選び方・特集
手間はかかるがやっぱり揚げたてが一番!

冷めてもウマいのは!? みんな大好き「から揚げ」の粉を食のプロが徹底比較

おかずにもつまみにもなる、定番総菜のから揚げ。最近はテイクアウトやデリバリーの需要増で専門店も増えていますが、家で揚げたてを食べるなら、手間はかかっても自家製に限ります! そんなときに重宝するのが「から揚げ粉」。

そのバリエーションはなかなか幅広く、まぶすだけのタイプがあれば水で溶くものも。また、生姜を効かせていたり、ニンニクを強めにしていたりと味の方向性もさまざまです。その中から、おなじみやユニーク系、こだわりの逸品など5種を厳選し、鶏モモ肉で実際にから揚げを作って食べ比べてみました。そこで浮き彫りになった特徴をレポートしたいと思います。

ロングセラーの「日清 から揚げ粉」や「お肉をやわらかくするから揚げ粉」を筆頭に、5商品を集めました

ロングセラーの「日清 から揚げ粉」や「お肉をやわらかくするから揚げ粉」を筆頭に、5商品を集めました

比較するのは、こちらの5商品。
・日清 から揚げ粉
・昭和産業 お肉をやわらかくするから揚げ粉
・日本製粉(ニップン) 伝説のから揚げ粉 にんにく風味
・味覇 から揚げ粉
・峠の鶏小屋 北海道塩からあげの素

このような感じで下準備し、次々と揚げまくりました!

このような感じで下準備し、次々と揚げまくりました!

なるべく条件をそろえるため、鶏肉は同じ店、同じタイミングで購入した、から揚げ用の鶏肉(あらかじめカットされているもの)を使用。漬け込みや揚げる時間といったレシピは、各粉の説明書きに従っています。

揚げ油は素材の味を引き立てるタイプを求め、昭和産業の「オレインリッチ」を使用。同社はから揚げ粉も作っていて、今回の比較でもラインアップしています

揚げ油は素材の味を引き立てるタイプを求め、昭和産業の「オレインリッチ」を使用。同社はから揚げ粉も作っていて、今回の比較でもラインアップしています

では、食べ比べていきましょう! ここからは見ているだけでおなかが空いてくること必至なのでご注意を。

【1】日清 から揚げ粉

まずはド定番かつ、から揚げ粉売り上げNo.1を誇るこちらから。1974年に発売された超ロングセラーで、鶏のから揚げが一般家庭に普及する起爆剤になったとか。なお、日清といってもインスタント麺で有名なあのメーカーではなく「日清製粉」です。

使用したのは100gのタイプ。こちらで鶏モモ肉4枚分を揚げられます

使用したのは100gのタイプ。こちらで鶏モモ肉4枚分を揚げられます

パウダーは粒が大きめで、ほんのりオレンジ色。パラっとしているのも特徴です

パウダーは粒が大きめで、ほんのりオレンジ色。パラっとしているのも特徴です

調味的には、スパイスと香味野菜のフレーバーを表現した奥深さがポイントになっています。また、水に溶かさず肉にまぶすだけでOKという手軽さも魅力。

できあがり! まぶすタイプだからか、衣は薄めです

できあがり! まぶすタイプだからか、衣は薄めです

味はほどよくスパイシーで、洋風とも言えるテイスト。フライドチキンに似たニュアンスもあります。パラっとしたパウダーがきめ細やかな衣となり、サクッとした食感になるのもこの商品ならではでしょう。手軽なのにすごくおいしい。改めて、これは売れるのも納得です。

スパイスの風味がヤミツキに。よく考えられた味付けで、飽きのこないおいしさです

スパイスの風味がヤミツキに。よく考えられた味付けで、飽きのこないおいしさです


【2】昭和産業 お肉をやわらかくするから揚げ粉

個人的に「お・に・くをやわらかく〜するか・ら・あ・げ・こ♪」のCMが懐かしい、昭和産業の「お肉をやわらかくするから揚げ粉」。こちらも1992年から発売されているロングセラーで、その魅力はやはり肉をやわらかくする力にあります。

100g入りで、まぶす場合は鶏モモ肉4枚分。水で溶く場合は2枚分が目安です

100g入りで、まぶす場合は鶏モモ肉4枚分。水で溶く場合は2枚分が目安です

こちらの粉は粒が超微細で、吹けば飛んでしまうような軽さ。色はほんのりオレンジ色

こちらの粉は粒が超微細で、吹けば飛んでしまうような軽さ。色はほんのりオレンジ色

肉をやわらかくする秘密は、パパイヤに含まれる「パパイン」という酵素にあり。味付けは生姜と醤油の家庭的なテイストになっています。また、まぶしても、水で溶いても使えるというハイブリッド型なのも魅力的。今回はまぶして揚げました。

