レビュー
「一蘭」カップ麺の人気は本物か? 比較して検証!

「一蘭」と「一風堂」のカップ麺はどちらがウマい!? 博多カップ麺の頂上決戦

“元祖フィジカルディスタンス”と呼ばれる「味集中カウンター」で、コロナ禍でも高い人気を誇るラーメンチェーン「一蘭」。そんな同店が、満を持して発売した商品が今、ネットを中心にバズりまくっていることをご存じでしょうか。その名は「一蘭 とんこつ」。2021年2月15日に発売されて以来、入手困難となっているカップ麺です。

「一蘭 とんこつ」。あえて具材を入れないという点も個性的ですが、さらにインパクト大なのはその価格。1個490円(税込)という強気の設定は、「それでもまた買いたい!」と思わせるという自信の表れでしょうか

「一蘭 とんこつ」。あえて具材を入れないという点も個性的ですが、さらにインパクト大なのはその価格。1個490円(税込)という強気の設定は、「それでもまた買いたい!」と思わせるという自信の表れでしょうか

毎度、「一蘭」のマーケティングの秀逸さには目を見張るものがありますが、やはり気になるのは味わい。すでに多くのメディアで実食レビュー記事が掲載されているので、筆者は比較要素を盛り込んでレポートしたいと思います。

今回用意したのは、「一蘭」最大のライバルと言える「一風堂」のカップ麺。そして、「一蘭」ブランドからすでに発売されているおみやげ向け商品「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」です。

こちらの3つを食べ比べて、実力をチェックします

こちらの3つを食べ比べて、実力をチェックします

「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」は、カップ麺ではなく鍋で作るタイプなので、「一蘭 とんこつ」も同条件で調理。それぞれの特徴や違いなどをじっくりと検証していきます。

「一蘭」と「一風堂」の価格差は190円!

まずは、カップ麺対決ということで、「一蘭 とんこつ」と「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」を比較します。

パッケージを並べてみると、カップのサイズは「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」のほうが少しだけ大きめ。なお、「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」は2021年2月にリニューアルされたばかりで、パッケージデザインの力強さが増した印象を受けます。

「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」は具材入りなので、全体的にリッチなイメージ

「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」は具材入りなので、全体的にリッチなイメージ

「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」のリニューアルで重要なのは、価格が税込278円から税込300円に値上げされたということ。「なんで? だったらリニューアルなんてしなくていいのに!」という声も多いと思うのですが、価格面で言うと、「一蘭 とんこつ」の490円は、この「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」に比べても、どうしても“法外”な高さを感じます。

スペックは、「一蘭 とんこつ」が128g(麺60g)で471kcal、「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」が127g(麺70g)で491kcal

スペックは、「一蘭 とんこつ」が128g(麺60g)で471kcal、「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」が127g(麺70g)で491kcal

メーカーは、「一蘭 とんこつ」がエースコックで、「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」が日清食品。また、「一蘭 とんこつ」は公式通販や各店舗のほか、コンビニや小売店で販売しているのに対し、「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」はセブン&アイグループが誇るPB(プレイベートブランド)の最上級ライン「セブンプレミアムゴールド」から発売されており、基本的には「セブン-イレブン」などのグループ店舗や公式通販でないと買えません。

パッケージを開封してみると、ここにも大きな違いがありました。どちらも麺は博多らしい細さですが、「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」のほうが「一蘭 とんこつ」よりも色味が明るく、麺も細め。また、乾麺のまとまりの形も異なり、「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」のほうが10g多いもののコンパクトで、その分高さがありました。

乾麺のアップ。なお、「博多らしい」と先述しましたが、厳密に言うと「一蘭」は現在の本社が福岡市博多区で、1号店は福岡市南区。ルーツとなる創業店舗の「一蘭」は、福岡県小郡市で産声を上げたそうです(その前身「双葉ラーメン」は福岡市早良区)

乾麺のアップ。なお、「博多らしい」と先述しましたが、厳密に言うと「一蘭」は現在の本社が福岡市博多区で、1号店は福岡市南区。ルーツとなる創業店舗の「一蘭」は、福岡県小郡市で産声を上げたそうです(その前身「双葉ラーメン」は福岡市早良区)

冒頭で述べたとおり、「一蘭 とんこつ」には具材なし。スープの構成は基本的にどちらも同じく、粉末と液体の2種類が同梱されています。ただ、「一蘭 とんこつ」はどちらも後入れタイプですが、「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」の粉末スープは先入れタイプです。

