選び方・特集
スープとポタージュの違いとは?

コーンなに違う! みんな大好き「コーンスープ」のおいしさNo.1決定戦!

寒い日の体を温める一杯として、パンのお供として、間食用として、などさまざまな用途で親しまれているコーンスープ。特にこの季節は、朝食代わりにしている人も多いのでは? 商品バリエーションも幅広く、さまざまなメーカーから発売されていて、和のスープの王者が味噌汁だとしたら、洋のキングはコーンスープだと言えるでしょう。

そこで今回は、特にメジャーな商品を中心に、ウマいと評判のレストランの傑作なども集めて、フードアナリストの筆者が全10品を飲み(食べ)比べました。粘度、濃厚さ、手軽さなどの項目を設けてチェックするともに、味わいの解説をしていきます。

比較するのはこちらの10商品。粉からレトルトまで、タイプはさまざま。同ブランド内で粒の有無や量の違いで差別化されている商品がある場合は、粒がない(もしくは少ない)ほうをピックアップしました

比較するのはこちらの10商品。粉からレトルトまで、タイプはさまざま。同ブランド内で粒の有無や量の違いで差別化されている商品がある場合は、粒がない(もしくは少ない)ほうをピックアップしました

スープとポタージュの違いとは?

本題に入る前に、コーンスープの雑学をひとつ。この手のスープは「ポタージュ」と表記されている場合もあり、今回集めた商品も同様です。この違いについて触れておきましょう。

国や時代によって呼び方は異なりますが、広義としてはスープもポタージュも、「汁物料理」という意味では同じ。ただし料理文化が発展する中で、イギリスではとろみがある汁物をポタージュと呼ぶようになったそう。またフランスでは、郷土の伝統的な汁物はスープ、近代以降に進化した汁物をポタージュと呼ぶようになったと言われています。

日本でも上記同様、“とろみがある汁物=ポタージュ”として使われています。とはいえ明確な定義はないため、スープとポタージュの両方が存在するのです。なお「ポタージュスープ」という使い方は、「チゲ鍋」(チゲは韓国語で鍋のこと)のように、意味の重複だと言えるでしょう。

それではいよいよ飲み比べていきましょう!

【1】クノール カップスープ コーンクリーム

トップバッターは、世界的な乾燥スープブランドである「クノール」。日本では味の素食品がライセンス契約し、生産と販売をしています。その歴史は長く、日本においてカップスープといえば、まずクノールがあがるのではないでしょうか。そんな同ブランドを代表する商品がコーンクリームスープ。今回は「つぶたっぷりコーンクリーム」ではなく、クルトン入りの大定番「コーンクリーム」をチョイスしています。

エネルギーは1袋18.2gあたり79kcal

エネルギーは1袋18.2gあたり79kcal

特徴は、指定農場で栽培したスーパースイートコーンを100%使用しているところ。さらに素材のおいしさを生かすために甘さのピークで収穫し、24時間以内にパウダー化しているそうです。

お湯を入れる前はこのような感じ。熱湯150mlを入れて15秒ほどかき混ぜましょう

お湯を入れる前はこのような感じ。熱湯150mlを入れて15秒ほどかき混ぜましょう

コーンの粒がない分、クルトンのアクセントが際立ちます

コーンの粒がない分、クルトンのアクセントが際立ちます

味の感想は、まさにスタンダード。濃すぎず薄すぎずの絶妙なバランスで、粒がないため飲みやすさはピカイチ。香りがとてもいいですね。ドロッとしたテクスチャーやガツンとしたインパクトはないものの、だからこそ重くなくて、デイリースープに適した味わいだと言えます。


【2】ポッカサッポロ じっくりコトコト 濃厚コーンポタージュ

「クノール カップスープ」と双璧をなす人気スープブランドが、ポッカサッポロの「じっくりコトコト」。前者は世界ブランドなので、国民的といえばこちらでしょう。ちなみに、かつては「じっくりコトコト煮込んだスープ」という名称でした。そして同ブランドを代表するフレーバーも、やはりコーンスープ。「じっくりコトコト 濃厚コーンポタージュ」です。

1袋23gあたり99kcal。上部が丸みを帯びた、かわいらしいパッケージデザインが印象的です

1袋23gあたり99kcal。上部が丸みを帯びた、かわいらしいパッケージデザインが印象的です

特徴は、コーンの素材本来の甘さを引き出し、特製クリームで仕上げたクリーミーな口当たり。コーンの粒はあらびきにしたものが入っていて、これが食感のアクセントやリッチなテクスチャーを演出しています。

