レビュー

3,000万円のSUVってどんなもん? メルセデス・マイバッハ「GLS 600 4MATIC」

メルセデス・ベンツの正規ディーラーで2年ほど働いた経験を持つライター、マリオ高野です。

このほど、メルセデス・マイバッハ「GLS 600 4MATIC」に試乗する機会を得ました。
「マイバッハ」はドイツ車の超高級ブランドで、メルセデス・ベンツよりもさらに上に位置付けられます。

堂々たる体躯のメルセデス・マイバッハ「GLS 600 4MATIC」

堂々たる体躯のメルセデス・マイバッハ「GLS 600 4MATIC」。メーカー希望価格は28,270,000円(税込・オプション含まず)

メルセデスの最上級SUVの「GLS」のマイバッハブランド版「GLS 600 4MATIC」は、ボディの全長は5.2m、全幅は2mを超える巨体であり、本来は7人乗り仕様もある大型SUVですが、これをいわゆるショーファーカー(後席に1人ないし2人のVIPを乗せるための特別なクルマ)に仕立てました。

多目的スポーツ車と呼ばれるSUVでありながら、オーナー様は一度も運転をすることなく後席で過ごして終わってもおかしくありません。ドライバーは、ほぼ職業運転手さんでありましょう。そういうクルマゆえか、ファン・トゥ・ドライブ性はほとんど感じないところに、マイバッハブランドらしさが見えました。

エンジンは、今時珍しい4リッターのV8という大排気量のツインターボ。これにモーターを加えたパワーユニットを搭載します。このクルマだけはCAFE規制など眼中にないがごとくであります。

超高級車こそ、音が静かで高トルクが得られる電動パワートレーンにすべきではないかと思う人がいるかもしれませんが、マイバッハブランドが純ガソリンの大排気量ターボエンジンを採用するところに、エンジニアの本音が見えます。

やはり、「真の高級」や「極上のエレガンス」をオーナー様に感じさせるには、今もなお内燃機関ユニットのほうがふさわしいのでしょう。「GLS 600 4MATIC」は、ただひたすら後席のVIPに不快なGを与えることなく、3トン近い車重をスーッとシームレスに加速させるのに徹します。

エンジンの最高出力は557PSで最大トルクは730Nm。モーターの最高出力は22PSでトルクは250Nm

エンジンの最高出力は557PSで最大トルクは730Nm。モーターの最高出力は22PSでトルクは250Nm

オプシディアンブラック/ルビーライトレッドの2トーンカラーは246万円のオプション!

オプシディアンブラック/ルビーライトレッドの2トーンカラーは246万円のオプション!

乗車定員は4名で、左ハンドルのみの設定

乗車定員は4名で、左ハンドルのみの設定

タイヤサイズは、前285/40R23、後325/35R23

タイヤサイズは、前285/40R23、後325/35R23

ステアリングやブレーキもまた然り。停止時やコーナリング時に余計な揺れを発生させないことを最重視したセッティングであると感じました。しかし、それがわかったのは、動画の収録も完了した試乗の終盤です。

正直に申し上げると、試乗し始めのころは「超高級SUVのわりには普通だな」などと感じてしまいました。一般的な超高級SUVと脳内比較をして運転すると、不覚にも筆者は遅さやユルさを感じてしまったのでありますが、マイバッハの運転フィールの真髄は、そんなところにはないのです。

ドライバー自身がショーファードライバーに徹すれば、このクルマの果てしなく奥深い性能や特性が理解できるようになります。やはり、マイバッハブランドのなんたるかを語るには、庶民には到底無理な話なのでありました。

この試乗の模様は動画でもご覧いただけます。

マリオ高野

マリオ高野

1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。3台の愛車はいずれもスバルのMT車。

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マイバッハ GLS 2021年モデルの製品画像
メルセデス・マイバッハ
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(レビュー-人・クチコミ-件)
新車価格:3010万円 (中古車:2398〜3898万円
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