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トヨタ「ルーミー」がまもなくフルモデルチェンジ! ハイブリッドも初搭載で魅力アップ

両側スライドドアを装備する人気のコンパクトハイトワゴンと言えば、トヨタ「ルーミー」と姉妹車のダイハツ「トール」(以下、「ルーミー」で統一)があげられる。全高は1,735mmと高く、室内は広くて快適だ。さらに、全長は3,700mm(標準ボディ)と短いので、取り回しがしやすい。「ルーミー」の現行モデルが発売されたのは2016年なので、すでに約7年が経過しているが、今でも販売台数は好調に推移している。

上がトヨタ「ルーミー」で、下がダイハツ「トール」(いずれも現行モデル)。この2台が、2024年にはフルモデルチェンジを控えているので、独自情報や予想を交えつつ解説したい

上がトヨタ「ルーミー」で、下がダイハツ「トール」(いずれも現行モデル)。この2台が、2024年にはフルモデルチェンジを控えているので、独自情報や予想を交えつつ解説したい

その「ルーミー」が、2024年に2代目へとフルモデルチェンジされそうだ。トヨタの販売店では、「『ルーミー』に関する詳細な発売予定時期は聞いていないが、2023年中には概要がわかるだろう」と言う。新型「ルーミー」は、プロトタイプが2023年10月から開催される「ジャパンモビリティショー2023」(「東京モーターショー」の発展型イベント)に参考出品され、2024年に市販される可能性がある。そこで、当記事では新型「ルーミー」の概要について、さまざまな独自情報に筆者の予想を交えつつ解説していきたい。
※当記事に掲載している「ルーミー」「ルーミーカスタム」「トール」の画像は、すべて現行(2020年マイナーチェンジ)モデルのものになります

ルーミーの製品画像
トヨタ
3.39
(レビュー113人・クチコミ1701件)
新車価格:156〜192万円 (中古車:49〜237万円
トールの製品画像
ダイハツ
3.07
(レビュー15人・クチコミ459件)
新車価格:156〜192万円 (中古車:39〜200万円

新型は「ルーミーカスタム」と「ノア」を合わせたようなフロントフェイスに

まず「ルーミー」の特徴である、両側スライドドアを装着した5ナンバー車という点は、新型モデルになっても大きな変更は無さそうだ。現行モデルよりもボディを拡大すればトヨタ「シエンタ」に近くなり、逆に小さくすれば軽自動車との違いが曖昧になるので、大きくは変えられない。また、ピラーやウィンドウの角度も、現行モデルよりも立てれば外観のバランスが悪くなり、寝かせると車内が狭くなる。そのため、外観の変更点は主にフロントフェイスに集約され、現行モデルの「ルーミーカスタム」とミニバンのトヨタ「ノア」を融合させたような、存在感の強い顔が採用されるはずだ。

トヨタ「ルーミーカスタム」は、「ルーミー」と比べてよりスタイリッシュな内外装が採用されているのが特徴だ

トヨタ「ルーミーカスタム」は、「ルーミー」と比べてよりスタイリッシュな内外装が採用されているのが特徴だ

2022年にフルモデルチェンジされたトヨタ「ノア」は、先代モデルを踏襲しながらもより存在感の強いフロントフェイスが採用されている

2022年にフルモデルチェンジされたトヨタ「ノア」は、先代モデルを踏襲しながらもより存在感の強いフロントフェイスが採用されている

ただし、新型「ルーミー」の全長は100mmほど拡大され、3,800mm前後になる可能性が高い。新型モデルではプラットフォームが刷新され、トヨタのコンパクトSUV「ライズ」と同じタイプのものになるからだ。プラットフォームの変更によって、ホイールベースは現行モデルに比べて35mm長い2,525mmになるだろう。それに伴って、全長も伸ばす可能性が高くなる。ライバル車のスズキ「ソリオ」も全長を3,790mmまで拡大しているので、新型「ルーミー」も同程度になるだろう。また、全幅も少し広がりそうだ。現行モデルの全幅は1,670mmだが、新型モデルではプラットフォームの刷新に伴って、5ナンバーサイズぎりぎりの1,695mmあたりまで拡大することが考えられる。

「ライズ」には新しいプラットフォームが採用されることによって、走りや乗り心地などを向上させている

「ライズ」には新しいプラットフォームが採用されることによって、走りや乗り心地などを向上させている

最小回転半径は、現行モデルは4.6〜4.7mだが、新型モデルでは大回りになっても4.8mに収められるだろう。「ライズ」のように4.9〜5.0mまで拡大すると、現行モデルや軽自動車のユーザーが乗り替えたときに、運転しにくくなることが考えられるからだ。

後席の座り心地を改善させて、さらに快適に

車内の基本的な広さは現行モデルと同程度になりそうだが、後席の居住性は改善されるだろう。現行モデルの後席は、頭上や足元空間は広いものの、床と座面の間隔が不足しているので足を投げ出すような座り方になる。さらに、座面の柔軟性も乏しく、座り心地や着座姿勢はいまひとつだった。だが、新型モデルは着座位置を高めて柔軟性を増し、背もたれは腰を包み込むような形状に改められることによって、後席の着座姿勢や座り心地は快適になるだろう。

