レビュー

初のe-POWER搭載!日産 新型「エクストレイル」試乗チェック!

日産のミドルサイズSUV「エクストレイル」が9年ぶりにフルモデルチェンジされ、2022年7月25日から販売が開始された。

2022年7月25日に、4代目へとフルモデルチェンジされた、日産 新型「エクストレイル」。日本で発売される仕様には、全グレードに第2世代の「e-POWER」と「VCターボ」が搭載されており、4WDモデルには新たに電動駆動4輪制御技術の「e-4ORCE」が採用されている

2022年7月25日に、4代目へとフルモデルチェンジされた、日産 新型「エクストレイル」。日本で発売される仕様には、全グレードに第2世代の「e-POWER」と「VCターボ」が搭載されており、4WDモデルには新たに電動駆動4輪制御技術の「e-4ORCE」が採用されている

エクストレイルの製品画像
日産
3.90
(レビュー461人・クチコミ24637件)
新車価格:319〜449万円 (中古車:15〜518万円

新型エクストレイルの主な特徴は、第2世代の新しい「e-POWER」が全グレードに搭載されていることと、4WDモデルには「e-4ORCE」が採用されていることだ。今回、新型エクストレイルを日産のテストコースで試乗したので、走行性能とともに居住性など車両の概要についても併せてお伝えしたい。

日産 新型「エクストレイル」のフロントエクステリアとリアエクステリア

日産 新型「エクストレイル」のフロントエクステリアとリアエクステリア

新型エクストレイルのプラットフォームは、日産が新規開発したもので、三菱 新型「アウトランダーPHEV」にも先行で採用されている。新型エクストレイルのボディサイズは、全長が4,660mm、全幅は1,840mm、全高は1,720mm。先代に比べて、30mm短く、20mmワイドで、20mm低いが、ほぼ同じ大きさだ。ホイールベースも2,705mmと等しい。だが、外観デザインは大きく変わった。先代の3代目は、フェンダーなどに丸みが付けられていたが、新型では水平基調が強められており、初代や2代目などの悪路向けSUVを想起するような外観へと回帰させている。フロントマスクは、ランプが上下2段に配置されており、個性的で力強い表情が演出されている。

日産 新型「エクストレイル」のインテリア

日産 新型「エクストレイル」のインテリア

水平基調の外観は、運転のしやすさにおいてメリットがある。ボンネットが視野に入り、車幅やボディの先端位置が分かりやすい。フロントピラーとドアミラーの間から、ななめ前側が見やすいことも特徴的だ。ななめ後方の視界もいい。しかも、最小回転半径は5.4mに収まっており、ホイールベースを変えずに先代の5.6mに比べて小回り性能を向上させている。縦列駐車も、行いやすいだろう。

内装については、インパネ周辺の質感は満足できるものだ。やわらかいパッドが備わり、水平基調のデザインによって視認性や操作性もいい。

日産 新型「エクストレイル」のフロントシート

日産 新型「エクストレイル」のフロントシート

日産 新型「エクストレイル」のリアシート(2列シート車)

日産 新型「エクストレイル」のリアシート(2列シート車)

フロントシートはサイズに余裕があって、座ると体が座面へ適度に沈み、ボリューム感があるものだ。腰をしっかりと支えてくれて、着座姿勢が安定するので、長距離の移動にも適している。リアシートは、頭上と足元の空間の広さが特徴的だ。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には、握りコブシが2つ半収まる。さらに、後席に座る乗員の足が前席の下へと収まりやすく、4名で乗車しても快適だ。

また、新型エクストレイルには3列シートを備えた7人乗り仕様もラインアップされているが、3列目シートは荷室に装着された補助席という役割になる。サイズが小さく、床と座面との間隔も足りないので、大人が座ると膝が大きく持ち上がるからだ。大人6名が乗車すると、足元空間が狭まり、2列目シートを前寄りにスライドさせて、2、3列目シートの膝先空間を両席ともに握りコブシの半分程度にまで抑えないと座ることができない。また、身長170cmの大人が3列目シートに座ると、頭が天井に触れてしまう。そのため、大人が1〜3列目シートに座って、多人数で移動できるのは短距離にかぎられるだろう。

日産 新型「エクストレイル」のラゲッジルーム(2列シート車)

日産 新型「エクストレイル」のラゲッジルーム(2列シート車)

