さて、今年もあの季節がやってきました。そう、スターバックスコーヒーで「ジンジャーブレッドラテ」が販売される季節です! 毎年このシーズンしか飲めないとあって、楽しみにしている方も多いのではないでしょうか?
こちらが本家スタバのジンジャーブレッドラテ。ジンジャー(生姜)シロップの入ったラテで、毎年ホリデーシーズンのみの限定販売です
かくいう筆者も、このジンジャーブレッドラテの大ファン。あれは2013年の冬だったでしょうか。店員さんにおすすめされて初めて飲んだとき、いつものラテとは異なるスパイシーな味に衝撃を受けました。スパイシー、でも甘い、でもスパイシー、でも甘い……その繰り返しです。スパイスの入ったコーヒーなんて飲んだことがなかったのですが、その刺激と、ほんのりと甘い後味に夢中になりました。初めての1杯を飲み終わったあと、すぐにもう1杯トールのジンジャーブレッドラテを注文したほど。
その後は、毎朝地元のスタバでジンジャーブレッドラテを飲むようになりました。刺激が欲しいときはジンジャーシロップ多めで注文していたら、朝、店を訪れるだけで「おはようございます。今日は多めですか?」と聞かれるようになる始末。そんなこんなで、毎年このシーズンになるとスタバカードの残高がなくなるまでジンジャーブレッドラテを飲み続けています。
しかし問題は、この時期しか飲めないこと。ジンジャーブレッドラテが飲めない間(1年のほとんど)、悲しみに暮れて過ごしていました。そう、今日までは。
買えないなら、作ればいいんです。
前置きが長くなりましたが、今回は、スタバのジンジャーブレッドラテを家で再現してみようという挑戦をお届けします。
用意したのは、スーパーなどで購入できる小瓶タイプのスパイス3種類。ジンジャー、ナツメグ、シナモンです。本家の味を思い出すと、おそらくこのあたりのスパイスが使われているはず。
本家の味を思い浮かべながら、コーヒーと各種スパイスを用意しました
さて、ジンジャーブレッドラテを再現するに当たって、今回は2パターンを考えてみました。
1:スパイスのパウダーを混ぜて作る
2:生ジンジャーでシロップを作る
どちらがより本家に近くなるか、ひとつずつ試していきましょう。
まずは、すべてパウダーを使って作る方法。いろいろと試してみたところ、本家はジンジャーが一番強く感じられるため、以下の配合がベストではないかと思います。
・ジンジャー 小さじ1
・ナツメグ 小さじ1/2
・シナモン 小さじ1/2
(コーヒー2杯分の分量)
この割合で調合します
そして、混ぜたスパイスをコーヒーに入れていきます。コーヒーは、スタバで購入したフォールブレンド。このままでは甘みがないので、今回は「てんさいのお砂糖」を用意してみました。
やさしい甘みを再現できるのではないかと思います
コーヒーにさきほどのパウダーを入れ、かき混ぜます
そしてここにミルクを投入。スタバで使われているという「タカナシ乳業」のミルクを用意しました
最後に泡立てたミルクを入れて完成。見た目はなかなかいい感じでは?
