イベントレポート
日常をアドベンチャーにする最新モデルが集結!!

バイク野郎が行く! 「東京モーターサイクルショー」レポート

国内外の車両メーカーはもとより、バイク用品やカスタムパーツのメーカーまで数多くのバイク関連企業が集結する「東京モーターサイクルショー 2016」が3月25〜27日に開催された。二輪好きには見逃せない本イベントの様子をレポートする。

会場を艶やかに飾るコンパニオンの写真は記事下にあり!

会場を艶やかに飾るコンパニオンの写真は記事下にあり!

“アドベンチャー”コンセプトのマシンが目立つホンダブース

ホンダのブースで目を引いたのは、道なき道へと踏み出していけそうな“アドベンチャー”イメージのコンセプトモデルだ。先日発売されたばかりの「CRF1000L Africa Twin」をベースに、より長距離の走行やオフロード走行に対応させた「Africa Twin Adventure Sports Concept」をはじめ、街乗りマシンにアドベンチャースピリットを採り入れたという「City Adventure Concept」、市販車の「CRF250L」をベースに南米で行われるダカール・ラリー参戦マシンのイメージで仕上げられた「CRF250 RALLY プロトタイプ」などが注目を集めていた。

「CRF1000L Africa Twin」に航続距離を伸ばすためのビッグタンク、オフロードでの走破性を高めたタイヤ、排気効率のよいマフラーなどを装備した「Africa Twin Adventure Sports Concept」

スクータータイプの車体だが、前後にオフロード走行に対応するタイヤを装着するなどアドベンチャーのイメージを採り入れた「City Adventure Concept」。ベースは669ccの2気筒エンジンと、自動変速機能を備えたDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を搭載する「INTEGRA」だろうか

「City Adventure Concept」のタイヤは、幅広で直径を15インチに抑えたブロックタイプ。こうしたオフロードイメージのタイヤを履いたスクーターはほかにも存在するが、ここまで車格の大きなモデルでは珍しい

市販オフロードモデル「CRF250L」をベースにした「CRF250 RALLY プロトタイプ」は、ボディをカウルで覆っている。これはダカール・ラリー参戦マシンのイメージで、実際に空力も向上するという。前後のサスペンションはストロークアップがされている

上にある「CRF250 RALLY プロトタイプ」のイメージソースとなったダカール・ラリー参戦マシン「CRF450 RALLY」も展示されていた

市販の250ccモデル「VTR」をベースに、セパレートハンドルを低い位置に装着したりマフラーを軽量化することでスポーツイメージを高めたモデルも出展

空冷4気筒エンジンを搭載する「CB1100」をベースとした「Concept CB」の兄弟モデル「Concept CB Type II」も出展。空冷CBシリーズの新たな方向性を示すモデルとして、多くの来場者が足を止めていた。

昨年公開されたコンセプトモデル「Concept CB」は、次期「CB1100」としてそのまま発売されてもおかしくない完成度だ

世界に先駆けてモーターサイクルショー 2016で初お披露目された「Concept CB Type II」は、カフェレーサーを思わせるシングルシートを装備するなど、すでに公開されている「Concept CB」に比べ、よりスポーツ志向のマフラーとサスペンションを採用している

歴史ある“インターカラー”マシンを中心に据えたヤマハブース

昨年、創立60周年を迎え“インターカラー”と呼ばれるイエローを基調としたカラーをまとった記念モデルを発売したヤマハ。同社のアメリカ法人であったYamaha International Corporation(YIC)がレースモデルに採用していたことからインターカラーと称されている。ステージ上にはインターカラーを世界的に広めるきっかけとなった、ケニー・ロバーツが当時の世界最高峰クラスGP500のレースを制した歴史的マシン「YZR500」も展示され、輝かしい歴史をアピールしていた。

