アディダスを代表する名作シューズのひとつ「カントリー」は元々、オフロードを走るスポーツ「クロスカントリー」向けシューズとして登場したモデルです。2層構造のミッドソールを採用した画期的な作りで、1973年の発売当初から注目されていました。
そして1980年代には、映画「ビバリーヒルズ・コップ」の主演俳優、エディ・マーフィが本モデルを着用したことで知名度が飛躍的に上がり、世界中で人気が爆発! その後もアディダスのアイコニックなモデルとして、半世紀にわたって親しまれてきました。
そんな「カントリー」が実は、再び注目を浴びているのです! ここ数シーズン、「サンバ」や「ジャーマントレーナー」「ガゼル」といった名作スニーカーの復刻版がブレイクしたことで、「アディダスのオールドモデル」そのものへの注目度が爆上がり。その熱視線が今、「カントリー」にも飛び火中ってわけです。
アディダス「オリジナルス カントリー OG」。「ミタ スニーカーズ」での販売価格は、17,600円 (税込)
2023年6月に「adidas Originals(アディダス オリジナルス)」から発売された「カントリー OG」は、当時の「カントリー」を再現した注目の一足。洗練されたフォルムと高級感のあるレザーアッパー、そしてギザギザ仕様のスリーストライプスが印象的な名作の姿が、見事によみがえりました。
アディダスを象徴するデザインと言えるスリーストライプス。1940年代後半に登場して以来、多くの人の心をつかみ続けています
トゥ周りとヒールにある、スエードの切り替えも再現。落ち着いたテイストを加えるとともに、耐久性を高める役割も果たしています
「カントリー」発売当初に話題となった、2重構造のミッドソールも再現されています。このミッドソールは、硬さの異なる2種類のEVA素材を重ねることで、高いクッション性を実現。加えて、アウトソールには、グリップ力にすぐれたラバー素材を採用しています。
ホワイトとグリーンからなる鮮やかなミッドソールに、レトロな色合いのラバーアウトソールがマッチしています
そして特に注目したいのが、このヒール部分! トレフォイルロゴがない、初期のディテールが採用されているのです。
ラバーアウトソールがヒールを包むように覆っており、すぐれたグリップ力を発揮。ドライビングシューズとしても活躍します
ここで「え、トレフォイルロゴが付いた『カントリー』も見たことあるよ?」と疑問に思った人もいるかもしれません。
実は、ヒール部分にトレフォイルロゴが付いているのは、1980年代以降に発売されたモデルのみなのです。こういった点を押さえて本モデルを眺めてみると、「カントリー」の歴史とその始まりを感じられて味わい深いです。
1970〜80年代のファッションシーンに旋風を巻き起こし、半世紀にわたって愛されてきた「カントリー」。スポーツミックススタイルが再び流行している現代においても、「カントリー OG」が新たな息吹をもたらしてくれることでしょう。
今後さらにブレイクしていくことは必至と思われるので、早めにゲットしておくのがベストかと!
長い時間を経てもなお、色あせない洗練されたデザイン。ストリートやアメカジなど、幅広いスタイルにフィットします
●取材協力/「ミタ スニーカーズ」
ファッションを中心にさまざまな雑誌やWeb媒体で執筆を行っているエディター/ライター。なかでもスニーカーに特化し、年間400本近くのスニーカーレビュー記事を制作している。