だし、といえば料理の味を決めるのにとても大事な調味料です。しかし、「1番だし」とか「2番だし」とかすごく手間も時間もかかるイメージ……しかし最近は粉末やパックで手軽に美味しいだしを作ることができる商品がたくさんあるんです!
そこで今回はだしを7種類そろえ、その違いを試してみました!
ほとんどのものはスーパーでも手に入るおなじみのものです!
粉末タイプ(小分け・大袋)、液体(ボトル・液体)キューブタイプまでさまざまなタイプがある市販のだしですが、どのように使い分けるのがよいのでしょうか?
粉末のだしは、量を手軽に微調整しながら使うことができ、長期保存に向いていることから、最もよく目にするタイプのだしです。
最近少しずつ種類が増えているパックタイプ・キューブタイプは粉末タイプ同様、長期保存に向いていますが、ポンと入れるのが簡単ないっぽうで、味の微調節は難しいのはデメリットかもしれません。
そして液体タイプ。手軽に初心者でも味の調節ができるのですが、長期保存ができないため、使い切れる量だけを購入することをおすすめします。
それでは7つの商品を比較していきましょう。
今回はだしのクオリティによって味が最も変わると言われている「大根」で味を比べました。
このように1pの輪切りにして、片面に十字の隠し包丁を入れ……
だし汁で煮て味を比べます
まずは20分水とお米で煮てから(生米を入れることでやわらかく、味が染み込みやすくなるのだそう!)、
それぞれのだしと規定の分量の水でさらに10分間煮てだしを染み込ませてみました。
ほんだし
粉末状のだしが直接大袋に入っています。小分けタイプもありますよ
焼津・枕崎産の極深燻し・深燻し・浅燻し3種のかつお節にこだわっただし。
どこのスーパーにも必ず置いてありますし安価ですから、「我が家はずっとこれ」という方も多いのではないでしょうか。
【原材料名】
[風味原料]かつおぶし粉末、かつおエキス
食塩、砂糖類、酵母エキス、小麦たん白発酵調味料、酵母エキス発酵調味料
【内容量】
40g
【分量目安】
水300mlに小さじ2/3杯(2g)
ほんだしで大根を煮る
ほんだしで煮た大根
・コスパ:★★★★☆
・透明感の美しさ:★★★☆☆
・味の深み:★★☆☆☆
・使いやすさ:★★☆☆☆
【総評】
ザ・日本の和食のだしの味!という香り・味が特徴のイメージ。
大根への染み込み具合はそこまでではありませんでしたので、しっかりだしの味を染み込ませたいときにはもう少し隠し包丁を入れるか、煮込み時間を長くすべきかもしれません。
袋から大さじを使って計量し使うのが面倒だな……という方はスティックタイプが便利です!
千代の一番
扱いやすいパックタイプ!
こちらも多くのスーパーに品ぞろえされている商品。
高級感のある金色のパッケージの通り、お値段も少しお高めなので、味の違いが気になるところです。
【原材料名】
食塩、鰹節粉末、砂糖、酵母エキス、(酵母エキス、でん粉分解物)、そうだ鰹節粉末、粉末醤油、鯖節粉末、うるめ鰯粉末、かたくち鰯粉末、鰹エキス、昆布粉末、椎茸粉末、昆布エキス
【内容量】
8g×7包
【分量目安】
水600〜700mlにだし1パック
千代の一番で大根を煮る
千代の一番で煮た大根
・コスパ:★★★☆☆
・透明感の美しさ:★★★★☆
・味の深み:★★★★☆
・使いやすさ:★★☆☆☆
【総評】
しっかりと味がついており、塩味も少々強め。大根にもちゃんと味が染み込んでいます。
割高に感じるかもですが、やはりパックタイプは計量の必要性も、こぼしてしまう心配もなく、パッと入れてパッと捨てるだけなので便利! もちろん、袋を破って中身だけを粉末タイプのように使うこともできます。
こなべっち 焼きあごだし 鍋つゆ
液体が小分けの袋に入っているから必要な分だけ使えて便利!
焼きあご・煮干し・かつお・さば・鶏がら・しいたけ・昆布の7種類のだしをブレンドしたものが小分けの袋に入っているお手軽な商品。本来はひとり鍋のための商品ですが、液体だしとしても使えて便利です。
【原材料名】
食塩、米発酵調味料、あごだし、アミノ酸易、煮干しだし、しょうゆ、砂糖、かつおだし、酵母エキス、さば節だし、鶏がらだし、しいたけだし、こんぶだし
【内容量】
29g×4個
【分量目安】
水200mlに小袋1袋
こなべっちで大根を煮る
こなべっちで煮た大根
・コスパ:★☆☆☆☆
・透明感の美しさ:★☆☆☆☆
・味の深み:★★★☆☆
・使いやすさ:★★☆☆☆
【総評】
そのままだし汁を飲むにはかなり濃いめ!しょう油のような、ツンとくる辛味があります。しかし、その分大根には10分でもしっかりと味が染み込み、ちょうどよいお味に! 急いでいる日の煮物にうれしいだしです。もちろん、本来の使い方で鍋にたくさんの具材を入れて楽しむにはちょうどいい味だと感じました。
リケン 素材力だし 本かつお
細長い袋に粉末が小分けされています
国産かつお節粉末にこだわり、化学調味料と食塩を一切使用していない、その名の通り「素材力」にこだわった商品です。野菜などの素材の風味を引き立ててくれる味わいが実現するとともに、塩加減ができるのは健康にもうれしいところ。
【原材料名】
[風味原料]かつお節粉末、かつお節エキス粉末、かつおエキス粉末、昆布粉末、椎茸エキス粉末
でん粉分解物、酵母エキス粉末、麦芽糖
【内容量】
5g×7本
【分量目安】
(煮物の場合)煮汁500mlにスティック1本
素材力だしで大根を煮る
素材力だしで煮た大根
・コスパ:★★☆☆☆
・透明感の美しさ:★★☆☆☆
・味の深み:★☆☆☆☆
・使いやすさ:★★★☆☆
【総評】
化学調味料と食塩を一切使用していないだけあって、香りも味もかなり控えめ……ほんのりとかつおの風味が感じられる程度……かな? ご自身で塩やしょう油を加えることをおすすめします。ただし、塩で味を変えようとするとかなり大量に入れないといけないので(そのくらい薄い)、味を付けたい場合にはしょう油がいいかもしれません!