壇上には先日発売されたばかりの「XSR900」(右)と並んで、1977年にデビューしたレーシングマシン「YZR500」(左)も展示されていた

イエローを基調に「スピードブロック」と名付けられたブラックのブロックが並んだようなラインが入ったインターカラーは、1970年代にレースシーンを席巻したヤマハのマシンが採用していたもの。今でもファンの多いカラーだ

人気モデル「MT-09」をベースにした「XSR900」は、850cc3気筒のクロスプレーンコンセプトエンジンを搭載。トラクションコントロールシステムやシフトダウン時のバックトルクを抑制するアシスト&スリッパクラッチなど、多くの最新技術が採用されている

1978年の発売以来、40年近くの長期に渡り、大きくデザインや設計を変更することなく生産され続けているロングセラーモデル「SR400」のインターカラーモデルも展示

155ccエンジンを搭載したスクーター「マジェスティS」の記念カラーモデル。小型のスクーターも、インターカラーで塗られるとスポーティーに見えるから不思議だ

インターカラーをまとってはいないが、注目すべきニューモデルも見過ごせない。2014年に発売され、大きな話題となった三輪スクーター「TRICITY(トリシティ)」の大排気量モデルや、人気の高い「MT」シリーズに最新の電子制御技術を組み合わせたモデルなどだ。

前輪が二輪とされた三輪モデル「TRICITY 125」のエンジンを150ccにアップした「TRICITY 150」も発表された。三輪による安定感のある走りを高速道路でも堪能することができる

<関連記事>前輪が2つ!? 話題の“3輪バイク”ヤマハ「TRICITY」に乗ってきた!

新たにトラクションコントロールシステムを搭載したABS付きモデル「MT-09A」

新たにトラクションコントロールシステムを搭載したABS付きモデル「MT-09A」

2015年シーズンのMotoGPのチャンピオンを獲得したホルヘ・ロレンソの乗った「YZR-M1」も披露された

2015年シーズンのMotoGPのチャンピオンを獲得したホルヘ・ロレンソの乗った「YZR-M1」も展示されていた

新型車を積極的に出展した海外メーカー

国内メーカー以上に積極的に新型車両を展示している海外メーカーのブースもチェックしておこう。新型マシンを出展しているだけでなく、実際にまたがることができるモデルもあり来場者の人気を集めていた。

まずは、1月に発売されたハーレー・ダビッドソンの2モデル「LOW RIDER S」と「CVO Pro Street Breakout」を紹介しよう。

ブラックカラーのボディに1,800ccのScreamin’ Eagle Twin Cam 110エンジンを搭載した「LOW RIDER S」。同社伝統のVツイン型を踏襲しながら、最新技術を採り入れた大排気量エンジンに空気を取り込むエアインテークの存在感が目を引く

「CVO Pro Street Breakout」はドラッグレースをイメージさせる低く構えた車体に、スモークサテンクロームという最先端の仕上げを採り入れた意欲的なモデルだ

続いては、日本初披露となる新型「TIGER EXPLORER XRX」を展示するトライアンフ。「TIGER EXPLORER XRX」のほかにも、注目の4モデルをピックアップする。

日本初の公開だけあり、「TIGER EXPLORER XRX」の注目度は上々。同社の得意とする3気筒エンジンは、1,215ccの大排気量と相まって123Nmという大きなトルクを発生する。大パワーによってタイヤが滑らないように制御するトラクションコントロール機能も装備

1,200ccの新型水冷エンジンを伝統のカフェレーサーイメージの車体に搭載した「THRUXTON 1200 R」には、ABSも採用するなどクラシックなイメージと先端技術を融合。今春発売予定となっている

トライアンフの歴史あるネーミングである「ボンネビル」の名を冠した「BONNEVILLE T120」。伝統を感じさせるクラシカルなスタイリングだが、水冷の1,200ccエンジンにABSや5種類から選べるライディングモードなど多くの先進技術を搭載している

