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MT3台持ちライターが選ぶ、2022年に乗った「極上乗り味車」5選

2022年、不肖マリオ高野による「MT車を中心とした運転が楽しいクルマの乗り味レポート」は20台近くお届けしました。その中から、とりわけ印象的だったと振り返られる2022年のベスト5をピックアップ。

私の主観のみで選んだものですが、多くのクルマ好きに共感いただける“極上の乗り味”が楽しめるクルマたちです。2023年も、運転が楽しいMT車が存続するよう願ってやみません!

【極上乗り味車-1】
ポルシェ「911カレラGTS」(7速MT)

この世で、ドライバーに最も大きな快感を与えるクルマのひとつ。480馬力の高出力と低エミッション性も両立させた水平対向6気筒ターボエンジンを、手動の変速機で操る快感は自動車の運転行為で得られる喜びの至高のひとつです。

ポルシェ車はEVやSUVでも他のブランドと異なる特別なスポーツ性を感じさせますが、ポルシェのラインアップのなかでも「911」シリーズはさらに別格な存在として性能と官能性が研ぎ澄まされています。エンジンとともにトランスミッションも車体の後方にマウントされ、ギヤボックスとMTシフトの距離は近くないにもかかわらず、それを感じさせない堅牢なシフトフィールも圧巻。自動車の黎明期から今にいたるまで、人類の叡智の偉大さを感じさせる数少ない自動車です。

911カレラ 2019年モデルの製品画像
ポルシェ
4.27
(レビュー8人・クチコミ26件)
新車価格:1503〜2048万円 (中古車:1080〜5800万円

【極上乗り味車-2】
マツダ「ロードスター」(6速MT)

2022年の自動車関連ニュースは、EVや脱炭素問題、自動運転に関係するものが大半を占めました。それでもなお、「BRZ」「GR86」や「フェアレディZ」、「シビックタイプR」など、世界に誇れる日本のピュアなスポーツカーが健在なのはうれしい限り。とりわけ「ロードスター」は操作フィールの気持ちよさが国産車随一といえるMTシフトを持ち、1トン前後の車重と1.5リッターエンジンの限られたパワーによって、エキスパートから初心者まで幅広く自動車の運転の本質に向き合える稀有な存在です。

デビューから7年経ってもまったく色褪せないデザインや、お手軽にオープンエアーが楽しめるところなど、ロードスターの総合的な魅力の高さを再認識した1年でもありました。

ロードスター 2015年モデルの製品画像
マツダ
4.34
(レビュー144人・クチコミ11135件)
新車価格:268〜342万円 (中古車:118〜459万円

【極上乗り味車-3】
マツダ「ユーノス・ロードスター」(5速MT)

近年、自社の往年の名車を徹底的にリフレッシュし、メディア貸し出し用の広報車として設定する動きが国産車メーカー各社に見られます。その狙いは、クルマ好きの中高年世代を懐古主義的な感傷にひたらせるだけではありません。90年代初頭に人気を博したスポーツモデルに乗ると、これから先のクルマに、運転好きのドライバーが求めるものが何なのかが見えてくるのです。

昔の名車に乗ると、未来のクルマはどうあるべきかの答えが見えてくる。まさに、故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る1年でもありました。昔のクルマは小さくて軽いから楽しい。でも、本質的にはそれだけではなく、クルマの挙動を感じながら運転行為と向き合いやすいところに根源的な魅力があるということを思い出させてくれます。

【極上乗り味車-4】
マツダ「MAZDA3」(6MT)

SUV全盛の時代にあってもなお、車高は高くないハッチバックスタイルの実用車はライフスタイルの多様化に対応できる万能性を備えています。実用車ゆえにパワートレーンの電動化は避けられず、スバルの「インプレッサ」は現行モデルからMTが消滅。トヨタは現行型「カローラスポーツ」に「iMT」という新設計の誰にでも扱いやすい意欲的なマニュアルトランスミッションを設定するも、残念ながらマイナーチェンジとともに設定がなくなりました(GRブランドには継続)。あまり売れなかったのでしょう……。

そんななか、マツダは実用車にもMTを設定し続けています。諸事情によってスポーツカーには乗れないが、MT車でスポーティーな日常を送りたい人の細々とした需要に応えてくれる存在に拍手を! どうか2023年も頑張って欲しいところです。

MAZDA3 ファストバックの製品画像
マツダ
4.23
(レビュー206人・クチコミ7708件)
新車価格:228〜384万円 (中古車:133〜318万円

【極上乗り味車-5】
スバル「レヴォーグ STI スポーツR」(CVT)

2022年も「運転の楽しいMT車」を数多く紹介してきましたが、いっぽうで2ペダル車でも“変速の快感”が味わえるクルマが増えたことは、クルマ好きにとって朗報でした。

スバルは無段変速のCVTという、MT車の楽しさとは対極にある構造からなるATミッションを、運転マニアが変速フィールの気持ちよさに没頭できる仕掛けを磨いたのです。低燃費や脱炭素、自動運転とはまるで関係のない「変速フィールの官能性」を高めるためだけにミッションを設計し直すという、スバルならではの独創的な技術革新に感服させられました。山道やサーキットでも「D」レンジに入れっ放しで痛快な変速が楽しめます。なおこのミッションは、「WRX S4」にも搭載されます。

レヴォーグの製品画像
スバル
4.28
(レビュー522人・クチコミ62912件)
新車価格:310〜482万円 (中古車:71〜555万円

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マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。2台の愛車はいずれもスバル・インプレッサのMT車。

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911カレラ 2019年モデルの製品画像
ポルシェ
4.27
(レビュー8人・クチコミ26件)
新車価格:1503〜2048万円 (中古車:1080〜5800万円
ロードスター 2015年モデルの製品画像
マツダ
4.34
(レビュー144人・クチコミ11135件)
新車価格:268〜342万円 (中古車:118〜459万円
MAZDA3 ファストバックの製品画像
マツダ
4.23
(レビュー206人・クチコミ7708件)
新車価格:228〜384万円 (中古車:133〜318万円
レヴォーグの製品画像
スバル
4.28
(レビュー522人・クチコミ62912件)
新車価格:310〜482万円 (中古車:71〜555万円
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