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トヨタ「ノア」「ヴォクシー」の内外装や使い勝手を徹底解剖!買いのグレードは!?【動画】

2022年1月にフルモデルチェンジされた、トヨタのミドルサイズミニバン「ノア」と「ヴォクシー」。歴代モデルの特徴である、広大な室内空間や運転のしやすさなどは新型モデルにも継承されていて、さらにシートアレンジやラゲッジなどの改良によって、より使いやすく便利になった。

トヨタの人気ミニバン、「ノア」(左)と「ヴォクシー」(右)。今回、姉妹車である2台について、筆者(人物右)と深山幸代さん(人物左)の2人でその魅力を探ってみた

トヨタの人気ミニバン、「ノア」(左)と「ヴォクシー」(右)。今回、姉妹車である2台について、筆者(人物右)と深山幸代さん(人物左)の2人でその魅力を探ってみた

ノアの製品画像
トヨタ
4.01
(レビュー293人・クチコミ22401件)
新車価格:267〜389万円 (中古車:9〜680万円
ヴォクシーの製品画像
トヨタ
4.33
(レビュー362人・クチコミ66213件)
新車価格:309〜396万円 (中古車:9〜527万円

今回、新型ノア、ヴォクシーについて、筆者(渡辺陽一郎)とモータージャーナリストを目指して鋭意勉強中の深山幸代さんの2人で、人気ミニバンの魅力について探ってみた。当記事のほか、以下の動画でも詳しく紹介しているので、参考にしていただければ幸いだ。

ボディサイズや外観デザイン

新型ノア、ヴォクシーのボディサイズは、どちらも全長は4,695mm、全幅は1,730mmになる。先代は、標準仕様が5ナンバー車(エアロ仕様は3ナンバー車)だったが、新型はプラットフォームを刷新した影響などによって、全車が3ナンバー車となっている。

左はトヨタ「ノア」のエアロ仕様である「S-G」グレードで、右は「ヴォクシー」の「S-Z」グレード

左はトヨタ「ノア」のエアロ仕様である「S-G」グレードで、右は「ヴォクシー」の「S-Z」グレード

フロントマスクは、ノアの標準仕様はミニバンとして一般的なデザインで、シンプルながら存在感があるものだ。また、エアロ仕様のフロントグリルには、大型のスモークメッキが装着されている。

いっぽう、ヴォクシーはボディサイドの形状などはノアと同じだが、フロントフェイスは大きく異なる。個性のあるデザインで、上下に厚みのあるブラックのグリルが備わり、目立ち度は抜群に高い。さらに、上級のS-Zにはフロントグリルの下部に「薄暮灯」が装着されている。

深山さん「ヴォクシーのフロントフェイスは、インパクト大ですね! でも、個人的にはベーシックなノアのほうが好みかな」

今は、トヨタ全店で全車種が併売されているので、販売店系列の個性を表現する姉妹車は次々と廃止されている。そのことからも、ノアとヴォクシーの存続については異例と言えるだろう(エスクァイアは廃止されたが)。ノア、ヴォクシーの2車種は販売があまりに好調なため、以前の姉妹車関係が残されているのだ。そして、新型ではノアが一般ユーザー向けに、ヴォクシーは個性を求めるユーザー向けに開発された。2車種は、基本的に同じクルマなのだが、それぞれに異なる役割を持たせている。

シートアレンジ

ノア、ヴォクシーは天井の高いミニバンなので、ボディサイズの割に車内は広い。

1〜3列目シートはともに広いので、多人数で乗車しても快適に移動できるだろう

1〜3列目シートはともに広いので、多人数で乗車しても快適に移動できるだろう

1〜3列目シートは、ともに十分な空間が確保されている。身長170cmの大人6名が乗車した場合、2列目シートに座る乗員の膝先空間を握りコブシ2つ分に調節しても、3列目シートの膝先には握りコブシひとつ半の余裕がある。先代は、握りコブシ2つ分であったので、比べると若干狭まってはいるものの、それでも大人が多人数で乗車しても快適な広さだ。

トヨタ「ノア」「ヴォクシー」の2列目シートには、セパレートタイプ(上画像)とベンチタイプ(下画像)の2種類が用意されている

トヨタ「ノア」「ヴォクシー」の2列目シートには、セパレートタイプ(上画像)とベンチタイプ(下画像)の2種類が用意されている

シートの配列は、2列目シートがセパレートタイプの7人乗りと、ベンチタイプの8人乗りが用意されている。また、2列目シートには「超ロングスライド」機能が備わり、7人乗りは前後に745mm、8人乗りは705mmスライドさせることができる。また、セパレートタイプのシートを選ぶと、セットオプションで「オットマン」と呼ばれる、ふくらはぎを支えてくれる装備を装着することができる。

深山さん「オットマンは、ふくらはぎを支えてくれて、普通に座っているよりも足はかなりラクになりますね!」

ラゲッジルーム

新型ノア、ヴォクシーは、広いラゲッジルームも魅力的だ。3列目シートをたためば、自転車のような大きな荷物も積載できる。新型は、3列目シートの下部にあるレバーを引くだけでシートが持ち上がり、サイドウィンドウ側へ押し込むとロックすることができる。

