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トヨタ「アルファード」を中古で狙うなら何代目がいい? 予算や相場などを詳しく解説!

2023年6月21日に、4代目の新型モデルが発表されたトヨタの高級ミニバン「アルファード」。4代目は、3代目のデザインや特徴などを踏襲しながらも、フラッグシップミニバンとして機能や快適性などを大きく向上させている。その結果、価格は約540万円からと、先代よりも大幅にアップされた。

4代目の新型「アルファード」は、プラットフォームやサスペンションの刷新などによって乗り心地が向上しているほか、「スーパーロングオーバーヘッドコンソール」など、おもてなしの思想に基づいた快適な装備が多数採用されている

4代目の新型「アルファード」は、プラットフォームやサスペンションの刷新などによって乗り心地が向上しているほか、「スーパーロングオーバーヘッドコンソール」など、おもてなしの思想に基づいた快適な装備が多数採用されている

新型「アルファード」を待ち望んでいたユーザーは非常に多く、一説にはすでに受注がストップしていて、欲しくても買えない状況に陥っているという話もあるほどだ。

そこで改めてチェックしてみたいのが、先代、もしくは先々代型の「アルファード」の中古車である。どちらも、すでにフラッグシップミニバンとしての地位を確立した時期のモデルということもあって、快適性はお墨付き。それでいて、新車よりも買いやすい価格帯となっているのであれば、狙ってみる価値は十分あると言えるだろう。

2代目は予算が150万円くらいあれば低年式車を狙える

2008年5月に登場した2代目の「アルファード」は、初期の車両ではすでに15年以上が経過しているものの、現行モデルや先代モデルに比べて落ち着いた雰囲気のエクステリアを纏っていることで、いわゆる”オラオラ”すぎる見た目をあまり好まない層などに支持を集めているモデルだ。

2代目「アルファード」、2.4L直4エンジンを搭載したエアログレードの「240S」 新車時参考価格334万円(7人乗り)

2代目「アルファード」、2.4L直4エンジンを搭載したエアログレードの「240S」 新車時参考価格334万円(7人乗り)

そんな2代目のラインアップは、2.4L直列4気筒エンジンにCVTを組み合わせた「240」系と、3.5L V型6気筒エンジンに6速ATを組み合わせた「350」系、そして2.4L直列4気筒エンジンにモーターを組み合わせた「ハイブリッド」系に大別される。

グレードはベーシックな「X」系、上級グレードの「G」系、エアログレードの「S」系(ハイブリッドは「SR」系)に大きく分けられ、乗車定員はハイブリッドが全車7名、ガソリンモデルはグレードによって7名と8名が用意され、上級グレードの7人乗り仕様は「エグゼクティブパワーシート」と名付けられた豪華な2列目キャプテンシートが用意された。

2代目「アルファード」、3.5L V6エンジンを搭載した上級グレードの「350G」 新車時参考価格398万円(7人乗り)

2代目「アルファード」、3.5L V6エンジンを搭載した上級グレードの「350G」 新車時参考価格398万円(7人乗り)

2代目アルファードの中古車は、初期の走行距離の進んだ車両であれば、支払総額で60万円前後から見つけることができる。ただ、さすがに年式が古いうえに過走行なクルマはオススメしにくいところもあるので、予算を総額100万円くらいまでアップできれば、前期型でも走行距離10万km未満の車両が狙える範囲となってくる。

さらに、予算を総額150万円程度までアップできれば、後期型の走行距離5万km前後という車両も射程圏内に入ってくるため、長く乗りたいと考えているのであれば、最低150万円ほどの予算は確保しておきたいところだ。なお、流通するグレードはエアログレードの「240S」が大多数を占めている。

>価格.comで2代目「アルファード」の中古車一覧を見る

いっぽう、ハイブリッドモデルについてはマイナーチェンジのタイミングで追加されているため、後期型のみということもあって、最も安い部類でも総額150万円前後からといった状況。

2代目「アルファード」は、2011年にマイナーチェンジが施されて外観の意匠が変更されるとともに、ハイブリッドモデルが新たに追加された。画像のグレードは、「ハイブリッドSR Cパッケージ」 新車時参考価格581万円

2代目「アルファード」は、2011年にマイナーチェンジが施されて外観の意匠が変更されるとともに、ハイブリッドモデルが新たに追加された。画像のグレードは、「ハイブリッドSR Cパッケージ」 新車時参考価格581万円

走行距離5万〜6万km程度の車両を狙いたいということであれば、予算は総額200万円程度を見ておきたいが、ハイブリッドモデルは全車「E-Four」と呼ばれる4WDであり、モーターがアシストする動力性能の高さや燃費性能などを考えれば、悪くない選択肢と言えそうだ。

3代目はエントリーグレードでも250万円前後と高め

3代目「アルファード」は、2015年1月に登場。発売当初は大型のフロントグリルを備えたフロントマスクが賛否を巻き起こしたものの、今ではすっかりおなじみのスタイルとしてロングセラーモデルになったことはご存じのとおりだ。

