情報提供:ナッシュ
筆者は今から3年前の2月、価格.comマガジン誌上にて、冷凍宅配弁当の実食レビューを行った。
新型コロナウイルスの世界的流行の直前であったそのころは、今とは世の中が全然違っていて、会社にも普通に毎日出社していたし、筆者自身もジョギングやジム通いなど、そこそこダイエットを頑張っており、より効率的に痩せられる食事は何か、といった目線から冷凍宅配弁当のレビューを行った記憶がある。
それから3年、世界は本当に変化した。3年間のコロナ禍で、在宅ワークが増え、すっかり太ってしまったという人も多いのではないだろうか。かくいう筆者もそのひとり。コロナ禍で外出しにくくなったということに加えて、この期間に子どもが産まれたこともあり、ちょっとジョギングに行ってくる、なんてこともままならない状況が重なり、その結果として、体重はほぼダイエット前の水準まで戻ってしまった。
これはいかん。もっと食事に気を遣わなくては、と思っていた時、ハタと気がついた。「そうだ、世の中には冷凍宅配弁当という便利なものがあるではないか!」と。低カロリーな冷凍宅配弁当なら、カロリーコントロールも比較的簡単に行えるし、栄養バランスもしっかり考えられているので、健康面でも安心だ。もちろん毎食をこれに置き換えるというのは無理そうだが、前回のレビュー同様、1日3食のうち1食だけ冷凍宅配弁当に置き換えるだけでも、そこそこ効果があるのはすでに検証済み。そこで、コロナ後、すっかり変わってしまった自分の体重のために、ここに再び、冷凍宅配弁当のレビューを行うことにしたのである!
冷凍宅配弁当は、このようなパッケージで冷凍したまま届けられる。食べるときは、電子レンジで解凍すれば、熱々の美味しい料理の完成だ
さて、コロナ禍を挟んだ3年の間に、冷凍宅配弁当の市場はどうなっていたのだろうか。気になって少し調べてみたところ、冷凍宅配弁当サービスの市場全体はこの3年間で、かなり拡大しているらしい。業者によっては、この3年間で売り上げが数倍に伸びたというところもあり、コロナ禍が明けた今でも、この流れはそれほど変わっていないという。その理由としては、以下のようなものが考えられる。
@利便性の高さ
A健康志向の高まり
B価格がリーズナブル
@の利便性の高さについては言うまでもないが、インターネットで簡単に注文でき、冷凍なので、家の冷凍庫に入れておけば、買い物にもいかなくて済む。食べるときはレンジでチンの簡単さ。しかも、今やメニューもかなり多く、食べ飽きないばかりか、味も美味しい。そのため、リピート者が続出しているものと思われる。
Aの健康志向の高まりについては、コロナ前から継続しているものだが、コロナ禍を経て、より健康を意識する人が増えたように感じる。冷凍宅配弁当の多くは、栄養バランスに気を遣ってメニュー開発されているし、カロリーも抑えられているので、ダイエッターはもちろん、それ以外の健康に気を遣うすべての人に向いている。
B最後の価格がリーズナブルというのも、見逃せない要素だ。3年前の実食レビューでは、さまざまな冷凍宅配弁当のサービスを比較したが、安いものでは1食あたり500〜600円で済むものもあり、外食はもちろんのこと、コンビニのお弁当などと比べても、リーズナブルに抑えられていた。毎日のことだけに、コストもある程度安くなければ続かないが、これくらいの金額感であれば納得という利用者が多いということだろう。
こうした理由から、コロナ禍で冷凍宅配弁当を始めてみたという人が増え、コロナ禍がひとまず明けた今でも、その利便性や美味しさ、リーズナブルさなどから、継続している人が多いようだ。
さて、前回のレビューから3年経ったわけだが、この3年の間に冷凍宅配弁当の主要サービスも様変わりしている。冷凍宅配弁当を展開するサービスは数多いが、その中でも、普段の食生活における健康管理を主眼とし、料金も比較的リーズナブルで、全国どこでも利用できるサービスを4つピックアップした。参考にしていただきたい。