荷室の床は、SUVなので高めではあるものの、リヤゲートをあまり寝かせていないので、背の高い荷物も積みやすい。SUVとしての積載性は、すぐれているだろう。

そして、最も注目されるのがパワーユニットだ。全グレードに、進化したe-POWERが搭載されている。e-POWERの場合、エンジンは発電を担い、モーターがタイヤを駆動する。発電用エンジンは、従来のe-POWERでは直列3気筒1.2リッターエンジンだったのだが、新型エクストレイルでは直列3気筒1.5リッターエンジンへと刷新されている。

この、直列3気筒1.5リッターエンジンには、圧縮比を8.0から14.0まで変化させる先進的な機能が備わっており、VCターボも装着されている。その理由は、効率の向上だ。エンジンの負荷が少ない巡航中は、圧縮比を14.0まで高めて燃料消費量を抑える。そして、加速や登坂のために高い動力性能が必要な時には、圧縮比を8.0まで下げて、ターボを作動させることによって積極的な発電を行うのだ。

今回、試乗したのは、4WDのX・e-4ORCEとオーテック e-4ORCEの2台だった。モーターの動力性能は、どちらも前輪側は最高出力が150kW(204PS)で最大トルクは330Nm(33.6kgf・m)、後輪側は最高出力が100kW(136PS)で最大トルクは195Nm(19.9kgf・m)になる。

日産のクローズドコースにおいて、新型「エクストレイル」を試乗した

日産のクローズドコースにおいて、新型「エクストレイル」を試乗した

新型エクストレイルに試乗すると、発進時からモーターの力強さが感じられる。アクセルペダルを踏み増すと、e-POWER搭載車らしく速度が直線的に高まるのだが、とても運転しやすい。前述したような、圧縮比を変化させているといったことは体感できず、運転感覚は実に自然な印象だ。

新型「エクストレイル」の運転感覚は、電動モデルらしからぬ自然なフィーリングが特徴的だ

新型「エクストレイル」の運転感覚は、電動モデルらしからぬ自然なフィーリングが特徴的だ

加速の仕方によっては、エンジン回転が先行して高まり、これを追いかけるように速度を上昇させることもあるのだが、違和感は覚えない。エンジンが高回転域まで回る時は、3気筒エンジン特有の粗いノイズが聞こえるものの、耳障りなものではなかった。また、駆動用電池が十分に充電されている時はモーター駆動のみで発進して、その後にエンジンが始動するが、その際にノイズが急激に高まる印象も受けない。全般的に、e-POWERの性能や運転フィーリングは、ユーザーが満足できるような完成度の高さに仕上げられていると感じた。

WLTCモード燃費は、2WDが19.7km/L、4WDは18.4km/L(3列シート車は18.3km/L)だ。たとえば、トヨタ「ハリアーハイブリッド」は、2WDが22.3km/L、4WDは21.6km/L、トヨタ「RAV4ハイブリッド」は、2WDが21.4km/L、4WDは20.3〜20.6km/Lなので、新型エクストレイルの数値は少し下まわる。つまり、新型エクストレイル e-POWERは、低燃費というだけでなく、動力性能も両立させたパワートレインとして位置付けられていると言えそうだ。

新型「エクストレイル」は、コーナーにおいても違和感などはなく、自然に曲がっていく印象を受けた

新型「エクストレイル」は、コーナーにおいても違和感などはなく、自然に曲がっていく印象を受けた

エクストレイルは走りを重視するSUVなので、走行安定性にすぐれる。特に、試乗車は4WDということもあって、カーブを曲がる時の前輪の負担が少ない。車両の進行方向を変える時などの動きも機敏で、回避操作などが行いやすい。左右方向の揺り返しは少々大きめではあるものの、後輪の接地性が高いので、不安定な状態には陥りにくい。

この機敏な挙動変化は、共通のプラットフォームを使うアウトランダーに似ているものの、新型エクストレイルは車両の動きが少し穏やかだ。アウトランダーは、4輪制御をさらに積極的に行って、機敏に曲げていく傾向がある。アウトランダーは、スポーティーな方向性が強めな印象なので、新型エクストレイルのように、自然な運転フィールのほうを好むユーザーも多いことだろう。

新型「エクストレイル」のオーテックモデルは、20インチタイヤが装着されていることから、よりスポーティーでノーマルのエクストレイルとは異なった、まるでステーションワゴンに乗っているような走りを堪能できた

