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ホンダ唯一のセダン! 新型「アコード」は“Google”搭載で快適ドライブを約束する

2023年9月21日、ホンダは新型セダン「アコード」を2024年春に発売すると発表した。先行予約の受付は、2023年12月に開始される予定だ。

新型「アコード」のフロント、リアエクステリア。伸びやかで流麗な、高級セダンらしいフォルムが採用されている

新型「アコード」のフロント、リアエクステリア。伸びやかで流麗な、高級セダンらしいフォルムが採用されている

アコードの製品画像
ホンダ
4.31
(レビュー104人・クチコミ3353件)
新車価格:465万円 (中古車:20〜444万円

最近の国産メーカーは、セダンのラインアップを減らしてきているため、新型「アコード」は貴重なモデルと言えそうだ。ホンダのセダンは、「レジェンド」や「グレイス」がすでに廃止され、「シビック」も5ドアハッチバックのみになったので、新型「アコード」はホンダで唯一のセダンとなる。今回は、新型「アコード」にいち早く触れることができたため、現在わかっている情報などについてお伝えしたい。

ボディサイズはトヨタ「カムリ」に近い

新型「アコード」は、記事掲載時点では詳細なスペックなどは公表されていない。だが、2023年初頭に先行して発売されている北米モデルのスペックを見る限り、全長は先代に比べて70mm伸びている。先代の日本仕様は全長が4,900mmだったので、70mm伸ばすと4,970mmになる。この値は、国産Lサイズセダンの中ではかなり長いほうだ。また、全幅は先代に近い1,860mm前後で、全高も先代の1,450mmに近い値になりそうだ。

新型のプラットフォームは先代と共通なので、ホイールベースも2,830mmから変更はないだろう。となると、最小回転半径も先代の5.7m前後になるものと思われる。

新型「アコード」のサイドイメージ。横から見ると、ルーフからリアにかけてクーペのようになだらかに下がっていくファストバックスタイルのデザインが採用されていることがわかる

新型「アコード」のサイドイメージ。横から見ると、ルーフからリアにかけてクーペのようになだらかに下がっていくファストバックスタイルのデザインが採用されていることがわかる

新型「アコード」に近いボディサイズを持つライバル車としては、トヨタ「カムリ」があげられる。上級の「WS」グレードの全長は4,910mm、全幅は1,840mm、全高は1,445mm。ホイールベースは2,825mmで最小回転半径は5.7mと、新型「アコード」に近い値である。

駆動方式は前輪駆動で、パワートレインは2L直列4気筒エンジンがベースのハイブリッド「e:HEV」を搭載、トランスミッションにCVTを採用している点なども、先代と変わらない(パワートレインの改良点については後述)。

内外装をスポーティーに刷新

新型「アコード」の外観は先代と同様に、リヤウィンドウが寝かせられ、トランクフードを短く抑えたファストバックタイプのデザイン。フロントマスクは、メッキを使った先代よりもシンプルかつスポーティーな印象となった。リヤコンビネーションランプは横一文字のデザインで、最近の流行に沿ったものだ。

新型「アコード」(上)と、比較として先代「アコード」(下)のフロントフェイス

新型「アコード」(上)と、比較として先代「アコード」(下)のフロントフェイス

新型「アコード」(上)と、比較として先代「アコード」(下)のリヤビュー

新型「アコード」(上)と、比較として先代「アコード」(下)のリヤビュー

さらに、細かな点では視界の確保のためにボンネットの形状が変更され、ワイパーは前方を遮らないような形に工夫された。そのため、運転席に座るとボンネットの先端が先代以上に見やすく、車幅もわかりやすくなっている。

また、サイドウィンドウの下端が少し下がったような印象も受け、後席の左右に備えられている三角形のサイドウィンドウもデザインが改善されている。それらの効果によって、ななめ後方の視界が向上した。ボディは大柄ではあるものの、運転席に座るとそれほど運転しにくい印象は受けない。

インパネのデザインは、新型では大きく刷新されている。先代はオーソドックスなデザインだったが、新型では「シビック」と同様に、インパネ中央から助手席の前側にかけて網目状のパネルが装着された。先代のインパネは上級セダンらしい落ち着いた雰囲気だったが、新型はスポーティーに仕上げられている。

