都会にいると、無縁に感じる「自給自足」という言葉。
しかし、ベランダ菜園なんかをしている方をみると、「もしかすると、私にも可能なのではないか……」、そんな気持ちにもさせられます。
そんなことをぼんやり考えていると、ネット上で「きのこ栽培キット」を発見。
自宅で栽培できる食べ物といえば、プチトマトなどのような野菜系ばかりと思っていましたが、きのこも育てることができるんですね! 驚き! しかも簡単そう!!
そこで今回は、3種類のきのこを自宅で育て、そのきのこだけを使って晩ご飯を作ってみることにしました!
ほどなく、注文したきのこ栽培セットが届きました。
エリンギ、しいたけ、なめこの3種類です
説明書が1枚付属しているのですが、ちょっと混乱!
難しそうで、「果たして我が家でちゃんときのこは生えるんだろうか……」と、すでに自信を失いそうになります。
説明書にはぎっしりと育て方の説明がありますが……
難しいと感じたのは、A4用紙裏表に、びっしりときのこについて書かれているため。
「まず」何をすればいいのか、「何に」気を配って育てなければいけないのか、といったことがすごくわかりにくいのです……。
一番不安だった「湿度や温度を厳密に管理しなければいけないのか」、という記載だけを必死で探し出し、「10〜18℃の間であれば栽培可能」と確認し、いったん安心しました。冬の室内であれば問題はなさそうです。
厳密には「夜間には15℃以下に下がる場所で、湿度は75〜100%……」とあるのですが……冬だし、常に湿っていれば大丈夫かな?(めんどくさがり)
さらに説明書を眺めていると、「購入後そのまま保管していますと、箱内でキノコが発生してしまうことがあります」と目に飛び込んできたので、あわてて仕込みに入ります。
エリンギとなめこから。
エリンギとなめこは、袋の上部から水を注ぎ……
上面に水をためます!
その後、付属の土を上からかけます!
次に、しいたけをば。
しいたけはブロックを水洗い後、付属の土をかけ、袋の上部をふんわりと閉じます
3つのブロックを段ボール箱に入れました
直射日光はNGとのことで、新聞紙をかけておきます
2日に1回、霧吹きなどで表面を湿らせます
本当にこれであっているのか、非常に不安ではありますが、めんどくさがりなので、いったんこれでよしとします。(大丈夫なのか……?)
その後、2日に1回水をあげつつ、基本的には放置しておりました。
すると、4日目に……!
エリンギのブロックからなんか出てる!?
エリンギ……なのか? これは!?
しいたけのブロックも、なにかがぎゅうぎゅうになっている感……!
さらにその後も、2日に1回水をあげつつ、基本的には放置。
すると1週間後……
なんかめっちゃ生えてる!!!
エリンギっぽい見た目にはなったけど……色がまだ薄い
しいたけ、半端ない!!
なめこ、無反応……あれ、なにか失敗した?
11日たったところ、「収穫してくれ!」といわんばかりの見た目になっていたので、収穫を試みました。
11日目のお三方の様子
ザ・エリンギ!な見た目に成長しています
しいたけ、半端ない。ぎゅうぎゅう
なめこは……音沙汰なし。やっぱり失敗したのだろうか……
成長爆発!というほどにぎゅうぎゅうに発生したエリンギとしいたけに対し、「いったい何がいけなかったの……」というほどに音沙汰のない、なめこ様。
同じように育てていたのですが、なにか私は失敗してしまったのでしょうか。
そこで、説明書に書かれていた農園に電話して「私、なにか間違えたんでしょうか……?」と聞いてみると……。
「なめこは、特別時間がかかります。だいたい1か月以上かかると思っていてください。それまでは、湿った状態で、できるだけ寒いところに置いておいてください」
とのこと。収穫にはまだ早すぎたということらしい!
若干日当たりのよかった窓際から、最北の暗く寒い玄関に移動しました
ということで、なめこはさておき、早々に育ってくれたしいたけとエリンギは収穫し、晩ご飯にすることにしました。
収穫していきます。根元からはさみでカット
しいたけは密集しているのでカットしづらかったです
しいたけとエリンギを、無事収穫!
エリンギを使って「バターめんつゆ炒め」にチャレンジします。
エリンギを5ミリ程度の厚さに切り、
バターと塩コショウで炒めていきます。全体に火が通ったらめんつゆを大さじ1程度回し入れ……
めんつゆが全体にいきわたれば完成です!
しいたけは、人気のメニュー「チーズ焼き」にしていきましょう。
しいたけの軸を切り、
しょう油を少し垂らしたら、
とろけるチーズをのせてオーブンで5分ほど焼きます!
自炊で晩ご飯が完成です!
自宅栽培のきのこということで、味に一抹の不安があったのですが、まさに「エリンギ」「しいたけ」の味でした。食感も、むしろスーパーで売っているものよりもしっかりとした歯ごたえで満腹感があります。「自分が育てたんだ!」という喜びも、美味しさのスパイスとなっているのでしょうか。
育成開始から27日目、自分がきのこを育てていたことを忘れるころ、なめこらしきものが発生……!
さらに「なめこっぽくなるまで!」と粘るも、若干カビが生え、そしていつまでたってもなめこっぽくならず……この間延び感
収穫したにはしたのですが、これは……
「なめこは王道のなめこ汁に!」と思っていたのですが、この風体でなめこ汁にするのはさすがにためらわれます。
敗因は……スタートダッシュでしょう。
やはり、最初から寒いところに置いておかなかったことでちゃんと育ってくれなかったのではないでしょうか。
とはいえ、触るとなめこ特有のぬめり感はあるので、“方向性”は間違っていなかったはず!
しいたけ、エリンギ、なめこの3種類の中では最も難易度が高いのはなめこでした……。かわいい顔して……残念。
きのこに振り回された40日間。
比較的簡単に育つものもあれば、スタートダッシュに要注意なものもありました。
結論……2勝1敗!
教訓:温度と湿度は几帳面に管理しよう!
恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。Twitter:@KA_HO_MA