「G-SHOCK」今月の衝撃!!!

大人気の八角形ベゼル「G-SHOCK」が待望のフルメタル化!

2022年8月、カシオからG-SHOCKの新作「GM-B2100」が発売された。八角形ベゼルを特徴とした「2100」シリーズにおいて初となる、フルメタルモデルを実現している。

2022年8月に発売されたG-SHOCK「GM-B2100」

2022年8月に発売されたG-SHOCK「GM-B2100」

シリーズの歴史解説! あの「2100」が満を持してフルメタル化

「GM-B2100D-1AJF」の公式サイト価格は、71,500円(税込)

「GM-B2100D-1AJF」の公式サイト価格は、71,500円(税込)

いまや、G-SHOCKにおいて1位、2位を争う人気シリーズに成長した「2100」。ついにフルメタル化した今作に至るまでの、簡単な経緯を振り返ってみよう。

誕生したのは、2019年8月のこと。同年、カシオは樹脂やメタルに次ぐ第3の素材としてカーボン開発に注力しており、高剛性のカーボン繊維入りファインレジン製ケースを用いた「カーボンコアガード構造」の製品化を推進。そのひとつとして誕生した「GA-2100」は、同技術によりケース厚11.8mmというデジタル&アナログコンビネーションモデルの史上最薄を記録した。

この「G-SHOCKらしくタフなのにG-SHOCKとは思えない薄さ」は、驚きを持って市場に受け入れられたが、実はスペック以上に衆目を集めたのがデザインだった。オリジンの「DW-5000C」に着想を得たという八角形ベゼルは、一部の高級時計に見られるラグスポ(ラグジュアリースポーツ)なスタイルを彷彿とさせ、腕時計に個性的なデザインを求めていたユーザーの興味を喚起。古参のG-SHOCKファンはもとより、そうでない人も巻き込んで人気が広まっていった。

この人気の高まりを背景に、カラーバリエーションが続々と投入された。2021年3月にはダウンサイジングしたミッドサイズモデルの「GMA-S2100」を登場させ、女性を取り込むことに成功。2021年8月には、メタルカバードモデル「GM-2100」を登場させ、メタル素材を生かした高級化路線への先鞭をつけていた。

2022年5月には、スマートフォンリンクとタフソーラーを搭載した「GA-B2100」を発売し、機能を求める層のニーズにも対応した。

そして今回、満を持してフルメタルを実現した格好だ。

左が2019年発売の「GA-B2100-1A1JF」、右が2021年発売のメタルカバードモデル「GM-2100-1AJF」

左が2019年発売の「GA-B2100-1A1JF」、右が2021年発売のメタルカバードモデル「GM-2100-1AJF」

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メタル素材は手間をかけて緻密に成形!

今作「GM-B2100」の耐衝撃構造の基本理念は、これまでのフルメタルモデルと同様、ステンレス製のベゼルとケースの間にファインレジン製の緩衝パーツを実装することで、モジュールを衝撃から守る仕組みだ。

ちなみに、ベゼルのみをメタルにした「GM-2100」の場合は、緩衝パーツを用いず、ケースに設けた突起でベゼルとの接地面を減らして外部衝撃を抑制していた。今作「GM-B2100」の場合は、ブレスレットもメタル化し、重量は「GM-2100」と比べ約2.3倍に増えたことから、より強力な耐衝撃構造を採用する必要性が高まった結果だと考えられる。

「GM-2100」に採用されたフルメタル耐衝撃構造

「GM-2100」に採用されたフルメタル耐衝撃構造

また、ケースのラグ部には、3本足構造を採用し、バンド接合部に加わる衝撃も分散させている。

ラグは3本足構造で、バンド結合部の耐衝撃性が高められている

ラグは3本足構造で、バンド結合部の耐衝撃性が高められている

肝心のメタル素材にもこだわっている。

鋳型に流し込む「鋳造」ではなく、ひとつの塊から変形させていく「鍛造」を選択することで、高い強度とタフで力強い質感を表現。手間のかかる切削や研磨加工も経て、作り上げた。嵌合(かんごう)精度を左右する裏面の複雑形状まで、緻密に成形しているという。

ベゼルは、鍛造、切削、研磨加工によって作られている

ベゼルは、鍛造、切削、研磨加工によって作られている

「2100」のアイデンティティーと言える薄さも健在だ。

スタンダードな「GA-2100」やメタルカバードの「GM-2100」の薄さは、11.8mm、今作と同じくタフソーラーやBluetooth機能を備えた「GA-B2100」は11.9mmだったが、今回の「GM-B2100」は12.8mm。1mmほど増えたものの、これは裏ブタにDLC処理を施したスクリューバックケースを採用したためで、スリムな印象に遜色はない。

フルメタル化でもスリムなフォルムを維持

フルメタル化でもスリムなフォルムを維持

いくつものアレンジによって完成度が高まった!