お湯の量はどちらも同じく440mlですが、調理時間は「一蘭 とんこつ」が4分。「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」が3分です

お湯の量はどちらも同じく440mlですが、調理時間は「一蘭 とんこつ」が4分。「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」が3分です

スープは好み次第! 麺は「一蘭」がリードか

調理時間が1分長い「一蘭 とんこつ」に先にお湯を入れ、残り3分の時点で「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」を調理開始。同じタイミングで完成させたところ、香りはともに豚骨のエグい臭さはなくて芳醇。味のほうはどうでしょうか。

かやくが付いている分、「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」は華やかなルックス。また、「辛みそ」と「黒香油」の2種類の調味タレが付いているのも「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」の特徴です

かやくが付いている分、「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」は華やかなルックス。また、「辛みそ」と「黒香油」の2種類の調味タレが付いているのも「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」の特徴です

麺の色は、「一蘭 とんこつ」のほうが暗めでしたが、スープの色も「一蘭 とんこつ」のほうが濃い印象。味は、「店と同じ!」とまでは言えないものの、マイルドかつクリーミーで、カップ麺でできるだけリアルに近づける、という信念からか、「一蘭」のDNAは十分に感じられました。特に、濃厚な豚骨ラーメン特有の「骨粉」のニュアンスが味わえる点には感動。「骨粉」はスープを最後まで飲み干すとより楽しめるので、じっくりと味わってほしいです。

麺の色は、「一蘭 とんこつ」のほうが暗めでしたが、スープも「一蘭 とんこつ」のほうが濃く感じます。「秘伝のたれ」は、香味油がブレンドされているのか、溶けやすい印象

麺の色は、「一蘭 とんこつ」のほうが暗めでしたが、スープも「一蘭 とんこつ」のほうが濃く感じます。「秘伝のたれ」は、香味油がブレンドされているのか、溶けやすい印象

いっぽう、「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」のスープは、とろみが強めで、豚骨のボリューム感も全体的に若干強い印象。混ぜていくと、「黒香油」の影響もあって、オイリーさも強く感じます。濃厚さで言えばこちらに軍配が上がりますが、好みで分かれるところでしょう。

かやくや調味ダレが多めなので、「一蘭 とんこつ」より飽きずに楽しめるのも「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」の魅力

かやくや調味ダレが多めなので、「一蘭 とんこつ」より飽きずに楽しめるのも「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」の魅力

スープは、両者一長一短でなかなか判断が難しいところですが、麺は「一蘭 とんこつ」が僅差で勝っている気がしました。比較的伸びにくく、パツッとした食感が秀逸。細麺らしく、スープとのからみも見事(細い麺のほうが、リフト時に束の本数が多くなるためスープをより持ち上げてくれます)で、心地よい一体感です。

「一蘭 とんこつ」は、具材がなくてシンプル。このストイックさが、よりスープと麺に向き合わせてくれる気がします

「一蘭 とんこつ」は、具材がなくてシンプル。このストイックさが、よりスープと麺に向き合わせてくれる気がします

いっぽうの「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」も加水率が低く、博多ラーメン特有の粉っぽさがしっかり表現されているのですが、持久力が弱いイメージ。これは麺の細さや加水率の低さが影響しているのかもしれません。いずれにせよ、どちらの麺も非常にハイクオリティですばらしい完成度です。

麺とスープに、ネギやきくらげのアクセントも演出される「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」。トータルの満足度で言えば、こちらが上だと思います

麺とスープに、ネギやきくらげのアクセントも演出される「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」。トータルの満足度で言えば、こちらが上だと思います

それぞれの麺をクローズアップ。湯で上がりの麺も「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」(写真右)のほうが明るい印象です

それぞれの麺をクローズアップ。湯で上がりの麺も「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」(写真右)のほうが明るい印象です

「一蘭」カップ麺を茹でて、袋麺「一蘭」と比較してみた!

