松田さんのコラボカップ麺チェック

「ライス持ってこい、絶対にだ!」白米不可欠な富山ブラック、カップ麺と店舗をガチ食べ比べ


有名ラーメン店監修のコラボカップ麺と、お店の味を食べ比べる本連載。今回は、富山県発祥のご当地ラーメン「富山ブラック」の名店として人気の「麺家いろは」に注目。筆者が以前訪れた「麺家いろは 射水本店」(富山県射水市)の味を思い出しつつ、東京で唯一楽しめる「麺家いろは 秋葉原店」で富山ブラックを食べてから、カップ麺の味とガチ比較します。

富山ブラックラーメンが“しょっぱい”理由

駒沢オリンピック公園で2009年から開催されている、日本最大級のラーメンイベント「東京ラーメンショー」。筆者がそこで初めて食べたのが、麺家いろはの「富山ブラックラーメン」(以下、富山ブラック)です。真っ黒なスープながら、あっさり。キレッキレのある醤油の中で伝わる、魚醤(ぎょしょう)や煮干しダシのうまみ。すべてが高クオリティで、魚介系ラーメン好きの筆者は一気に、麺家いろはの虜(とりこ)になってしまいました。

今から数年前のこと。なんと別件で、富山県に行くチャンスが到来しました。「これは、富山の本店に行くしかないっしょ!」。千載一遇のチャンスと見るや、富山県射水市(いみずし)にある「麺家いろは 射水本店」を目指すことに。「東京ラーメンショーでの感動が忘れられない」という“謎の使命感”とは思いながら、鈍行列車に揺られ、いやぁ遠かった。

麺家いろは 射水本店、最寄り駅の小杉駅(※写真は撮影当時)

射水本店の最寄り駅となる、小杉駅(※写真は撮影当時)

小杉駅から徒歩で数十分。麺家いろは 射水本店に到着(※写真は撮影当時)

小杉駅から徒歩で数十分の場所にある、麺家いろは 射水本店(※写真は撮影当時)

今から数年前。射水本店で、富山ブラック味玉ラーメンを食べましたよ。東京ラーメンショーで食べた感動のままで、しっかりと堪能できました(※写真は撮影当時)

富山県で地元の方と話す機会があったので、その時のことを思い出すと……もともと、富山ブラックは戦後、炭鉱などで肉体労働に従事していた方々に向けて提供されたのが、起源とのこと。スープが黒く、やや塩っ気が強い理由は、「汗をかいた後の塩分補給になるため」といいます。そのため、富山ブラックを食べると、無性に欲しくなるのが、白米。富山ブラックの相棒に、ライスは欠かせません。

今回、麺家いろはが監修したカップ麺「サッポロ一番 麺家いろは 富山ブラック」が発売されたので、まずは、お店の味を確かめようと思ったのですが、さすがに、富山県射水市にもう一度行くのは遠すぎる......ということで、東京で唯一出店している「麺家いろは 秋葉原店」を訪れました。場所はなんと、あのヨドバシAkibaの8階レストランフロアでございます。

麺家いろは 秋葉原店。JR秋葉原駅徒歩1分、ヨドバシカメラマルチメディアAkiba8階。秋葉原駅から121m。営業時間は11:00〜23:00(22:30 LO)。日曜営業。2019年3月29日時点「食べログ」より

券売機はタッチパネル。メニューの色づかい、フォント、配置…これはなかなかクセがすごい

券売機はタッチパネル。メニューの色づかい、フォント、配置…これはなかなかクセがすごい

「富山ブラック味玉ラーメン」(890円)、そして永遠の相棒である「富山コシヒカリライス(中)」(200円)を注文。メニューの写真と異なり、味玉が2つに割られていないのは、残念ながら、ちょっと減点かな……射水本店でも割られていたことですし

真っ黒ながらあっさりしているスープは、射水本店ゆずり。しかし、以前食べたより、あっさりめな印象……?

真っ黒ながらあっさりしているスープは、射水本店ゆずり。しかし、以前食べたより、あっさりめな印象……?

麺は中太のちぢれ麺で、やや硬め。しっかりとした歯ごたえが特徴です

麺は中太のちぢれ麺で、やや硬め。しっかりとした歯ごたえが特徴です

チャーシューは2枚。肉厚がありながら、やわらかいのがうれしい

チャーシューは2枚。肉厚がありながら、やわらかいのがうれしい

「真っ黒なスープ。きっと、塩っ辛いのでは?」。富山ブラック未体験の方は、こう思うはず。しかし意外にも、あっさりしているんです。ここに、きざみネギの辛みがアクセントとなり、食欲増進。アクセル踏みまくりで、ライスを食べるペースがどんどん加速します。

とは言え、射水本店の味を思い出すと……秋葉原店は、あっさりしすぎている?(個人的な感想ですが)。射水本店のほうが、粗挽き黒コショウがバリバリかかっていて、醤油のエッジがもっと効いていたような? もっと塩っ辛かった気もします。東京向けに(アキバという土地柄、観光客向けにも)アレンジしているのかな、と勘ぐってしまいました。

そんな時の救世主は、卓上にあり。粗挽き黒コショウをドバババッとかけると、射水本店で食べた味に近づいた気がしました。なるほどですね。秋葉原店のデフォルトは、粗挽き黒コショウが、ひかえめになっているかもしれません。

