レビュー

トヨタ「bZ4X」とスバル「ソルテラ」の違いは!?走り比べて徹底比較

近年、電気自動車のニーズが徐々に高まっていることから、日本の自動車メーカーにおいても、電気自動車のラインアップが増えてきている。

姉妹車である、トヨタ「bZ4X」(右)とスバル「ソルテラ」(左)の2台に試乗することができたので、乗り味の違いなどを中心にレポートしたい

姉妹車である、トヨタ「bZ4X」(右)とスバル「ソルテラ」(左)の2台に試乗することができたので、乗り味の違いなどを中心にレポートしたい

最近、発売された電気自動車の中で、注目したいのがトヨタ「bZ4X」とスバル「ソルテラ」の2台だ。両車は、基本部分が共通化されている姉妹車で、価格.comマガジンでも数回にわたって取り上げているが、今回は初となる一般道で両車を試乗できたので、2台の特徴や違い、購入にあたっての注意点なども含めてレポートしたい。

トヨタ「bZ4X」の、フロントエクステリアとリアエクステリア。ボディサイズについては、スバル「ソルテラ」と同じ値だ

トヨタ「bZ4X」の、フロントエクステリアとリアエクステリア。ボディサイズについては、スバル「ソルテラ」と同じ値だ

bZ4Xの製品画像
トヨタ
3.00
(レビュー1人・クチコミ240件)
新車価格:600〜650万円 (中古車:―円

スバル「ソルテラ」の、フロントエクステリアとリアエクステリア。フロントフェイスやテールランプなどの意匠がトヨタ「bZ4X」とは違うため、その印象もかなり異なる

スバル「ソルテラ」の、フロントエクステリアとリアエクステリア。フロントフェイスやテールランプなどの意匠がトヨタ「bZ4X」とは違うため、その印象もかなり異なる

ソルテラの製品画像
スバル
3.00
(レビュー1人・クチコミ138件)
新車価格:594〜682万円 (中古車:―円

まず、bZ4Xとソルテラのボディサイズについては同じ値で、両車ともに全長が4,690mm、全幅は1,860mm、全高は1,650mmになる。ホイールベースは2,850mmと長い。

モーターの動力性能も共通だ。両車ともに、駆動方式には2WD(前輪駆動)と4WDが用意されており、2WDのモーターは最高出力150kW(203.9ps)、最大トルク266N・m(27.1kgf・m)を発生させる。いっぽう、4WDは最高出力が80kW(109ps)、最大トルクが169N・m(17.2kgf・m)のモーターが前後輪に搭載されているので、システム合計では160kW(218ps)、338N・m(34.4kgf・m)の値になる。

駆動用リチウムイオン電池の総電力量は、両車ともに71.4kWhと同じだが、1回の充電で走行できる距離は少し異なる。bZ4X(グレードはZのみ)で、1回の充電によって走行可能な距離(WLTCモード)は、2WDが559km、4WDは540kmだ。いっぽう、ソルテラはベーシックなET-SSグレードの場合、2WDが567kmで、4WDは542kmになる。そして、上級のET-HSグレードの駆動方式は4WDのみで、一充電あたりの走行可能距離は487kmだ。車種やグレードに応じて、走れる距離が異なる理由を開発者に尋ねると「装備に違いがあって、車両重量が異なるため」とのこと。ソルテラのET-HS・4WDの走行可能距離が478kmと短い理由も、車両重量が2,030kgと重いためだ。

トヨタ「bZ4X」のインテリア

トヨタ「bZ4X」のインテリア

スバル「ソルテラ」のインテリア。トヨタ「bX4X」と、基本的に同じインテリアデザインだ

スバル「ソルテラ」のインテリア。トヨタ「bX4X」と、基本的に同じインテリアデザインだ

車内については、インパネ形状は基本的に両車とも共通のデザインだ。中央には、12.3インチのワイドなディスプレイオーディオが標準装着されている。

メーターを、ステアリングホイールの上側を通して見えるように配置された「トップマウントメーター」(トヨタ、スバルともに共通の名称)。視線移動が少なくなるなど、見やすさに配慮されている新しいメーターだ