香りは和風のフレーバーで安定感抜群

香りは和風のフレーバーで安定感抜群

甘みを感じる醤油味で、うまみが豊か。生姜は効いているものの、辛さやくどさはなくちょうどいいバランスです。肉は確かにやわらかくなっており、それでいて弾力もしっかり。ムネ肉やササミでもおいしくしてくれるのではないでしょうか。

バランスがよく、刺激を抑えたやさしい味わい。老若男女に愛されるおいしさです

バランスがよく、刺激を抑えたやさしい味わい。老若男女に愛されるおいしさです


【3】日本製粉(ニップン) 伝説のから揚げ粉 にんにく風味

東京・浅草を拠点に、北は新潟、南は熊本まで展開している専門店「からあげ 縁 - YUKARI -」。由来はよくわかりませんが、“伝説のから揚げ”をウリとする同店が監修しているのが「ニップン 伝説のから揚げ粉」シリーズです。プレーンタイプとにんにく風味があり、今回はネットで評判の高い後者をチョイスしました。

100g入りで、鶏モモ肉2枚分が目安。水に溶くタイプで、まぶすタイプよりも粉をたっぷり使います。また、同商品はチャック付きの袋になっている点がうれしい

100g入りで、鶏モモ肉2枚分が目安。水に溶くタイプで、まぶすタイプよりも粉をたっぷり使います。また、同商品はチャック付きの袋になっている点がうれしい

粉は軽やかな微細タイプで、オフホワイトに近い色合い。黒い粒はブラックペッパーでしょうか

粉は軽やかな微細タイプで、オフホワイトに近い色合い。黒い粒はブラックペッパーでしょうか

パウダーの状態からすでに、ニンニクのパワフルな香りがふんわりと。イメージ的には、インスタントラーメンの粉スープのようなニュアンスです。

揚げ上がりの香りも力強く、期待大

揚げ上がりの香りも力強く、期待大

水溶きタイプゆえか、衣がバリッとたくましい食感で、やわらかい肉とのコントラストが絶妙です。味は想像どおりのパンチあるテイストで、濃厚さも十分。育ち盛りのわんぱくキッズにはすごくよろこんでもらえる味だと思います。

野菜とのからみ具合は抜群!

野菜とのからみ具合は抜群!


【4】味覇 から揚げ粉

中華調味料として定番人気を誇るうえ、今秋「海鮮味覇」が発売されて話題となっている「味覇」(ウェイパァー)。「海鮮味覇」は価格.comマガジンでもレビューしています。その販売元である「廣記商行」監修の新商品として、なんと「味覇から揚げ粉」が登場しました。

2020年9月1日発売の新商品。80g入りで、鶏モモ肉2枚分が目安。水に溶いて使うタイプです

2020年9月1日発売の新商品。80g入りで、鶏モモ肉2枚分が目安。水に溶いて使うタイプです

本家「味覇」はクリーム色ですが、このから揚げ粉はより赤みがかった色合いです

本家「味覇」はクリーム色ですが、このから揚げ粉はより赤みがかった色合いです

ウリは「醤油をベースに白黒ダブルの胡椒とニンニクを効かせた、ガツンとくる味わい」。とのことですが、食べてみると奇をてらった感じではなく、から揚げ王道の味と言えるおいしさ。「味覇」は中国語で味の王様を意味するものですが、まさにそんなイメージです。

「味覇」ファンにはたまらない、攻めのある香ばしいフレーバー

「味覇」ファンにはたまらない、攻めのある香ばしいフレーバー

水溶きタイプの粉だからか、衣に厚みがあってサクサク感が抜群。味の余韻が強く、肉自体にもしっかり染み込んでいて、冷めても「味覇」の存在感が残っていてこれもまたおいしい! かなり優秀なニューフェイスだと思います。「味覇」好きはぜひお試しを。

粉は赤みがかった色でしたが、刺激的な辛さはなく適度にスパイシーでいい感じ

粉は赤みがかった色でしたが、刺激的な辛さはなく適度にスパイシーでいい感じ


【5】峠の鶏小屋 北海道塩からあげの素

最後は少々特殊な商品。和食歴35年という職人が手がけた「峠の鶏小屋 北海道塩からあげの素」という下味調味料で、小麦粉は別途用意するタイプです。手間よりもとにかく味付けにこだわった商品で、水に調味料を溶かして混ぜ、カットした鶏肉を漬け込み、12時間〜翌日まで冷蔵保存するというなかなかの代物です。

