2023年は久しぶりに、家族でドライブ旅行がしたい! という人も多いと思います。ドアtoドアで移動できるから、重いキャリーケースを引いて歩かなくていいし、赤ちゃんの泣き声や子どもの騒ぎ声で周囲に気を遣うこともなく、オムツ替えなどお世話のタイミングも比較的自由に取れて、時間に追われる心配があまりないのがクルマ旅行のいいところ。
ただ、ずっと1人で運転するのが疲れそうとか、乗り物酔いや腰痛の心配がある、子どもが飽きないか不安……など、ドライブ旅行ならではの悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、4〜5人の家族が遠出をすることを想定して、さまざまな視点から、みんなが移動時間を快適に過ごせるクルマ5台をピックアップしてみました。
上質感の高い室内空間が特徴的な人気のミニバン「ヴォクシー」
1台目は、新幹線のグリーン車両より快適な移動ができるかもしれない? ゴージャスな2列目シートを備える、7〜8人乗りミニバン、トヨタ「ヴォクシー」です。90年代から使い続けてきたプラットフォームに代わり、「TNGA(GA-C)」が採用されたことや、すべての電動モジュールを刷新した第5世代のハイブリッドシステムが搭載されたことなど、見た目以上に中身の進化がすごい「ヴォクシー」は、一般道はもちろん、高速道路での安定性が抜群なので、ロングドライブも楽にこなせます。
7人乗りモデルでは、超ロングスライド機構に加え、カップホルダー4個にUSBポートやエコバッグフックなどが付いた大型折りたたみテーブルが中央に配され、とても便利な室内空間となっています。アームレストが左右にあり、超ロングスライドの操作も一発で前後に軽く動かせ、足元は“伸び”ができるほど広々としています。
さらに、オプションでオットマンや後席シートヒーターを付ければ、気分は“プチアルファード”感覚。運転を代わりながら、順番にこのゴージャスなシートで疲れを癒やせば、みんながもっと旅を楽しめそうです。
パワートレーンには1.8Lのハイブリッドと2.0Lのガソリンエンジンがラインアップされ、どちらもFFと4WD(ハイブリッドはe-Four)を設定。ハイブリッドの燃費は23.0km/L(WLTCモード・FF)と優秀で、アクセサリーコンセント(非常時給電システム付)も標準装備なので、旅先で電気ポットなどの家電が使えるのも魅力的ですね。
ロングドライブでも快適な「ヴォクシー」の後席シート
高い悪路走破性を持つ「アウトランダーPHEV」
2台目は、満充電で最大87km(WLTCモード)のモーター走行が可能な、三菱「アウトランダーPHEV」。発電効率を高めた2.4Lエンジンに、20kWhの駆動用バッテリーを搭載しており、ロングドライブの際にも急速充電器でこまめに充電を繰り返せば、ガソリンの消費が抑えられて経済的なドライブができるクルマです。
室内にはSUVとしてトップレベルのゆとりがあり、2列シート5人乗りに加えて3列シート7人乗りが選べるのも親切で、ファミリーでの遠出にピッタリです。5人家族でも、帰省した先で祖父母を乗せたり、友人たちと一緒に移動したりといったシーンでも、フレキシブルに使えるのがいいですね。
数々のラリー競技で栄誉を獲得している三菱らしく、「アウトランダーPHEV」も7つの走行モードを持つ頼もしいSUV。雪道や荒れた道、雨の日のドライブでも車体を最適制御してくれるので、キャンプやウィンタースポーツなど、アウトドアでのアクティブな趣味を持つファミリーにもおすすめです。
合計1500Wまで使えるAC100Vコンセントも付いているので、電子調理器などの家電も使用可能。家族でちょっと冒険してみたい、そんなロングドライブの相棒にピッタリではないでしょうか?