メーターを、ステアリングホイールの上側を通して見えるように配置された「トップマウントメーター」(トヨタ、スバルともに共通の名称)。視線移動が少なくなるなど、見やすさに配慮されている新しいメーターだ

メーターは個性的で、ステアリングホイールの奥に液晶タイプのメーターが装着されている。ドライバーの視線や目の焦点移動は少ないが、メーターが部分的にステアリングホイールの陰に隠れる。開発者は、「速度表示は隠れないように配慮した」とのことだったのだが、スイッチ操作で多彩な情報を表示した時には、走行可能な距離の表示がステアリングホイールに隠れることがあった。ドライバーによっては、メーターの情報が隠れて見づらいことがあるので注意したい。

「bZ4X」「ソルテラ」は、後席空間の広さが魅力のひとつとなっている

「bZ4X」「ソルテラ」は、後席空間の広さが魅力のひとつとなっている

居住性は、全長が4,700mm以下に収まるSUVとしては、満足できる広さだ。特に、後席は足元空間が広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシ3つが収まるほどの広さだ。ただし、床下にリチウムイオン電池が搭載されているために床の位置が少し高く、座面との間隔も不足気味だ。後席に座ると、膝が持ち上がって大腿部が座面の前側から離れやすい。長身の同乗者が後席に乗るのであれば、できれば実車で後席の座り心地を確認してほしい。また、荷室の床も少々高めだ。リヤゲートの角度を寝かせているので、背の高い荷物は収まりにくい。

「bZ4X」や「ソルテラ」は、エクステリアデザインが優先されていることからAピラーがやや太く、斜め前方の視認性は少し妨げられる

「bZ4X」や「ソルテラ」は、エクステリアデザインが優先されていることからAピラーがやや太く、斜め前方の視認性は少し妨げられる

視界については、右左折時にフロントピラーがななめ前側の視界を少し妨げる。スバルは、安全性の確保を目的に視界にこだわっているメーカーでもある。そこで、スバルの開発者に視界について尋ねると、「開発段階でも、視界の向上は課題になった。なるべく見やすいように、フロントピラーの形状を工夫している」と言う。

Aピラーと同様に、Cピラーもやや太いので斜め後方も少々見づらい

Aピラーと同様に、Cピラーもやや太いので斜め後方も少々見づらい

また、外観を力強いデザインとするために、ボディ後端のピラーも太いのでななめ後方の視界もそれほどよくない。購入時には、縦列駐車などを試してみてほしい。最小回転半径は、両車ともに5.6mと少し大回りではあるが、ボンネットがある程度は見えるので、ボディの先端や車幅はわかりやすいほうだ。

トヨタ「bZ4X」の試乗イメージ

トヨタ「bZ4X」の試乗イメージ

次に、bZ4Xの2WD車(グレードはZのみ)から試乗したので、レポートしたい。電気自動車は、車種によってはアクセルペダルを踏み込むと蹴飛ばされたような激しい加速を発生させるクルマもあるが、bZ4Xの加速感は、過激な電気自動車に比べると過剰さは抑えられている。それでも、電気自動車なのでアクセル操作に対する反応はガソリンエンジン車よりも機敏だ。また、エンジンを搭載していない電気自動車らしくノイズが小さく加速は滑らかで、上質な運転感覚が味わえる。

トヨタ「bZ4X」の試乗イメージ

トヨタ「bZ4X」の試乗イメージ

走行安定性は、すぐれた部類に入る。ステアリング操作に対して、車両は正確に向きを変える。カーブを曲がりながらアクセルペダルを踏み増しても、旋回軌跡を拡大させにくい。下りカーブで危険を避けるような操作を行っても、後輪が確実に接地して運転操作の難しい状態には陥りにくい。

このような、上質な走りを実現できている背景には、bZ4Xとソルテラの電気自動車ならではのクルマ作りが関係している。ホイールベースを2,850mmまで伸ばし、重いリチウムイオン電池を床下に搭載しているので、重心が低く抑えられている。さらに、電池の搭載にともなうボディ補強によって、剛性が高められている。

