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スズキが新型「スイフト」と「スペーシア」の外観を初公開! “独自調査”で詳細を探った

現在の日本車メーカーの国内販売ランキングは、1位はトヨタで、2位がスズキである。以下、3位にダイハツ、4位にホンダ、5位に日産と続く。

今は、国内で新車として販売されているクルマの40%近くが軽自動車で占められているため、スズキとダイハツの順位が高い。特にスズキは小型車にも力を入れており、販売面のバランスもよい。日本の移動を支える大切なメーカーのひとつだ。

画像は、後述する電気自動車のSUVコンセプトカー「evx」の3点シグニチャーランプ

画像は、後述する電気自動車のSUVコンセプトカー「evx」の3点シグニチャーランプ

そんなスズキは、2023年10月26日から開催される「ジャパンモビリティショー2023」(旧称「東京モーターショー」)に、新型「スイフト」や「スペーシア」などフルモデルチェンジ予定の車種や、電気自動車などのコンセプトモデルを展示すると発表した。

そこで本稿では、公開された新型モデルや電気自動車の内外装に加えて、現時点で判明している新型モデルの情報などについてもあわせてお伝えしたい。

新型「スイフト」はスポーティーな走りをデザインで表現!

新型「スイフト」は、販売店によると「2023年末には正式に発表されるだろう」と言う。エクステリアは、基本的には従来型を踏襲しながらも、多面体をモチーフとしたデザインが新たに採用されている。

新型「スイフト」のフロント&リアエクステリア。フローティングルーフによって軽快感を持たせながら、外へ張り出すフェンダーによってタイヤの踏ん張り感が強調されている

新型「スイフト」のフロント&リアエクステリア。フローティングルーフによって軽快感を持たせながら、外へ張り出すフェンダーによってタイヤの踏ん張り感が強調されている

具体的には、フロントフェイスはフロントグリルやバンパー、フォグランプなどの各パーツが、よりシャープな造形となった。ヘッドライトはひし形のシャープなデザインになり、L字型のデイタイムランニングライトが新たに採用されるようだ。

印象としては、従来型よりもスポーティーで、従来型の「スイフトスポーツ」に寄せてきているようだ。また、細かな点ではフロントグリルのスズキのエンブレムが、これまではグリル内にあったのだが、新型ではグリル上部へと移設されている。

また、写真を見る限りではあるのだが、新型は従来型に比べてサイドウィンドウの下端が少し低くなっているように思われる。従来型はデザイン性を重視するためにリヤのサイドウィンドウの面積が狭く、後側方の視界がやや見づらかった。だが新型では、サイドウィンドウの下端が広がっているようなので、後側方の視界は改善されそうだ。

さらに、従来型はリアドアのノブが高い位置に装着されていたので開閉しにくかったのだが、新型では一般的な位置に装着されているので、リアドアが開閉しやすくなっている。

パワーユニットについては、記事掲載時点では公表されていないのだが、独自調査によると、まずはマイルドハイブリッドモデルをメインにラインアップするとのこと。フルハイブリッドモデルや「スイフトスポーツ」などは、マイルドハイブリッドを搭載する標準グレードを発売した後に投入されることになりそうだ。また、新型「スイフト」ではエンジンやCVTの効率なども高められ、ボディの空力特性などが見直されるようなので、燃費の向上についても注目したい。

また、安全装備も重要なポイントのひとつだ。衝突被害軽減ブレーキは、自転車などを検知できる「デュアルセンサーブレーキサポートII」へと進化。さらに、ハイビームの状態を保ちながら対向車などの眩惑を抑える「アダプティブハイビーム」や、ドライバーの顔をカメラでチェックして疲労を検知すると注意をうながす「ドライバーモニタリングシステム」など、新型「スイフト」には先進的な安全装備や運転支援システムが採用される。

新型「スイフト」のインパネ。エクステリアと同様に、丸みを帯びた箇所を無くし、多角形による直線的ですっきりとしたデザインが採用されている

新型「スイフト」のインパネ。エクステリアと同様に、丸みを帯びた箇所を無くし、多角形による直線的ですっきりとしたデザインが採用されている

新型「スペーシア」の新たなモチーフは「コンテナ」

新型「スペーシア」「スペーシアカスタム」について、販売店は「2023年11〜12月に予約受注を開始する可能性が高い」と言う。2024年初頭の「初売りイベント」で、本格的な販売を開始するためだろう。

最初に登場するのは、「スペーシア」の標準ボディとスポーティーな「スペーシアカスタム」だ。独自情報によると、SUV風の「ギア」や商用車に分類される「スペーシアベース」は、遅れて登場するらしい。販売店も、「標準ボディやカスタムの話は聞いているが、ほかの車種は後から加わる可能性が高いだろう」と言う。

日常をユニークに彩る「心地よさ」や「ワクワク感」がデザインされた新型「スペーシア」

日常をユニークに彩る「心地よさ」や「ワクワク感」がデザインされた新型「スペーシア」

カスタムモデルらしい「上質感」や「華やかさ」がデザインされた、新型「スペーシアカスタム」

カスタムモデルらしい「上質感」や「華やかさ」がデザインされた、新型「スペーシアカスタム」

新型「スペーシア」のデザインモチーフは、従来型は「スーツケース」だったが、新型はさらに大容量の「コンテナ」とし、ボディサイドが、コンテナ風にデザインされている。コンテナをモチーフにした理由としては、「もっと自由に」「もっと使いやすく」といった意味が込められているという。

