ニューバランスは近年、複数のアーカイブモデルの特徴を1足のシューズに融合させたフュージョンモデルを積極的に展開しています。
たとえば、1970年代に登場したランニングシューズ「320」、「355」、「Super Comp」という3モデルの特徴を合わせた「327」。あるいは、1980年代登場の「420」、「1300」、「Gator」からインスピレーションを得た「237」。さらには、代表的モデル「574」をベースに、90年代にリリースしたクロストレーニングモデルのボリューム感を取り入れた「57/40」などです。しかも、どれもヒットしており、スニーカー界では注目の的です。
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そして今季また、新たなフュージョンモデル「XC-72」を投入。これは、実際に試し履きしないわけにはいきません。
ニューバランス「XC-72 BC3」。公式サイト価格は、14,300円(税込)
本モデル「XC-72」のベースは、トレイルランニングシューズの「375」と、クロスカントリーシューズの「XC15」、そして軽量なランニングシューズ「620」という3つのモデル。各モデルの特徴的なデザインディティールを取り入れて、クラシックなテイストを継承しています。いっぽうで、アッパーのサイドには、先述のフュージョンモデル群と同様にオーバーサイズの「ビッグNロゴ」を採用。さらに、メッシュとスエードを組み合わせてシャープでスポーティーなアッパーに仕上げることで、オリジナルモデルよりも洗練された1足へと昇華させています。
アッパーは、メッシュとスエードのコンビネーションで通気性と耐久性を確保しながら、レトロな雰囲気も演出
サイドには、ニューバランスのフュージョンモデルのアイコンとも言うべき「ビッグNマーク」を配して、レトロな中にモダンなテイストを加えています
シュータンは、“スポンジ剥き出し”のタイプで、クラシックな雰囲気を押し出しています
そして、本モデルで特に注目すべきなのはボトム周りです。
ミッドソールには「620」、アウトソールには「375」と「XC15」と、3つのインスパイアモデルの特徴的なソール形状を1足にすべて集約。アッパーではなく、見えにくいソール周りにフュージョンの要素を採用しているのはチャレンジングですが、たとえ目立ちにくくても、しっかりと再現しているのは、同社のオリジナルモデルに対するリスペクトの表れとも言えるでしょう。
ミッドソールは、1980年に発売されたランニングシューズ「620」からインスパイアされており、素材はEVAを採用。軽量で高いクッション性を提供してくれます
本モデルでいちばん面白いフュージョンポイントが、2種類のトレッドパターンを組み合わせたアウトソール。内側には「375」のラバーワッフルソールを、外側には泥道や凍結地など、荒地を走るために開発された「XC15」のビッググリッパーソールを採用しています
以上のように、「XC-72」はクラシックモデルからインスパイアされたレトロな雰囲気と、「ビッグNロゴ」などのモダンで洗練されたディテールが絶妙なバランスで融合しています。しかも、ベースの3モデルの特徴をソールに集約するなんて、渋過ぎですよね!
スポーツミックススタイルはもちろん、ワンマイルウェアなどのラフな着こなしにピッタリ!
●取材協力/「atmos」
https://www.atmos-tokyo.com/
ファッションを中心にさまざまな雑誌やWeb媒体で執筆を行っているエディター/ライター。なかでもスニーカーに特化し、年間400本近くのスニーカーレビュー記事を制作している。