皆さま、コンビーフはお好きですか? 筆者は大好きです。そのまま食べても、調理しても、イイお酒のアテになるんです、これが。昔はあまり種類がありませんでしたが、最近はいろいろなメーカーから多種多様なコンビーフが展開されています。そこで今回は、定番からお取り寄せ系までを食べ比べて味をレポート&おすすめの食べ方をお届け。過去に食べてあまり好きじゃなかったという方にもぜひ読んでいただきたいです。
定番から変わり種まで全9種類のラインアップです
まずは定番コンビーフ3種類の違いを比べてみましょう。コンビーフ界の御三家、ノザキ、K&K、明治屋の看板コンビーフです。そのまま食べるのは当然として、個人的に気に入っているアレンジ方法もご紹介。
コンビーフといえば、まずはこの缶を思い出すのではないでしょうか? 1948年に発売された国産コンビーフ第1号としてあまりにも有名ですね。肉のボリューム感と口の中でとろけるようなやわらかい食感が特徴的な、日本を代表するコンビーフです。
内容量:100g
カロリー:243kcal
原産地(牛肉):ニュージーランド
購入価格:338円
巻き取り鍵を使って枕缶を開けるおなじみの方法
きれいに台形のまま取り出せます
口の中でほどけるようにとろけていくビーフ感と、ちょっとだけしつこく感じる油のうまみが懐かしい味です。まさにザ・コンビーフですね。やわらかいので、そのままお箸でつまんで食べられますよ。ビールや白ワインなどのお酒と相性がいいです。塩が効いているので、そのままでももちろんおいしいですが、温かい状態で食べたい、料理に使いたいという場合はこんな調理が個人的におすすめ。
アレンジ方法:ポテトとコンビーフのガレット
千切りしたジャガイモにノザキのコンビーフを混ぜて、ガーリックの入ったハーブソルトとコショウで味付けして焼きます。
外はカリっと、中はモチモチのチヂミっぽいテイストで激ウマ。コンビーフの塩加減がいい味を出しています。
牛肉100%のジューシーなコンビーフです。とてもシンプルでクセのない味なので、何に合わせても食べやすく、やわらかさの中にしっかりとしたビーフのうまみが詰まっています。
内容量:100g
カロリー:244kcal
原産地:日本
購入価格:440円
シンプルだからこそうまいです。やわらかいのですが、かみしめるたびに、牛の繊維感が口の中でしっかりとうまみを出してくれます。やや味付けが薄いと感じる方もいるかもしれませんが、つい食べ続けてしまいそうな絶妙さ。ビールや赤ワインと相性がいいです。アレンジする場合は、加熱調理よりは、そのままパンなどに挟んで食べたほうがベター。
アレンジ方法:コンビーフサンドイッチ
薄切りの食パンに辛子マヨネーズを塗っておきます。あとはコンビーフを挟むだけ。コンビーフ自体の味がシンプルなので、辛子マヨネーズとの相性は抜群。いくらでもいけちゃいます。
明治屋のコンビーフはスマートカップという容器に入っており、開封しやすく、このままレンジでチンもOK。使い切らなくても、この容器で保存できるすぐれものです。1個あたり80g入りで、ノザキ、K&Kより若干少ないですね。
内容量:80g
カロリー:140kcal
原産地:記載なし
購入価格:416円
明治屋のコンビーフは、少しゼラチン部分があるのが特徴。ほぐすとしっとりしていて繊維っぽさはなく、やわらかく口溶けがいいです。こってり濃厚で、ビールや白ワインに合いますね。このゼラチンの感じが苦手な場合は、レンチンするか、調理に使うといいでしょう。
アレンジ方法:コンビーフポテトサラダ
ポテトサラダに混ぜるのは、簡単かつ素材のうまみを味わえておすすめです。マヨネーズとの相性がよく、濃厚ながらも後味はしつこくなくて食べやすいですよ。
上記御三家であるノザキ、K&K、明治屋の定番コンビーフを食べ比べてみましたが、それぞれシンプルながらも味の個性がしっかり出ていて、違いを感じられました。
・ノザキ
これぞコンビーフという風味、かみしめるごとに味わえる肉と脂のうまみはザ・コンビーフといったところ。
・K&K
サッパリとした後味が印象的で、そのままいただくのにピッタリなコンビーフです。
・明治屋
繊維っぽい感じがなく非常に食べやすいコンビーフ。ややゼラチンが多くそこが苦手な方もいるかもしれません。容器がプラスチックなのが便利です。
