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醤油ダレとゴマダレ。違いはそれだけじゃなかった!

乾麺が今アツい! 「インスタント冷やし中華」7品をフードアナリストが食べ比べ

冷やし中華、始めましたか?

夏の風物詩のひとつ「冷やし中華」。みなさんは家で食べるとき、選ぶ基準はありますか? インスタントは大きく分けると「乾麺」と「チルド」がありますが、最近は保存に便利な乾麺が優勢な印象。各メーカーも味の進化や新作開発に余念がありません。

そこで今回は、メジャーブランドから7つの冷やし中華をセレクトして食べ比べ。似ているようで、比べてみると結構異なる、それぞれの特徴を明らかにしていきます。

王道から変わりダネまでラインアップ充実! 盛り上がりを見せる乾麺タイプだけを集めました

王道から変わりダネまでラインアップ充実! 盛り上がりを見せる乾麺タイプだけを集めました

今回実食レポートをするのはこちらの7商品。

(1)日清食品「日清ラ王 冷し中華 醤油だれ」
(2)日清食品「日清ラ王 冷し中華 柚子しおだれ」
(3)東洋水産「マルちゃん正麺 冷し中華」
(4)東洋水産「マルちゃん正麺 ごまだれ冷し」
(5)東洋水産「マルちゃん 冷しラーメン」
(6)マルタイ「冷やし中華」
(7)明星食品「明星 中華三昧 涼麺」

各商品とも、麺のゆで時間などを指定通りに調理。それぞれの違いをわかりやすくするため、具材の追加トッピングはなし。麺とタレと付属トッピングの味だけをチェックしていきます。

タレやトッピングは、袋に入っているものだけを使用するのが今回のルール

タレやトッピングは、袋に入っているものだけを使用するのが今回のルール

(1)日清食品「日清ラ王 冷し中華 醤油だれ」

まるで生麺のような本格的なおいしさと、手軽さを両立させたインスタントラーメン「日清ラ王」の冷やし中華。全粒粉(殻まで粉砕した茶褐色の小麦粉)を練り込んだノンフライのストレート麺は、モチモチ食感と小麦本来の香ばしさを楽しめます。合わせるのは、フルーティーなリンゴ酢を加えた、甘酸っぱい中華風醤油ダレです。

内容量118g(麺80g)、カロリーは351kcal

内容量118g(麺80g)、カロリーは351kcal

麺のタイプは細めのストレートでノンフライ。全粒粉ブレンドに由来する、粒感のある見た目

麺のタイプは細めのストレートでノンフライ。全粒粉ブレンドに由来する、粒感のある見た目

食べてみると、タレの酸味はやさしく、醤油は角が取れた感じ。全体的にマイルドで、スタンダードな印象です。

麺は想像していたものよりも細めで、ほかの商品と比べるとモチモチ感もありますが、よりしなやかさやツルツル感を訴求しているように感じました。麺のちぢれが最もゆるく、これもツルツル感に寄与しているはず。全粒粉入りなので、ほんのり香ばしい風味があるのも特徴的です。

(2)日清食品「日清ラ王 冷し中華 柚子しおだれ」

こちらは(1)と同じく「日清ラ王」シリーズから、斬新なフレーバーが参戦です。特徴的なのはやはり、さっぱりとした酸味と魚介ダシのウマみを効かせた「柚子しおだれ」。爽やかに香る柚子がアクセントです。

内容量は醤油味と同じ118g(麺80g)。324kcalと、醤油味よりもわずかにヘルシーです

内容量は醤油味と同じ118g(麺80g)。324kcalと、醤油味よりもわずかにヘルシーです

麺は醤油味と同じ、細めストレートのノンフライタイプ

麺は醤油味と同じ、細めストレートのノンフライタイプ

まずは何といっても、柚子のフレーバーが独特。「AFURI」(「柚子塩らーめん」で有名なラーメン店)っぽい専門店のラーメンやつけ麺が好きな人向けに開発したという印象です。カツオのような魚介系のダシの香りをベースに繊細な塩味にすることで、より柚子と魚介の風味を豊かに感じられます。

麺は醤油味と同じくしなやかなタッチ。この塩ダレともよくマッチしています。この商品とは関係ありませんが、「AFURI」は夏に「冷やし柚子塩麺」を提供しているので、食べ比べてみたいところです。

