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ホンダ「ZR-V」の価格がわかった!2023年春に発売、先行試乗レビューをお届け

ホンダの新型クロスオーバーSUV「ZR-V」が、2023年春に発売される。

2023年春に発売予定の、ホンダの新型SUV「ZR-V」。正式な発表は2022年秋が予定されているが、その前に未公表の価格や推奨グレード、さらにはZR-Vへ先行試乗した印象などをお伝えしたい

2023年春に発売予定の、ホンダの新型SUV「ZR-V」。正式な発表は2022年秋が予定されているが、その前に未公表の価格や推奨グレード、さらにはZR-Vへ先行試乗した印象などをお伝えしたい

ZR-Vの製品画像
ホンダ
4.40
(レビュー29人・クチコミ2358件)
新車価格:304〜434万円 (中古車:263〜460万円

ZR-Vには、新型「シビック」と共通の、設計が新しいパワーユニットやプラットフォームなどが採用される。ZR-Vの正式発表は2022年秋が予定されているが、ホンダの販売店では2022年9月5日からZR-Vの価格を顧客へすでに伝えており、予約受注も開始されている。ホンダの先行情報サイトでは、搭載するパワートレインや装備、グレードなどの情報が記載されているが、当記事では独自調査で新たに判明した価格やクローズドコースで先行試乗した印象などを含めて、ZR-Vをレビューしたい。まず、気になるグレードごとの価格(記事掲載時点で未発表)については、以下のとおりだ。

■ホンダ「ZR-V」のグレードラインアップと価格
-1.5L直4VTECターボエンジン-
X:2,949,100円[2WD]/3,169,100円[4WD]
Z:3,548,600円[2WD]/3,768,600円[4WD]
-2L e:HEV(ハイブリッド)-
e:HEV X:3,298,900円[2WD]/3,518,900円[4WD]
e:HEV Z:3,899,500円[2WD]/4,119,500円[4WD]

ZR-Vのボディサイズは、細かなスペックが明らかにされていないため、姉妹車である北米仕様の新型「HR-V」の数値データを見てみると、全長は約4,570mm、全幅は約1,840mm、ホイールベースは約2,655mmになる。

ホンダ「ZR-V」のフロントイメージとリアイメージ

ホンダ「ZR-V」のフロントイメージとリアイメージ

これは、ホンダの「ヴェゼル」と「CR-V」のちょうど中間に位置するボディサイズで、マツダの「CX-5」などと同等の大きさだ。

ホンダ「ZR-V」のフロントイメージとリアイメージ

ホンダ「ZR-V」のフロントイメージとリアイメージ

ZR-Vの外観デザインは、これまでのホンダ車とは異なり、塊感のあるグラマラスなエクステリアが採用されている。丸みを帯びてどっしりと構えたボディや、質感が高く個性的なブラックのグリル、スタイリッシュなヘッドライトやテールランプなど、SUVらしい野性的なイメージと、都会的なイメージを融合させたようなエクステリアとなっている。

ホンダ「ZR-V」のインテリア

ホンダ「ZR-V」のインテリア

ZR-Vは、インテリアも上質だ。インパネには革調の表皮が張られており、さらに金属調の加飾が用いられるなど、素材の質感の高さと先進的でシャープなイメージが表現されている。また、インパネのエアコン吹き出し口などには、新型「シビック」に近いデザイン加飾が採用されている。

ホンダ「ZR-V」のフロントシート

ホンダ「ZR-V」のフロントシート

フロントシートは、座り心地が快適だ。体重が加わる背もたれの下側や座面の後ろが少し硬めなので、長距離を移動する時などにも疲れにくいだろう。さらに、サイズにも余裕があって、ワインディングロードなどを走る時にも着座姿勢が乱れにくい。

ホンダ「ZR-V」のリアシート

ホンダ「ZR-V」のリアシート

リアシートは、シートの生地によって座り心地が少々異なってくる。上級のZに採用される本革シートはちょうどよい硬さなのだが、Xのファブリック生地は少しやわらかすぎて、腰の支え方はあまりよくないと感じた。一般的には、ファブリックシートは柔軟性があって、本革の突っ張る感覚に比べると座り心地で勝ることも多いのだが、ZR-Vにおいては本革のほうが好印象だった。リアシートなので、ひんぱんに座る場面がなければファブリックシートでもよいのだが、もしリアシートへ乗員が座ることが多いのであれば、本革シートも検討したい。

リアシートは、サイズが十分に確保されているので、頭上や足元空間が広い。身長170cmの大人4名が乗車した時に、後席に座る乗員の頭上には握りコブシひとつぶん、膝先には2つ半もの余裕がある。ZR-Vの後席は、SUVの中でも広い部類に入るだろう。