熱湯150mlを入れて10秒以上よくかき混ぜ、約1分で完成です

熱湯150mlを入れて10秒以上よくかき混ぜ、約1分で完成です

あらびきコーンのナチュラルな繊維感が絶妙

あらびきコーンのナチュラルな繊維感が絶妙

こちらも甘みや塩味のバランスがよく、オーソドックスな味わい設計です。「濃厚」をうたっているだけあってクノールよりもやや濃いめですが、重さはなくて飲みやすさも十分。これにはあらびきコーンの影響もあるでしょう。クノールでは少し物足りないという人が、じっくりコトコト派になるのかなと思います。


【3】あさくま コーンスープ

名古屋を中心に展開する、東海地方でメジャーな老舗ファミレスが「ステーキのあさくま」。現在は業務用中古什器(じゅうき)などを扱う「テンポス」グループで、一時期東京に「やっぱりあさくま」というステーキのファストダイニング業態も出店していました(沖縄発「やっぱりステーキ」の東京上陸より前の話です)。

そのあさくまで、高い支持を得ているサイドメニューがコーンスープ。このスープ目当てに訪れるファンがいるほど人気だそうで、その証拠がこのレトルトタイプの商品化だと言えるでしょう。

180gあたり121kcal。愛知県などではスーパーでも売っているとか。筆者はお取り寄せしました

180gあたり121kcal。愛知県などではスーパーでも売っているとか。筆者はお取り寄せしました

ラインアップには、粒コーンが300%入った「あさくま粒たっぷりコーンスープ」もありますが、今回は定番の「あさくまコーンスープ」をピックアップしています。刈り取って7時間以内の新鮮なスイートコーンをスチームすることで、糖分や栄養を逃さずスープにしているのが特徴。そんな伝統の味をベースに、のどごしを改良しているのもポイントとか。

レトルトタイプで、中の袋にはアレンジ法などが載っています。スープの見た目としては、粘度が高そうなルックスが印象的

レトルトタイプで、中の袋にはアレンジ法などが載っています。スープの見た目としては、粘度が高そうなルックスが印象的

粒は多くないものの、ぽってりとしたテクスチャーで、“食べるスープ”と言える満足度。ステーキに負けないインパクトを求めたら、このような力強さになったのでしょう。ラーメンでたとえるなら「天下一品」のこってり。味わいも重厚ながら、しょっぱすぎたり甘すぎたりといった類ではなく、リッチに振った方向性で嫌な感じはありません。

圧巻のとろみは、今回の中で随一。どっしりしていて、一流レストランのクオリティです

圧巻のとろみは、今回の中で随一。どっしりしていて、一流レストランのクオリティです


【4】アマノフーズ Theうまみ コーンスープ

フリーズドライ食品のリーディングカンパニー「アマノフーズ」。みそ汁を筆頭にさまざまなスープを商品化していて、コーンスープは「うまみ」に着目したシリーズの一品として展開しています。

15gあたり63kcal

15gあたり63kcal

味、香り、食感が損なわれにくいフリーズドライ製法を採用することで、素材のうまみを引き出しているのが特徴。軽く刻んだあらびきの粒とペーストの、Wコーン仕立てになっています。

熱湯160mlを入れて30秒ほどよくかき混ぜれば完成

熱湯160mlを入れて30秒ほどよくかき混ぜれば完成

スープ表面のルックスとしては、今回の中で最も粒が多めな印象です

スープ表面のルックスとしては、今回の中で最も粒が多めな印象です

コーン本来のうまみを凝縮させ、それをお湯で戻していることが確かに感じられる、ナチュラルでピュアな味わい。粒のアクセントを生かしながら、甘みや塩味などのバランスを整えた、飲みやすいおいしさです。粒入りコーンスープが好きな人には最適。


【5】キャンベル 濃縮缶スープ 日本語ラベル コーンポタージュ

前述の「クノール」はドイツ発祥ですが、アメリカのスープブランドといえば「キャンベル」。ポップアートの巨匠であるアンディー・ウォーホルが作品にしたことでも有名ですが、そんなキャンベルの代表商品がコーンスープです。スーパーで見かけたことはあるのではないでしょうか?