(3)東洋水産「マルちゃん正麺 冷し中華」

独自の特許製法「生麺うまいまま製法」によって、乾麺なのに生の麺本来の自然な食感と味わいを楽しめる「マルちゃん正麺」シリーズの冷やし中華。モチモチ食感のなめらかでのどごしがよいノンフライ麺と、りんご果汁などの甘みを効かせた中華タイプの醤油ダレが特徴です。

内容量は118g(麺80g)、カロリーは367kcal

内容量は118g(麺80g)、カロリーは367kcal

ノンフライ麺で、ゆるやかにウェーブがかった中細タイプ

ノンフライ麺で、ゆるやかにウェーブがかった中細タイプ

酢にコクがあって、ほんのりととろみを感じる醤油ダレが印象的。モチモチとした弾力豊かな麺というのもあいまって、「日清ラ王」シリーズよりも全体的に濃厚です。「日清ラ王」シリーズも「モチモチ食感」をうたっていますが、「マルちゃん正麺」のほうが太くてコシも強め。食べ応えがあります。

(4)東洋水産「マルちゃん正麺 ごまだれ冷し」

(3)の「マルちゃん正麺 冷し中華」の味違い。麺はやはりオリジナルの「生麺うまいまま製法」。果実酢と黒酢を効かせ、やさしい酸味に甘味とコクをプラスしたゴマダレを合わせます。

内容量は120g(麺80g)、カロリーは410kcal。同じ「マルちゃん正麺」でも、こちらのほうがカロリー高め。ゴマなどに由来するからかもしれません

醤油味と同じくノンフライ。ゆるやかにウェーブがかった中細麺です

醤油味と同じくノンフライ。ゆるやかにウェーブがかった中細麺です

タレはねっとりし過ぎず、ゴマの風味はほどほどで香ばし過ぎず、適度な味わい。標準的なゴマダレ味です。塩味や甘酸っぱさはしっかりあって、ゆるいウェーブがかったモチモチ麺ともよく絡みます。

(5)東洋水産「マルちゃん 冷しラーメン」

東洋水産の「マルちゃん」ブランドからはもう1品、超ロングセラーを。古きよき時代を彷彿(ほうふつ)とさせるパッケージも印象的です。酸味と甘味のバランスがよい中華風の醤油ダレに、しなやかなコシのノンフライ麺がひとつに。仕上げには特製のふりかけをパラパラとかけて食べます。

内容量は118g(麺85g)、カロリーは377kcal

内容量は118g(麺85g)、カロリーは377kcal

麺のタイプはノンフライで、細くちぢれた平打ち麺。特製ふりかけが付属します

麺のタイプはノンフライで、細くちぢれた平打ち麺。特製ふりかけが付属します

個人的には、少年時代の夏に自宅で食べたランチを思い出させるノスタルジックな一品。そのころはフライ麺だったような気がしますが、いつからか進化してノンフライが主流になったのでしょうか。

味はキレのある酸味が特徴の醤油味で、フルーティーな甘さもあり、“街中華”のような王道の冷やし中華。強いちぢれのある麺は想像以上にコシが強く、途中で進化したのかどうかは別として、とてもおいしい!

ふりかけは味の存在感よりは、精神的支柱といった感じ。ゴマの香ばしさはあるものの、強く主張するわけではありません。でも、この「冷しラーメン」には、絶対に欠かせないと思います。

(6)マルタイ「冷やし中華」

続いては九州・福岡からの刺客。マルタイといえば「棒ラーメン」でおなじみですが、こちらはフライ麺を使った夏季限定の「冷やし中華」です。タレは今回唯一の粉末タイプで、水に溶かして使うところがユニーク。こちらもふりかけが付いています。

内容量は103g(麺86g)と標準ながら、カロリーは470kcalと今回最高。フライ麺だからでしょう

内容量は103g(麺86g)と標準ながら、カロリーは470kcalと今回最高。フライ麺だからでしょう

麺のタイプは細くちぢれたフライ麺

麺のタイプは細くちぢれたフライ麺

今回唯一の油で揚げてある麺ということもあって、味はかなり独特。揚げたときのオイルがにじみ出るからか、全体的にマイルドな印象です。

タレは酸味と醤油が弱めで、その分甘みが前面に。この甘みは、九州の醤油が甘いことが影響しているのかもしれません。全体的には極めてやさしいテイストに仕上がっています。