「STREET TWIN」は800ccに排気量を抑え、気軽に乗れるモデル。軽快なハンドリングも売りのひとつだ

ラインアップの幅を広げるドゥカティも見過ごせない。ドゥカティと言えばレーサータイプのマシンに定評があるが、近年はツーリングモデルやクルーザータイプを投入するなどアグレッシブな動きを見せている。そのきっかけとなったのが、あらゆる道を走破することをコンセプトとした「ムルティストラーダ」シリーズだ。シリーズに新たに加わる「ムルティストラーダ1200パイクスピーク」をはじめ、3モデルを紹介する。

2月に国内導入された「ムルティストラーダ1200パイクスピーク」は、米コロラド州で開催されたパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムにロサンゼルスから自走で参戦し、完走を果たした

オフロードモデルを思わせる腰高な車体にハイグリップのロードタイヤを履かせた「ハイパーモタード939」は、5月頃に国内発売予定。L型1,200ccのエンジンは108psを発揮する

ハイパーモタードシリーズをツーリングイメージにアレンジした「ハイパーストラーダ939」。リアには左右にパニアケースが装着され、同シリーズのパフォーマンスをツーリングシーンでも味わえる。日本には5月頃に導入予定

低い車体に150psを発揮する1,262ccエンジンを搭載した「XDIAVEL S」は、リラックスしたポジションで長距離を走行するクルーザーの世界観とドゥカティの走りのパフォーマンスを融合させたモデル。写真はEU仕様のモデルだが、今年中頃には日本にも導入の見込みとなっている

海外メーカーの最後を飾るのは、BMW。400cc以下の普通自動二輪免許で乗れる「G310R」には、多くの人が足を止めていた。

“普通自動二輪免許で乗れるBMW”「G310R」は、大型自動二輪免許が必要な大排気量車が主にラインアップされる同社では珍しい313ccの小排気量モデルだ。2016年内には国内に導入される見通し

個性あふれる輸入モデルに注目!

大手メーカーのブースに負けず劣らず多くのライダーの注目を集めていたのが、海外の個性的なメーカーの輸入を手掛けるモトコルセのブース。ヨーロッパに存在する小規模だがこだわりのあるバイクをハンドメイドに近い作り方で製造しているメーカーの輸入代理店だ。

まずは、ホンダやカワサキ、BMW、ドゥカティなど大手メーカーの製造するエンジンをオリジナルのフレームに搭載したマシンを手掛けるイタリアのブランド「ビモータ」を紹介。最新コンセプトモデル「IMPETO Kompressor Concept」はドゥカティ製の1,200ccエンジンにスーパーチャージャーを組み合わせたエンジンを、スチールパイプとアルミプレートを組み合わせた独創性あふれるフレームに搭載している。

イタリア語で「衝撃」という意味の「IMPETO」がネーミングに採用された「IMPETO Kompressor Concept」

同じく「ビモータ」ブランドである「TESI-3DC Special」は、世界限定6台という希少モデル。通常のバイクで用いられる2本の棒状のサスペンション(フォークと呼ばれる)で前輪を支えるシステムではなく、後輪と同様にスイングアームによって支えるシステムを採用したTESIシリーズの最新モデルをベースにスペシャルなパーツを多数採用しているのが特徴だ。

エンジンはドゥカティ製の空冷1,078cc2気筒を搭載

「TESI-3DC Special」はエンジンに、ドゥカティ製の空冷1,078cc2気筒を搭載

「TESI-3DC Special」同様に、前輪をスイングアームによって支えるシステムを採用したVYRUS社の「986M2 Strada」は、排気量600ccまでのマシンで争われる世界選手権のMoto2クラスに参戦するレーシングマシンの公道バージョン。ホンダ製の4気筒エンジンを搭載している。ちなみに、VYRUS社は、ビモータと同じくイタリアのリミニ市に本拠を構えるメーカーだ。