次は、カップ麺の「一蘭 とんこつ」と、いわゆる袋麺タイプの「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」を比較。

後者は、以前から「おみやげ一蘭 公式通販」をはじめ、空港、パーキングエリア、百貨店などでも販売されているもので、特に「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」は数種類あるラインアップ(「ちぢれ麺」や「釜だれ豚骨」など)の中でも人気の商品です。

公式サイトでは、5食入りが税込2,000円、2食入りは税込900円

公式サイトでは、5食入りが税込2,000円、2食入りは税込900円

ストレートの乾麺、液体スープ、赤い秘伝の粉のセットで、こちらもかやくはなし

ストレートの乾麺、液体スープ、赤い秘伝の粉のセットで、こちらもかやくはなし

「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」が「一蘭 とんこつ」と大きく異なる点は3つ。スープが液体スープのみであることと、麺が完全ストレートであること、そして「秘伝のたれ」ではなく「赤い秘伝の粉」が付いていることです。

「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」は、麺が75gと「一蘭 とんこつ」より15g多め。トータルでは、129gで474kcalです

「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」は、麺が75gと「一蘭 とんこつ」より15g多め。トータルでは、129gで474kcalです

公平を期すため、調理はどちらも鍋で行いました。「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」の基本茹で時間は2分30秒ということで、「一蘭 とんこつ」を先に茹でて同タイミングで完成させました。

湯量は「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」が10g多く、450mlでした

湯量は「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」が10g多く、450mlでした

カップ麺を鍋で調理すると、より麺が生風になっておいしくなると個人的には思うのですが、その辺もじっくりチェックしてみました。

仕上げて並べてみると、麺や辛みトッピングの違いが想像以上に浮き彫りとなりました。

同じ「一蘭」の商品ですが、見た目の印象は結構異なります

同じ「一蘭」の商品ですが、見た目の印象は結構異なります

スープの味は、さすがに両者同じ方向を向いています。ただ、「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」のほうがライトで、コクや深みはおとなしめ。トップから余韻に至るまでの輪郭が弱く、チープと言っていいかもしれません。この差は、「一蘭 とんこつ」には粉と液体2つのスープが付いていることと、「秘伝のたれ」内の油分が関係していると思います。

やはり、カップのまま味わうより鍋で茹でたほうがおいしいと感じました

やはり、カップのまま味わうより鍋で茹でたほうがおいしいと感じました

カップ麺の「一蘭 とんこつ」で感じた「骨粉」にも違いがありました。

かすかですが、舌にザラッと残るあのニュアンスが「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」では感じられませんでした。いっぽう、乳化具合にはさほどの違いはなく、ともにほどよくクリーミーだと思います。

辛さはほぼ一緒ですが、スープへの影響は異なるかも。ただし、麺のパツパツ感は「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」も悪くありません

辛さはほぼ一緒ですが、スープへの影響は異なるかも。ただし、麺のパツパツ感は「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」も悪くありません

麺は「一蘭 とんこつ」のほうがツルッと。「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」はよりパキッとしていて、太さはほぼ一緒。また、前者のほうがゆるやかにちぢれているため、スープとのからみはいいと思いました。ただし「一蘭 とんこつ」のほうが早く伸びてしまいました。

茹で上げた麺を皿に移すと、乾麺の時より違いは感じられなくなりました

茹で上げた麺を皿に移すと、乾麺の時より違いは感じられなくなりました

「一蘭」同士の麺の比較は、優劣をつけられませんでした。個人的にもどっこいどっこいで、どことなく躍動感のある「一蘭 とんこつ」も好きですが、パツッとした王道の博多ラーメンを彷彿とさせる「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」も好きです。食感の違いで好みが分かれると思いました。なお、よりパキポキッとしたバリカタ食感を楽しみたい場合は、茹で時間を短くするといいでしょう。

【まとめ】「一蘭」は決して良コスパではないが試す価値はあり

3商品を試した結果、個人的な好みは、「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」、「一蘭 とんこつ」、「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート」の順です。カップ麺だけの比較で言えば、具材がなく量が若干少ない「一蘭 とんこつ」に、「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」よりも190円高いだけの魅力があるとは思えませんでした。

「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」は300円(税込)。コストパフォーマンスを合わせるなら、「一蘭 とんこつ」は490円の半額程度、250円くらいが妥当だと思います

「一風堂 赤丸新味 博多とんこつ」は300円(税込)。コストパフォーマンスを合わせるなら、「一蘭 とんこつ」は490円の半額程度、250円くらいが妥当だと思います

「一蘭 とんこつ」は、ベースとなるスープや麺にも原材料や開発費をかけていると思いますが、490円という強気な価格設定は、話題性を狙ってあえて高くしているような気もします。ただ、カップ麺としてのクオリティが高いのは間違いないですし、エースコックが製造に携わった過去のカップ麺の中でもトップレベルのものに仕上がっていると思いました。入手困難で希少という点がなかったとしても、試す価値は大いにあるでしょう。

中山秀明

中山秀明

食の分野に詳しいライター兼フードアナリスト。雑誌とWebメディアを中心に編集と撮影をともなう取材執筆を行うほか、TVや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活動中。

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