青のりの磯感と、黒ゴマの香ばしさが風味よく演出するふりかけも効果抜群。麺はモッチリとしておいしく「ノンフライがなんだ!」と言わせるような説得力があります。

(7)明星食品「明星 中華三昧 涼麺(りゃんめん)」

ラストは高級袋麺のパイオニア「中華三昧」シリーズから。麺はしっかりとしたコシと、ツルみのあるノンフライ麺。ホタテのウマみと香ばしい芝麻醤(チーマージャン)が効いた、コク深い醤油ゴマダレが特徴です。こだわりの香酢が深みを加え、中華風からし香辣醤(シャンラージャン)がパンチを演出します。

他商品が麺80g台なのに対し、内容量は139g(麺90g)とボリューミー。その分カロリーは465kcalとなかなか

他商品が麺80g台なのに対し、内容量は139g(麺90g)とボリューミー。その分カロリーは465kcalとなかなか

麺のタイプはノンフライで、中細ストレートの平打ち麺。中華風からし「香辣醤」が付いています

麺のタイプはノンフライで、中細ストレートの平打ち麺。中華風からし「香辣醤」が付いています

タレはコクがありながら酸味も強め。ところどころに香油のペースト感があります。麺はモッチリ感とコシが両立したアルデンテ食感で、「マルちゃん正麵」のやや細い平打ちバージョンという印象です。

大きなポイントとしては、一般的な冷やし中華には和からしが定番ですが、香辣醤になっているところ。一般的に香辣醤は、花椒(ホアジャオ)が効いた赤いラー油のようなイメージですが、この香辣醤は黄色くて練りからしに近い見た目です。独特のスパイス感があって、ウマみやテクスチャーも良好。やさしい刺激が、何よりこの味にマッチします。

どことなく本格的なテイストを感じさせてくれる一品といえるでしょう。もっとも、冷やし中華は日本発祥とされていて、本場の中華料理にはありませんが……。

【まとめ】似て非なる冷やし中華たち。実はお酒にも合う!

乾麺タイプならではのスクエアなパッケージに、涼しげな色合い。外側だけだと違いはわかりませんが、食べ比べてみるとかなり異なりました。食べるシーンや嗜好によって使い分けると、ツウっぽくていいですね。あと、主流のノンフライ麺はやっぱりおいしいですが、フライ麺にも独自の味わいがあって、こちらも甲乙つけがたいところです。

各商品がどんな人に向くのかを、以下にまとめました。

(1)日清食品「日清ラ王 冷し中華 醤油だれ」
王道の“ザ・冷やし中華”を味わいたい人に

(2)日清食品「日清ラ王 冷し中華 柚子しおだれ」
柚子が効いた和風系のラーメンが好きな人に

(3)東洋水産「マルちゃん正麺 冷し中華」
ガッツリしたタイプの冷やし中華が好きな人に

(4)東洋水産「マルちゃん正麺 ごまだれ冷し」
冷やし中華は醤油ダレではなくゴマダレが好きな人に

(5)東洋水産「マルちゃん 冷しラーメン」
“街中華”のような王道の冷やし中華が好きな人、ノスタルジーに浸りたい人に

(6)マルタイ「冷やし中華」
フライ麺のおいしさを知りたい人、九州の甘い醤油が好きな人に

(7)明星食品「明星 中華三昧 涼麺」
醤油ダレよりゴマダレ派で、大人向けの味でリッチな気分になりたい人に

インスタントでも、具材を加えるとこんなに華やかに!

インスタントでも、具材を加えるとこんなに華やかに!

もちろんどの商品もボリュームはちゃんとありますので、サクッと済ませたいランチやディナーにぴったり。ちょっと意外かもしれませんが、冷やし中華はつまみにもなります。お酢が効いたさっぱりした味わいと、梅酒ソーダやレモンサワーといった夏らしいドリンクがよく合います。ぜひ皆さんも、いろいろな味わい方で夏の風物詩をお楽しみください!

中山秀明

中山秀明

食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とウェブメディアを中心に編集と撮影を伴う取材執筆を行うほか、TVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。

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