3列目シートは、シート下のロック解除レバーを手前に引くと軽く跳ね上がり、ウィンドウ側へ押し込めば、カチッという音とともにカンタンにロックできるようになった

3列目シートは、シート下のロック解除レバーを手前に引くと軽く跳ね上がり、ウィンドウ側へ押し込めば、カチッという音とともにカンタンにロックできるようになった

先代はロックができず、ひもで固定する方法が採られていたのだが、少々面倒だった。だが、新型ではロックできるようになったことで、3列目シートの出し入れがかなりカンタンになっている。ちなみに、3列目シートは薄型に設計されているので、荷室側への張り出しが少なく、より多くの荷物を積載できる。

深山さん「3列目シートの格納は、ホントに軽いですね! 女性はもちろん、お子さんでもできそうな軽さです」

リヤゲートを任意の場所で止められる「フリースタイルバックドア」は、新型「ノア」「ヴォクシー」においてトヨタが初めて採用した機能で、全車に標準装備されている

リヤゲートを任意の場所で止められる「フリースタイルバックドア」は、新型「ノア」「ヴォクシー」においてトヨタが初めて採用した機能で、全車に標準装備されている

リヤゲートは、電動式、手動式ともに好みの角度で固定できる「フリースタイルバックドア」と呼ばれる機能が採用されている。たとえば、縦列駐車をしていて車両後方の空間が狭い時などでも、少しだけ開けて荷物を出し入れできるなど、便利な機能だ。

内装

新型ノア、ヴォクシーのインパネは、メッキパーツの使われ方が巧みで、先代に比べてより上質になっている。特に、上級のZとS-Zには合成皮革が多く使われ、Lサイズミニバンのような質感の高さが表現されている。

シルバーメッキ加飾が用いられるなど、先代よりも高級感が増した、新型「ノア」「ヴォクシー」のインパネ

シルバーメッキ加飾が用いられるなど、先代よりも高級感が増した、新型「ノア」「ヴォクシー」のインパネ

インパネの中央には、各種の情報を表示できる8インチのディスプレイオーディオも標準装着されている(ノアXを除く)。さらに、DVDやCDの再生機能とセットの10.5インチの大型ディスプレイも、オプションで用意されている。

また、音声認識機能の「エージェント」機能も採用されている。「Hey、トヨタ」と呼びかけると、パワーウィンドウやエアコンなどを操作できる。先進技術を投入させるなどによって、操作性を向上させた。ちなみに、このエージェント機能を使って、運転席の窓を閉める操作を動画で試しているので、ご覧いただければ幸いだ。

おすすめグレード

新型ノア、ヴォクシーを選ぶ時は、まず標準仕様か、エアロ仕様かを決めたい。標準仕様とエアロ仕様の価格差は、7〜8万円に抑えられている。この価格差なら、数年後の下取査定も含めるとエアロ仕様のほうが買い得だ。

次に、ノアかヴォクシーを選択しよう。これも好みにもよるが、ヴォクシーの価格は主に外観の違いだけで、ノアよりも5〜7万円高い。この価格差は意外に大きく、オプション価格に当てはめると、右側スライドドアの電動機能(62,700円)や、100V・1500Wの電源コンセント(44,000円)などに匹敵する。つまり、ノアを選ぶとメーカーオプションがひとつサービスで装着されるといった計算が成り立つ。そうなると、ノアのエアロ仕様のほうが買い得だ。

次に、NA(自然吸気)エンジン搭載車か、ハイブリッド車かを選ぼう。ノアのエアロ仕様の場合、ハイブリッド車の価格はNAエンジン搭載車よりも35万円高いが、購入時に納める税額は約13万円安く、実質価格差は22万円に縮まる。レギュラーガソリン価格が1L当たり160円なら、ハイブリッド車が燃料代の節約で22万円の実質価格差を取り戻せるのは、5〜6万kmを走ったころだ。

新型「ノア」「ヴォクシー」のハイブリッド車は、燃費のよさだけでなく静かで滑らかな走りも魅力的だ

新型「ノア」「ヴォクシー」のハイブリッド車は、燃費のよさだけでなく静かで滑らかな走りも魅力的だ

ハイブリッド車は、燃費性能がすぐれているだけでなく、加速が滑らかでエンジンノイズも小さい。さらに、災害時に役立つ100V・1500Wの電源コンセントなども装着できる。これらの付加価値も考慮すると、最終的な選択はノアにエアロパーツを装着して、ハイブリッドを搭載するS-G(3,390,000円)か、S-Z(3,670,000円)に絞られる。どちらのグレードを選択するのかは、ほしい装備で決まる。右側スライドドアの電動機能や、100V・1500Wの電源コンセント、合成皮革を使った上質な内装などが好みならS-Zを選ぼう。ただし、価格も相応に高いので、予算を超過する時にはノアの標準仕様とNAエンジンを組み合わせたG(2,970,000円)が割安だ。ノアX(2,670,000円)はさらに30万円安いのだが、装備も大幅に省かれるので、ノアGを推奨したい。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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新車価格:309〜396万円 (中古車:9〜527万円
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