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ホンダ「N-BOX」 とスズキ「スペーシア」の内外装や装備を徹底比較!【動画】

2022年上半期(1〜6月)、日本国内の(小型車や普通車、軽自動車を含めた)新車販売において1位となったのが、軽スーパーハイトワゴンのホンダ「N-BOX」だ。2022年上半期における1か月の平均届け出台数は約17,000台と、N-BOXだけで日本国内で販売されているホンダ車の実に36%を占めている。そして、N-BOXの次に売れている軽自動車が、同じ軽スーパーハイトワゴンのスズキ「スペーシア」だ。

右がホンダ「N-BOX」で、左がスズキ「スペーシア」。人気の2台の軽自動車について、筆者(人物右)と深山幸代さん(人物左)の2人で、比較しながらそれぞれの魅力を探ってみた

右がホンダ「N-BOX」で、左がスズキ「スペーシア」。人気の2台の軽自動車について、筆者(人物右)と深山幸代さん(人物左)の2人で、比較しながらそれぞれの魅力を探ってみた

N-BOXの製品画像
ホンダ
4.37
(レビュー227人・クチコミ14880件)
新車価格:144〜204万円 (中古車:13〜211万円
スペーシアの製品画像
スズキ
3.89
(レビュー127人・クチコミ4577件)
新車価格:139〜165万円 (中古車:14〜214万円

今回、軽自動車の販売上位を占める2台の内外装や使い勝手などの違いについて、筆者(渡辺陽一郎)とモータージャーナリストを目指して勉強中の深山幸代さんの2人で比較してみた。グレードは、N-BOXは「スーパースライドシート」仕様(後述)のEX(FF/1,678,600円)で、スペーシアは標準ボディのHYBRID X(FF/1,533,400円)だ。なお、当記事のほかに以下の動画でも詳しく比較しているので、そちらもご覧いただけると幸いだ。

外観デザイン、ボディサイズ、取り回し性の比較

まず、2車種のボディサイズ(全長×全幅×全高)からだが、N-BOXは3,395×1,475×1,790mm、スペーシアは3,395×1,475×1,785mmになる。どちらも、軽自動車で定められた規格ギリギリの大きさ(全長3,400mm、全幅1,480mm、全高2,000mm以下)で開発されているので、ボディサイズはほとんど同じだ。だが、ホイールベースはN-BOXが2,520mm、スペーシアは2,460mmと、N-BOXのほうが少し長い。N-BOXは、ホイールを四隅に配置することで、できるだけ室内面積を確保するように開発されているからだ。

ホンダ「N-BOX」のフロントイメージとリアイメージ

ホンダ「N-BOX」のフロントイメージとリアイメージ

外観デザインについては、N-BOXはフロントフェイスにはシルバーメッキが採用されており、直線基調で精悍なイメージだ。また、ボンネットが地面と水平なので、運転しているとクルマの先端や車幅などがわかりやすい。

深山さん「N-BOXは、基本的に四角いデザインですけれど、そのなかにもヘッドライトや給油口など細部には丸みを持たせていて、やさしさを感じさせてくれますね」

スズキ「スペーシア」のフロントイメージとリアイメージ

スズキ「スペーシア」のフロントイメージとリアイメージ

いっぽう、スペーシアの外観はN-BOXに比べて、全体的に丸みを帯びたやわらかなイメージだ。また、側面にはスーツケースをイメージしたデザインが採用されているのも特徴的だ。

深山さん「スーツケースをモチーフにデザインされていると聞いて、なるほど!と思いました。外装だけでなく、内装も同じようにデザインされているのがオシャレですね」

タイヤサイズは、どちらも同サイズの14インチタイヤ(155/65R14)が装着されている。最小回転半径は、N-BOXは4.5mだがスペーシアは4.4mと、わずかに異なる。