味の素 鍋キューブ 鶏だし・うま塩
飴のような袋に小分けされたキューブタイプが珍しい
キューブタイプだしの第一人者的存在の「鍋キューブ」。“おひとり様鍋”のニーズに応えた商品です。とはいえ、鍋以外にも雑炊や汁物・麺類などさまざまなレシピに使用することができるだしアイテム。
【原材料名】
食塩、乳糖、チキンパウダー、食用油脂、大豆たん白加水分解物、ゼラチン、デキストリン、ガーリックパウダー、香辛料、酵母エキス調味料、チキンエキス、酵母エキス、小麦・大豆発酵調味料
【内容量】
8個入り
【分量目安】
水180mlにキューブ1個
鍋キューブ鶏だしうま塩で大根を煮る
鍋キューブ鶏だしうま塩で煮た大根
・コスパ:★★☆☆☆
・透明感の美しさ:★★★★☆
・味の深み:★★☆☆☆
・使いやすさ:★★☆☆☆
【総評】
大根にもしっかりと塩味とだしの味が染み込んでいます。そしてだし自体の味はまさに「鶏だしうま塩」という感じの塩味の効いた鶏の風味が……そのまま飲んでも美味しい!そのままではちょっと濃いめに感じる方も多いと思いますので、もう200mlほど水を足してスープにして冬の朝に飲みたい!
久原本家 茅乃舎だし 焼きあご入り
パック入りのだしが30袋も入っています!
30パック入りとはいえ、かなり高級なイメージのある茅乃舎(かやのや)。駅などにお店があるので気になっている方も多いと思います。焼きあご、・かつお節・うるめいわし・真昆布の旨味をていねいに引き出しただしパックは、一度口にすると虜になるという人も多いのだとか。
【原材料名】
[風味原料]かつお節、煮干しエキスパウダー(いわし)、焼きあご、うるめいわし節、昆布
でん粉分解物、酵母エキス、食塩、粉末醤油、発酵調味料
【内容量】
8g×30袋
【分量目安】
水400mlにだし1パック
茅乃舎 だし 焼きあご入りで大根を煮る
茅乃舎 だし 焼きあご入りで煮た大根
・コスパ:★★☆☆☆
・透明感の美しさ:★★★☆☆
・味の深み:★★★★☆
・使いやすさ:★★☆☆☆
【総評】
さすが茅乃舎……! 上品なかつお風味のだしの香りと味がしっかり大根にも染み込んでいます。塩味もほどよく、そのまま飲んでもほっとできる安心スープに!お値段が張るだけの価値がある!と実感できました。
ねこぶだし
おしょう油のようなボトルに入っただしを直接注ぐことができます
今回だしについて調べる中で、ネットでの評判がかなり高かったのがこちら! 北海道産日高昆布の良質な根昆布を使用し、かつお節エキスを加えて旨味を存部に引き出した商品。だしとしてはもちろん、しょう油の代わりに卵に注いで卵かけご飯にしてもいいのだそう。
【原材料名】
昆布エキス、根昆布、食塩、かつお節エキス、調味料、増粘多糖類
【内容量】
500ml
【分量目安】
水200mlに大さじ1
ねこぶだしで大根を煮る
ねこぶだしで煮た大根
・コスパ:★★★★★
・透明感の美しさ:★★★★★
・味の深み:★★★★★
・使いやすさ:★★★☆☆
【総評】
水200mlに大さじ1しか入れていない! のにたった10分でしっかりと大根の奥まで味が染み込んでいます!しかもその味はかつおと昆布の芳醇な味が口いっぱいに広がる……! 口コミで「一度使うと、もうほかのだしには戻れない」という方が多いのには納得です。1本1,200円前後しますが、少量でしっかり味がつくのでコスパは抜群です!
7種を比較してみて筆者の使い分け方のおすすめは下記のとおりです。
・普段の料理に使うなら量の調整もしやすい「ほんだし」
・煮物で使うならコスパと味が最高な「ねこぶだし」
・味噌汁のように繊細なだしの味が重要な料理には「茅乃舎」
「こなべっち」や「鍋キューブ」のようなアイテムは味が濃いので、鍋以外で使う場合は、急いでいる日に煮物を作りたいときにちょうどいと思いました。
皆さんも、用途や状況に応じてだしを使い分けてみてくださいね!
恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。Twitter:@KA_HO_MA