いいモノ調査隊
比べてみると味が三者三様でかなり違うんです!

カップヌードルVSカップスターVSクッタ! ラーメン店員が食べ比べ

日本が世界に誇る発明品といえるカップ麺。その元祖である世界遺産的な商品が、1971年に誕生した「カップヌードル」です。半世紀近くたった今でも根強い人気を持つ王者であり、同時に攻めたプロモーションでも有名。最近では「謎肉」や「アオハルかよ。」などが話題になっていますよね。ここまで愛される理由には、やはりあの普遍的なおいしさが一番にあるのでしょう。でも、ライバルとの差はそこまで大きいものなのでしょうか?

そこで今回は、「カップヌードル」(中央)と同じタテ型カップラーメンという土俵で、三つ巴の戦いを繰り広げている「カップスター」(左)と「QTTA(クッタ)」(右)のしょうゆ味を集結! 徹底的に比較してみることにしました。

・カップヌードル
日清食品から1971年に発売された元祖タテ型カップラーメン。「カレー」、「シーフードヌードル」を筆頭に味はたくさんあり、サイズや仕様が違うものまで幅広いラインアップを誇ります。2016年3月には、ブランドの世界における累計販売食数が400億食を突破しました。

・カップスター しょうゆ
サンヨー食品から「サッポロ一番」ブランドとして1975年に発売。ほかに「みそ」、「しお」、「カレー南ばん」、「とんこつ」などの味があり、どれも時代などに合わせて味を中心にリニューアルし続けてきました。

・MARUCHAN QTTA SHO-YU ラーメン
東洋水産から2017年に発売。これまで同社には「ホットヌードル」、「ホットヌードル NEO」というタテ型ブランドがありました(NEOは今も発売されています)が、また違った方向性として“若い世代がターゲット”になっています。初期の「SEAFOOD」、「TONKOTSU」に加え、ほかにも2018年1月に「バーベキューチキン味」と「サワークリームオニオン味」が加わっています。

そして内容を徹底解析するとともに、プロに味の審査を依頼しました。そのプロとは、実際に日夜ラーメンを作り続けている職人。業界的にも有名な人気店「肉煮干し中華そば さいころ 中野本店」で働く、芝田 奈央さんです。

芝田さん。ラーメン作りに勤(いそ)しむかたわら、休日には食べ歩きも行うラーメンラヴァーです

芝田さん。ラーメン作りに勤(いそ)しむかたわら、休日には食べ歩きも行うラーメンラヴァーです

海老は「カップヌードル」、卵は「カップスター」、肉は「クッタ」が多め

まずは各商品を解剖し、中身をじっくりチェック。開封して麺と具を分け、皿に出して比較してみました。

量はどれもほとんど同じ。「カップヌードル」がやや多くて77g(麺65g)かつ353kcal、「カップスター」は72g(麺60g)で307kcal、「クッタ」は73g(麺60g)で322kcal

麺に関しては「カップスター」がやや赤みがかっている印象。また「クッタ」は麺の上にスープの素と思わしきパウダーがたくさんかかっています。加えて「クッタ」はパッケージの内部がプラスチック系のポリプロピレン製なので、静電気のせいかパウダーが付着しています(「カップヌードル」と「カップスター」の容器は紙製)。それぞれに寄って、より詳しく見ていきましょう。

「カップヌードル」は海老(えび)が大きく、色も鮮やか。また、肉はコロ・チャーとダイスミンチ(=謎肉)の2種類が入っています

それほど大差ないものの、「カップスター」は海老が最も小さい一方で、卵が多い印象。またラベルには「肉具材40%増量 2016年販売品比」と書いてありますが、飛び抜けて多い感じはありません。以前はもっと少なかったのでしょう

「クッタ」の具は、肉がほかの2つと比べて最も多い気がします。また、やはり麺とパウダーの関係性が特徴的。ほかが麺全体になじませているように見える一方で、「クッタ」は上からふりかけているような感じです

3種のラベルの違いもチェック。

3商品のラベルを比較。個人的には古さを感じさせない「カップヌードル」のデザインも秀逸だと思います

3商品のラベルを比較。個人的には古さを感じさせない「カップヌードル」のデザインも秀逸だと思います

デザインは「クッタ」が一番今っぽい感じですね。これは2017年にデビューと、最も新しいからだといえるでしょう。また「クッタ」はそもそもマルちゃんブランドが「若い世代をターゲットに」という思いで新開発した商品。それもあって、デザインにも若さを表現しているのかもしれません。