3年前から変わらず、不動の人気を誇る冷凍弁当宅配サービス。糖質30g以下、塩分2.5g以下など、健康に配慮して設けた独自の栄養価基準で全メニューを開発・調理。常時60種類以上のメニューを用意しており、毎週3品を入れ替えるなど、飽きの来ないメニュー開発にも定評がある。料金プランは、6食セット、8食セット、10食セットが用意され、それぞれの1食あたりの料金は、698円/食、623円/食、599円/食となる(配送料別)。
居酒屋「和民」で知られるワタミが展開中の宅食サービス。どちらかと言えば、高齢者層に強いサービスとして知られる。メニューは、3種のお総菜「いつでも三菜」と5種のお総菜「いつでも五菜」の2セットがあり、前者の場合「10品目以上で250kcal基準。食塩相当量2.0g以下」という基準でメニュー設計されている。料金は、定期購入の場合、「いつでも三菜」は500円/食、「いつでも五菜」は600円/食(配送料別)。
2021年にサービスを開始して以来、人気を拡大している宅配弁当サービス。女性をメインターゲットに、糖質25g以下、たんぱく質15g以上、カロリー350kcal以下という条件で、シェフ考案の低糖質メニューを展開。現在80種類ほどのメニューを用意し、バリエーションも豊富だ。料金プランは、7食コース、14食コース、21食コースが用意され、それぞれの1食あたりの料金は、896円/食、634円/食、578円/食となる(配送料別)。
冷凍食品でおなじみ、ニチレイが手がける宅配弁当サービス。健康な食生活を目指す「ヘルシー食品」、食事管理に最適な「健康管理食と健康サポートアイテム」、本格的な味の「こだわり素材と厳選グルメ」という3カテゴリーで、かなり多数のメニューを用意。カロリー、糖質、塩分を控えたい人のための「気くばり御前」では、70セットほどのメニューを揃えている。料金はセットによるが、1食800円前後から(配送料別)。
この中から筆者が選んだのは、トータルバランスにすぐれた「nosh(ナッシュ)」というサービス。前回のレビューでも経験済みだが、選べるメニューが多く、美味しさの面も保証済み。しかも、1食あたりの料金が安く、お試しの6食セットでも1食あたり698円という、さまざまな物価が高騰している昨今ではありがたい価格設定も大きな決め手となった。
なお、「nosh」では、9〜10月の2か月に限り、初回の注文が3,000円割引きになる(通常は2,000円)キャンペーンを行っている。気になった方は、ぜひこの機会にお試しいただきたい。
というわけで、「nosh」の実食レビューを開始することになった。まずは「nosh」のWebサイトに行き、弁当の注文から初めてみよう。
「nosh」の場合、一度に何食分届けるかによって、料金プランが変わってくる。最低注文量は6食で、6食、8食、10食の計3プランが用意されている。今回はその中から、6食プランを選択。毎日昼食に1食ずつ食べることにした。なお、配送の方法としては、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回の3通りから選ぶことができる。冷凍庫のスペースに限りがあるわが家では、1週間に1回という頻度が適当だった。
まずはプランをチョイス。6食、8食、10食のプランが用意されており、一度に注文する数が多いほど、1食あたりの料金も安くなる。一度に配送することも数週間に分けて配送することも可能だ
プランを選んだら、次は、いよいよメニューの選択だ。「nosh」の場合、料理の写真やカロリー数、栄養素の量などを見ながらじっくり選べる。原材料やアレルギー成分なども記されているので安心だ。今回は、和食、中華、洋食、カレーなど、世界各地の料理からバランスよく6種類をチョイスした。
写真と情報の記載された一覧表を見ながら、注文した数だけメニューを選んでいく。選択されたメニューは右側に登録されていく仕組みだ
この後、配送先の情報などを入力して、クレジット決済したら注文は完了だ。配送スケジュールなどはマイページから確認できる。配送の一時中止なども行えるので、状況に合わせて活用しよう。
