先日、とあるWEBサイトで「自宅で牛乳からバターを作った」という情報を目にした私。その瞬間、私の好奇心はビクンビクンと刺激されました。バターが牛乳からできていることは知っていましたが、市販の牛乳からは作れないと聞いていたので、牧場でしか体験できないのかと思っていたのです。しかし、「ノンホモ牛乳」なる牛乳であればバターが作れるそうな。ノン、ホモ…バター…いえ、何でもありません。ノンホモ牛乳からバターですね。了解です。さっそくノンホモ牛乳を取り寄せてみました!
「ノンホモ牛乳」とはなんなのか調べてみると、脂肪分の均質化加工(ホモジナイズ)をしていない牛乳とのこと。だから「ノンホモ」という名前なんですね。さらにこの牛乳は低温殺菌されているので、タンパク質やカルシウムなどの栄養素が壊れていないんだとか。この2つの特徴を持つ牛乳は「ノンホモ低温殺菌牛乳」や「ノンホモ・パスチャライズド牛乳」とも呼ばれます。
ただし大量生産しにくいため、市販されている牛乳のほとんどは脂肪分を均質化(ホモジナイズ)し、高温で短時間殺菌させている「ホモ牛乳」。高温殺菌は大量生産に向いているのですが、栄養素が熱変性を起こしてしまい、体に吸収されにくくなってしまうそうです。牛乳にもいろいろな種類があるんですね。
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78℃で20分間の殺菌処理 |
さぁ、さっそくノンホモ牛乳からバターを作ってみましょう。作り方はいたってシンプル。瓶に入れて20分ほどひたすらシェイクするだけ。
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瓶をシェイク! シェイク! とにかくシェイク! ひたすら振ります。
ちなみに、振るだけでバターができる仕組みはこうです。普通の牛乳は、コップに入れて置いておいてもずっと同じままですよね。何も沈殿しないし、何も浮いてきません。しかしノンホモ牛乳は均質化されていないので、コップに入れて置いておくと、上の方にクリームが浮いてくるんです。それをすくうと生クリーム。さらに、その生クリームに力を加えると、バターが取り出せるというわけです。
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とにかくシェイクです! |
5分経過したところで瓶の様子を見てみたところ、とても細かいつぶつぶが瓶についていました! コレがバターの素では!
さらに瓶をシェイク。体の前でシェイク。右手でシェイク。左手でシェイク。スタートから15分ほど経った瓶の様子がこちら。
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おや! 泡立つ牛乳のなかで、少し塊ができてきている!! |
先程の細かい粒がくっつき始めています。ここでラストスパートです。最後の力を振り絞って、さらにシェイク! ようやく目標の20分経過。バターよ、早くオレに姿を見せてくれ。網で牛乳を濾してみると、現れました! バター!!! ノンホモ牛乳からできたバターがこちら。
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柔らかくなった状態のバターそのもの! |
少なくてもいい。柔らかくてもいい。不格好でもいい。バターはバター。いったん冷蔵庫で冷やして、疲れが取れたところでイングリッシュマフィンに乗せていただいてみました。
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200ccの牛乳からスプーン1杯ほどのバターができます |
自分で作り出したバター。格別です。
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なんとカワイイ量のバターなのでしょう |
残った牛乳は、いわゆる低脂肪乳なんでしょうね。脂肪分を取り除いた牛乳ですしね。
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自家製低脂肪乳もできあがり! |
市販のホモ牛乳と、ノンホモ牛乳と、今回できた低脂肪乳と思われる牛乳を飲み比べてみました。見た目はあまり変わらず。味は確かにあっさりしていたような気がします。一度に全部飲み干してしまったので、脂肪分が多いとか、少ないとか、もはや関係ない。そしてどれもおいしかった。というのが正直な感想です。
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左から市販の牛乳、ノンホモ牛乳、自家製低脂肪乳 |
シェイクも何もしていないノンホモ牛乳もいただいてみましたが、最初の一口目は特にクリーミーに感じました。これは牛乳が均質化されていないので、脂肪球が浮いてくるから濃厚に感じたのかもしれません。牧場で搾りたてをいただいた時のような風味を楽しめました。
ちなみに、市販の牛乳をシェイクしてもバターは本当に作れないのか、試してみました。こちらも20分間、シェイクし続けます。
結果。
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何も網には引っかからず… |
やはりバターは作れず。「同じ牛乳だからシェイクすれば実はバター作れるんじゃね?」という淡い期待、見事に打ち砕かれたのでした。もっと振れば少しはできるのでしょうか?
ちなみに、賞味期限は普通の牛乳と変わらないくらいでした。牛乳そのものの濃厚な味わいを楽しめるノンホモ牛乳、ぜひ一度飲んでみてください!
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ムスコも、おいしくノンホモ牛乳飲んでます! |
おいしい食べ物、楽しく食事ができそうなものに興味あり。気になったら、値段や大きさ、ニオイは二の次。とりあえず調査。ときには体を張ったレポートも厭わない、アラフォー2児の父。