「2100」らしいラグスポな雰囲気がさらに高まった

「2100」らしいラグスポな雰囲気がさらに高まった

ここからは、細部の仕上げやデザインを見ていこう。

ベゼルの仕様は、メタルカバードの「GM-2100」と同様だ。ゆるやかなカーブを描くラグ部分から、四隅に設けられた溝部分まで、キラキラと光を反射するミラー仕上げを採用。そのうえで、時計の顔となるベゼル天面は円周のヘアライン、ボタンが並ぶ側面は横目のヘアラインという風に仕上げを切り替えることで、メタルの多彩な質感を表現し、高級感を醸成している。

樹脂モデルにおいても、斬新な印象をもたらした八角形ベゼルだが、こうしてメタルに置き換わったことでラグスポな魅力はさらに際立った。

ミラー加工が施され、光を反射するラグ部分

ミラー加工が施され、光を反射するラグ部分

ケース側面は、ヘアラインで変化をつけた

ケース側面は、ヘアラインで変化をつけた

目立つベゼル天面には、円周ヘアラインを採用

目立つベゼル天面には、円周ヘアラインを採用

バンドは、「2100」誕生のきっかけとなった「DW-5000C」のデザインを踏襲し、素材はメタルへと置き換えた。なかでも、ディンプル形状までメタルで再現し、ヘアラインとミラーの仕上げ分けによって質感を高めている点に注目したい。

「DW-5000C」の樹脂バンドでも採用されていたディンプルまで、メタルで再現

「DW-5000C」の樹脂バンドでも採用されていたディンプルまで、メタルで再現

ワンプッシュ三つ折れ式中留を採用

ワンプッシュ三つ折れ式中留を採用

メタルの外装は、見た目のインパクトは強いが、実は多くの点で細かな調整が入ったのは文字盤のほうだ。

「2100」は、G-SHOCK史上最薄のデジアナコンビモデルであるいっぽう、G-SHOCKらしいタフネスを強調するべく、文字盤上のパーツに一定の傾斜や奥行きを設け、平坦な印象を与えないように工夫が凝らされている。その点は、今作「GM-B2100」でも踏襲されているが、いくつかの変更点が加えられている。

たとえば、これまではL字状に曲がっていたバーインデックスは、まっすぐストレートな形状に変更された。また、凹凸でミニッツトラックを示していた外周部のフランジも、凹凸の代わりにプリントを採用した。「2100」らしい印象はそのままだが、バーインデックスの表面には細かな溝が引かれ、さらに蒸着も施してメタリックな見た目も表現され、従来よりパーツとしての存在感が高まっている。ケースやバンドがメタル化してインパクトが強まったことから、それに負けないようにバランス調整されたものと思われる。

直線的になった「GM-B2100」のバーインデックス。表面に細かな溝も引かれている

直線的になった「GM-B2100」のバーインデックス。表面に細かな溝も引かれている

左は「GA-B2100-1A1JF」で、右は「GM-2100-1AJF」の文字盤

左は「GA-B2100-1A1JF」で、右は「GM-2100-1AJF」の文字盤

文字盤には、放射状の微細な挽き目と蒸着を施している。「GA-B2100」のマット仕上げとも、「GM-2100」の縦目ヘアラインのメタリック蒸着とも異なる表現で、控えめながら確かな高級感を漂わせている。

また、12時位置に付けられたG-SHOCKロゴを、凸状&メタリックに仕上げたのは「2100」が初めてのモデルだ。

微細な挽目と蒸着を施した文字盤

微細な挽目と蒸着を施した文字盤

タフソーラー&Bluetoothで使い勝手も良好!