さて飲んでみます。うん、意外といい感じ。ジンジャーの強い香りの中にうっすらとシナモンの風味が感じられ、てんさいのお砂糖を使った甘みとミルクの口当たりのよさで、ジンジャーブレッドラテっぽい味になりました。ただ、なんだろう。何かが足りない感じもあります。
そして、パウダー方式ではこんな失敗も出てしまいました。
飲み終わったカップにパウダーがしっかり残ってしまい、口の中にも粉が残る感じが……
そこで、このパウダー感を消すために、新兵器を投入。市販されている空のティーバッグにパウダーを入れて、コーヒーの中で抽出する方法を考えてみました。
市販のティーバッグにパウダーを入れておきます
これをコーヒーの中にしばらく入れて、スパイスを染み出させます
ティーバッグを取り出し、ミルクを入れます
仕上がりの見た目は同じですが、飲み終わった後にパウダーが残りません
このティーバッグ方式は成功でした。コーヒーの中にも口内にもパウダー感が残らず、スッキリとしたスパイスの味が楽しめます。本家と同じ味というわけにはいきませんが、再現度もかなり高くなりましたよ。これなら、あらかじめスパイスを混ぜ合わせたものを作っておき、好みの量をティーバッグに入れて、コーヒーの中で混ぜるだけでOKなのでラクですね。
次に、生のジンジャー(生姜)を使ってシロップを作り、ジンジャーブレッドラテを再現してみる方法です。実際にスタバでジンジャーブレッドラテを注文する際は、「ジンジャーシロップ多め」というのができるので、シロップ方式にすればより本家に近くなるのではないでしょうか。
生のジンジャーを用意しました
これをスライスして、てんさいのお砂糖と合わせて煮込みます
10分ほど煮込めばジンジャーシロップ完成です
これくらの瓶いっぱいにシロップができました。コーヒーに入れる用に別途小さな容器に入れておきます
あとはコーヒーにシロップを入れて、ナツメグとシナモンの2種類のパウダーを入れて調整します。パウダーの入れ方は、以下の2種類の方法を試してみました。
1:ティーバッグに入れたパウダーをシロップに浸ける
2:ティーバッグに入れたパウダーをコーヒーの中に浸す
1:先にシロップの中にパウダーを入れて浸し、そのシロップをコーヒーに入れてみます
2:こちらはコーヒーの中にパウダーを入れて浸し、その後にシロップを入れるパターン
あとはどちらも、ミルクと泡立てたミルクを入れてラテスタイルにすれば完成です
飲み比べた結果、筆者がいいと思ったのは、「2:先にコーヒーの中にパウダーを入れて浸しておき、後にジンジャーシロップを入れる」ほうでした。パウダーのジンジャーを使ったときよりもジンジャーブレッドラテに近い味になりますね。やはり生ジンジャーを使っているので、ジンジャーの風味が強く、同時にやや辛みも感じるのですが、シロップなので飲みやすいです。すべてパウダーを使ったときよりも、シロップを使ったこちらの方法のほうがお店の味に近付きました。
後日、答え合わせも兼ねて、改めて2020年版の本家ジンジャーブレッドラテを飲んでみたところ、思っていたよりナツメグ感が強かったです。なので、もう少しナツメグパウダーを多めに配合してもいいかもしれません。
本家のジンジャーブレッドラテ。今年のテイクアウト用カップはとてもかわいいです
改良版の自作ジンジャーブレッドラテ。さらに本物に近づけるため、ナツメグを増量。そしてホイップクリームとシナモンパウダーをトッピングしました
あっさり飲みたいときはホイップクリームなしのほうがいいのですが、甘さが欲しい場合は本物同様、ホイップクリームを追加するのがいいですよね。
それでは、今回の試行錯誤の結果編み出した、スタバのジンジャーブレッドラテの再現方法をまとめます。
【1】ジンジャーシロップを作る
【2】ナツメグとシナモンのパウダーを空のティーバッグに入れる(ナツメグ多め)
【3】コーヒーをいれ、先に【2】のパウダーを浸す
【4】浸したパウダーを取り除き、ジンジャーシロップを入れる
【5】ミルクと泡立てたミルクを入れてラテを完成
【6】ホイップとシナモンパウダーをトッピング
このパターンが一番、ジンジャーブレッドラテに近い感じの味を再現することができました。最初に試した、ジンジャーのパウダーを使う方法も、手軽に作るパターンとしていいと思います。
スタバのタンブラーで作れば、まさにジンジャーブレッドラテの雰囲気を味わえます
ちなみに、ジンジャーシロップを作った後の生ジンジャーは、お砂糖と煮込んでいることもあり、ほんのり甘いお菓子としてそのままポリポリと食べることもできておいしいですよ。
もちろん本家のジンジャーブレッドラテが一番好きであることに変わりはなく、今シーズンも通い詰めるつもりですが、これで本家の販売が終わってしまった後も、1年中ジンジャーブレッドラテを楽しむことができそうです。
「月刊PCエンジン」誌で編集ライターデビュー。「64DREAM」誌デスクを経て前職はXbox 広報のゲーム漬け人生。猫とガンプラとaqoursが存在理由のホビー担当。