内装の質感や操作性、視界の比較

ホンダ「N-BOX」のインテリア

ホンダ「N-BOX」のインテリア

インテリアは、N-BOXはインパネなど至るところにシボ加工が施されているなど全体的に質感が高く、軽自動車とは思えないような上質さを感じさせる。また、N-BOXはハザードランプのスイッチなどが運転席から操作しやすい位置に配置されているのも好印象だ。メーターも特徴的で、インパネの高い位置に設置されているので見やすいのだが、これについては少し気になる点も見受けられるので後述したい。

深山さん「N-BOXは、ブレーキホールドスイッチやシフトレバー、ハザードスイッチなどが手に届く範囲に置かれているので、とても使いやすくていいですね!視線を動かさずに操作できて、運転しやすいです」

スズキ「スペーシア」(ベージュ内装)のインテリア

スズキ「スペーシア」(ベージュ内装)のインテリア

スズキ「スペーシア」の助手席前には、多くの収納が備わっているのが特徴的だ

スズキ「スペーシア」の助手席前には、多くの収納が備わっているのが特徴的だ

いっぽう、スペーシアのインテリアは、質感は昨今の軽自動車における標準的なものだが、明るい色彩で(ベージュ内装の場合)、使い勝手が高く、遊び心のある内装が採用されている。たとえば、助手席の前側にはアッパーボックスやボックスティッシュが収まる引き出しタイプの収納ボックス、さらに左側には引き出し式のカップホルダー、下側にはグローブボックスなど、収納設備が豊富に備わっている。

運転席からの視界については、両車で大きく異なっている。前述のように、N-BOXはメーターがインパネ上部の奥まった高い位置に装着されているため、メーターの視認性はいいのだが、メーター周辺が盛り上がっているので少々圧迫感を受ける。小柄なドライバーなどは、シートの高さによっては前方がやや見にくいかもしれない。いっぽう、スペーシアはインパネ上面が平らで低く抑えられた形状なので、開放感があって前方視界はとても良好だ。

前後席の居住性を比較

ホンダ「N-BOX」のフロントシートとリアシート

ホンダ「N-BOX」のフロントシートとリアシート

フロントシートは、スペーシアよりもN-BOXのほうが、ボリューム感があって座り心地がいい。N-BOXは、路面からの細かな振動が床面には伝わってくるのだが、フロントシートの背もたれや座面が路面からの振動を吸収してくれるので、乗員には伝わりにくい。

ホンダ「N-BOX」の「EX」「EXターボ」グレードに採用されている「助手席スーパースライドシート」

ホンダ「N-BOX」の「EX」「EXターボ」グレードに採用されている「助手席スーパースライドシート」

さらに、N-BOXは「助手席スーパースライドシート」が一部のグレードに採用されているのも、大きな特徴のひとつとなっている。助手席が、前後に最大57cmスライドするため、たとえば助手席を後方へとスライドさせれば、助手席から後席のチャイルドシートに座るお子さんの世話ができる。逆に、助手席を前方へとスライドさせて前側へ倒せば、ミニバンのように後席から運転席へ車内で移動できる。このようなスライド機構は、スペーシアには採用されていないN-BOX独自のものだ。

「スペーシア」以外にも、多くのスズキ車に採用されている「助手席シートアンダーボックス」

「スペーシア」以外にも、多くのスズキ車に採用されている「助手席シートアンダーボックス」

いっぽう、スペーシアの助手席にはN-BOXのように大きくスライドできる機構は備わっていないのだが、助手席の座面を持ち上げると、その下にハンドルの付いた大容量ボックスが備わっている。濡れたものなどを入れられて、ハンドルを持ち上げれば車外へと持ち出すことができて便利だ。

スズキ「スペーシア」のフロントシートとリアシート

スズキ「スペーシア」のフロントシートとリアシート

リアシートに座った時の頭上や足元空間は、N-BOXとスペーシアのどちらも広くて余裕がある。身長170cmの大人4名が乗車した場合、リアシートに座る乗員の膝先には握りコブシ3つ半以上の空間がある。広さを比べると、N-BOXのほうが少し広いものの、スペーシアでもじゅうぶんな広さだ。