ゆとりのある「アウトランダーPHEV」のリアシート
室内の機能もさることながら、走りの面でも評価の高い「ステップワゴン」
3台目は、車酔いの心配がある家族や、リビングルーム感覚でドライブをしたい人に、シートの座り心地やアレンジが好きなように楽しめる、ホンダ「ステップワゴン」。全モデルが7人乗りの設定で、8人乗りはオプションとなるため、2列目のキャプテンシートにもアームレストを備え、サイドサポートも大きめで、乗員がゆったりとくつろぐことができます。
シートアレンジは左右で互い違いの位置にしたり、横スライドしてベンチのようにくっつけたりと、自由自在。オムツ替えをするときにお子さんを寝かせることもできて便利ですね。携帯ゲーム機やスマホなどをしまうのによさそうなポケットなど、収納スペースも豊富に備えています。
そして3列目シートはくるりと回転して床下に格納できるようになっているので、ラゲッジスペースも無駄なく使えて、後方視界がスッキリするのは長時間の運転にもありがたいところ。
パワートレーンは1.5Lのガソリンエンジンと、2モーターのハイブリッドシステム「e:HEV」をラインアップ。上質でパワフルな「e:HEV」の走りは滑らかで、ロングドライブも快適です。
また、ホンダ独自の車酔いについての研究を採り入れ、音や視界、シートの座り心地や、頭が揺れないための工夫を突きつめたとのこと。その恩恵か、普段のドライブでも乗り心地のよさが際立っているミニバンです。
いろいろな使い方が可能なリアシート
扱いやすいサイズと使い勝手にすぐれる「エクストレイル」
4台目は、日産「エクストレイル」。これまでの4WD車のイメージを覆し、日常の市街地ユースや高速道路で思いどおりの操作感と、高級セダンのように上質な乗り心地を実現した「e-4ORCE」を搭載するSUVです。究極の燃焼効率を目指して、世界で初めて量産化に成功した「VC-TURBO」を「エクストレイル」用に開発して“発電専用”として搭載。100%モーター走行ができるので、瞬時の加速や滑らかなクルージングまで、思いのままに運転できます。アクセルペダルとブレーキペダルの踏み替え回数を大幅に減らせる、ワンペダル感覚の「e-Pedal Step」を使えばロングドライブの疲労軽減にもなるはずです。
室内は、日産が得意とするセンスのよいカラーコーディネートや、質感の高いシート生地などで仕上げられており、とても優雅な雰囲気があります。2列シート5人乗りだけでなく、3列シート7人乗りも選べます。荷物をたっぷり積みたいときには、3列目が5:5分割でダイブダウンするので、広くフラットなスペースが出現。EVではないので充電する手間がなく、“電気のチカラ”で快適にロングドライブができるSUVです。
質感の高い「エクストレイル」のリアシート
ほかの何にも似ていない独創的なデザインが特徴の「ベルランゴ」
5台目は、個性あふれるユニークな仕掛けがたくさんあって、みんなで出かけたくなるフランス製ミニバン、シトロエン「ベルランゴ」。2列シート5人乗りと、3列シート7人乗りの「ベルランゴ ロング」から選べます。
まずフロントマスクからして、国産ミニバンとは一線を画すフレンドリーな雰囲気。元来商用車からスタートしているクルマなので、気の利いた快適装備はそれほど多くはないのですが、それがまた“道具感”たっぷりで、自分の使いやすいよう自由にアレンジする気にさせてくれます。
両側スライドドアだって今どき珍しい手動式なのですが、「電動で開くのを待つ時間がダルい!」という人にはこちらのほうがいいのかも……!
室内に入ると天井から降り注ぐ明るい日差しが、開放感たっぷりの空間を彩ってくれます。ルーフ全体に広がる大きなマルチパノラミックルーフ「MODUTOP」は、電動メッシュサンシェード付き。上級グレードになると、その下に室内の前後をつなぐフローティングアーチを備え、約92Lの収納ラックにもなる設計。家族みんなの荷物が増えても、上着やタオルなどのちょっとした荷物をホイっと放り込むのに大変便利。また、後席からもラゲッジからも出し入れできる「リアシーリングボックス」なんていう便利な装備も天井に備えられているなど、収納スペースが充実しています。
ラゲッジは最大2126L(2列シート5人乗り)という大容量で、自転車でも難なく積み込めそう。いろんなモノを運んでレジャーに出かけたいファミリーにピッタリですね。
国産車と一線を画すセンスで仕立てられる内装
ということで、どこへ行こうかと悩む段階から楽しいドライブ旅行。家族みんなの快適な移動をサポートしてくれる機能いっぱいのクルマたちなら、もっと充実したドライブになりそうです。
2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。誰でも今日からできる交通安全応援プロジェクト「OKISHU(オキシュー)」でイベント等も開催。