新型「アコード」のインパネ周りは、ホンダ「シビック」に似た最新のデザイン

新型「アコード」のインパネ周りは、ホンダ「シビック」に似た最新のデザイン

ホンダ車として国内初採用の「Googleビルトイン」

インパネの中央には「12.3インチ HondaCONNECTディスプレイ」が装着されている。また、新型「アコード」における注目ポイントのひとつが、「Google Maps」や「Google Play」などが使える「Googleビルトイン」が国内のホンダ車として採用されていることだ。

「12.3インチ HondaCONNECTディスプレイ」では、「Google Maps」だけでなく「Spotify」などさまざまなアプリを利用できるという

「12.3インチ HondaCONNECTディスプレイ」では、「Google Maps」だけでなく「Spotify」などさまざまなアプリを利用できるという

新型「アコード」に搭載されている「Google Maps」は、基本的にはスマホと共通なのだが、車両と連動しているという違いがある。たとえば、スマホでは高速道路の地下トンネルなど通信ができない場所に行くとルート案内が停止することがあるが、「HondaCONNECTディスプレイ」は車両側と連動しているので、通信のできない場所でもルート案内が継続されるというメリットがある。さらに、「Google Maps」は10.2インチの液晶メーターにも表示させることができる。

新型「アコード」では、メーターに「Google Maps」のルート案内画面を表示させることもできる

新型「アコード」では、メーターに「Google Maps」のルート案内画面を表示させることもできる

新型「アコード」は、「Googleアシスタント」による音声操作にも対応している。たとえば、「近くのコンビニを教えてください」と発音すると、「Google Maps」で近くのコンビニまでのルートを検索、案内してくれる。実際に試してみたが、音声の認識精度が高いので使いやすく感じられた

新型「アコード」は、「Googleアシスタント」による音声操作にも対応している。たとえば、「近くのコンビニを教えてください」と発音すると、「Google Maps」で近くのコンビニまでのルートを検索、案内してくれる。実際に試してみたが、音声の認識精度が高いので使いやすく感じられた

後席は広く、座り心地も改善されて快適に

フロントシートは、基本的には先代と共通だが、座面などの細部が見直されて座り心地を向上させている。各部の調節は電動式で、背もたれの腰が当たる部分を張り出させる電動ランバーサポートも上下調節が可能となっている。

新型「アコード」のフロントシート。運転席、助手席ともに、シートの高さや前後スライド、リクライニングなどを電動で調整可能なパワーシートが採用されている

新型「アコード」のフロントシート。運転席、助手席ともに、シートの高さや前後スライド、リクライニングなどを電動で調整可能なパワーシートが採用されている

リアシートは、フロントシートよりもさらに座り心地が向上している。開発者によると先代のリアシートは、走行中に体が滑りやすいといった指摘があったと言う。そこで座面を柔軟に仕上げ、その前側を少し持ち上げて腰が適度に座面に落ち込むように工夫された。これなら着座姿勢も変わりにくく、体が滑る感覚も抑えられるだろう。

新型「アコード」のリアシート。先代では滑りやすいという指摘を受けていたため、新型では座面を柔らかくして角度を調整することで、座りやすくなっている

新型「アコード」のリアシート。先代では滑りやすいという指摘を受けていたため、新型では座面を柔らかくして角度を調整することで、座りやすくなっている

後席の広さは先代とほぼ同じで、セダンの中でも特に広い部類に入る。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には握りコブシ3つぶんの余裕がある。ライバル車の「カムリ」は握りコブシ2つ半だが、新型「アコード」はそれ以上だ。

頭上にも十分な空間があり、大人4名が乗車して長距離を快適に移動できる。

室内空間を光で演出する「アンビエントライト」

車内で注目したい機能のひとつが、「アンビエントライト」だ。インパネ、センターコンソール、ドアなどに照明が備わっており、7色の中から好みのカラーに変更できるほか、気に入った複数のカラーや室内温度からシステム側が自動で色を次々と切り替えていくといった機能も備わっている。

