有名ラーメン店監修のコラボカップ麺と、お店の味を食べ比べる本連載。今回は、広島発のシビカラご当地メニュー「広島式汁なし担担麺」より、その人気店である「國松(くにまつ)」の味と、寿がきや食品が発売したコラボカップ麺をガチンコで食べ比べます。
今回は、「広島式汁なし担担麺」ブームの火付け役とも言われている、「中華そば くにまつ(國松)」のお店の味とコラボカップ麺を比較します。※画像はイメージ。少しでも広島の雰囲気を味わっていただければ……(今回訪れたお店は、東京にある「汁なし担担麺 くにまつ 神保町店」になります)
夏本番に向けた、これからの季節。ラーメンファンが急速に補給したくなるのが、シビカラ(カラシビ)系のラーメン。代表的なメニューはやはり、担担麺や麻婆麺でしょう。山椒や唐辛子によるシビレ、辛さがクセになり、誰もが、エクスタシーを感じてしまうはず。
そんなシビカラメニューの中で最近、広島発のご当地グルメ「広島式汁なし担担麺」が気になってしまうわけです。
従来の汁なし担担麺と何が違うって? 広島式は、辣油の辛さに加えて、花椒(中国山椒)のピリッとしたシビレが効いているのが特徴。麺はやや低加水の細麺、もしくは中細麺を使うのが一般的(一般社団法人広島県観光連盟「ひろしま観光ナビ」より)。
広島市内では、汁なし担担麺を提供する専門店が着実に増えており、そのブームは全国にも波及。「最近、四川系の担担麺を食べ飽きてしまったかな」と感じている方には、“やや変化球”気味の、この広島式がかなりオススメです。
今回、そんな広島式汁なし担担麺の人気店、國松(くにまつ)の味を東京でも味わえるということで、「汁なし担担麺 くにまつ 神保町店」を訪れることに。同店の1杯を食べ終えた後、コラボカップ麺と食べ比べて、その再現度を検証します。
「汁なし担担麺 くにまつ 神保町店」の店頭には、今回食べ比べるコラボカップ麺の宣伝が! こういうPOPを見かけると、コラボカップ麺マニアとして思わず、ニヤリッとしてしまいます
今回は、「本店の味」をウリにしている「KUNIMAX(元味)」を選択。KUNIMAXは「山椒のシビレがダイレクトに効く、青ネギたっぷりの担担麺」になるとのこと
やってきました! 「KUNIMAX(元味)」(660円)+「麺類大盛り」(80円)+「ミニライス」(40円)でトータル780円というのだから、かなり高コスパです
麺は、モチモチの中細麺。細めながら、しっかりしたコシを感じます。食べごたえは十分です
タレは、芝麻醤(ねりゴマ)を使わず、キレのよい醤油ダレがメイン。花椒の香りやシビレがビリビリと際立ちます
具材は、挽肉と大ボリュームの長ネギ
卓上には、担担麺のタレ、辣油や花椒、そして鎮江香醋(黒酢)。黒酢と醤油ダレによる相性は、想像をはるかに超え、すばらしいものであります
四川系の担担麺と比べると、芝麻醤(ねりゴマ)を使っていないのがポイント。これ、モストインポータントです。エッジの効いた、醤油ダレがベース。これに、辛さとシビレが“ほんのり”と混ざる、と書きたいところですが……。
油断していた! 最初は“ほんのり”ですが、食べ続けるほど、シビレがずっと口の中で続く。ビリ。ビリ。ビリ。かなりのヤミツキ。クセになります。ダバダバと汗をかきます。
麺は中細ながら、コシがあって食べごたえがあります。気に入ったのは、きれいに湯切りしてあるのか、「ダマ」にならないでサラサラとして、食べやすいこと。箸の動きを止めることなく、最後までスムーズに食べられます。さらに、バケモノのような量の青ネギ。これはトッピングというより、もはや主食。どんだけ!
全体的にシビカラながら、醤油ダレのおかげでサッパリとしています。まさに、これからの季節に最適な一杯です。そして忘れてはならないのが、締めのライス。残り少なくなった醤油ダレにライスをのせて食べれば、中華風カレーのような趣(おもむき)も楽しめます
汁なし担担麺 くにまつ 神保町店。東京メトロ半蔵門線神保町駅徒歩3分、神保町駅から213m。営業時間は月〜金が10:00〜15:00、17:00〜20:30、土が10:00〜15:00。日曜日定休。6月29日時点、食べログより
次に、寿がきや食品が発売した「中華そば國松監修 シビレMAX」(税別238円)を食べて、お店のKUNIMAX(元味)をどこまで再現しているのか、徹底チェックしていきます。
寿がきや食品の「中華そば國松監修 シビレMAX」。内容量は105g(麺75g)と、汁なしカップ麺にしては、ややひかえめかも
カップの中には、後入れタイプの液体スープ、後のせかやくが入っています
1食あたりのエネルギーは424kcalと、こちらも汁なしカップ麺にしては、ややひかえめな印象
熱湯を入れて4分。カップ上面からお湯を捨てます
後のせかやく、液体スープを入れて、かき混ぜます
中華そば國松監修 シビレMAXの完成!
醤油ダレ、ミンチ肉など……お店の味にかなり近いかも!
モチモチの中細麺は、かなりクリソツ。しかもノンフライ麺だから、油っぽくなくて、麺自体の味がとても美味しいです
醤油ダレ、シビカラ感。味わい、すべてが完璧! カップ麺には、ぶどう山椒と2種類の花椒をブレンドしたかやくが使われていますが、口の中に残るシビレは、お店とほぼ一緒です。
最初は、シビカラ感がお店よりやや弱く、万人向けにアレンジしているのかな? と思いましたが、違います。ドンブリの底に溜まっているタレをかき混ぜてみると、一気にシビカラを感じて本格的です。でも、イヤな辛さじゃない。さわやかで、すがすがしい。
麺はかなり好き。ノンフライ麺で油っぽくなく、やや硬めに仕上がっています。これならずっと食べていられる。ハイ。本当に永遠に食べ続けてたいほど、美味しい麺です。
さらに、ミンチ肉は少量でもかなりの存在感。そのいっぽう、長ネギのボリュームはもう少し欲しかったところです。うまいのですが、内容量が105gと少ないから、すぐに食べ終わってなくなっちゃう。嗚呼! もっと食べたい、もっと食べたい……!
今回の再現度は?
<いいところ>醤油ダレやシビカラを完ペキに再現。ノンフライ麺の再現度も高くて、美味しい
<気になるところ>内容量105gはコスパ悪し。麺や長ネギのボリュームがもっと欲しいところ
スープ(タレ)の再現度:★★★★★
麺の再現度:★★★★★
具材の再現度:★★★☆☆
食べごたえの再現度:★★★☆☆
コスパ:★☆☆☆☆
くにまつの味と、寿がきや食品のコラボカップ麺を食べ比べてみましたが、いかがでしたか?今回食べたカップ麺は「中華そば國松監修のもと、人気メニューであるKUNIMAXをアレンジし、シビレMAXとして製品化」したとのこと。しかし個人的には、かなりお店の味に近い1杯かと思いました。欲を言うなら、麺や長ネギのボリュームですね。今回の2倍や3倍の量があったら、パーフェクト間違いなしだったかも
デジタル製品全般からホビーやカップ麺・スナック菓子まで、オールジャンルをカバーする編集部員。大のプロレス好き。読み方は、まつだ・しんり。