合わせた最適な前後駆動力配分を行うことで、滑りやすい路面での走行安定性を確保するなど、従来同様にタフな用途に応えられるとしていますが、この駆動力の高さも山道での気持ちよさをもたらします。まるで4WDターボのスポーツモデルのように、グイグイと力強い走りっぷりが味わえるのでした。

惜しむらくはATしか選べないことですが、新しいCVTはダイレクト感が高く変速フィールも小気味よいので、MT派のドライバーでも大きな不満を抱くことはないでしょう。

新型アトレーは商用登録となるのでリヤシートは緊急用と割り切る必要がありますが、安くて便利な軽トランスポーターなのにファン・トゥ・ドライブ性が存外に高いのでありました。

この試乗の模様は動画でもご覧いただけます。

ダイハツ
アトレー[RS]


全長:3,395mm
全幅:1,475mm
全高:1,890mm

ホイールベース:2,450mm

車重:970kg

駆動方式:四輪駆動

搭載エンジン:0.6L直列3気筒インタークーラー付ターボ

トランスミッション:CVT

最高出力:64PS/5,700rpm

最大トルク:91Nm/2,800rpm

車両価格:167万円

マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。

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アトレー 商用車の製品画像
ダイハツ
3.75
(レビュー4人・クチコミ171件)
新車価格:156〜206万円 (中古車:―円
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