ホンダ「ZR-V」のラゲッジルーム

ホンダ「ZR-V」のラゲッジルーム

荷室容量は、SUVとしては余裕がある。荷室の床面積が広く、リヤゲートの角度を立てているので、背の高い荷物も積みやすい。SUVなので荷室の床が高く、路面から離れているといったことを除けば、使いやすいだろう。

ZR-Vのパワーユニットは、シビックと共通だ。1.5L VTECターボエンジンと、2Lエンジンを搭載するハイブリッド「e:HEV」の2種類がラインアップされている。1.5L VTECターボエンジンは、アクセルを踏み込むと1,500rpm付近から過給効果が感じられ始め、速度は直線的に高まっていく。自然吸気のガソリンエンジンに当てはめると、2.4Lに相当する動力性能だ。また、同エンジンはアクセル操作に対する反応も正確だ。エンジンノイズは小さくはないものの、音質が自然なので違和感は覚えない。

ホンダ「ZR-V」e:HEVの走行イメージ

ホンダ「ZR-V」e:HEVの走行イメージ

e:HEVは、2Lエンジンが主に発電と高速巡航時の駆動を行い、通常の駆動はモーターが担当する。モーターの最高出力は184PS、最大トルクは32.1kg-mと、瞬発力が高い。一般的なガソリンエンジンに置き換えると、排気量は3L前後で、e:HEVはVTECターボよりも動力性能に余裕がある。

ZR-Vの走行安定性は良好で、シビックと同じく4輪の接地性が高い。全高が1,600mmを上まわるSUVなので、シビックに比べるとボディの傾き方は大きいが、少し背の高いワゴンのような感覚で運転できる。試乗した時には路面に凹凸があり、さらに雨に濡れている下りカーブを曲がるといった少々緊張するような場面もあったが、4輪の接地性が高いので安定して走り抜けることができた。

ホンダ「ZR-V」e:HEVの走行イメージ

ホンダ「ZR-V」e:HEVの走行イメージ

特に、4WDは後輪も駆動するので駆動力の伝達効率が高い。路面の荒れたカーブでは、前輪駆動の2WDでは空転が生じる場面でも、4WDなら常に接地性が維持される。さらに、e:HEVはターボよりもパワフルなので、4WDのメリットはいっそう際立つだろう。

また、ZR-Vはステアリングの支持剛性が高いのも特徴で、操舵に対する反応が正確なので、進路の細かな調節がしやすい。タイヤのグリップの具合や路面の状態などが、ステアリングホイールを通じて掌に伝わりやすいことも、安心感を高めてくれる要素のひとつだ。

乗り心地は、18インチタイヤ(225/55R18)の装着もあって、少々硬めだ。特に、時速40km以下では、路面の細かな凹凸を伝えやすいが、タイヤが路上を跳ねるような粗さは抑えられている。硬めでも引き締まり感が伴うので、クルマ好きのユーザーなら不快には感じないだろう。

■ホンダ「ZR-V」の主要装備
- X、e:HEV X -
ホンダセンシング/フルLEDヘッドライト/フルオートエアコン/電動テールゲート/コンビシート生地/運転席&助手席シートヒーター(4WD車)/18インチアルミホイールなど
- Z、e:HEV Z -
(X、e:HEV Xの装備に加えて)
LEDアクティブコーナリングライト/ホンダコネクトディスプレイ+ETC2.0車載器(ナビゲーション連動)/マルチビューカメラシステム/BOSEプレミアムサウンドシステム+12スピーカー/本革シート生地/運転席&助手席パワーシート/電動テールゲートのハンズフリー機能/ステアリングヒーター/後席シートヒーター

ZR-Vのグレードラインアップは、冒頭で述べたとおり1.5Lターボ、e:HEVともに、ベーシックなXと上級のZの2グレードずつが用意されている。Xには、衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能の「ホンダセンシング」、フルLEDヘッドライト、電動テールゲートなどといった装備が標準で採用されている。

そして、Zになると「ホンダコネクトディスプレイ」やナビゲーションシステム、マルチビューカメラシステム、「BOSEプレミアムサウンドシステム」、さらにシート生地は本革になり、運転席と助手席の電動調節機能などが加わる。さらに、電動テールゲートにはハンズフリー機能が備わる。