がっつりコンビーフを食べたいならノザキ、さっぱりめがお好きならK&K、扱いやすさなら明治屋といったところでしょうか。
続いては、プレミアムなタイプや味が付いたものなど、変わり種コンビーフ4種類をご紹介。コンビーフの世界が広がるバラエティに富んだラインアップです。
まさかのたまごかけごはん専用コンビーフ。かつおと昆布だしが効いた和風テイストのコンビーフです。やわらかくてごはんとの相性も抜群。
内容量:80g
カロリー:124kcal
原産地:日本
購入価格:380円
最初はTKG専用!? と驚きましたが、食べてみると相性ピッタリ。口に入れた瞬間溶けるやわらかさの中に和風のだしがほのかに香り、卵の濃厚さと相まってなんとも言えないおいしさでした。そのままビールと一緒に食べてもおいしいのですが、やはり卵とビーフがからみ合って口の中で一体となる食べ方が最高なんです。
アレンジ方法:たまごかけごはん
これは言うまでもなく、たまごかけごはんで召し上がっていただきたい。黄身だけのほうがビーフとの相性がいいですね。お好みでネギを加えてどうぞ。
ごま油と豆板醤の味付けで、ユッケ風のテイストになったコンビーフ。まさにおつまみとして最適です。
内容量:80g
カロリー:179kcal
原産地:記載なし
購入価格:380円
もう缶を開けた瞬間からごま油の香りがただよい、食欲をそそります。口に入れるとかなり衝撃的。食感はコンビーフなのにユッケの風味が残るという絶妙な味付けです。食感もあるので、そのままいただいてもしっかり肉感を味わえますね。そして鼻から抜けるごまの香りと後味が、ほかのコンビーフにはない独特の満足感を与えてくれます。ビールはもちろん、焼酎にとても合います。
アレンジ方法:いくらコンビーフ丼
ごはんにのっけてそのままいただくのもいいのですが、お刺身などと合わせるとまた最高なんです。今回はいくらの醤油漬けと一緒にミニ丼にしてみました。醤油とごま油のうまみとコンビーフの肉感でごはんが止まりません。
ジューシーなほぐし牛肉にスパイシーな黒コショウの味付けで、ビールやウイスキーによく合うコンビーフ。最初からほぐれているので食べやすく、調理するときにも便利です。
内容量:90g
カロリー:171kcal
原産地:記載なし
購入価格:550円
まず、肉の食感がほかのコンビーフとかなり異なります。繊維が大きめで元の肉に近いというか、少しジャーキーっぽいです。ほぐし肉という感じで食べやすく、ギュっとかみしめるごとに肉のうまみが堪能できます。まさにプレミアム。脂っぽさが全然ないのも特徴ですね。そして黒コショウがすんごい効いていてスパイシー。そのままいただくだけでビールのアテになりますよ。赤ワインにも◎。
アレンジ方法:コンビーフサラダ
このスパイシーさを利用して、あえて生サラダに乗せるのが好きです。レタスのシャキシャキ感にほぐれたコンビーフのやわらかさがマッチ。そして黒コショウがピリっと効いているので、ドレッシングいらずなんです。
ノザキのコンビーフの熟成版です。厳選された赤身を主体としたビーフを、天日塩と11種類のハーブで3日間塩漬熟成させた逸品。
内容量:100g
カロリー:244kcal
原産地:記載なし
購入価格:496円
普通のノザキのコンビーフよりも塩味が効いており、味も濃厚になっていて肉のうまみをしっかり感じることができるコンビーフです。ハーブの風味もほんのり感じますね。深みのあるウマさで、ビール、白ワインのつまみとしてピッタリ。
アレンジ方法:ピンチョス
そのままいただくのもいいのですが、おつまみとしてふるまう場合などは、チーズとトマトとパンを合わせてピンチョス風にしています。塩味の効いたコンビーフが口の中に残っているところに、チーズとトマトで追い打ちをかける幸せを味わえます。
最後はちょっとお値段お高めの、国産ビーフを使ったコンビーフ2種類。これはですね、もうそのまま食べるのが一番です。お高い牛肉を食べている感が味わえます。
愛媛の国産牛を使用し、紅花油を使った高級コンビーフです。素材の風味を生かすため、発色剤、着色料、保存料、化学調味料をいっさい使っていません。
内容量:80g
カロリー:209kcal
原産地: 国産(愛媛)
購入価格:945円
