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スズキ 新型「スペーシアベース」は商用車と乗用車のイイとこ取り!

2022年8月26日、スズキは軽スーパーハイトワゴン「スペーシア」シリーズの第4弾となる4ナンバーの軽商用車、新型「スペーシアベース」を発表した。

4ナンバーの軽商用車として発売される、スズキ 新型「スペーシアベース」。軽乗用車の「スペーシア」を商用車化することで、乗用車の快適性の高さや運転のしやすさと、商用車の積載性の高さや荷室の広さ、使い勝手のよさを両立させている

4ナンバーの軽商用車として発売される、スズキ 新型「スペーシアベース」。軽乗用車の「スペーシア」を商用車化することで、乗用車の快適性の高さや運転のしやすさと、商用車の積載性の高さや荷室の広さ、使い勝手のよさを両立させている

スペーシア ベース 商用車の製品画像
スズキ
4.17
(レビュー6人・クチコミ5件)
新車価格:139〜166万円 (中古車:―円

これまでのスペーシアシリーズは、標準モデルのスペーシアのほかに、「スペーシアカスタム」と「スペーシアギア」の3種類がラインアップされていたが、いずれも軽乗用車だった。軽商用車が発売されるのは、今回のスペーシアベースが初となる。

■スズキ 新型「スペーシアベース」のグレードラインアップと価格
※価格はすべて税込
GF:1,394,800円(2WD)/1,518,000円(4WD)
XF:1,547,700円(2WD)/1,667,600円(4WD)

新型「スペーシアベース」は、フロントフェイスやホイールなどがブラックパールで塗装されることによって、商用車の道具感が演出されている

新型「スペーシアベース」は、フロントフェイスやホイールなどがブラックパールで塗装されることによって、商用車の道具感が演出されている

まず、スペーシアベースの外観は、ブラックのフロントフェイスが特徴的だ。スペーシアベースのフロントフェイスは、2021年12月に一部改良を受ける前の「スペーシアカスタム」なのだが、現行モデルのスペーシアカスタムと比べても遜色ない。むしろ、スペーシアベースはフロントフェイスやドアミラー、ドアハンドル、ホイールなど、外観のさまざまな部分がブラックパールに塗装されることによって、より重厚でタフなイメージが強調されている。

新型「スペーシアベース」のサイドイメージ。ベースモデルの「スペーシアカスタム」と異なり、クォーターウィンドウがパネルに覆われている

新型「スペーシアベース」のサイドイメージ。ベースモデルの「スペーシアカスタム」と異なり、クォーターウィンドウがパネルに覆われている

クォーターパネルの荷室側には、リヤクォーターポケットが備えられている

クォーターパネルの荷室側には、リヤクォーターポケットが備えられている

また、サイドウィンドウはスペーシアカスタムと異なり、ボディと同色のクォーターパネルによって埋められている。これは、荷室側にリヤクォーターポケットを配するための変更だ。

新型「スペーシアベース」のフロントシート

新型「スペーシアベース」のフロントシート

新型「スペーシアベース」は商用車のため、リアシートはスペーシアカスタムに比べると狭い

新型「スペーシアベース」は商用車のため、リアシートはスペーシアカスタムに比べると狭い

新型「スペーシアベース」のリアリートは、折りたたむことで荷室を広く活用できる

新型「スペーシアベース」のリアリートは、折りたたむことで荷室を広く活用できる

そして、スペーシアベースで最も注目したいのが荷室だ。荷室を広くして使い勝手を向上させるために、スペーシアベースはあえて軽乗用車ではなく4ナンバーの軽商用車として開発された。車両を商用車規格に適合させるには、荷室の面積を後席よりも広く確保しなければならないため、スペーシアベースの後席はベースのスペーシアカスタムに比べると狭い。

新型「スペーシアベース」のリアシートを折りたたむと、広大な荷室として利用できる

新型「スペーシアベース」のリアシートを折りたたむと、広大な荷室として利用できる

その代わり、スペーシアベースは荷室が広い。後席を格納すれば、荷室長は1,205mm、荷室幅は1,245mm、荷室高は1,220mmもの荷室空間が広がる。さらに、荷室の床には汚れを落としやすい素材が採用されており、屋外で汚れたアウトドア用品なども気軽に積める。さらに、シート表皮にも撥水、防水加工が施されている。

スペーシアベースは、荷室の高さを変更できたり、荷室を前後に分割できたりする「マルチボード」が備えられているのも、大きな特徴のひとつだ。マルチボードを活用することによって、さまざまな用途に対応できる。

マルチボードを上段にセットして、リアシートをたたんだ(床下格納はしていない)状態。たたんだリアシートに座ることで、マルチボードを机代わりに使うことができる

マルチボードを上段にセットして、リアシートをたたんだ(床下格納はしていない)状態。たたんだリアシートに座ることで、マルチボードを机代わりに使うことができる

たとえば、上段にセットすれば、床からマルチボードまでの高さは430mmになり、マルチボードをテーブルに、背もたれを倒した後席をベンチ代わりにすることで、デスクワークや食事ができる。

マルチボードを中段にセットした状態

マルチボードを中段にセットした状態

マルチボードを中段にセットすれば、床からの高さは290mmへと下がるので、リラックスした姿勢でリモートワークなどが可能だ。

マルチボードを下段にセットして、フロントシートのヘッドレストを外しリクライニングさせれば、車中泊などに適するフラットな車内空間として利用できる

マルチボードを下段にセットして、フロントシートのヘッドレストを外しリクライニングさせれば、車中泊などに適するフラットな車内空間として利用できる

そして、下段にセットすると床からの高さは165mmになり、前席をフルにリクライニングさせれば平らな空間となって、車中泊などで便利に使える。さらに、その状態でディーラーオプションのリラックスクッションを敷けば、快適に就寝できるだろう。また、マルチボードの下側は収納スペースとして使うことができるので、荷物も整理しやすい。