次に機能面を見ていこう。

3時位置に明示されているように、今作にはタフソーラーとBluetoothが搭載されている。

タフソーラー&Bluetooth搭載モデルであることを3時位置に刻印

タフソーラー&Bluetooth搭載モデルであることを3時位置に刻印

9時位置のモード針には、Bluetoothマークを表示。左下のボタンを3秒以上押し続けると、液晶画面に「CNCT(=Connect)」の表示が点滅し、モード針がBluetoothマークを指したら、スマホと接続できた状態だということを示している。

モード針にもBluetoothのマーク

モード針にもBluetoothのマーク

ボタン長押しで、簡単にスマホとペアリング

ボタン長押しで、簡単にスマホとペアリング

ペアリングしたスマホが近くにあれば、1日に4回自動的に時刻を合わせるため、時刻ズレの心配はなし。また、専用アプリ「CASIO WATCHES」から、ワールドタイマーやアラームなどの機能を設定できるのも便利だ。

スマホアプリ「CASIO WATCHES」の操作画面

スマホアプリ「CASIO WATCHES」の操作画面

右下に設けられた液晶画面は、時刻モードの場合、「秒/月・日」「秒/曜日」「秒/時・分」を表示できる(スマホとペアリング済みの場合は「リマインダー」を表示)。また、各種モードに応じて表示内容が変わり、アナログ針では表現しにくい情報をわかりやすく表示してくれる。

時計モード時、ボタンを押すごとに表示内容が切り替えられる

時計モード時、ボタンを押すごとに表示内容が切り替えられる

幅広いニーズに応える全3色のラインナップ

フルメタルの「GM-B2100」は、ここまで紹介してきたシルバーカラーの「GM-B2100D-1AJF」のほか、ブラックカラーの「GM-B2100BD-1AJF」と、ローズゴールドカラーの「GM-B2100GD-5AJF」もラインアップしている。

ローズゴールド、シルバー、ブラックの全3色で展開

ローズゴールド、シルバー、ブラックの全3色で展開

文字盤も液晶も含めてオールブラックで表現された「GM-B2100BD-1AJF」は、G-SHOCKらしい無骨さをふんだんに感じさせるモデルだ。

「GM-B2100BD-1AJF」の公式サイト価格は、80,300円(税込)

「GM-B2100BD-1AJF」の公式サイト価格は、80,300円(税込)

文字盤には一部にグレーも用いて、時計としての視認性を向上させている。また、同色にまとめたことで、細部の仕上げによる質感の違いが際立ち、メタルらしい重厚感も高まっているのが特徴だ。

メタルらしい力強さを感じさせるデザイン

メタルらしい力強さを感じさせるデザイン

いっぽう、ローズゴールドカラーの「GM-B2100GD-5AJF」は、メタル素材が持つ高級感を引き出したモデルだ。

「GM-B2100GD-5AJF」の公式サイト価格は、80,300円(税込)

「GM-B2100GD-5AJF」の公式サイト価格は、80,300円(税込)

今作のローズゴールドカラーは、やや赤みがかっており、渋めの色合い。これみよがしな、いやらしさがなく、洗練されたゴージャス感が伝わってくる。

渋めのローズゴールドで高級感たっぷり

渋めのローズゴールドで高級感たっぷり

【まとめ】期待以上の「フルメタル2100」だった!

オリジンモデル「5000」もそうであったように、樹脂モデルで人気に火がついたあと、幾多の派生や機能的な進化を経てフルメタル化に至るのは、昨今のG-SHOCKの王道的展開だ。類を見ないほどのヒットを飛ばした「2100」シリーズのフルメタル化は、ある意味で約束されていた結果と言える。しかし、ここまで解説してきたように、ただ「メタル素材に置き換えただけ」ではないことは明らかだ。文字盤の細かなアレンジやバンドの再現など、開発陣が今作に懸ける熱い思いは十分に伝わってくるもので、万人が文字面からボンヤリ想像するものよりも、はるかに完成度の高い「フルメタル2100」に仕上がったと言えるのではないだろうか。

「GM-B2100」
【SPEC】
●ガラス:無機ガラス
●防水性:20気圧防水
●ケース・ベゼル材質:ステンレススチール
●バンド材質:メタルバンド(ステンレスムクバンド)
●ケースサイズ:44.4(横)×49.8(縦)×12.8(厚さ)mm
●重量:165g

横山博之

横山博之

カバン、靴、時計、革小物など、男のライフスタイルを彩るに欠かせないモノに詳しいライター。時代を塗り替えるイノベーティブなテクノロジーやカルチャーにも目を向ける。

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