「986M2 Strada」の価格は1,420万円

フランスのAVINTON社がハーレーのエンジンチューニングを手掛けるS&S社製のVツイン1647ccエンジンを搭載して仕立てた「COLLECTOR EDITION-C」は、強大なパワーとトルクを発生する空冷エンジンに沿うように配置されたチタン製の排気システムが目を引く。

「COLLECTOR EDITION-C」の通常モデル(右)は558万円で、世界限定10台のスペシャル仕様モデル(左)は867万円

最後に紹介する「1199 NVC Nuda Veloce」は、モトコルセが自社ブランドで発売するモデルだ。大手メーカーにはない発想とデザインで作り上げられた車体は、ドゥカティのフラッグシップモデル「1199パニガーレ」のエンジンを搭載。

前傾姿勢を抑えたポジションで、サーキット走行だけでなくストリートでも高いパフォーマンスを楽しめることをコンセプトとしている「1199 NVC Nuda Veloce」

電動レーシングバイク「神電 伍」のお披露目も

会場では、電動レーシングマシン「神電」シリーズの5代目モデル「神電伍」の発表会も行われていた。「神電」シリーズは、100年以上の歴史を持つマン島TTレースで近年設立された電動バイクのクラスで2014年と2015年に連覇を達成したマシン。現在、電動バイクとして最高峰の性能を誇っていると言えるだろう。今回、お披露目された「神電伍」は、3連覇を狙う新マシンだけに設計を大きく変更。自社製のカーボンモノコックボディを初採用し、モーターユニットなども新開発した意欲的な仕上がりとなっていた。

「神電伍」は四輪のレーシングマシンなどに用いられるカーボンモノコックボディを採用し、バッテリーを搭載するための自由度を向上。モーターやバッテリーといったパワーユニットも新開発され、昨年モデルより大きくポテンシャルアップを果たしている

車体設計の変更にともない、モーターはより後輪に近い位置に設置。カーボン製のスイングアームはモーターを避けるように大きく弯曲している。リアのサスペンションユニットはスイングアームの上に横置きマウントされ、プッシュロッドによって稼働させる仕組みとなった。これも四輪のレーシングマシン的な技術を採用したものだ

「神電伍」の走行音を聞いてみてほしい(下の動作参照)。マイクを近づけて音を拾っているにも関わらず、エンジンバイクに比べると非常に静かだ。だが、変速ギアなしで車体を時速250q以上まで加速させることが可能。最高出力も昨年のモデルから向上しているという。アクセルを開けて高回転まで回した時の高周波音はエンジンとは異なるものの、高いパフォーマンスを予感させる。

<関連記事>「神電 四」の車体構造やシステム、走りなどはこちらでチェック!

まとめ

今回のモーターサイクルショーでは多くのメーカーからツーリング志向のモデルというか、道を問わず走れるアドベンチャーモデルがリリースされていた。ホンダやヤマハはもちろん、ドゥカティやトライアンフといった従来レースやスポーツをイメージしたモデルを主としてきたメーカーも力を入れているようだ。

アドベンチャーモデルは従来の乗りやすさを重視したツーリングモデルとは異なり、スポーティーなモデルにも勝るとも劣らない走行性能を備えているのが特徴。移動中の街中や高速道路は快適に、そして一度峠道などに入ったらスポーツモデル並みの性能でワインディングを駆け抜ける。そんなモデルの需要が世界的に高まってきているようだ。

オンロード、オフロードを問わずレーシングマシンそのままのようなモデルを発売してきたオーストリアのメーカー・KTMからも、1,300ccのVツインエンジンを搭載したスポーツ・ツーリングモデル「1290 SUPER DUKE GT」が出展されていた。ツーリングとスポーツライディングを高次元で融合させたモデルで、国内発売は未定

コンパニオンもチェック♪

増谷茂樹

増谷茂樹

カメラなどのデジタル・ガジェットと、クルマ・バイク・自転車などの乗り物を中心に、雑誌やWebで記事を執筆。EVなど電気で動く乗り物が好き。

関連記事
バイク本体・パーツのその他のカテゴリー
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る