特集
サントリー「クラフトボス」からキリン「麦のカフェ」まで試飲レビュー

「ペットボトルコーヒー」戦国時代へ! 人気ブランドを専門家が味比較

サントリー食品インターナショナルの缶コーヒーブランド「BOSS」から、500mlのペットボトルコーヒー「クラフトボス」が発売されたのは、2017年4月のこと。今から約1年前になる。

「クラフトボス ブラック」(左)は2017年4月4日、第2弾「クラフトボス ラテ」(右)は2017年6月13日に発売された

そもそも缶コーヒーは、“短い休憩時間、リフレッシュするために1缶を飲み干す”というイメージが強かったが、「クラフトボス」はその固定観念を見事に打ち壊した。すっきりと飲み続けやすい味わいと、持ち運びのしやすさから、ユーザーはコーヒーをチビチビと時間をかけて飲むようになったのだ。

もともと「クラフトボス」は、メインターゲットをITワーカーとしていた。もちろんそのようなデスクワークの長いビジネスパーソンからも好評を得ているが、その味と携帯性、そしてスタイリッシュなパッケージデザインのおかげで、意外なことに缶コーヒーになじみのなかった女性や大学生からも好評を得たのだ。

その結果、「クラフトボス」シリーズは、発売から1年で累計販売数量3億6000万本以上を突破する大ヒットを記録。缶コーヒーが売れる秋冬だけではなく、夏季でもよく売れたこともその一因としてあげられるという。

そして2018年春。コカ・コーラシステムやアサヒ飲料、キリンビバレッジといったほかの飲料大手メーカーも、500mlペットボトルコーヒーの新製品を続々と発表。店の売り場もどんどん拡大しており、世は“ペットボトルコーヒー戦国時代”に突入した。

そんな今夏の“夏の陣”を前に、主要なペットボトルコーヒーをまとめてみた。それぞれが持つコンセプトや味わい、機能性の違いを紹介しつつ、フードアナリストの中山秀明さんによる試飲レビューもお届けする。

サントリー食品インターナショナル
「クラフトボス」

BOSSの職人技を取り入れた工程の数は200以上!

現在のペットボトルコーヒーブームを牽引する「クラフトボス」は、豆の選定、焙煎、抽出の工程にこだわって仕上げた5種のコーヒーをブレンド。豆は開発者みずから産地におもむき、ブラジルの最高等級をはじめとするコーヒー豆を選定したという。また、製法には、コーヒーの豊かなコクを引き出し、雑味の少ないコーヒーを作る「多段階抽出エスプレッソ」や、香りを豊かにする「エスプレッソ抽出」など、25年間で培われたBOSSブランドの職人技があますことなく注ぎ込まれている。その工程数は、実に200以上にのぼるという。

[ラインアップ]

「クラフトボス ブラック」

コクがあるのに苦すぎない「クラフトボス ブラック」。カロリーゼロで、メーカー希望小売価格は172円(税込/以下同)

フードアナリストがテイスティング!
「コーヒーの苦みは強すぎず、でも香ばしさは十分あって薄すぎない。500mlの大容量でも飽きずに飲めるという、味と量のバランスのよさもウリです。飲めばわかるこの完成度の高さは、さすがパイオニアといったところ」(中山)

「クラフトボス ラテ」

手間を惜しまずに仕上げたコーヒーに、厳選した国産牛乳と北海道産の生クリームをブレンド。甘すぎず、すっきり飲みやすい。100ml当たり30kcalで、メーカー希望小売価格は183円

フードアナリストがテイスティング!
「缶タイプの『微糖ラテ』と比べるとライトなタッチで、缶ではガツンとくるコーヒー感も控えめ。でも薄さを感じることはなく、しっかりカフェラテとして楽しめます。甘さもおとなしくてスッと切れるアフターテイスト。カロリー表記は100mlあたり30kcalで、同29kcalの『ジョージア ジャパン クラフトマン カフェラテ』(後述)と比べると、確かにほぼ同じ甘さでした」(中山)

新ラインアップ「ブラウン」も誕生!

なお、2018年6月19日には、「クラフトボス」シリーズの新ラインアップ「クラフトボス ブラウン」が発売予定。ブラックコーヒーにミルクポーションとガムシロップを1個ずつ加えた甘さを想定し、コーヒーの豊かな香りとともに、満足感があるのにすっきりと飲めるという。

「クラフトボス ブラウン」のメーカー希望小売価格は183円

「クラフトボス ブラウン」のメーカー希望小売価格は183円

コカ・コーラシステム
「ジョージア ジャパン クラフトマン」

水出し抽出コーヒーを絶妙ブレンド!