1缶305g入りの、2倍濃縮タイプ。100gあたり81kcalです。プルトップタイプで缶切りは不要

1缶305g入りの、2倍濃縮タイプ。100gあたり81kcalです。プルトップタイプで缶切りは不要

キャンベルのスープは、濃縮タイプの缶がレガシー。ほかのインスタントタイプよりも手間はかかるものの、これが譲れないおいしさのポイントです。完成すると600mlほどのスープとなるので、どちらかといえばファミリー向け。200mlずつで3人前、150mlずつで4人前となります。

缶の中には、コーンの粒とともにスープのベースとなるペーストが入っています。2倍濃縮タイプなので、中身を移した缶に同量の牛乳を入れて鍋にそそぎ、温めればOK

缶の中には、コーンの粒とともにスープのベースとなるペーストが入っています。2倍濃縮タイプなので、中身を移した缶に同量の牛乳を入れて鍋にそそぎ、温めればOK

完成。沸騰するギリギリまで温め、最後に泡立て器でペーストをすべて溶かすことがおいしく作るコツです

完成。沸騰するギリギリまで温め、最後に泡立て器でペーストをすべて溶かすことがおいしく作るコツです

手間がかかる分、おいしさは圧倒的です。必然的にフレッシュな牛乳を使うことになるので、特にクリーミーなテイストが豊か。味の濃淡は牛乳の量で調整できますが、レシピ通りでもどっしりとしたうまみと十分なテクスチャーがあります。

粒もしっかりめ。一度に数杯分作るならイチオシの商品だと言えます

粒もしっかりめ。一度に数杯分作るならイチオシの商品だと言えます


【6】スジャータめいらく コーンクリームポタージュ

コーンスープ界において、テトラパック(いわゆる牛乳パック)という不動の地位を築いているのが、スジャータめいらくグループの「コーンクリームポタージュ」です。ストレートタイプなのでそそぐだけという手軽さ、それでいて未開封なら常温保存できる(お店によっては冷蔵の棚に並んでいますが)という利便性も見逃せません。

100gあたり85kcal。写真の900gのほか、500gサイズもあります

100gあたり85kcal。写真の900gのほか、500gサイズもあります

姉妹品に「コーンクリームポタージュ 粒入り」もありますが、今回は粒なしタイプをチョイス。どちらも良質なスーパースイートコーンをていねいに裏ごしして、北海道産生クリームをプラスしているのが味わいの特徴です。

粒などが入っていないので、ルックスはきわめてシンプルです。温める場合はレンチンでOKですが、1分温めたあとに一度かき混ぜ、さらにプラス20秒温めるのがおいしく飲むコツです

粒などが入っていないので、ルックスはきわめてシンプルです。温める場合はレンチンでOKですが、1分温めたあとに一度かき混ぜ、さらにプラス20秒温めるのがおいしく飲むコツです

味はやさしくマイルドで、どこか落ち着く飲み心地。テクスチャーは比較的サラサラで、一度に使い切らないパックタイプならこれぐらいがよいと思います。生クリームが効いているからか、スープの色が若干白めでしょうか。味も、クリーミーを通り越してミルキーな甘やかさがあります。

サラッとしているのは、冷製スープにも対応しているからでしょう。冷たくして飲んだ味はシャープなうまみが前に出る印象で、このまま冷製パスタなどのスープに使えそうな汎用性もメリットです

サラッとしているのは、冷製スープにも対応しているからでしょう。冷たくして飲んだ味はシャープなうまみが前に出る印象で、このまま冷製パスタなどのスープに使えそうな汎用性もメリットです


【7】MCC 北海道産とうもろこしのスープ

家庭用と業務用の両チャネルで、缶詰、レトルト、冷凍食品を扱う食品メーカーが「エム・シーシー(MCC)食品」。家庭用ではレトルトカレーが有名ですが、プロ御用達の高い技術で作られたコーンスープにも定評があります。

160gあたり147kcal

160gあたり147kcal

特徴は、商品名にもあるように北海道産であること。北海道は日本最大のとうもろこし産地で、シェアもダントツでナンバーワンです。現地のとうもろこしの味わいを大切に、生乳にも、北海道産を使用した乳脂肪分の高い生クリームを加え、シンプルな材料でていねいに仕上げられています。

表面には浮いていませんが、コーンの粒も入っています

表面には浮いていませんが、コーンの粒も入っています

生クリームのミルキーさがありながらコーンの素材感も豊かで、手作りであるかのような仕上がり。シルキーなとろとろ感のあるまろやかなタッチで、味わいは全体的にリッチです。粒は食感がよく甘みも十分で、完成度の高さはさすがです。優等生なコーンスープという印象。


【8】カルディ スープスープ コーンスープ

お次はプライベートブランドでも評価が高い、カルディのコーンスープ。パッケージのデザインも名称もいたってシンプルで、カルディには遊び心あふれる商品も多い中、こちらは正統派と言えるでしょう。