インパネやセンターコンソールだけでなく、リアドアにまで備えられている「アンビエントライト」

インパネやセンターコンソールだけでなく、リアドアにまで備えられている「アンビエントライト」

「アンビエントライト」のカラーは、好きな色だけを複数指定して、自動的に切り替えて表示させることもできる

「アンビエントライト」のカラーは、好きな色だけを複数指定して、自動的に切り替えて表示させることもできる

そしてもうひとつ、注目の機能がダイヤルを回すことで複数の機能が操作できる「エクスペリエンスセレクションダイヤル」だ。同機能は、国内のホンダ車として初採用されており、ダイヤルを回転させるだけでエアコンやオーディオなど各機能をすぐに選択できる。

「エクスペリエンスセレクションダイヤル」は、ダイヤルを回すことで中央の液晶表示が切り替わり、今どの機能を操作できるのかがひと目でわかるようになっている

「エクスペリエンスセレクションダイヤル」は、ダイヤルを回すことで中央の液晶表示が切り替わり、今どの機能を操作できるのかがひと目でわかるようになっている

「エクスペリエンスセレクションダイヤル」を回すことで、ディスプレイも連動してダイヤル状の表示で切り替わるのでわかりやすい

「エクスペリエンスセレクションダイヤル」を回すことで、ディスプレイも連動してダイヤル状の表示で切り替わるのでわかりやすい

パワーユニットの改良で加速性能や乗り心地が向上

パワーユニットは、先代と同じく2L直列4気筒エンジンがベースのハイブリッド「e:HEV」だ。エンジンは主に発電を受け持ち、駆動はモーターが行う。高速道路の巡航時には、エンジンがホイールを直接駆動して、燃費効率を向上させることもある。

そして、新型「アコード」では同パワーユニットに改善が加えられている。エンジンは、先代ではポート噴射だったのだが、新型では直噴式に変更され、動力性能と燃費を向上させている。また駆動モーターは、先代では同軸モーターが使われていたのだが、平行軸モーターに変更することによって、直接駆動時の効率が高められている。これらの改善により、加速性能が高まりノイズも抑えられているという。

新型「アコード」のエンジンは直噴式に変更され、モーターも刷新されるなどによって先代よりも加速感や静粛性が向上している

新型「アコード」のエンジンは直噴式に変更され、モーターも刷新されるなどによって先代よりも加速感や静粛性が向上している

サスペンションは、先代と同じく前輪がストラット、後輪はマルチリンクの4輪独立式になる。さらに、ショックアブソーバーの減衰力を変化させる機能も備わっている。18インチタイヤのサイズを含めて、基本的なメカニズムは先代を踏襲しているが、ボディの補強やチューニングが実施されており、走行安定性、操舵感、乗り心地などを向上させている。

また、安全装備においても進化した。「Honda SENSING360」が新たに採用され、有効水平画角が約100度のフロントカメラ、フロントレーダー、各コーナーに装着された5個のミリ波レーダーによって、車両の周囲を360度にわたりチェック。衝突の危険が生じると警報を発したり、衝突被害軽減ブレーキを作動させたりする。また、見通しのきかない交差点では、死角になり左右から接近する車両なども警告してくれるようになり、安全性はさらに向上している。

先代やライバル車などを考慮すると、価格は485万円前後か

グレードや価格は未定なのだが、先代と同じく1グレードのみになる可能性が高いだろう。車両価格は、先代は465万円であったが、新型はメカニズムや装備の充実、原材料費や輸送費のコストアップなどによって、485万円くらいに値上げされるかもしれない。500万円を超えると割高感が一気に強まるため、高くても495万円以下に抑えるのではと考えられる。

価格について、たとえばライバル車「カムリ」の最上級グレードである「WSレザーパッケージ」は448万4,000円だ。JBLプレミアムサウンドシステムやパノラミックビューモニターをオプション装着すると462万4,800円と、先代「アコード」とほぼ同じ価格になる。

また、トヨタ「クラウンクロスオーバー」の「G」アドバンストグレードは、2.5L直列4気筒のハイブリッドが搭載されて、価格は510万円だ。500万円を超えるが、4WDと後輪操舵の機能を備えている。ライバル車とのバランスを考えると、新型「アコード」の価格は先代と同じ465万円が妥当なので、できるだけ先代と同じ価格で登場することを望みたい。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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新車価格:465万円 (中古車:20〜444万円
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