注文から数日経つと、「nosh」からクール便で段ボールが送られてくる。この中に、冷凍されたお弁当が入っているので、そのまま冷凍庫へ移して冷凍保管しよう。食べるときは、湯気を逃がせるようにフタを少しだけはがして、電子レンジで決められた分数だけ温めればOK。実に簡単なので、忙しい朝や夕食の一品として活用するというのもアリだろう。
注文した冷凍宅配弁当はこのような段ボールで届けられる
届けられた6種類の冷凍宅配弁当。3年前のレビュー時と比べると、パッケージがシンプルになり、環境にも配慮されていることがわかる
353kcal(糖質21.4g/塩分2.5g/脂質21.0g/食物繊維5.1g)
やはり最初は王道のハンバーグから攻めてみることに。ご飯がないとはいえ、しっかりしたハンバーグにデミグラスソースまでかかって353kcalとは、なかなか驚きの数値である。
600Wのレンジで6分温めたら準備完了。フタをめくると、なんとも美味しそうなハンバーグが登場した! 箸を進めてみてこれまたびっくり! とても美味しい。以前にnoshの実食レビューをやったときよりもむしろ味が進化してないか? 実に本格的なハンバーグの味に十分満足! 付け合わせも、ポテトサラダ、アスパラベーコン、ズッキーニエッグと凝っていて、食べ応えあり。この日はさほどおなかが空いていなかったこともあり、昼食はこのメニューのみ。でも満足でした!
219kcal(糖質29.8g/塩分2.5g/脂質6.0g/食物繊維4.9g)
2日目にチョイスしたのは、ガパオライス。ご存じ、タイ料理で人気のメニューである。しかも何と脅威のローカロリー、219kcal! ガパオライスってことはご飯も入っているのにこの低カロリーはすごい。ロカボ生活って、食事の美味しさについては期待しちゃいけないって思っている人が多いと思うけれど、これだけの低カロリーでガパオライスが食べられるってだけでもうれしいと思う。
肝心のお味だが、さすがにご飯の量は少なめだが、その上に載せられた具材の味はしっかりしてるし、うれしいことに半熟の玉子が1個ドカーンと付いてくる。良質のタンパク質ですからね。しっかり美味しくいただけるのは何よりです。ていうか、冷凍弁当で半熟玉子ってそれもすごい。時代の進化を感じます。
ちなみにこの日は、やはりローカロリーのタイカレー風のスープはるさめと一緒にいただき、タイ料理を堪能しました!
332kcal(糖質13.4g/塩分2.4g/脂質21.2g/食物繊維1.9g)
3日目のチョイスは、お弁当の定番中の定番「鶏の唐揚げ」である。さすがに脂質はやや高めの21.2gだが、唐揚げとしてはかなり低い。それもそのはずで、できあがった唐揚げを見てみたら、衣が薄くて、ムダに油を吸っていない。鶏肉自体はしっかりしたモモ肉を使っていて、食べ応えもしっかりある。醤油の味も効いているので、ご飯もしっかり進む。あ、この日はさすがに、ご飯と味噌汁を追加しちゃいました。まあ、こういう日もあってもいいでしょ。それでも総カロリーはおそらく500kcalちょいなんだから。
付け合わせは、きんぴら、じゃこピーマン、なすのおろししょうが。どれも量は少ないものの、しっかり味付けもされていて美味しい。しかし、最近の冷凍食品の唐揚げって本当に美味しいですね。実によくできてる。
385kcal(糖質29.9g/塩分2.4g/脂質22.9g/食物繊維2.4g)
4日目のチョイスは、趣向を変えてカレーをチョイス。でも、カレーって、ダイエットにとっては大敵的なメニューじゃないですか。大丈夫なの?と思ってパッケージを見てみると、これまた驚きの385kcal! 一般的なカレーライスだと1000kcal近くいくものも多いだけに、これはすごい。
さらにフタを開けてみてさらにビックリ! なんとカレーライスの上には、揚げ物(鶏唐揚げ)が2個も乗っているではないですか! え、これで本当に385kcalなの? 本当に目を疑うレベルです。