40gで、鶏肉10枚分に使えます。今回は8gを2枚分に使用しました

40gで、鶏肉10枚分に使えます。今回は8gを2枚分に使用しました

内容はシンプルで、ヒマラヤとパキスタンの岩塩、オホーツクの塩、日高昆布粉末だけ。保存料を使用していない無添加調味料です。粒が大きめな岩塩のサラッとした風合い、昆布の心地いい香りも特徴

内容はシンプルで、ヒマラヤとパキスタンの岩塩、オホーツクの塩、日高昆布粉末だけ。保存料を使用していない無添加調味料です。粒が大きめな岩塩のサラッとした風合い、昆布の心地いい香りも特徴

今回のほかの商品と違い大手メーカーではないので、お店で見かけることは少ないかもしれません。ただ、通販サイトではかなりの存在感を示しており、人気も高そう。シリーズ商品として、小麦粉も入った手軽なタイプの「峠の鶏小屋 北海道塩からあげの素」という商品もあるのですが、こちらは人気があまりないのか、完成度がいまいちなのか、終売となるようです。

このような形で、8gの調味料を水250mlに溶かして肉を漬け、冷蔵庫で寝かせます。その後水をよく切り、小麦粉を付けてフライヤーへ

このような形で、8gの調味料を水250mlに溶かして肉を漬け、冷蔵庫で寝かせます。その後水をよく切り、小麦粉を付けてフライヤーへ

驚きだったのは、漬け込んだ液を切ったあとの肉のヌルヌル感。塩水に長時間寝かせた浸透圧の力か、天然素材のパワーなのか、はたまた単純に昆布のヌルヌルなのか。いずれにせよやわらかくなっていて、塩味もじっくり染み込んでいる印象です。

醤油やスパイスなどを使っていないからか、揚げ上がりの色みは最も淡泊。ザ・塩から揚げという感じです

醤油やスパイスなどを使っていないからか、揚げ上がりの色みは最も淡泊。ザ・塩から揚げという感じです

いざ実食してみると、これまた驚き。長時間漬け込んだからか、ベースの調味料のパワーなのか、味の濃さは意外にもパワフルです。あふれる肉汁まで塩が効いていて、これは絶品! また、昆布のうまみが下支えしているのでストレートにしょっぱいわけではなく、円熟のおいしさです。調理はかなり面倒ですが、から揚げ好きの人はぜひお試しを。

肉の食感はしっとりソフトな方向性ではなく、プリッとした豊かな弾力。冷めたあとはやや硬さを感じました

肉の食感はしっとりソフトな方向性ではなく、プリッとした豊かな弾力。冷めたあとはやや硬さを感じました


同じ肉でも、から揚げ粉の違いで驚くほど変わる!

総評として、今回は5品の比較でしたが、想像以上に同じような特徴のから揚げ粉はないことを実感しました。「ニップン 伝説のから揚げ粉 にんにく風味」と「味覇 から揚げ粉」はともに水溶き衣でパンチ系ですが、前者はニンニク強め、後者はニンニクだけでなく多彩なスパイシーさを感じる濃厚さでした。

また、冷めたあとに改めて食べ比べたところ、「日清 から揚げ粉」は粉自体が大粒のサラッとした風合い、なおかつ水に溶かさないタイプなので、ドライな薄い衣がサクサク感を維持しておいしさが持続していると感じました。

冷めてから食べ比べると、また違う発見が!

冷めてから食べ比べると、また違う発見が!

ただし鶏肉が硬めのムネ肉やササミの場合、このドライさがパサパサになってアダとなる気がします。ムネ肉のから揚げを冷めた状態で食べた場合は「お肉をやわらかくするから揚げ粉」に軍配が上がるかもしれません。

食べ比べた結果として、5品の中から個人的なNo.1をピックアップしたので、下記も参考にしていただけたらうれしいです。

・手軽さNo.1:日清 から揚げ粉
・肉のやわらかさNo.1:昭和産業 お肉をやわらかくするから揚げ粉
・意外なウマさNo.1:峠の鶏小屋 北海道塩からあげの素
・冷めてもウマいNo.1:日清 から揚げ粉

クリスマスをはじめとするパーティーで、市販の粉を使ったから揚げを作ろうとしている人はもちろん、すでにお好みのから揚げ粉があるという人も、ぜひ本稿を参考にトライしてみてください。

中山秀明

中山秀明

食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とWebメディアを中心に編集と撮影をともなう取材執筆を行うほか、TVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。

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