特別企画
全部英語で学びます……!

日本酒の知見を深めたい! 「国際利き酒師」なる資格をライターが取得してみた

日本酒が好きです。

と言うと、「こだわりの人ですね」「酒好きなんですね」「強いんですね」という返しをよくいただきます。

最近まで、日本酒の魅力に気付いていませんでした……

最近まで、日本酒の魅力に気付いていませんでした……

酒に強く、そして酒好きなのは事実ですが、日本酒の魅力に気づいたのはここ2〜3年ほど、しかもきっかけは「『獺祭(だっさい)』って美味しくない!?」という、比較的ポピュラーな入りから。

そもそも20代の頃は、「日本酒って……油性マジックの味がするしぃ〜」というコメントをして周囲をドン引きさせていたほど。しかし、獺祭を初めてうっかり口にしたとき、「なんだこれ! 飲みやすいし、めっちゃ美味しい!」となって、日本酒に興味を持つきっかけをいただいたのです。

大好きな日本酒についての資格を取得したい

そんな日本酒に興味を持った今年の2月、新型コロナウイルスの影響でフリーランスの私は仕事が激減してしまいました。ですが、時間があるのだからいつもはできない「資格取得」をしよう……と思い立ち、調べているうちに「唎酒(ききざけ)師」という資格があることを知りました。2日間講座を受けて取得できるものもありますが、コロナ禍の真っただ中だったこともあり、学習から試験まですべて在宅で取得できる「通信プログラム」を選択しました。

とても興味があったのですが、トータルの費用は約14万円(通信プログラムの場合……78,400円+認定料25,000円+入会金19,000円+初年度年会費15,900円=138,300円)。フリーランスの私には少し勇気のいるお値段でした。

だけど日本酒をきちんと学んで理解して楽しみたい気持ちはあるんだよね……と、さらに調べていると、「国際唎酒師」というバージョンもあることを発見!教材・試験は全て英語なのですが、トータルの費用が60,000円……! 半額以下です。

筆者のTOEICスコアは680点。さすがに日本人で「国際唎酒師」を取得した人は少ないようで、ネットのクチコミはほとんどありませんが、「調べながらでもなんとか行ける」というコメントを発見しました。そこで、頑張ればいけんじゃね?ということで、若干無謀ながらチャレンジをすることに決めました!

■申し込み〜資格取得まで

早速申し込みをすると、テキストが届き通信プログラムが開始しました。
前月25日までの申し込みで翌月からスタート。最短3か月で資格取得が可能。最長1年間まで猶予があります。

私は2月25日までに申し込みをしたので、3月1日からスタートすることになりました。
毎月末に課題(筆記試験)を提出するのですが、3回分の課題提出を行い、3回とも合格点を取ることができれば資格取得となります!

テキストが届きました!

テキストが届きました!

えっ、ガチで英語だ……(当たり前です)

えっ、ガチで英語だ……(当たり前です)

「勉強の進め方」「試験概要」といった解説も当たり前ですが全て英語! 「マジで自分だいじょうぶか」と不安になりながら、わからない単語をひとつずつ書き込んで、何が書いてあるのかを読み解きます(すごい時間かかる)

「勉強の進め方」「試験概要」といった解説も当たり前ですが全て英語! 「マジで自分だいじょうぶか」と不安になりながら、わからない単語をひとつずつ書き込んで、何が書いてあるのかを読み解きます(すごい時間かかる)

確信は持てないものの、3回分の筆記試験の範囲とそれぞれの筆記試験はPDFにしてメールで送信することを理解し、どうやら3か月目の筆記試験は、自分で2種類の日本酒を購入し、その味についてレポートを書くらしい……ということを知ります。

【1か月目】
不安を抱えてスタート……

あまりにも自分の英語のレベルと、テキストの「ネイティブ向け」感の乖離に「これでは日本酒についてしっかり基礎を学ぶどころか、資格取得前に挫折してしまう!」と焦った私は、まずテキストを全て日本語訳してノートに書いていくことにしました(やっぱりすごい時間かかる)

あまりにも自分の英語のレベルと、テキストの「ネイティブ向け」感の乖離に「これでは日本酒についてしっかり基礎を学ぶどころか、資格取得前に挫折してしまう!」と焦った私は、まずテキストを全て日本語訳してノートに書いていくことにしました(やっぱりすごい時間かかる)