射水本店と何か違うな……と思ったら、卓上の粗挽き黒コショウを大量にかけるといいかも

射水本店と何か違うな……と思ったら、卓上の粗挽き黒コショウを大量にかけるといいかも

そして、なんと言っても、ポイントなのがライス。富山県産コシヒカリを使用しており、ひとくち食べただけで、お米本来のふくよかな甘みを楽しめます。すばらしく、お米が美味しいです。塩っ気の強いスープと、ライスを交互に食べていく。ライスなくして、富山ブラックなしですよぉぉぉ。東京に出店した店舗とは言え、お米の銘柄にしっかり、こだわる姿勢はさすがです。

富山ブラックには、白米でしょ! しかも、富山県産コシヒカリを使用しており、かなりウマウマです

富山ブラックには、白米でしょ! しかも、富山県産コシヒカリを使用しており、かなりウマウマです

カップ麺になっても、ご飯が進むクン

麺家いろはの富山ブラックを食べた後は、サッポロ一番が発売した「サッポロ一番 麺家いろは 富山ブラック」(税別240円)を試食して、カップ麺がどこまでお店のラーメンを再現しているのか、徹底的にガチ検証していきます。

「東京ラーメンショー 10年連続最多出場店」の文字がまぶしい、サッポロ一番のカップ麺。内容量は116g(麺は70g)。税別240円です

カップの中には、かやく、後入れ液体スープ、焼きのりが入っています。地味なポイントですが、焼きのりを再現しているのがうれしい

麺は中太のちぢれ麺で、お店の特徴をよく再現しています。しかも、ノンフライ麺です

麺は中太のちぢれ麺で、お店の特徴をよく再現しています。しかも、ノンフライ麺です

粗挽き黒コショウは、後入れではなく、かやくの袋に入っています。この仕様はユニークかも

粗挽き黒コショウは、後入れではなく、かやくの袋に入っています。この仕様はユニークかも

熱湯を入れて5分。液体スープを投入。お店で食べた富山ブラックの香りがただよってきましたよ!

熱湯を入れて5分。液体スープを投入。お店で食べた富山ブラックの香りがただよってきましたよ!

最後に焼きのりをのせて、サッポロ一番 麺家いろは 富山ブラックが完成!

最後に焼きのりをのせて、サッポロ一番 麺家いろは 富山ブラックが完成!

あらかじめ、ライスも用意しました!

あらかじめ、ライスも用意しました!

中太のちぢれ麺。見た目も味も、お店とそっくりです

中太のちぢれ麺。見た目も味も、お店とそっくりです

チャーシューは……再現度という点では、ポイントが高いのですが、汎用タイプなので、味の評価はなし!

チャーシューは……再現度という点では、ポイントが高いのですが、汎用タイプなので、味の評価はなし!

カップ麺とは言え、どんどん、ご飯が進むクン状態です

カップ麺とは言え、どんどん、ご飯が進むクン状態です

まず、見た目の再現度はパーフェクト! 真っ黒なスープに加えて、チャーシュー、メンマ、焼きのり、ネギ、さらに粗挽き黒コショウまで入っており、お店のラーメンに入っていた要素をすべて再現しています。ただし、肝心の味については、チャーシューが(しょうがないとは言え)汎用タイプであったため、減点とします。

次に、真っ黒なスープですが、これは相当美味しい。チキンエキスをベースに、濃口醤油と魚醤があわさり、煮干しの風味も効いています。しかし、醤油味に頼っているぶん、お店よりも、魚介感が弱いのが気になるところ。パンチがあまり効いていない。こまかいフィーリングを拾っていくと、やや別モノという印象さえあります。

ライスとスープの相性はお店と同様、バツグンによいです。ただし、極めてこまかく指摘すると、お店では「塩っ気に対してのライス補充」でしたが、カップ麺では「チキンエキスのウマみに対してのライス補充」という印象があり、ライス補充の動機がやや異なります。どちらにしろ、あらかじめライスを用意しておかないと、後悔しますよ!

そして、粗挽き黒コショウは、かやくに含まれているものの、やや少ない印象。ほのかに感じる程度で若干、物足りないかな。そのため、自宅で粗挽き黒コショウをかければ、麺家いろは 射水本店の一杯に、グッグッグッグッと近づくこと間違いなしです。

今回の再現度は?

<いいところ>具材の要素はパーフェクト。麺の再現度も高い。醤油のうまさが際立つ
<気になるところ>スープは美味いが魚介感が弱く、別モノな印象。チャーシューが残念

スープの再現度:★★★☆☆
麺の再現度:★★★★★
具材の再現度:★★★☆☆
食べごたえの再現度:★★★☆☆
コスパ:★★★☆☆

今回は、麺家いろはの富山ブラックと、同店監修のコラボカップ麺「サッポロ一番 麺家いろは 富山ブラック」を食べ比べましたが、いかがでしたでしょうか? いずれも、「白米が必須」という点だけはまったく同じなので、ラーメンの相棒としてぜひ、ライスを用意するのをお忘れなく!

松田真理(編集部)

松田真理(編集部)

デジタル製品全般からホビーやカップ麺・スナック菓子まで、オールジャンルをカバーする編集部員。大のプロレス好き。読み方は、まつだ・しんり。

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