新型「エクストレイル」のオーテックモデルは、20インチタイヤが装着されていることから、よりスポーティーでノーマルのエクストレイルとは異なった、まるでステーションワゴンに乗っているような走りを堪能できた

ちなみに、タイヤサイズは、X・e-4ORCEは18インチ(235/60R18)だが、オーテックe-4ORCEは20インチ(255/45R20)が装着されていた。そのため、オーテックe-4ORCEは、乗り心地は少し硬めなものの、大きな段差を乗り越えた時には18インチとは大差がなかった。さらに、20インチはタイヤのグリップ性能が高く、SUVというよりも少し背の高いステーションワゴンに乗っているような感覚で運転できた。スタイリッシュな外観とともに、スポーティーなフィーリングが好みであれば、20インチタイヤを装着するオーテックを選ぶ手もあるだろう。

新型「エクストレイル」オーテックモデルのフロントエクステリアとリアエクステリア。フロントは、ドットパターンのグリルが特徴的で、さまざまな角度から見ても美しく輝くようにデザインされている。また、フロント、リア、サイドにはそれぞれ、低重心でワイドスタンスであることを印象付ける、メタル調フィニッシュパーツが装着されている。ホイールもノーマルモデルとはデザインが異なり、タイヤは255/45R20のミシュラン「プライマシ−4」が装着されている

新型「エクストレイル」オーテックモデルのフロントエクステリアとリアエクステリア。フロントは、ドットパターンのグリルが特徴的で、さまざまな角度から見ても美しく輝くようにデザインされている。また、フロント、リア、サイドにはそれぞれ、低重心でワイドスタンスであることを印象付ける、メタル調フィニッシュパーツが装着されている。ホイールもノーマルモデルとはデザインが異なり、タイヤは255/45R20のミシュラン「プライマシ−4」が装着されている

■日産 新型「エクストレイル」のグレードラインアップと価格
※価格はすべて税込
※パワートレインは、全グレード「e-POWER」搭載
-2列シート車-
S [2WD]:3,198,800円
S e-4ORCE [4WD]:3,479,300円
X [2WD]:3,499,100円
X e-4ORCE [4WD]:3,799,400円
X e-4ORCE エクストリーマーX [4WD]:4,129,400円
G [2WD]:4,298,800円
G e-4ORCE [4WD]:4,499,000円
AUTECH [2WD]:4,205,300円
AUTECH e-4ORCE [4WD]:4,467,100円
AUTECH Advanced Package [2WD]:4,846,600円
AUTECH e-4ORCE Advanced Package [4WD]:5,046,800円
-3列シート車-
X e-4ORCE [4WD]:3,930,300円
X e-4ORCE エクストリーマーX [4WD]:4,260,300円
AUTECH e-4ORCE [4WD]:4,598,000円

グレード構成は、基本的にはベーシックなS、中級のX、最上級のGの3グレードに分類され、そこへ特別仕様車のエクストリーマーXやオーテックが加わる。駆動方式は、2WDと4WDのe-4ORCEが設定されており、3列シート車は4WDのみのラインアップとなっている。

新型エクストレイルを購入する際には、まず2WDか4WDのe-4ORCEかの選択になるが、推奨度が高いのはe-4ORCEだ。後輪のモーター駆動を併用して、4輪が綿密に駆動力制御されるので、悪路走破性の高さに加えて舗装路での安定性も向上するからだ。

2WDとe-4ORCEの価格差は、グレードによって異なるが、X同士で比べると、e-4ORCEには「後席ヒーター付きシート」が含まれている「ホットプラスパッケージ」などが加わり、価格は約30万円高くなる。だが、この価格差は妥当な範囲内に収まっている。

グレードは、ベーシックなS・e-4ORCEは、安全装備の後側方車両検知警報などが装着されていない。そのため、中級のX・e-4ORCE(3,799,400円)がベストグレードだ。同じ価格帯のライバル車としては、RAV4 ハイブリッドX・E-Four(3,627,000円)などがラインアップされている。新型エクストレイルは、圧縮比の可変機能やターボを装着したエンジンを搭載しながらも、価格はあまり高められていない。機能や装備内容を考えれば、割安だろう。

販売店では、新型エクストレイルの受注を2022年6月末から実施している。納期をたずねると「今のところ6〜8か月だが、受注状況によっては遅延することも考えられる」という。購入を検討しているなら、商談はなるべく早めに開始したい。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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