その後、内容を日本語で理解します。英語の勉強にもなって、何気に一石二鳥です◎。

1か月目の内容は、おおまかに「唎酒師とは何か」「アルコール飲料の基本」「日本酒の歴史」でした。印象的だったのは、「唎酒師とは味を見分ける人じゃない!」ということ。「唎(きき)〜」とつくと、なんとなく目隠しをして種類の違うものを口にし、「これは●●の銘柄だ!」と叫ぶ(?)イメージがあるかもしれませんが、唎酒師というのは決してそういうものではなく、日本酒のソムリエとしての知識を持ち、お客様に対しホスピタリティと洞察力を発揮しながら日本酒の魅力を伝える存在である……ということ。ただの愛好家ではなく、「専門的な知識を持ったプロ」として日本酒を紹介したりオススメしたりできる存在なんですね。

……そんな内容を辞書と格闘しながら1か月かけてなんとか理解。普通に日本語のテキストで読みながら学習するよりもかなり脳を消耗するので、長時間の学習はしんどく……1日1時間程度を毎日続けることでなんとか1か月で範囲を終えました。

試験は3〜4択からの選択問題だったり、単語や文章での筆記問題だったりしたのですが、少しずつやればなんとか可能かな……という感じでした(一度に〇分以内でやりなさいという指示はありません)。いじわる問題やひねったものはないので、学習したことが素直に出題される感じです。

【2か月目】
いよいよ日本酒の作り方を学ぶ

2か月目に入ると「日本酒の成分」「日本酒の作り方」を学びます。
日本酒はお米とお水があればなんでもいいわけではなく、「酒造好適米」という日本酒に適したお米が使われることが多いということを初めて知りました。

日本酒に適したお米は、「米粒が大きい」「心拍(お米の中心の白い部分)がある」「脂質とタンパク質が少ない」「水を吸収しやすい」「蒸した後に外側が硬くなり、内部がやわらかくなる」という条件を兼ね備えるものなのだそう!

さらに、日本酒の80%を占める水は味を大きく左右するため、新潟・灘・伏見などの水が豊富かつ美味しいところが日本酒で有名だということも知り、納得。お米を洗ったり、道具を洗ったりと、日本酒造りではたくさん水を使う機会があることも、水が豊富な場所で日本酒造りが発展してきた要因のひとつなんです。

新潟県はきれいな水が豊富で、日本酒作りに適した地域のひとつです

新潟県はきれいで美味しい水が豊富で、日本酒作りに適した地域のひとつです

……ただし、この2か月目の学習は、見たこともなくちょっと特殊な「日本酒の造り方」を、テキストの図と英語の解説だけで理解することが難しく、日本語のサイトやYouTubeなどで補足学習をする必要がありました。これは日本語でもおそらく完全に理解することは難しいと思います……。

本音としては実際に酒蔵で見学させてもらってもそれでも全ては理解できない……そのくらい複雑かつ達人の熟練の技なのだろうなぁという印象をほんのり抱き、無力感で終わったのでした。

いずれは酒蔵で実際の日本酒作りを見学したいと思いました

いずれは酒蔵で実際の日本酒作りを見学したいと思いました

【3か月目】
さっぱりわからねえ! アカシアの味って何よ?

3か月目は、いよいよ「唎酒」という部分に入っていくのですが、ここが最も苦労した部分でした。2日間の通学コースであれば、おそらく味の違いを講師の方が「これはほら、●●な味ですよね」と解説してくださったであろう場面を、自宅でひとりでやっているため、悩むことが多かったのです。

日本酒には無限にその味や香りがあり、それらを表現する「ことば」が……
・華やかな香り(例:アカシア、チューリップ、ライチ、リンゴ)
・穏やかな香り(例:ミネラル、白菜、ピーナッツ、和紙)
など……。「和紙みたいな穏やかな香りですね」って言うのかな? もしかして私の「油性マジックですね」もあながち間違っていなかったのか?と邪推するほどに(絶対違いますね)、その表現ワードと自分の味覚をひもづけることは難しかったです。このテイスティングだけの講座があれば参加してみたいなと思います。

さらに、日本種は温度で味が変わるだけでなく、おちょこで飲むのか、グラスで飲むのかなど、注ぐ器によっても味が異なってくることを学びました。グラスに入れて飲むと香りがグラス内でふんわり広がるので、フルーティーな香りを楽しみたいものはグラスがオススメというのは新しい発見でした。少しハードルが下がる気がしますよね

さらに、日本種は温度で味が変わるだけでなく、おちょこで飲むのか、グラスで飲むのかなど、注ぐ器によっても味が異なってくることを学びました。グラスに入れて飲むと香りがグラス内でふんわり広がるので、フルーティーな香りを楽しみたいものはグラスがオススメというのは新しい発見でした。少しハードルが下がる気がしますよね

