市販のスパイスからカレーを作ります!
在宅勤務や外出自粛などで家にいる時間が増えたことで、おいしい料理を作りたいキブンが高まっている方が急増中!その中でも人気が高いのが、アレンジも簡単なカレーです。
でも、家で作るカレーは「カレールウ」がないとできないと思い込んでいませんか?
実は本格的なインドカレーも、スーパーなどで手に入る「スパイス」を使うことで、おうちで簡単に作ることができるんです。
そんなおうちで本格的なインドカレーを作る方法を、スパイス料理研究家のカラミちゃんに教えていただきました!
カラミちゃん
スパイス料理研究家。ポップアップストア監修やケータリング、プライベートレッスンの開催など幅広く活躍中
まず、カラミちゃんが「初心者の方でも簡単に作ることができますよ!」と教えてくれたのが、ベーシックな北インド系チキンカレー
具材はこちら ※写真は2人前の分量です
【材料(4人分)】
・鶏もも肉 (ひと口大にカット) 500g ※骨付きがおすすめ
・玉ねぎ(スライス) 大1個
・にんにく(みじん切り)大さじ1
・生姜(みじん切り)大さじ1
・トマト(ざく切り)小1 ※トマト缶でもOK
・プレーンヨーグルト 大さじ3
・サラダ油 大さじ3
・塩 小さじ山盛り1
・水 2カップ
☆スパイス☆
・シナモン(ホール)4〜5p
・カルダモン(ホール)5粒
・クローブ(ホール)5本
・コリアンダー 大さじ1
・クミン 小さじ2
・ターメリック 小さじ1/2
・ブラックペッパー 小さじ1/4
・ガラムマサラ 大さじ1
あらかじめ、ヨーグルト、塩、「コリアンダー」、「クミン」、「ターメリック」を混ぜ合わせて鶏肉を漬け込んでおきます。こうすることでやわらかくなります
左から、コリアンダー、クミン、ターメリック(いずれもエスビー食品)
ベーシックのスパイス「シナモン」、「クローブ」、「カルダモン」を鍋に入れ、サラダ油とともに炒めます。こうすることでスパイスの香りが引き出されます。カルダモンがふくらむのを目安にしましょう!
左から、クローブ、シナモンスティック、カルダモン(いずれもエスビー食品)
玉ねぎを加え、強火で炒めます。半透明になったらにんにくと生姜も加え、玉ねぎが色付くまで炒めましょう
※今回にんにくはチューブのものを使用しました!
その後、トマトを加えて……
水分を飛ばしながら、形がなくなるまで炒めていきます
1.で漬け込んでおいた鶏肉を漬け汁ごと加えます
お好みでブラックペッパーを。発汗・ストレス発散効果・脂肪燃焼効果・食欲増進などの効果があると言われています
ブラックペッパー(エスビー食品)
水を入れてフタをして25分ほど弱火〜中火で煮込みます
(「鶏がらスープや鰹出汁に変えてもおいしいですよ!」とカラミちゃんからのアドバイスをもらったので、今回は出汁でチャレンジしました!)
ガラムマサラを加えて味を調えましょう
ガラムマサラ(エスビー食品)
塩加減を調整したら、完成です!
さて、簡単に作れるベーシックな北インド系チキンカレーを教えていただきましたが、材料を変えることで、簡単にココナッツ風味の南インドの「ケララカレー」にアレンジすることも可能です。
具材はこちら ※写真は2人前の分量です
【材料(4人分)】
・鶏もも肉 (ひと口大にカット) 500g
・玉ねぎ(スライス) 中1個
・にんにく(みじん切り) 大さじ1
・生姜(みじん切り) 大さじ1
・トマト(ざく切り)小1個 ※トマト缶でもOK
・ココナッツミルク 1.5カップ
・ココナッツオイル(サラダ油でもOK) 大さじ3
・塩 小さじ1
・水 1カップ
☆スパイス☆
・ブラウンマスターシード(ホール) 小さじ1/2
・コリアンダー 大さじ1
・クミン 小さじ2
・ターメリック 小さじ1/2
・ブラックペッパー 小さじ1/4
南インド風カレーでは下準備はありません
「ブラウンマスタードシード」を鍋に入れ、サラダ油とともに炒めます
ブラウンマスタードシード(チャクラ)
玉ねぎを加えたら浅めに炒めます
半透明になったらにんにくと生姜も加え、玉ねぎが色付くまで炒め、その後、トマト、「コリアンダー」、「クミン」、「ターメリック」と塩を加えてよく混ぜます
鶏肉を加えます。全体を混ぜるようにしてから水を入れ、フタをして15分ほど弱火〜中火で煮込みます
ココナッツミルクを加えて5分煮込みます
ココナッツミルクパウダーを使用する場合は大さじ3を100mlのお湯で溶かして使用します
ココナッツミルク(エスビー食品)
塩加減を調整します。香菜など、ハーブを刻んで加えるのもおすすめ!