トヨタ「bZ4X」の試乗イメージ

トヨタ「bZ4X」の試乗イメージ

この、走りにすぐれた両車の素性を踏まえたうえで、今回試乗したbZ4XのZグレード(2WD)と、ソルテラのET-HSグレード(4WD)には違いが見られた。bZ4Xは、ステアリングホイールを回し始めた時の反応が機敏だ。カーブにおいても、ソルテラに比べてよく曲がる。その代わり、後輪の接地性はソルテラのほうが高く、bZ4Xは走り方によっては横滑りを若干誘発しやすい。

スバル「ソルテラ」の試乗イメージ

スバル「ソルテラ」の試乗イメージ

両車ともに、基本的には安定性が重視されているのだが、ソルテラはこの傾向が突き詰められており、逆にbZ4Xは少しスポーティーな運転感覚をあわせ持っている。足まわりの設定も両車では異なり、ショックアブソーバーの縮み側の減衰力は、ソルテラのほうが少し高めにチューニングされている。そのため、カーブを曲がる時のボディの傾き方は、ソルテラは少し小さめだ。パワーステアリングの操舵感も、ソルテラはやや重い。

スバル「ソルテラ」の試乗イメージ

スバル「ソルテラ」の試乗イメージ

このような足まわりの設定を考えると、乗り心地はbZ4Xが快適で、ソルテラは硬めになると思われたのだが、実際に試乗するとソルテラも足まわりは柔軟で乗り心地はいい。たとえば、段差の乗り越えなどでも、ソルテラはショックを相応に伝えるものの、路上の細かな凹凸を巧みに吸収してくれるのだ。

スバル「ソルテラ」の試乗イメージ

スバル「ソルテラ」の試乗イメージ

このように、bZ4Xは走りが少し機敏なフィーリングで、ソルテラはスバルの考え方が貫かれており、走行安定性が高い。スバルの開発者は、「電気自動車のソルテラでも、ガソリンエンジンのインプレッサでも、クルマ作りの考え方に違いはない」と言う。

そして、両車で最も大きく異なるのが販売方法だ。ソルテラは、買い取り購入が可能だが、bZ4XはリースのKINTO専用車となっている。bZ4Xをリース専用にした理由について、開発者は「バッテリーのメンテナンスと再利用」を挙げる。電気自動車の場合、走行距離が伸びるほど電池の性能が下がり、1回の充電で走行可能な距離も短くなる。だが、リースならそこをメンテナンスできる。また、車両を必ず返却するので、電池の再利用も容易だ。さらに、電気自動車は電池の性能が悪化するため、売却時の価値が下がりやすい。そこをリース専用にすれば、ユーザーが売却時に損した気分を味わう心配もない。

bZ4Xはリース専用車だが、価格も設定されており、Zの2WD車では600万円になる(4WD車は650万円)。そして、経済産業省の補助金額の85万円を差し引くと、2WD車の実質価格は515万円に下がる。利用料金には、ほかの車種とは違って77万円の申込金も含まれており、5年間の使用料金の合計は591万80円になる。

ちなみに、「アルファードハイブリッド」のS“TYPE GOLD III”は、価格が515万4,400円と、補助金を差し引いたbZ4X Zの2WDと同等の価格になる。そして、アルファードをKINTOで利用した場合、77万円の申込金はなく、5年間の使用料金は479万1,600円に収まる。つまり、bZ4X Z 2WDの料金は、実質価格が同程度のアルファードに比べて、約112万円高い。だが、KINTOには、未成年まで含めてユーザーを限定しない任意保険が付帯されているので、若年層が運転する場合にはKINTOのbZ4Xは割安になる。

いっぽう、ソルテラはET-SS(2WD)が買い得グレードになる。価格は594万円だが、経済産業省の補助金を差し引くと509万円で購入できる。諸費用、税金、任意保険料は別途支払うが、リースのKINTOと違って走行距離などの制約はなく、ペットも同乗させられる。bZ4Xとソルテラは、このように用途や好みに応じて選び分けたい。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
bZ4Xの製品画像
トヨタ
3.00
(レビュー1人・クチコミ240件)
新車価格:600〜650万円 (中古車:―円
ソルテラの製品画像
スバル
3.00
(レビュー1人・クチコミ138件)
新車価格:594〜682万円 (中古車:―円
関連記事
プレゼント
価格.comマガジン プレゼントマンデー
SPECIAL
ページトップへ戻る