色についても「どっちも透明じゃね!?」と思いましたが、よ〜く見ると右側のほうが若干黄色がかっています

色についても「どっちも透明じゃね!?」と思いましたが、よ〜く見ると右側のほうが若干黄色がかっています

もちろんこれも英語で書かないといけないので、まずは日本語でポツリポツリと感想を書いて、英訳していくという方法です。レポートと言っても、長々文章を書くのではなく、5段階の数字でどこに該当するかだったり、どんな香りかを簡単に記載したりする程度なのでなんとか可能でした

もちろんこれも英語で書かないといけないので、まずは日本語でポツリポツリと感想を書いて、英訳していくという方法です。レポートと言っても、長々文章を書くのではなく、5段階の数字でどこに該当するかだったり、どんな香りかを簡単に記載したりする程度なのでなんとか可能でした

日本酒には4タイプの味がある!

3か月目に学んだことで一番大きかったのは、日本酒には大まかに分けられる「4タイプ」があるということ。それぞれのタイプに応じて味や香りの種類、そして美味しく飲める温度やタイミング(食前や食後など)、合う料理が変わってくるため、4タイプを知っておけば自分の好みの日本酒や、「こんな料理にはこの日本酒!」というのが見つけやすいのです。

以下、それら4種の大まかな分類と、おすすめ銘柄をご紹介しましょう。

薫酒:甘くフルーティーな香り。食前酒にお奨めで8~15℃が美味しく飲めると言われている。

獺祭純米大吟醸磨き二割三分

爽酒:ライトでシンプルな味わい。どんな料理にも合う。前菜にオススメで、5〜10℃が美味しく飲めると言われている。

越乃寒梅吟醸 別撰

醇酒:日本酒らしい米の風味が感じられる。メイン料理にオススメで、15〜18℃か40〜55℃と温冷どちらも美味しく飲めると言われている。

天狗舞 山廃仕込み 純米酒

熟酒:長期保存により熟成させたもので、最も濃淳! こってり油の多い料理と相性がよく、13~35℃が美味しく飲めると言われている。

達磨正宗 十年古酒

3か月で無事修了……!

毎回ぎりぎりでヒヤヒヤしましたが、なんとか課題提出も間に合い、最短の3か月で修了することができました。3か月目の課題提出をした1か月後に、認定証とピンバッジ・ステッカーが送られてきました!

毎回ぎりぎりでヒヤヒヤしましたが、なんとか課題提出も間に合い、最短の3か月で修了することができました。3か月目の課題提出をした1か月後に、認定証とピンバッジ・ステッカーが送られてきました!

資格取得後、私は飲食店勤務などではないのですが、「そういえば国際唎酒師の資格を取りました」と言うと、「そんなにお酒好きなの?」「日本酒私も好き!」といった好意的なリアクションがたくさんあってうれしかったです!

また、できるだけたくさんの種類の日本酒を飲んでみたいと思うようになりました。当然ながら、「資格を取ったからなんでもわかる」ものではなく、資格取得で得たベースの知識からさらにたくさんの種類を飲むことで広がっていくものだからです。

■初心者の筆者も感動の飲みやすさ!
日本酒好きになれる銘柄はコレ

資格を取得しても、いきなり辛口の日本酒をガンガン飲めるようになったわけではありません。まだまだビギナーの筆者が、いくつか試飲させていただく中で「これは初心者の私でもとっかかりやすい!」と思った銘柄をご紹介します。まだ日本酒ビギナーだけどまだ苦手……という方でもこれらなら、「あれ、日本酒もありなんじゃない?」と思っていただけるのではないでしょうか。

萩乃露 純米 双子座のスピカ

滋賀県の酒蔵で作られた日本酒ですが、見た目も味もまるで白ワイン! 甘酸っぱく爽やかな香りはワイングラスでいただきたい。日本酒にしてはアルコール度数が10%とそこまで高くない(一般的には15%前後が多い)のもオススメポイントです。

八海山 貴醸酒

梅酒のようなとろ〜りとした甘い味が、いい意味で日本酒らしくありません。なぜ甘くとろみがあるのかというと、本来水で仕込むところを代わりにお酒で仕込んでいるから。水の代わりにお酒を使う分、高級感があります。

利き酒師の勉強を通じてもっと日本酒が好きになる!

費用面での事情により想定外の「英語力の壁」にぶち当たった筆者ですが、大人になるとがっつり勉強することがあまりないのでかなり楽しかったです。

そして、これまでなんとなくでしか理解していなかった日本酒の知識を得たことで、さらに日本酒の魅力を知ることができたと思います!

興味がある方はぜひ唎酒師の資格取得にチャレンジしてみてくださいね!

松本果歩

松本果歩

恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。Twitter:@KA_HO_MA

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
価格.comマガジン プレゼントマンデー
ページトップへ戻る