3代目「アルファード」の外観は、ロアグリルと一体化させた厚みのある大型メッキフロントグリルが大きな特徴。画像のグレードは「S Cパッケージ」新車時参考価格417万円

3代目「アルファード」の外観は、ロアグリルと一体化させた厚みのある大型メッキフロントグリルが大きな特徴。画像のグレードは「S Cパッケージ」新車時参考価格417万円

3代目は、3.5L V6エンジンは先代のものを引き継いでいるが、直列4気筒エンジンは排気量が2.4Lから2.5Lへ変更され、CVTも7速スポーツシーケンシャルシフトマチックが新採用された。また、ハイブリッドモデルも同様にエンジンが2.5Lへと変更され、動力性能と燃費性能を向上させた。

さらにリアの足回りを、従来のトーションビーム式からダブルウィッシュボーン式へと一新し、高張力鋼板の採用拡大や構造用接着剤の導入などでボディ剛性を向上させ、先代よりもさらに高いレベルでの静粛性と操縦安定性を実現した。

3代目のリアには、新開発のダブルウィッシュボーン式サスペンションが用いられており、上質な乗り心地やすぐれた操縦安定性を実現

3代目のリアには、新開発のダブルウィッシュボーン式サスペンションが用いられており、上質な乗り心地やすぐれた操縦安定性を実現

グレードは、ベーシックな「X」系、上級グレードの「G」系、エアログレードの「S」系という基本は変わっていないが、豪華な装備を採用した最上級グレードの「Executive Lounge」系が新たに追加されたのが大きな違いだ。

3代目で追加された新グレード「Executive Lounge」の2列目シートに備えられた、「エグゼクティブパワーシート」

3代目で追加された新グレード「Executive Lounge」の2列目シートに備えられた、「エグゼクティブパワーシート」

さらに、2017年12月にはマイナーチェンジが実施され、内外装の意匠が変更されたほか、先進安全装備が「Toyota Safety Sense」として全グレードに標準装備化されたことが大きな変更点となったほか、3.5Lモデルは301PSへと出力向上がなされ、トランスミッションを8速ATへと多段化するなど、走行性能が引き上げられた。

先日まで現行モデルとして販売されていた3代目モデルだけあって、高年式低走行の車両だけでなく、未登録車や登録済未使用車も多く存在している点は魅力的だが、これらの車両には新車価格を超えるプライスが付けられている点には注意したいところ。

3代目「アルファード」は、2017年のマイナーチェンジによってフロントフェイスなどに改良が施されている。画像のグレードはハイブリッドモデルの「S」新車時参考価格は約461万円

3代目「アルファード」は、2017年のマイナーチェンジによってフロントフェイスなどに改良が施されている。画像のグレードはハイブリッドモデルの「S」新車時参考価格は約461万円

新型がすでに受注停止となっていることもあって、旧型がプレミア化していると思われるが、旧型にそこまでの金額を払う価値があるかどうかは冷静に見極めなければならないだろう。

では、普通に使われた中古車はどのくらいの価格帯で売られているのかというと、最も安い部類のものでも総額250万円前後からとなっており、後期型で比較的低走行な車両を狙うのであれば、最低でも300万円、できれば350万円程度の予算は確保しておきたいというのが現状だ。

>価格.comで3代目「アルファード」の中古車一覧を見る

このあたりの価格帯で狙うことができるのは2.5Xや2.5Sのエントリーグレードが中心で、新車価格を考えると諸費用や装着されているナビなどのオプション品代程度の差額しか安くなっていないことになるが、現時点の相場であるため、悩ましいところ。

おそらく、新型の供給が正常化すれば3代目の相場もある程度落ち着いてくると考えられるが、どのタイミングで正常化するかは現状読めないというのが正直なところであるため、新型までの繋ぎとして検討しているのであれば、3代目の中古車での購入は少々難しいタイミングとも言えそうだ。

まとめ - 「アルファード」を中古車で狙うなら

●2代目は10万キロ未満で100万円程度、低走行車両は150万円程度
●2代目のハイブリッドモデルは、150〜200万円程度
●3代目はエントリーグレードでも250万円程度からと高めのプライス、低年式車をすぐに欲しいかどうかで判断したいところ

小鮒康一

小鮒康一

某大手自動車関連企業を退社後にフリーランスライターへ。かつて中古車販売店に勤務していた経験を生かし、中古車系の媒体などで執筆。国産旧車の記事を得意とするが、現行車の情報収集も欠かさない。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
アルファード 2015年モデルの製品画像
トヨタ
4.38
(レビュー239人・クチコミ64799件)
新車価格:319〜1546万円 (中古車:170〜2314万円
アルファード 2008年モデルの製品画像
トヨタ
4.09
(レビュー60人・クチコミ1368件)
新車価格:300〜612万円 (中古車:44〜393万円
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