肝心の味も、さすがCoCo壱番屋とのコラボメニューだけあって美味しくできている。バターの香りが濃厚に香ってきて、全体量は少ないけど、満足度高し! ダイエット食1週間やる中で、こういうチートデイ的なことができるメニューって本当にありがたい。付け合わせの、キャベツのえのきサラダ、エッグベーコン、ほうれん草のソテーも、いつもながらに美味しく、トータルで満足の一品でした。
※「本格四川麻婆豆腐」のレビュー内容は、2023年4月11日リニューアル前のものになります
300kcal(糖質16.3g/塩分2.4g/脂質19.6g/食物繊維3.7g)
5日目のチョイスは、今回唯一の中華料理「本格四川麻婆豆腐」である。中華料理と言えば、油がつきものだが、このメニューのカロリーはわずか300kcal。塩分も2.4gに抑えられているのは流石である。さすがにこれだけだとお腹が空きそうなので、ここはひとつご飯をお供にいただきました(それでも総カロリーは500kcal程度!)。
解凍して温めた麻婆豆腐は、ひと口食べてみてびっくり! 結構本格派な四川風の麻婆豆腐の味がするではないですか!(そういうメニュー名ですけどw) 麻婆豆腐って、やっぱり味を立たせないと美味しくならないから、それなりに油とか調味料とか使わないとダメだと思ってたけど、これはちゃんと辛いし美味しい。しかも、付け合わせに「ピリパリ唐辛子」なる、唐辛子とカシューナッツの炒め物みたいのまで入っていて、これまた本格的。カプサイシン効果もあってダイエットが進みそうです。この味なら、リピートしてもいいかもと思えるほどの本格派麻婆豆腐でした。
295kcal(糖質24.6g/塩分2.4g/脂質14.0g/食物繊維5.8g)
最終日、6日目は、和食メニューから「さっぱりおろしぽん酢カツ」をチョイスした。トンカツと言えば、高カロリーの代表選手のようなイメージがあるが、本メニューのカロリーはわずか295kcal。最近流行りのフェイクミートではなく、ちゃんとした豚ロース肉を使用している。
一体どんな味なのかと思ったが、肉としてはやや硬いかなという感じはありつつも、おろしポン酢が染みているうえに、スライスした柚子が載っていたりして、サッパリと食べやすく美味しい。また、おろしポン酢ソースは、トンカツにつきもののキャベツに小松菜などを加えて大根おろしであえた感じになっており、野菜もしっかり採れている感じもある。
付け合わせは、にんじんポテト、菜の花とコーンのごま和え、枝豆の青じそ和えと、量は少ないながらも、しっかり和食しており、ヘルシー感たっぷり。そのおかげで、食物繊維は今回のメニューで最大の5.8gも採れた。実にさっぱり美味しくいただけました。ごちそうさま。
というわけで、冷凍宅配弁当の大手「nosh」のサービスを利用して、6日間の実食レビューをお届けした。今回のレビューでは、在宅勤務が多い筆者の昼の食事を、1日1食分、「nosh」の冷凍宅配弁当に置き換えてみたわけだが、そのほかの食事はまったく何も変えず、運動量も特に増やしたりすることなく過ごしたのにも関わらず、レビュー終了時には、体重が約1kg落ちていた。もちろんこれくらいなら1日の体重変動の範囲という感じもするが、単純に考えて、1食分の食事のカロリーを500kcal程度に抑えるだけで、摂取カロリーは数300〜500kcalは下がるだろうから、多少体重が減るのも道理であろう。筆者の場合、血圧も気になるお年頃なので、全メニューの塩分が2.5g以下なのもありがたい。
しかも、今回試した「nosh」の場合、メニューが非常に考えられていて、どれを食べても、予想以上に美味しい。食べない、あるいは制限するというのではなく、むしろ楽しく美味しく食べつつも、自然なダイエットや減塩を目指せるのだから、精神的な負担もほとんどなかった。もちろん、忙しい日の手抜き夕食として使ったり、お酒の肴として使ったりなんてのもありだろう。ダイエッターはもちろん、健康に気を遣うすべての人に、これらの冷凍宅配弁当をぜひ試していただきたいと思う。
価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。