XとZの価格差は、1.5Lターボとe:HEVで若干異なるが、およそ60万円。価格差は大きいのだが、カーナビや本革シートなどの上級装備が加わる。

1.5Lターボとe:HEVの価格差は、おおむね35万円ほどに抑えられている。シビックでは、ターボとe:HEVの価格差は40万円を超えていたので、ZR-Vはe:HEVが割安と言えそうだ。たとえば、トヨタの「カローラクロス」や「ノア」「ヴォクシー」などは、NAエンジンとハイブリッドの差額は35万円と、比較的価格差が小さく設定されることが多く、ZR-Vも近年のライバル車を含めた価格差に合わせてきていると考えられる。

また、2WDと4WDの価格差は22万円になるが、4WDにはシートヒーターが装着される。Xの4WDでは運転席と助手席に、Zの4WDでは運転席と助手席、そして後席にもシートヒーターが加わる。シートヒーターの価格換算額を差し引くと、2WDと4WDの実質的な価格差は、Xが205,000円、Zは190,000円ほどに縮まる。

ZR-Vの選び方としては、まずターボとe:HEVのどちらを選択するかだ。価格差は前述の約35万円だが、e:HEVは購入時に納める税金が12万円ほど安く、これを差し引くと実質価格差は約23万円に縮まる。e:HEVは、ターボに比べて燃費や動力性能、さらに静粛性などにおいて1.5Lターボよりもすぐれているので、予算内に収まるのであればe:HEVのほうが割安だ。駆動方式は、2WDでもいいのだが、4WDは先に述べたとおりe:HEVに組み合わせると走行安定性を効果的に高めるメリットが際立つ。しかも、シートヒーターを含めて価格も割安なので、できれば4WDを推奨したい。

グレードは、Zは装備が豪華で価格も少々高めなので、e:HEV X(4WD/3,518,900円)が買い得なベストグレードになる。Xに、カーナビやマルチビューカメラシステムなど、必要なオプションを加えたい。

最後に、ZR-Vの生産が開始されるのは2023年になる。販売店では、「もし、2022年9月に契約しても、納車されるのは2023年の5月以降になるだろう」と言う。そのため、購入を検討されている方であれば、商談は早めに開始したほうがいいだろう。

ホンダ「ZR-V」ホンダアクセス 純正アクセサリー

ホンダアクセスから、「ZR-V」の純正アクセサリーが数多く発売される。画像は、ZR-Vの純正アクセサリー装着車「Premium Style」

ホンダアクセスから、「ZR-V」の純正アクセサリーが数多く発売される。画像は、ZR-Vの純正アクセサリー装着車「Premium Style」

フロント周りでは、「フロントロアスカート」と「LEDフォグライト」が純正アクセサリ―として発売される[「ZR-V」純正アクセサリー装着車「Premium Style」]

フロント周りでは、「フロントロアスカート」と「LEDフォグライト」が純正アクセサリ―として発売される[「ZR-V」純正アクセサリー装着車「Premium Style」]

純正アクセサリーの「ロアサイドガーニッシュ」 [「ZR-V」純正アクセサリー装着車「Premium Style」]

純正アクセサリーの「ロアサイドガーニッシュ」 [「ZR-V」純正アクセサリー装着車「Premium Style」]

純正アクセサリーの19インチアルミホイール「MG-030」 [「ZR-V」純正アクセサリー装着車「Premium Style」]

純正アクセサリーの19インチアルミホイール「MG-030」 [「ZR-V」純正アクセサリー装着車「Premium Style」]

純正アクセサリーの「テールゲートスポイラー」 [「ZR-V」純正アクセサリー装着車「Premium Style」]

純正アクセサリーの「テールゲートスポイラー」 [「ZR-V」純正アクセサリー装着車「Premium Style」]

純正アクセサリーの「リアロアガーニッシュ」 [「ZR-V」純正アクセサリー装着車「Premium Style」]

純正アクセサリーの「リアロアガーニッシュ」 [「ZR-V」純正アクセサリー装着車「Premium Style」]

純正アクセサリーの「サイドステップガーニッシュ」。画像はフロントドア用だが、リアドア用も発売される [「ZR-V」純正アクセサリー装着車「Premium Style」]

純正アクセサリーの「サイドステップガーニッシュ」。画像はフロントドア用だが、リアドア用も発売される [「ZR-V」純正アクセサリー装着車「Premium Style」]

2本の直線が、ドア周りを明るく照らしてくれる「パドルライト」[「ZR-V」純正アクセサリー装着車「Premium Style」]

2本の直線が、ドア周りを明るく照らしてくれる「パドルライト」[「ZR-V」純正アクセサリー装着車「Premium Style」]

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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4.40
(レビュー29人・クチコミ2358件)
新車価格:304〜434万円 (中古車:263〜460万円
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