「ジョージア」ブランドは、1975年の登場から40年以上にわたり、缶コーヒーの知見と技術を積み重ねてきた。その独自のドリップ抽出コーヒーと、日本人の味覚に合わせて進化してきた水出し抽出コーヒーを絶妙なバランスでブレンドしたのが、「ジョージア ジャパン クラフトマン」だ。

[ラインアップ]

「ジョージア ジャパン クラフトマン ブラック」

苦味をほどよく抑え、すっきりとした後味が特徴。香りと風味豊かなコーヒーが楽しめる。カロリーゼロで、メーカー希望小売価格は150円

フードアナリストがテイスティング!
「一貫してすっきりとした印象。水出しだからか、雑味がなくてやさしい飲み口です。とはいえ、シャープなロースト香とコーヒーらしい酸味があり、しっかりと最後まで飽きずに飲めました」(中山)

「ジョージア ジャパン クラフトマン カフェラテ」

雑味のないコーヒーになめらかな口当たりの国産牛乳をミックス。すっきりと飲みやすく、ほのかな甘味が味わえる。100ml当たり29kcalで、メーカー希望小売価格は160円

フードアナリストがテイスティング!
「コーヒー感も甘みも、口の中にまとわりつく感じがなくてスムーズな飲み口。『クラフトボス ラテ』と似た方向性の味わいですが、風味の余韻はこちらのほうがやや長く感じます」(中山)

伊藤園
「TULLY’S COFFEE」

「タリーズコーヒー」のバリスタが監修!

伊藤園の「TULLY’S COFFEE」は、コーヒー豆、焙煎、抽出にこだわり、最高の1杯を追求するコーヒーチェーン「タリーズコーヒー」のバリスタが監修するブランド。「タリーズ」のコーヒーのクオリティに近いコーヒー飲料というのがコンセプトだ。

[ラインアップ]

TULLY’S COFFEE Smooth black MEDIUM
(タリーズコーヒー スムース ブラック ミディアム)

ミディアムローストで焙煎することで、苦味を抑えてスッキリとした飲み口と香りが楽しめるブラックコーヒー。香料は不使用。カロリーゼロで、メーカー希望小売価格は151円

フードアナリストがテイスティング!
「ロースト香の中に、ほんのりとした豆の甘みとフローラルな酸味がありますが、味わいの酸味としては抑えめで、余韻にはまろやかさもあります。電子レンジで加温できる設計になっている点は手軽でうれしいですね」(中山)

TULLY’S COFFEE Smooth taste LATTE
(タリーズコーヒー スムース テイスト ラテ)

ミルクの甘さだけでコーヒーの味わいを引き立て、スッキリとした飲み口に仕上げた無糖カフェラテ。香料は不使用。100ml当たり10kcalで、メーカー希望小売価格は172円

フードアナリストがテイスティング!
「ラテとありますが、エスプレッソをベースにしたようなパンチのあるビター感はなく、ゴクゴク飲めました。砂糖が入っていないぶん、『BOSS』や『ジョージア』よりコーヒー感をダイレクトに楽しめます。それに、スイーツやペストリーとの相性もよさそう」(中山)

アサヒ飲料
「ワンダ TEA COFFEE」

20代の若者たちがターゲットの異色コーヒー!

「ワンダ TEA COFFEE」は、20代の若年層の嗜好や飲用シーンに着目して開発されたコーヒー飲料。コーヒー由来の苦みを抑え、茶葉の香りとスッキリとした後味が楽しめる。

ワンダ TEA COFFEE カフェラテ×焙じ茶

ブラジルを中心に厳選したコーヒー豆を、高温・短時間で焙煎することで苦味や雑味を抑制。カフェラテに国産焙じ茶を組み合わせ、スッキリとした後味が実現した。100ml当たり31kcalで、メーカー希望小売価格は172円

フードアナリストがテイスティング!
「コーヒー寄りか、ティー寄りか、と問われればコーヒー。茶葉に由来するからか、コーヒーのロースト香が抑えられたやさしい味です。また、おそらく茶葉のフレーバーによって、独特な余韻があり、全体的に軽くてさわやか。「コーヒー×茶」から想像するほどの違和感はなく、“十分あり”なおいしさです。ほかと比べて525mlと、容量がやや多めなのもポイントでしょう」(中山)