フロントマスクは従来型のデザインが踏襲されており、「スペーシア」は柔和な雰囲気に、「スペーシアカスタム」はメッキグリルの採用などによって存在感が強められている。天井は高く、ピラーやウィンドウの角度が立てられている。基本的なボディスタイルは従来型に準じているのだが、リアゲートは従来型の平面的なデザインから、新型では立体的なデザインへと変更されている。

インパネのデザインは、従来型に比べて大きく変更されている。従来型は直線的なデザインが用いられていたが、新型ではボリューム感のあるデザインが採用されている。助手席の前側には、従来型では上下にフタが開く収納設備が採用されていたが、新型ではオープントレイへと改められている。

新型「スペーシア」の内装は、従来型の水平基調なデザインから、ボリューム感のあるものへと変更されている

新型「スペーシア」の内装は、従来型の水平基調なデザインから、ボリューム感のあるものへと変更されている

新型「スペーシア」の装備で注目したいのが、後席の座面前側に装着された「マルチユースフラップ」だ。ミニバンの2列目シートに装着される「オットマン」に似たような機能で、これを持ち上げるとふくらはぎが支えられてリラックスできる。

新型「スペーシア」「スペーシアカスタム」のリアシートの足元には、新たに「マルチユースフラップ」と呼ばれるオットマンが装着されている

新型「スペーシア」「スペーシアカスタム」のリアシートの足元には、新たに「マルチユースフラップ」と呼ばれるオットマンが装着されている

新型のスペックは明らかにされていないが、従来型のウェブサイトを見ると、インパネに装着されているメモリーナビのモニター画面には、平均燃費としてWLTCモードの21.2km/Lと記載されている。だが、新型のインパネ写真を見ると、23.9km/Lという数値が見て取れる。

販売店も「本格的なフルハイブリッドは搭載しないだろう」と言うことなので、マイルドハイブリッドで23.9km/Lを目指すのかもしれない。実際に達成できれば、全高が1,700mmを超えるスーパーハイトワゴンとして、際立ってすぐれた燃費性能を有することになる。

また、安全装備も進化しており、「スイフト」と同様の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」を搭載。自転車やオートバイの検知が可能で、交差点にも対応する。

さらに、低速時ブレーキサポートも注目機能のひとつだ。従来型では、超音波センサーを使って車庫入れなど後退時の衝突を防ぐ機能を採用していたが、新型では前進しているときにも作動するようになった。新型は、従来型のすぐれた実用性にさらなる安心感が加わるというわけだ。

EVへの本格的な進出を思わせる参考出品車たち

スズキは、新型「スイフト」や新型「スペーシア」以外にも、電気自動車を中心とした参考出品車を展示する。以下に、注目の車種をご紹介したい。

「evx」

今後、二酸化炭素の排出量を抑制するために、電気自動車の数は増えていくことだろう。そこで、スズキは電気自動車の「evx」を参考出品する。外観はSUV風で、全長は4,300mmと短く、全幅は1,800mmとワイド。全高は1,600mmだ。詳細なデータは不明だが、1回の充電で走行できる距離は500kmで、駆動方式は4WDだ。外観がSUVというだけでなく、悪路の走破も配慮されているようだ。

「evx」のフロント、リアエクステリア。電気自動車の先進性や洗練さ、SUVの力強さや冒険心を外観デザインで表現しているという

「evx」のフロント、リアエクステリア。電気自動車の先進性や洗練さ、SUVの力強さや冒険心を外観デザインで表現しているという

「ewx」

「ewx」は、軽自動車サイズの電気自動車として参考出品される。1回の充電で走行できる距離は、230km。ボディスタイルは水平基調で、後席ドアはスライドだ。全高が1,620mmなので、市販されれば日産「サクラ」のライバル車になるだろう。

ただし、見方を変えると「ewx」は軽のEVというだけでなく、「ワゴンR」の後継車種とも考えられそうである。なぜなら「ワゴンR」の発売は2017年で、フルモデルチェンジの時期を迎えているからだ。

「ewx」のフロント、リアエクステリア。角丸の長方形をモチーフに、シンプルかつ先進的でありながら、親しみやすいキャラクターとなるようにデザインされている

「ewx」のフロント、リアエクステリア。角丸の長方形をモチーフに、シンプルかつ先進的でありながら、親しみやすいキャラクターとなるようにデザインされている

「eエブリイ」

「eエブリイ」は、スズキ、ダイハツ、トヨタが共同開発する軽自動車サイズの商用車。1回の充電で、200kmを走行できる。スズキでは、「eエブリイ」を皮切りにEVのラインアップを充実させて、2030年度までに6車種を投入する計画となっている。

「eエブリイ」は、短距離輸送に適した電気自動車を提供するため、スズキ、ダイハツ、トヨタの3社で共同開発された商用軽バンだ

「eエブリイ」は、短距離輸送に適した電気自動車を提供するため、スズキ、ダイハツ、トヨタの3社で共同開発された商用軽バンだ

スズキの「ジャパンモビリティショー」出展車両を見ると、今後は軽自動車とコンパクトカーだけでなく、EVにも積極的に力を入れていくのだろう。魅力的な電気自動車の登場にも期待したい。

渡辺陽一郎

渡辺陽一郎

「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も大切と考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心掛けるモータージャーナリスト

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スイフトの製品画像
スズキ
4.27
(レビュー429人・クチコミ8581件)
新車価格:154〜204万円 (中古車:14〜338万円
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スズキ
-
(レビュー128人・クチコミ4662件)
新車価格:153〜182万円 (中古車:13〜224万円
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スズキ
5.00
(レビュー125人・クチコミ3638件)
新車価格:180〜219万円 (中古車:23〜278万円
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