次はいよいよ熱湯をイン。水分を含むことで、具や麺がどんな感じに変化するのかを検証してみました。

指示されている線までお湯を入れて待ちます。むくむくと膨張し、それぞれが得意(?)とする具の感じもよりわかりやすいですね

調理時間はどの商品も3分。ただ、実はお湯の目安量はバラバラです。「カップヌードル」は300ml、「カップスター」は330ml、「クッタ」は290mlがメーカー側の推奨。前記した内容量を加味すると、スープの量は「カップスター」が最も多く、「カップヌードル」と「クッタ」は同じぐらいの比率になる感じですね。次にスープだけを比べてみました。

個人的にはもっと茶色いイメージでしたが、オレンジ系といったほうが近いでしょうか。「カップヌードル」が最も濃い色をしているのがわかります

どれも若干白濁気味。そして色だけで見ると、最も濃いのは「カップヌードル」で薄いのは「クッタ」です。この微妙な違いは、食べ比べることでどういった違いになってくるのでしょうか。ということで、実食チェックに移りたいと思います。

いよいよ実食チェック!

評価項目は、スープの好み、麺の好み、ジャンク感、具などを含めた全体バランスの4つです(各5点満点)。なお、芝田さんにラーメンのおいしさは何で決まるかをたずねると、「ひと言でいうならスープと麺のバランス」とのこと。スープだけをとっても、タレとダシの濃度や配合、それによってテクスチャーやあふれ出る香りも変わってくるとともに、素材から出る脂のうまみと調味用に加える油の量でも味わいは多種多彩に。やはりかなり奥深い世界のようです。

(1)カップヌードル

まずはカップヌードルから。湯伸びしにくく、しなやかでコシとツルみのある麺と、ペッパーを利かせたコクのあるしょうゆスープが相性抜群とのことですが、改めて食べてみるとどうでしょうか。

スープの好み:4.5麺の好み:5.0ジャンク感:3.5全体バランス:5.0

「こうやって改めてガチに食べてみると、とにかくバランスがイイ! 麺にもスープにも存在感があって、説得力のあるおいしさです。スープのダシは、魚介は海老(えび)の風味があるぐらいですかね。でも、動物系のダシが強いかというとそうでもなくて、野菜のうまみやスパイスなども加えつつギリギリジャンクになりすぎないところを狙っているのかなーと。タレに関してはしょうゆのキレを生かしている印象で、シャープなテイスト。麺は伸びにくいようですが、ほかの2つに比べると一番水分を吸いやすいような気がします。でもモチっとした食感で好みですね。揚げて味付けもされているので、うまみがプラスされるという特徴もあります。ほかに気付いた点として、おもしろいのはメンマパウダー。これが入っているからか、王道の中華そばっぽさも感じます」(芝田さん)

スープの好み:4.5点
麺の好み:5.0点
ジャンク感:3.5点
全体バランス:5.0点

(2)カップスター しょうゆ

スープはビーフエキスとチキンエキスをベースに、ホタテ、海老、カツオの魚介エキス、香味野菜のうまみを合わせ、濃口しょうゆでほのかな香ばしさを演出。麺はツルツルとノド越しのいい細麺で、丸大豆しょうゆをベースとした味付けを施すことでスープとの一体感を高めています。

スープの好み:3.5麺の好み:3.5ジャンク感:2.5全体バランス:3.5

「『カップヌードル』に近い味を目指しているのかと思いきや、どちらかといえば(カップヌードルと)同じ日清食品の『チキンラーメン』のほうが味的には近いです。なので、鶏に由来するうまみは『カップスター』が最も豊か。そのうえでオリジナリティーもあって、カップ麺らしい複雑味やスパイシーさを感じます。しょうゆの風味は、キレのある『カップヌードル』よりはまろやかな印象。メーカーがうたっているほどの魚介っぽさは、やっぱり感じないですね。麺は、大差ないんですが3つの中では最も細いですね。あと3つとも、平打ち系の角(丸ではない)麺になっているのも特徴。総合的に僕は『カップヌードル』のほうが好きな味ですが、『カップスター』のほうが好きという人がいても全然おかしくないと思います。王者とともにタテ型カップ麺の歴史を刻んできた、不朽の名作であることを今日改めて感じました」(芝田さん)