「ルーミー」現行モデルの後席は広くて開放感があるが、新型モデルでは座り心地が改善されて、さらに快適なものになりそうだ

「ルーミー」現行モデルの後席は広くて開放感があるが、新型モデルでは座り心地が改善されて、さらに快適なものになりそうだ

いっぽう、現行モデルの荷室は、床を反転させると汚れを落としやすい素材が表面に採用されている。たとえば、自転車を積んだあとの汚れなどがふき取りやすく、収納設備も豊富だ。このような装備は現行モデルで人気なので、新型モデルにも引き続き採用されるだろう。

新型にはハイブリッドモデルもラインアップ

また、新型モデルではパワーユニットも刷新されるだろう。現行モデルのエンジンは1L直列3気筒だが、新型は「ライズ」などと同じ、設計の新しい1.2L直列3気筒エンジンに変更される。さらに、「eスマートハイブリッド」も用意されるだろう。「ライズ」と同様に、1.2Lエンジンが発電を行って、駆動は専用のモーターが受け持つ。新しい1.2Lエンジンは、現行モデルの1Lエンジンに比べて実用回転域の駆動力が高く、ノイズも抑えられる。

WLTCモード燃費は、現行モデルの1Lエンジンは18.4km/Lだが、「ライズ」の1.2Lエンジンは20.7km/Lだ。新型「ルーミー」のボディは、「ライズ」よりも少し重いものの、WLTCモード燃費は「ライズ」と同じ20km/Lの達成を目指すだろう。なぜなら、ライバル車の「ソリオ」も、マイルドハイブリッドを搭載しており、WLTCモード燃費は19.6km/Lだからだ。

また、eスマートハイブリッドのWLTCモード燃費は、「ライズ」は28.0km/Lだ。「シエンタ」の1.5Lハイブリッドは効率にすぐれており、GやZの7人乗り仕様でも28.2km/Lと省燃費だ。そのため、「ルーミー」のeスマートハイブリッドも、少なくとも28km/Lは超えたいところで、28〜29km/Lを目指すだろう。

プラットフォームの刷新で走りの質も向上

新型「ルーミー」は、走行安定性や乗り心地も向上する。現行モデルは、「パッソ」のプラットフォームが使われていたが、現行モデルの開発時点で想定されていた車重は800〜900kgで、全高も1,550mm以下だった。だが、現行「ルーミー」は車重が1,100kg前後で全高も1,700mmを超えるので、車重増加と高重心化によって、走行安定性と乗り心地が悪化した。ステアリング操作に対する車両の反応は少々鈍く、直進安定性にも不満が残る。危険を避けるようにステアリングを切ればボディが大きく傾き、後輪の接地性も削がれやすい。

そこで、新型モデルは「ライズ」と同じ新しいプラットフォームを採用することで、ボディ剛性を向上させる。4輪の接地性が高まり、走行安定性と乗り心地は改善されるだろう。さらに、ステアリングの支持剛性も向上するので、ステアリングホイールを操作したときの車両の動きも正確になる。現行モデルに見られる走りの欠点は、新型モデルになって大幅に改善されそうだ。

価格は、安全装備の充実などで少し高まるが、現行型のG(175万3,500円)に相当するグレードが185〜190万円くらいになるだろう。あまり価格を高めると、「シエンタ」の2列シート仕様のベーシックなX(195万円)と重なり、「ルーミー」に割高感が生じてしまう。売れ筋の買い得グレードは、190万円以下に抑えたいはずだからだ。

また、eスマートハイブリッドを搭載モデルの買い得グレードは、価格が25万円前後の上乗せになり、210〜215万円あたりになりそうだ。「ライズ」も、eスマートハイブリッドとNAエンジンの価格差は28万9,000円に抑えているが、「ルーミー」ではさらに割安にすることが考えられる。ちなみに、210〜215万円という価格帯には、ハイブリッドを搭載した「ヤリス」や「フィット」などの買い得グレードが用意されているので、「ルーミー」のeスマートハイブリッドも競争力を高める必要がある。

現行モデルの販売台数を考えると、新型「ルーミー」も好調な販売が約束されているため、価格を割安に抑えて需要の拡大を図るだろう。そうなると、軽自動車とあわせて国内のベーシックな車種の人気は、ますますハイトワゴンへ集中しそうだ。

新型「ルーミー」まとめ

・ボディは5ナンバーサイズを維持、全長は100mmほど拡大
・エンジンは1.2L直列3気筒と1.2L eスマートハイブリッドを搭載
・プラットフォームは「ライズ」と共通のものに刷新
・ボディ剛性を高め、走行安定性や乗り心地を改善
・価格は買い得グレードが185〜190万円前後、ハイブリッドは210〜215万円前後に

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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ルーミーの製品画像
トヨタ
3.39
(レビュー113人・クチコミ1701件)
新車価格:156〜192万円 (中古車:49〜237万円
ルーミー カスタムの製品画像
トヨタ
4.08
(レビュー13人・クチコミ477件)
新車価格:192〜210万円 (中古車:62〜239万円
トールの製品画像
ダイハツ
3.07
(レビュー15人・クチコミ459件)
新車価格:156〜192万円 (中古車:39〜200万円
トール カスタムの製品画像
ダイハツ
4.06
(レビュー17人・クチコミ166件)
新車価格:192〜210万円 (中古車:63〜248万円
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