完成です!
このように、ベーシックな北インド系チキンカレーの手順を覚えてしまえば、ココナッツ風味の南インドのケララカレーへのアレンジも簡単です。
ほかにも、「たとえば、ベーシックな野菜(かぼちゃやナス)や果物(フルーツジャムでも○)をプラスしたり、チキンを魚介に変更したりしてもおいしいですよ! パクチー好きな方であれば、生のパクチーの根っこを加えて炒めたり、仕上げにのせたりすると風味が格段にアップします!」(カラミちゃん)
ちなみに……
今回ご紹介した北インド系&南インド系のカレーですが、どのような違いがあるのでしょうか?
食べてみた感想は……
左が北インド系、右が南インド系です
北インド系は、トマトの酸味とスパイスのピリ辛の相性が最高です。口にするたび、奥行きのある味わいはインド料理店で食べるものと比べても、まったく遜色がありません!
いっぽうの南インド系は、玉ねぎがシャキシャキで、ココナッツミルクの甘みと濃厚さがやさしい味わいです。辛いのが苦手な方は、南インド系のほうがおすすめです!
「北は基本的には油やクリーム、ナッツを多く使用したバターチキンカレーなどの、ナンなどに合うようなコッテリ系カレーが多いです。仕上げにガラムマサラを加えるのも北が多いですね。
南は「バスマティライス」や「チャパティ」という、全粒粉で焼いたパンが主食のため、さらりとしていて野菜や魚などによく合います。スパイスの特徴としては、ブラウンマスタードシードやカレーリーフなどをよく使用します。ココナッツミルクで煮るカレーが多いのも特徴です」(カラミちゃん)
日本でおなじみのカレールウを使うと、おなじみのとろみのあるカレーに仕上がりますが、スパイスだけで作るとあのようなとろみはつきません。しかし、決して失敗ではなく、“別物の料理”なのでご心配なく!
「実はカレールウを使用したカレーは日本独自のものですが、イギリス発祥の欧風カレーから来ているように思います。牛脂やバター、小麦粉などを入れた、しっかりとした味わいのものですね」(カラミちゃん)
世界には、実にいろいろなテイストのカレーがあるんですね! スパイスを使ったカレーなら、さまざまなタイプにアレンジできますから、自分だけのお気に入りの組み合わせを研究してみるのも楽しそう!
ちなみに、ホールスパイスは食べる際にお皿の中でよけるか、取り除いてから盛り付けましょう。本場インドでは手で食べるため上手によけることができますが、スプーンだと思わず口に入れてしましまい、びっくりしてしてしまうこともありますからね。
でも、せっかく購入したスパイスが余ってしまいそうで……と悩んでいると、
「クローブ・カルダモン・シナモン(ホールスパイス)は、紅茶と牛乳に合わせてチャイも作れますよ」とカラミちゃん。チャイ!作ってみたいです!
チャイの材料はこちら
【材料(2〜3杯分)】
・茶葉(アッサムかセイロンがおすすめ)12g
・シナモン 3〜5cm
・クローブ 4粒
・カルダモン 4粒
・生姜(薄くスライスしたもの)3枚
・きび糖(黒糖など茶色いお砂糖がおすすめ)大さじ2
・水 1カップ
・牛乳(濃厚なものがおすすめ)1カップ
※スパイスはホール状のものを使用したほうが風味がよくなりますが、パウダー状のものでもOKです!
シナモン、クローブは軽く手で砕き、カルダモンはサヤを割っておきます
小鍋にスパイス、生姜、水を加え、中火で1〜2分ほどしっかり煮出します。
ぶくぶくさせるとしっかりとスパイスの香りが移ります!
茶葉を加えて1分ほどグツグツさせない程度の弱火にかけます。
弱火でじっくり煮出します
砂糖、牛乳を加えたら沸騰寸前まで温めます。
沸騰させないように注意します
飲めるまでもう少し……
自宅でチャイが完成しました!
しっかりと砂糖の甘みがついているのに、後から抜けるスパイスがたまりません! おやつタイムにぴったりです◎。
少し手間がかかるからこそ、出来上がりの味も格別!
ぜひおうち時間に試してみてはいかがでしょうか?
恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。Twitter:@KA_HO_MA