ちなみに、2018年6月12日には、第2弾「ワンダ TEA COFFEE ブラック×煎茶」が発売予定。ブラジル産の厳選コーヒー豆を低温でじっくりと抽出した雑味のないブラックコーヒーに、国産煎茶をミックス。クリアなコーヒーの味わいと香り高い茶葉の香りが楽しめるという。

メーカー希望小売価格は162円

メーカー希望小売価格は162円

キリンビバレッジ
「キリン 世界のKitchenから 麦のカフェCEBADA(セバダ)」

コーヒー焙煎機で大麦を煎ったデカフェコーヒー

世界の家庭で出会った知恵や工夫から新しいおいしさを生み出す「世界のKitchenから」ブランドから、大麦を使った“コーヒー”が登場。製法のベースとなっているのは、スペイン・レバンテ地方の「アグア・デ・セバダ」。これは、大麦の麦芽を深く焙煎して粉砕し、柑橘のピールと一緒に鍋で煮出して作り、“麦のコーヒー”として愛されている飲み物だ。「麦のカフェCEBADA(セバダ)」も同じように、原料にコーヒー豆を使わず、日本人にとって昔からなじみ深い大麦麦芽をコーヒーの焙煎機で極限まで深煎りし、コクと香りを引き出している。

カフェインゼロ、カロリーゼロのデカフェコーヒー。隠し味として柑橘素材をプラスし、奥行きのある味わいに仕上げている。2018年7月24日発売。容量は600mlで、メーカー希望小売価格は151円

フードアナリストがテイスティング!
「いままで飲んだことのない不思議で面白い味わいが楽しめます。麦茶かコーヒーか、と言われればコーヒーのほうが近しいのではと思えるビター感と深みがあります。でも、コーヒーのような強めの苦さではありません。いっぽうで強めの香ばしさがあり、余韻には甘みも。コーヒーに比べるとやさしくて、すっきりとした飲み口です。まずはブラックのみの発売ですが、ラテみたいな横展開があると面白いのでは。まずはこれが発売されたら自分でミルクを混ぜて飲んでみたいですね」(中山)

ダイドードリンコ
「ダイドーブレンド スマートブレンドブラック 世界一のバリスタ監修」

糖や脂肪の吸収を抑える食物繊維入り!

「ワールドバリスタチャンピオンシップ」第14代チャンピオンのピート・リカータ氏監修のコーヒーブランドから、機能性表示食品のペットボトルコーヒーが登場。糖や脂肪の吸収を抑える「難消化性デキストリン(食物繊維として)」を1本あたり5g配合している。

高級豆を78%使用。さらにアロマエキスと、2種のエスプレッソを加え、上品な香りとスッキリとした味わいが楽しめる。容量は430mlで、1本当たり約17kcal。メーカー希望小売価格は、151円

フードアナリストがテイスティング!
「今回紹介したブラックの中で、最もビター。そのぶん、豆の甘みや酸味は控えめで、男らしいガツンとしたコーヒーと言えるでしょう。食事の糖や脂肪の吸収を抑える機能性表示食品ということですが、その成分に由来する味の違和感はなかったです。430mlと容量はやや少なめですが、151円と価格もお手頃ですし、高級豆を78%使っているという点でも他社製品よりお得と言えるでしょう」(中山)

各製品の栄養成分比較表

ブラックタイプでは、一番コスパがいいのは、600mlの「キリン 世界のKitchenから 麦のカフェCEBADA」

ブラックタイプでは、一番コスパがいいのは、600mlの「キリン 世界のKitchenから 麦のカフェCEBADA」

カフェラテタイプ一番コスパがいいのは、「ジョージア ジャパン クラフトマン カフェラテ」

カフェラテタイプ一番コスパがいいのは、「ジョージア ジャパン クラフトマン カフェラテ」

※内訳は糖質1.7g、食物繊維6.5g

牧野裕幸(編集部)

牧野裕幸(編集部)

月刊アイテム情報誌の編集者を経て価格.comマガジンへ。家電のほか、ホビーやフード、文房具、スポーツアパレル、ゲーム(アナログも含む)へのアンテナは常に張り巡らしています。映画が好きで、どのジャンルもまんべんなく鑑賞するタイプです。

関連記事
「価格.comマガジン」プレゼントマンデー
ページトップへ戻る