マルチボードは、立てかけることもできるので、荷室の外側と内側で荷物を分けるなどの使い方が可能だ

マルチボードは、立てかけることもできるので、荷室の外側と内側で荷物を分けるなどの使い方が可能だ

また、後席を格納した状態で荷室の中央にマルチボードを立てると、間仕切りになって荷室を前後に分割できる。前側の荷室長は805mm、後ろ側は545mmだ。たとえば、前側にペットを乗せて、後ろ側には荷物を積むといった使いわけもできるだろう。

新型「スペーシアベース」のインテリア。ベースがスペーシアなので、小物入れなどが豊富に備わっており、使い勝手が高い

新型「スペーシアベース」のインテリア。ベースがスペーシアなので、小物入れなどが豊富に備わっており、使い勝手が高い

新型「スペーシアベース」の天井には、軽いものを収納できる「オーバーヘッドシェルフ」が装着されている

新型「スペーシアベース」の天井には、軽いものを収納できる「オーバーヘッドシェルフ」が装着されている

スペーシアベースでは、室内の使い勝手を向上させるため、収納設備も豊富に用意されている。上級グレードのXFには、「オーバーヘッドシェルフ」が装着されていて、小物類を整理しやすい。前述の、クォーターパネルの荷室側面のリヤクォーターポケットは、ディーラーオプションのカラーコードを使えば荷物を固定しておける。

スペーシアベースは、安全装備も充実している。衝突被害軽減ブレーキを作動できるデュアルカメラブレーキサポート、誤発進抑制機能は全グレードに標準装備されている。サイドエアバッグは、軽商用車では初採用の装備として全車に備わっている。さらに、上級のXFであれば、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールが標準装備されている。

また、快適性を高めるエアコンのフルオート機能やロールサンシェード、運転席と助手席のシートヒーターなどは、軽商用車では初採用の装備として装着されている。

エンジンは、NAのみが設定されており、マイルドハイブリッドやターボは用意されない。最高出力は52PS(6,500rpm)、最大トルクは6.1kg-m(4,000rpm)だ。燃費は、21.2km/L(WLTCモード)で、軽乗用車のスペーシアに当てはめるとマイルドハイブリッドを搭載する売れ筋グレードと同じ数値だ。軽商用車としては、燃費値は最もいい。

■スズキ 新型「スペーシアベース」のグレードラインアップと価格
※価格はすべて税込
GF:1,394,800円(2WD)/1,518,000円(4WD)
XF:1,547,700円(2WD)/1,667,600円(4WD)

スペーシアベースのグレードラインアップは、GFと上級のXFの2種類で、駆動方式は前輪駆動の2WDと4WDを、どちらのグレードでも選ぶことができる。基本的な安全装備は全車に標準装着されており、上級のXFにはアダプティブクルーズコントロールや両側スライドドアの電動開閉機能、ステアリングホイールと運転席の上下調節機能、ルーフレールなどが標準装備されている。

2WDの価格は、GFが1,394,800円、XFは1,547,700円だ。XFは、GFに比べて152,900円高いが、XFにプラスで装着される装備は、22万円相当に達する。実用性の高い品目が多いので、XFは機能や装備の割に価格を抑えた買い得グレードだ。

また、軽乗用車のスペーシアでは、標準ボディのハイブリッドGが1,394,800円なので、スペーシアベースGFと同額になる。軽乗用車のスペーシアハイブリッドGには、マイルドハイブリッドシステム、カーテンエアバッグ、後席のスライド機能などが備わる。後席の足元空間は、軽乗用車のスペーシアのほうが圧倒的に広い。

新型「スペーシアベース」のヘッドライトには、LEDヘッドランプが標準で装着されている

新型「スペーシアベース」のヘッドライトには、LEDヘッドランプが標準で装着されている

いっぽう、スペーシアベース GFには、マルチボードを使った荷室のすぐれた機能が備えられている。また、LEDヘッドランプは、軽乗用車のスペーシアでは標準ボディの場合、上級のハイブリッドXだけにオプション設定されている。だが、スペーシアベースはベーシックなGFも含めて、全グレードに標準装備されている。

スペーシアベースは、軽商用車でありながら価格が軽乗用車のスペーシアと同じく割安に抑えられている。スズキには、軽商用バンとして「エブリイ」も用意されているので、スペーシアベースはビジネスの用途とあわせて、リモートワークやソロキャンプといった2名以内のパーソナルユーザーをターゲットにしている。そのため、スペーシアベースは軽商用車でも安全、快適装備を、割安な価格で充実させている。また、日本のユーザーを見据えて綿密に開発される軽自動車だからこそ「ビジネスにかぎらない、パーソナル指向の軽商用車」という企画も生まれた。スペーシアベースのような高い魅力を持つ軽スーパーハイトワゴンを見ると、軽自動車がなぜ国内市場で40%近いシェアを獲得しているのか、その理由がよくわかるはずだ。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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スペーシア ベース 商用車の製品画像
スズキ
4.17
(レビュー6人・クチコミ5件)
新車価格:139〜166万円 (中古車:―円
スペーシアの製品画像
スズキ
3.89
(レビュー127人・クチコミ4612件)
新車価格:139〜165万円 (中古車:8〜214万円
スペーシアカスタムの製品画像
スズキ
4.28
(レビュー119人・クチコミ3520件)
新車価格:166〜200万円 (中古車:19〜296万円
スペーシア ギアの製品画像
スズキ
4.33
(レビュー20人・クチコミ977件)
新車価格:172〜192万円 (中古車:91〜294万円
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