スペーシアのHYBRID Xグレードに採用されている「スリムサーキュレーター」。風量の調整が可能なほか、送風角度を上下で調節することもできる

スペーシアのHYBRID Xグレードに採用されている「スリムサーキュレーター」。風量の調整が可能なほか、送風角度を上下で調節することもできる

さらに、スペーシアのHYBRID Xグレードには「スリムサーキュレーター」が標準装備されている。これは、前席の空気を後席へと流すことで、車内の空気を循環させるもので、後席に座る乗員にエアコンの風が届かないことを改善するためのものだ。これは、N-BOXには装備されていないので、スペーシアの魅力のひとつと言えるだろう。このように、フロントシートはN-BOXが、リアシートは(スリムサーキュレーターなどの装備を含めれば)スペーシアがすぐれていると言えそうだ。

深山さん「後席に座っていると、スリムサーキュレーターが前席のエアコンの風を後席に送ってくれているのがわかります。これなら、後ろに座っている人も快適ですね!」

ラゲッジルーム、シートアレンジ比較

ラゲッジルームは、どちらも後席の背もたれを前側に倒すと座面が連動して下がり、多くの荷物が積載できるタイプだ。路面からリヤゲート下端部までの高さは、N-BOXが470mmで、スペーシアは510mm。N-BOXは、燃料タンクがフロントシートの下に搭載されているので、荷室の床が若干低く、重い荷物を高い位置まで持ち上げる必要がない。

ホンダ「N-BOX」のラゲッジルーム(リアシートを倒した状態)

ホンダ「N-BOX」のラゲッジルーム(リアシートを倒した状態)

スズキ「スペーシア」のラゲッジルーム(リアシートを倒した状態)

スズキ「スペーシア」のラゲッジルーム(リアシートを倒した状態)

また、どちらも後席には前後スライド機能が備わっており、前述の荷室を広げる格納操作とあわせて左右独立式となっている。乗員や荷物の量に応じて、調節しやすい。

安全装備比較

N-BOXとスペーシアのどちらも、衝突被害軽減ブレーキが標準装備されている。スペーシアは、誤発進抑制機能に加えて、後退時に衝突被害軽減ブレーキが作動する後退時ブレーキサポートも備わっている。スペーシアは、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールはオプション設定になるものの、安全装備は全体的にN-BOXを上まわっている。

燃費性能比較

WLTCモード燃費は、スペーシアハイブリッドX、N-BOX・EXともに21.2km/Lだ。スペーシアのグレード名には「ハイブリッド」が付くものの、マイルドタイプなので燃費向上率はフルハイブリッドほどではない。

買い得グレードと価格の割安度比較

N-BOXの試乗車は、標準仕様のEX(1,678,600円)だが、助手席を前後に570mm動かせる助手席スーパースライドシートが備わっているので、価格が少し高い。もし、助手席スーパースライドシートが必要ないのであれば、実用装備を充実させて価格が抑えられている、標準ボディのL(1,579,600円)が買い得だ。スペーシアは、試乗した標準ボディのハイブリッドX(1,533,400円)が買い得になる。

両車を比べると、細かな装備の優劣はあるが、機能や価格のバランスは同程度になる。軽自動車のスーパーハイトワゴンは競争が激しく、ほかの車種も含めて買い得度ではほとんど差が生じない。価格についても、ライバル車を見据えた戦略的な値付けがなされている。そのため、これまで述べたような細かな違いを比較して、2車種のどちらがいいのかをじっくりと検討するといいだろう。今回は、N-BOXとスペーシアの内外装や装備について比較したが、次回は走りや乗り心地、静粛性について比較してみよう。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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(レビュー227人・クチコミ14880件)
新車価格:144〜204万円 (中古車:13〜211万円
スペーシアの製品画像
スズキ
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