スープの好み:3.5点
麺の好み:3.5点
ジャンク感:2.5点
全体バランス:3.5点

(3)MARUCHAN QTTA SHO-YU ラーメン

しっかりとした食べ応えにするため、スープは香辛料を効かせた濃厚で味わい深いテイストに。そして麺はラードを使用した油で揚げ、香ばしい風味を付けつつ滑らかでモチモチした食感に仕上げられています。


「スープのテイストは『カップヌードル』寄りに思えますが、この『クッタ』で特徴的なのはスパイシー感。辛さや香ばしい方向性ではなく、極端にいえばカレー系のエキゾチックなスパイスフレーバーです。こうしてひと口ずつ食べ比べてみると、独特な香味がスゴくよくわかりますね。またスープにとろみがあるので、ツルっとした麺との相性がいいと思います。家系とかほかの豚骨しょうゆのカップ麺ほどではありませんが、この3つの中では一番濃厚かもしれません。でも、僕は前の2つのほうが好きな味わいですね。ただ若い人向けというのはよくわかりますし、あえてターゲットを絞ったのはいい狙いだと思います」(芝田さん)

スープの好み:3.0点
麺の好み:2.5点
ジャンク感:4.0点
全体バランス:3.0点

まとめ:「カップヌードル」は絶妙なバランス、「カップスター」は鶏が強め、「クッタ」は濃厚でスパイシー

最後に、芝田さんの評価をまとめてみましょう。

総評としてまとめると…

総評としてまとめると…。

・「カップヌードル」
海老が大きくて肉が2種類。スープ、麺、香辛料などが絶妙なバランスで、シャープなしょうゆ感がありながら中華そば的なニュアンスもほんのり

・「カップスター」
卵が多めで麺は細め。鶏のうまみが豊かで、しょうゆスープが比較的まろやかな方向性に仕上がっている

・「クッタ」
肉が多めでスープも濃厚。エキゾチックなスパイシー感があるうえ、とろみを感じるテクスチャーに。そのため、ツルっとした麺がよく絡む

筆者も、実際に食べ比べてみて、三者三様であることを実感。好みによって選ぶべきだと思いました。濃厚なラーメンが好きな人は「クッタ」、鶏そばや細麺が好きな人は「カップスター」、それ以外の人は「カップヌードル」でもいいかもしれませんが、かなりおもしろい結果が得られると思うので、今回の食べ比べはぜひ実践してみることをおすすめします。

なお、芝田さんが一番好きなカップラーメンは「わかめラーメン」。ラーメン店でいえば、「さいころ」卒業生の先輩がオープンさせた吉祥寺の「Tombo」とのこと。どちらの味わいにも、食べ飽きない普遍性と、ほかにはない革新性があるから好きなのだそうです。

■芝田さんが一番好きなカップラーメン

わかめラーメン ごま・しょうゆ

■芝田さんが一番好きなラーメン店

Tombo(とんぼ)
住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町4-16-12 リトハイム 101
電話番号:0422-77-7590
営業時間:11:30〜14:30 17:30〜21:00 日曜営業
定休日:水曜日
アクセス:京王井の頭線「三鷹台」駅徒歩12分

もちろん「さいころ」のラーメンも抜群のおいしさ! 人気店でありながら、定休日はなく通し営業で昼から深夜まで営業しているのもうれしい魅力です。

今なら冬季限定で火〜金に「味噌ニボ」を提供中。850円+半熟味付け玉子100円

写真は冬季限定の「味噌ニボ」。850円+半熟味付け玉子100円

今回はフライ麺を使ったタテ型商品での比較でしたが、カップラーメンにはよりお店の味に近い生麺タイプもあります。機会があれば、そのカテゴリーでも食べ比べしてみたいですね。そのときは、またぜひ一読を!

【取材協力店舗】
肉煮干し中華そば さいころ 中野本店
住所:東京都中野区中野2-28-8 1F・2F
電話番号:03-6304-8902
営業時間:月〜土11:00〜翌2:00(L.O.1:30)、日祝11:00〜23:00
定休日:なし
アクセス:JRほか「中野駅」南口徒歩4分

中山秀明

中山秀明

食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とウェブメディアを中心に編集と撮影を伴う取材執筆を行うほか、TVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。

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