もう見た目からしてほかのコンビーフと違いますね。発色剤が使われていないので肉が赤くなく、茶色いです。白く見えるものは固まった脂。これはほとんどのコンビーフで見られますが、この商品はいっそう目立ちます。この脂のうまみが染み渡るんですよ。ほろほろって口の中でくずれるやわらかさと、牛肉そのものを食べているかのようなうまみがたまりません。赤ワインと相性抜群。
アレンジ方法:カナッペ
そのままいただくのがベストなのですが、よりおつまみっぽくするならカナッペがおいしいですよ。薄くガーリックバターを塗ったバゲットを軽くトーストして、コンビーフをオン! 牛のウマさとガーリックバターの相性が完璧です。ザクザクのパンとやわらかいコンビーフの食感も相まって至福のひとときになりますよ。
今回の最高金額。北海道の十勝で、17種類のハーブを食べて育った牛を使用し、化学調味料をいっさい使っていないコンビーフです。まさに最高級と言えるでしょう。
内容量:95g
カロリー: 258kcal
原産地:日本(北海道)
購入価格:1,440円
「牛肉をギュっと絞ってコンビーフにしました」といった食感で、しっとりジューシー。そして味は濃厚。とろけるようなやわらかい食感で、確かにコンビーフなのに、食後は高級肉を食べたような余韻が残ります。くさみがなく、絶妙な塩加減も最高。どんなお酒でも相性は抜群ですが、特に赤ワインやビールが合います。
アレンジ方法:お刺身風アボカドスライス
これも加熱しないほうがベター。厚めに切り分けて、アボカドと一緒にわさび醤油で食べると最高。そして超ぜいたく! コンビーフの塩加減とわさび醤油がマッチして、アボカドと牛の脂のうまさが引き立ちます。95gペロリと食べてしまいますよ。
さて、全9種類のコンビーフを食べ比べてみましたが、ひとつとして同じ味、同じ食感のものはありませんでした。以下に各コンビーフの特徴をまとめましたので、あなたのお好みを見つけてみてください。
<定番系>
・ノザキ コンビーフ
そのまま食べても加熱調理しても牛のうまみがしっかりと感じられる王道のコンビーフ。
・K&K コンビーフ バラ
あっさりとした味ながら、マヨネーズや調味料に合わせてもしっかり存在感が出る後味のよいコンビーフ。パンとの相性が抜群です。
・明治屋 コンビーフ
やわらかい食感でこってりとした味が楽しめるコンビーフ。スマートカップの開けやすさ、保存のしやすさ、捨てやすさも魅力。
<変わり種>
・K&K たまごかけごはん専用コンビーフ
和風だしのうまみと牛のうまみの相性がバッチリ。卵でさらに濃厚に楽しめるコンビーフ。
・K&K 缶つま コンビーフ ユッケ風
牛というよりは刺身のたたきのような食感が楽しめて、ごはんとの相性抜群のコンビーフでした。
・明治屋 おいしい缶詰 プレミアムほぐしコンビーフ
コスパ最強。黒コショウのスパイシーさがクセになり、ビールが止まらなくなります。
・ノザキ 熟成コンビーフ
王道のノザキを、さらに上品に後味まろやかにしたコンビーフ。そのままいただくのがベスト。
<高級系>
・創健社 愛媛の無塩せきコンビーフ
コンビーフの概念が変わる上品な味と牛のうまみ。高級ビーフが味わえる逸品です。そのままいただくのが超ウマかったですね。
・ノベルズ食品 十勝ハーブ牛と塩だけで作ったコンビーフ
絶妙なハーブがビーフのうまみを引き立てます。口の中でとろけていく味わいがたまりません。ワインを1本開けちゃうくらいウマいです。
コンビーフ好きとはいえ、一度にこんなにたくさん食べたのは人生初でした。しかし脂っぽさで気持ち悪くなることもなく、どれも濃厚な味わいと肉のうまみ、さっぱりした後味が楽しめる逸品でした。食べ比べると違いがよくわかって、どのコンビーフがどんな食べ方に合っているかがわかります。定番のコンビーフはいろいろとアレンジできますし、高級コンビーフはそのままいただくのがベストで、どちらもとにかくお酒が進みます。
缶タイプのものは長期保存が可能で、アウトドアでの簡単な料理にも重宝します。牛肉をいつでもどこでもギュっと1缶で味わえるというのがコンビーフの魅力ですね。缶詰としてはちょっとお高い感はありますが、値段分の価値はありますよ。みなさんもコンビーフ生活を始めませんか?
「月刊PCエンジン」誌で編集ライターデビュー。「64DREAM」誌デスクを経て前職はXbox 広報のゲーム漬け人生。猫とガンプラとaqoursが存在理由のホビー担当。