160gあたり135kcal。パッケージのクルトンやパセリはトッピング例です

160gあたり135kcal。パッケージのクルトンやパセリはトッピング例です

特徴は、北海道産のとうもろこしを使用しているところ。素材の自然な甘みを感じられる、なめらかなコーンスープに仕上げられています。

スープは黄色みが強め。粒は適度に入っています

スープは黄色みが強め。粒は適度に入っています

ブライトな甘さが印象的で、粒の食感もしっかりめ。いっぽうでバターや生クリームのリッチな風味はそこまで強くなく、甘めのコーンを選んで素材の味を生かした方向性だと感じました。同じく北海道産に重きを置いた、「MCC」に近しい味。カルディのほうがやや甘みが強く、クリーム感はやや控えめという印象です。


【9】SSK シェフズリザーブ レンジでおいしい!ごちそうスープ コーンのポタージュ

静岡を拠点に、レトルト食品や缶詰などの製造販売をしているメーカーが清水食品で、SSKブランドで有名です。なおスポーツ用品メーカーのSSKとは関係がありません。高級ツナ缶で知られる「オーシャンプリンセス」のモンマルシェは子会社であるほか、前記キャンベルスープの国内総販売代理店でもあります。そんなSSKのコーンスープが、「シェフズリザーブ レンジでおいしい!ごちそうスープ コーンのポタージュ」です。

150gあたり105kcal

150gあたり105kcal

調理における最大の魅力は、袋をそのままレンチンできるところ。他社のレトルトも器に移してからレンチンすればいいのですが、袋が温まっているほうが油分が袋に残らず、そそぎやすいというメリットがあります。味わいとしては、甘みと風味の強い北海道産スイートコーンをたっぷり使用し、じっくりソテーした玉ネギのうまみを効かせたコク深さが特徴。

今回の中で、黄色みが最も濃いと感じました。マリーゴールド色素が使われているからかもしれません

今回の中で、黄色みが最も濃いと感じました。マリーゴールド色素が使われているからかもしれません

味わい自体は濃すぎないものの、コクととろみは強め。コーンの粒は多めかつ、食感もイキイキしていて満足度が高めです。スープの甘みは平均的ですが、粒の甘さはしっかりめ。なるべく手間をかけずに、飲みごたえのあるコーンスープを食べたい人向けの商品だと言えるでしょう。


【10】ハインツ 大人むけのスープ 粒コーンのクリームポタージュ

ラストは、ケチャップのパイオニアとして知られるアメリカ生まれの「ハインツ」。ケチャップのほかに洋食やパスタのソースなども手がけていて、レトルトのスープも販売しています。ここではその中の「大人むけのスープ 粒コーンのクリームポタージュ」をセレクトしました。

160gあたり117kcal。“大人むけ”ということで、確かにデザインからしてシックなイメージです

160gあたり117kcal。“大人むけ”ということで、確かにデザインからしてシックなイメージです

特徴は、甘みの強いスーパースイートコーン本来の風味と、生クリーム、発酵バターのまろやかなコクが味わえること。食感のよい粒コーンのアクセントもウリとなっています。

発酵バターの力か、どこかエレガントな香りがただよいます

発酵バターの力か、どこかエレガントな香りがただよいます

香りだけでなく、味わいもリッチなボディ感。粒が多めかつ甘みも豊かなので、大人だけではなく子供も普通に楽しめるおいしさです。テクスチャ―や濃厚さはそこまで強くなく、上品さも兼ね備えている印象。今回比べたほかのコーンスープに比べて高級感がズバ抜けているとまではいきませんが、ディナーでしっかり味わいたいときにも使える一品であることは間違いありません。


個人的なおいしさNo.1は「キャンベル 濃縮缶スープ」

全10種類のコーンスープを飲み比べた結果をもとに、味わいの分布表を作ってみました。ぜひ参考にしてみてください。



筆者の個人的なNo.1をあげるとしたら、「キャンベル 濃縮缶スープ 日本語ラベル コーンポタージュ」です。少し手間はかかるものの、そのおいしさには感心しました。

そのほか、特徴的だったのは下記の通り。
・粘度No.1:あさくま コーンスープ
・コスパNo.1:ポッカサッポロ じっくりコトコト 濃厚コーンポタージュ
・手軽さNo.1:スジャータめいらく コーンクリームポタージュ

ひとり暮らしかどうか、スープ単体で飲むのかパンなどに合わせるのか、といった用途の違いで商品選びは変わってくると思いますが、ライフスタイルの多様化とともにコーンスープのバリエーションも広がっていることを実感しました。いつも何となく同じものを選んでいるという方は、本稿を参考に、ぜひコーンスープの世界をより楽しんでみてください。

中山秀明

中山秀明

食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とWebメディアを中心に編集と撮影をともなう取材執筆を行うほか、TVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。

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