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新型「エクストレイル」と「フォレスター」、ハイブリッド+4駆の走りを比較!

日本で人気のクロスオーバーSUVと言えば、日産「エクストレイル」とスバル「フォレスター」の2台があげられる。前回は、2台の内外装や使い勝手についてお伝えしたが、今回は両車の走りの違いをメインにレビューしたい。

試乗グレードは、「エクストレイル」はG e-4ORCEグレードで、「フォレスター」は e-BOXERが搭載されたAdvanceグレードだ。どちらも、4WDモデルになる。なお、今回も前回と同様に、筆者(渡辺陽一郎)と深山幸代さんの2人で、実際に試乗して比較チェックしてみた。当記事のほか、以下の動画でも詳しく解説しているので、ご覧いただければ幸いだ。

動力性能、加速フィーリングを比較

「エクストレイル」には、ハイブリッドシステムのe-POWERが搭載されている。「e-POWER」は、エンジンは発電に徹し、ためた電気を使ってモーターがタイヤを駆動する仕組みだ。エンジンの動力でタイヤを直接駆動しないので、加速感は電気自動車に近いフィーリングになる。アクセル操作に対する反応は機敏で、動力性能に余裕がある。また、加速感はとても滑らかだ。

「エクストレイル」には、第2世代のe-POWERが採用されており、試乗したe-4ORCEには前後に高出力のモーター(フロントモーターは最高出力204PS、リアモーターは同136PS)が搭載されているため、なめらかで力強い走りを実現している

「エクストレイル」には、第2世代のe-POWERが採用されており、試乗したe-4ORCEには前後に高出力のモーター(フロントモーターは最高出力204PS、リアモーターは同136PS)が搭載されているため、なめらかで力強い走りを実現している

深山さん
深山さん

エクストレイルはモーターがとても力強くて、少し踏んだだけですぐに速度が上がってくれます。走り始めからの加速感が、とても気持ちいいですね

エクストレイルの製品画像
日産
4.12
(レビュー486人・クチコミ26520件)
新車価格:351〜504万円 (中古車:17〜598万円

いっぽう、「フォレスター」に搭載されているe-BOXERは、モーターは補助的な役割を果たし、エンジンの駆動力が中心になる。「フォレスター」の運転フィーリングは一般のエンジン搭載車に近いので、違和感はあまり生じない。瞬発力のある動力性能や、電気自動車のような静粛性の高さを味わえるのは「エクストレイル」だが、自然な運転フィールが好みであれば「フォレスター」がいいだろう。

今回、試乗した「フォレスター」に搭載されているハイブリッドシステムのe-BOXERは、2L水平対向エンジン(145PS)をモーター(13.6PS)がアシストすることで、ガソリン車を上回る力強い加速性能を発揮する

今回、試乗した「フォレスター」に搭載されているハイブリッドシステムのe-BOXERは、2L水平対向エンジン(145PS)をモーター(13.6PS)がアシストすることで、ガソリン車を上回る力強い加速性能を発揮する

フォレスターの製品画像
スバル
4.41
(レビュー691人・クチコミ52004件)
新車価格:299〜363万円 (中古車:28〜398万円

走行安定性と操舵フィーリング比較

車重は、「フォレスター」が「エクストレイル」よりも200kg以上も軽い。そのため、操舵に対する車体の反応も「フォレスター」のほうが軽快だ。「フォレスター」は、進行方向が機敏に変わり、軽く感じられるうえに走行安定性のバランスがよく、後輪の接地性も高い。

「フォレスター」には、先進のプラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」が採用されており、車体やシャシーの剛性が強化されているため、高い走行安定性を実現している

「フォレスター」には、先進のプラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」が採用されており、車体やシャシーの剛性が強化されているため、高い走行安定性を実現している

深山さん
深山さん

フォレスターは、アクセルを踏んだときに4輪がしっかりと動いている感じがステアリングに伝わってくるのがいいですね。フォレスターもそうですが、スバル車のステアリングフィールっていつもリニアでしっくりくるので、とても好きな感覚です。また、直進安定性も高いので安心して運転できます

「エクストレイル」のステアフィールは、「フォレスター」に比べるとボディの重さを感じさせるものだ。だが、試乗車には、後輪を前輪とは別のモーターで駆動するe-4ORCEが備わっている。4輪が緻密に制御されるので、操舵角に応じてよく曲がる。後輪の接地性がもう少し高いといいのだが、ワインディングなどでも総じて運転しやすい。

「エクストレイル」に採用されているe-4ORCEは、前後モーターの駆動からブレーキに至るまで、タイヤのグリップを最大限に生かすような制御がなされているため、ワインディングなどでも少ないステアリング操作でスムーズにコーナーリングできる

「エクストレイル」に採用されているe-4ORCEは、前後モーターの駆動からブレーキに至るまで、タイヤのグリップを最大限に生かすような制御がなされているため、ワインディングなどでも少ないステアリング操作でスムーズにコーナーリングできる

乗り心地&静粛性比較

両車ともに、乗り心地は時速40km以下では硬めに感じられる。しかし、速度が上昇すれば、乗り心地の快適性は高まっていく。そのうえで乗り比べると、「エクストレイル」のほうが引き締まり感と重厚感がともなっており、かつ乗り心地も快適だ。

さらに、静粛性も「エクストレイル」のほうがすぐれている。ノイズが全般的に小さく、エンジンを停止させてモーター駆動のみで走る時間も長いためだ。

深山さん
深山さん

エクストレイルは、e-POWERのおかげでとても静かなので、気分よく運転できますね。あと、フロントシートの座り心地もすごくいいです

燃費性能比較

今回、試乗した「エクストレイル」G e-4ORCEのWLTCモード燃費は18.4km/L、「フォレスター」Advanceは14.0km/Lになる。「エクストレイル」は、燃費にすぐれており、かつ動力性能も高い。

買い得グレードと価格の割安感を比較

試乗した「エクストレイル」G e-4ORCEの価格は4,499,000円。日産コネクトナビ、SOSコール、テーラーフィットの上級シート表皮などが装着されているので価格も高い。

「エクストレイル」で選びやすいグレードは、G e-4ORCEの下のX e-4ORCEグレード(3,799,400円)だが、もし日産コネクトナビなどのセットオプション(415,800円)を装着するならば、699,600円を加えてオプション装備を標準装着している上級のG e-4ORCEのほうが割安になる。

いっぽう、「フォレスター」Advanceの価格は3,234,000円だが、e-BOXERを搭載しない1.8LターボのSPORT(3,355,000円)も推奨したい。SPORTは、動力性能が大幅に向上しながら、WLTCモード燃費は13.6km/Lと良好だ。

総合評価と推奨ユーザー

「エクストレイル」は、最新のe-POWERが搭載されており、走行性能や燃費にすぐれ、内装も上質に仕上げられている。プレミアムなSUVに乗りたいユーザーには、「エクストレイル」が適しているだろう。いっぽう、「フォレスター」は運転感覚や使い勝手がとてもなじみやすく、価格は割安に設定されている。SUVならではの積載性や実用性の高さ、そして車両価格を含めた買い得感を重視するユーザーなどには「フォレスター」が向いているだろう。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
エクストレイルの製品画像
日産
4.12
(レビュー486人・クチコミ26520件)
新車価格:351〜504万円 (中古車:17〜598万円
フォレスターの製品画像
スバル
4.41
(レビュー691人・クチコミ52004件)
新車価格:299〜363万円 (中古車:28〜398万円
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